インカレトーナメントへの道閉ざされる 予選リーグ初戦で大阪産業大に惜敗

男子バスケットボール

 ついに全日本大学選手権(インカレ)が開幕した。早大は関東大学リーグ戦の結果をもって予選リーグからの参戦となる。初戦の相手は大阪産業大。予選リーグでは大阪産業大、松山大の3校から1位のみがインカレトーナメントに進出できる。現時点で、大阪産業大と松山大の試合結果から大阪産業大は2勝に大手がかかっており、ここで白星を譲ると、早大はインカレトーナメントに出場できずに大会を去ることになる。そんなプレッシャーの中で迎えた今試合、序盤から相手のスリーポイントに苦しめられ、思うようなプレーができない。連続得点から点差を詰めたり逆転したりする場面もあったものの、再び点差を広げられ、74−82で試合終了。明日の松山大戦を残して、予選リーグでのインカレ敗退が決定した。

 開始直後は両チームなかなかシュートが決まらないが、G土家大輝(スポ40=福岡大大濠)が冷静にシュートを沈めて先制。しかし、その後スリーポイントや速攻を決められ、6-13と点差をつけられる。早大もG堀陽稀(スポ1=京都・東山)の速攻や、ファウルからのフリースローで得点を奪うが、第1クオーター(Q)のみで5本のスリーポイントを沈める大阪産業大相手に点差が縮まらない。「ディフェンスの強度は上がった」(G岩屋頼、スポ1=京都・洛南)という第2Qは早大ペースで試合が進む。F星川堅信(スポ3=京都・洛南)や岩屋が合わせのプレーや速攻を沈めて5点差に。途中出場のF兪龍海(スポ3=神奈川・桐光学園)も活躍を見せ、前半終了間際に堀の速攻をアシストすると、これがバスケットカウントとなった。第2Qを終えて34−38として、いい流れで後半に臨む。

シュートを狙う土家

 そして後半に入り、土家がフリースローを2本沈めると同点に追いついた。続けてスリーポイントも決め切り、逆転を果たす。岩屋が相手のゾーンプレスをドリブルで突破すると、早大ベンチは総立ちに。このまま逃げ切りたいが、そう簡単にはいかないのがインカレの舞台。早大の勢いを断つには十分な3連続スリーポイントが突き刺さり、再び苦しい展開となる。しかし、第3Q残り3分、岩屋のスティールから兪がダンクシュートを決めると、星川のスリーポイント、兪の2度目のダンクシュートと、会場を沸かせるプレーが続き、第3Qを終えて56-57。1点差まで詰め寄り、勝負の行方は最後の10分間に持ち越された。しかし第4Q、勢い止まらぬ大阪産業大のスリーポイントで一気に10点差まで広がった。土家のスリーポイントに続き、兪のスリーポイント、バスケットカウントで大阪産業大の背中を追う。残り50秒には、土家が意地のドライブを決め、4点差。時間は残りわずかだが、コート内の全員が最後まで諦めず、懸命なディフェンスを見せる。しかし無慈悲にも、放たれたシュートはリングを通らない。74-82で敗北し、インカレトーナメントへの道は閉ざされた。

ドライブする星川

 今季のチームは1部・2部入れ替え戦を経験するなど厳しい時期が続いた。それでも、ついにつかんだインカレの出場権。そして迎えたインカレの初陣。しかし土家は「個人としてもチームとしても不完全燃焼。自分たちがやってきたことを出し切れなかった点において悔しい気持ちでいっぱい」と言葉を残した。泣いても笑っても次戦の松山大戦で4年生は引退となる。最後に早稲田のバスケットを見せられるか。

(記事 宮島真白、写真 落合俊)

第74回全日本大学選手権 12月5日(vs大阪産業大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

13 21 22 18 74
大阪産業大 24 14 19 25 82

◇早大スターティングメンバー◇
G#5 堀陽稀(スポ1=京都・東山)

G#12 土家大輝(スポ4=福岡大大濠)

F#13 星川堅信(スポ3=京都・洛南)

G#18 岩屋頼(スポ1=京都・洛南)

F#77 石坂悠月(スポ2=東京・国学院久我山)

コメント

土家大輝(スポ4=福岡大大濠)

――試合を終えて

個人としてもチームとしても不完全燃焼。自分たちがやってきたことを出し切れなかった点において悔しい気持ちでいっぱいです。

――コート上では唯一の4年生でしたが、その点については

今シーズンずっとそのかたちでやってきたので、そこに対しては何もないです。けれど、そこで自分が引っ張り切れなかったというところは、同期たちにも申し訳ないですし、勝たせられなかったのは僕の責任だと思います。

――次戦はどのような試合にしていきたいでしょうか

明日の試合を消化試合にするのは簡単です。それでも、今シーズンは終わってしまいますが、来年以降も早稲田のバスケは引き継いでいかないといけません。その部分で、自分たちがやってきたことをしっかりとコートで出して、自分たちのプレーで勝ちたいです。幸いなことに来年以降も1部で戦えるので、そこでリベンジしてほしいと思います。

岩屋頼(スポ1=京都・洛南)

――試合を終えて

悔しいです。星川さんと僕がほとんどフル出場だったんですが、星川さんも途中でケガしてしまって、僕だけ40分出ました。信頼して使ってもらったので、それに沿った活躍ができなくて本当に申し訳ないなという感じです。

――初めてのインカレの舞台でしたが、どのように感じていましたか

緊張とかはなくいつも通りやっていたのですが、インカレということもあって、相手も気合が違うのは感じました。勢いでやられた感じがします。

――事前に想定していたことはありますか

大産(大阪産業大)は留学生もいてスリーポイントも入るという中も外も強いチームだったので、リバウンドとノースリーというのは話していました。

――その点は実際いかがでしたか

ほとんどスリーポイントやられたり、リバウンドやられたり、相手の強みのところでやられてしまったのが敗因だと思います。

――第2Q、第3Qは流れがいい時間帯もありました。第1Qの後、話したことはありますか

ベンチからもやられてはいけないところを注意してくれたり、ケアするように言ってくれたりしたので、意識しようと話していました。第2Qでディフェンスの強度は上がったのかなと思います。

――4年生がいない時間帯はどういう思いでしたか

来年もそういうメンバーで出るとは思っています。4年生が出ていない時間に、どうやってつなぐかはすごく考えていました。

――次戦はどのような試合にしていきたいでしょうか

今日で終わりじゃないというのは話していて。明日の試合によって来年つながることもあると思うので、内容の濃い、一番良い試合をしたいと思います。