第4回に登場するのは、2年生の石坂悠月(スポ2=東京・国学院久我山)、飯島慶記(人2=茨城・下妻一)、小野功稀(社2=新潟・開志国際)の3人。2022シーズンや全日本大学選手権(インカレ)への思いを語ってもらった。
※この取材は11月29日に行われたものです。
お互いの紹介
石坂
ーー恒例の他己紹介をお願いします
小野 飯島慶記君(人2=茨城・下妻一)です。慶記は甘いマスクをしてるんですけど、実は結構なやり手っていう。部内では有名で(笑)。プレーでは、早稲田の中では一番速いスピードで、中にどんどん切り抜いて得点してるシーンが今年は結構目立っています。それがチームの勢いにもなってるんじゃないかなって思ってます。
飯島 石坂悠月君(スポ2=東京・国学院久我山)です。悠月も猫被ってるんだろうなというふうな(笑)。バスケのプレーに関しては練習外の態度と全然違って、中でガツガツやるし、留学生相手にも今年はずっと健闘してますし、最近はブロックの数も増えてディフェンスでの存在感がすごい出てるなと思います。
石坂 練習は大好きです、本当に。練習はオフの日でもやりたいくらい(笑)。
石坂 小野功稀君(社2=新潟・開志国際)は、たぶん何も知らない人から見ると大人しいというか、静かな感じなのかなと思うんですけど、実際練習とかプライベートとか試合になるとふざけてることが多いのかなというイメージで、シュート打つ時も笑ってたり(笑)。いい意味でも悪い意味でも緊張感がなくて・・・おちゃらけてるのかなというふうには思います。でもやっぱりプレー面ではしっかりシュートを決め切ったりして、最近はドライブからアタックも目立っていてすごいなと思います。
小野 笑っちゃいます。無意識です!
ーー小野選手はいろいろな人からコート内では静かだけどプライベートだとたくさん喋ると聞きます
石坂 普通逆やろ(笑)。
小野 早稲田のバスケ部は面白い人がいないので、僕がなってやろうかなって感じです。
一同 (笑)
石坂 どこ強気なん。
ーー2年生はどのような代でしょうか
飯島 掃除をやらない代ですね。
石坂 個は強い! いい意味でね。
ーー掃除というのは
石坂 週に1回部室掃除があるんですけど、そこで率先してやってるのは慶記と慶悟(大柳慶悟、教2=東京・早実)と僕くらいで・・・
小野 おい!
飯島 悠月のイメージは「ゴミ捨て行くねー」って言ってどっか行くイメージ(笑)。
石坂 ゴミ捨てが一番大事ですからね? ゴミ捨て行かないと無くならないじゃないですか。僕が一番大事なところはやり切ってます。
ーー個が強いというのはどこで感じますか
飯島 難しいな。プレー面で言うとみんなちゃんと強みをもってるというのがそういうところかなと。他ある?(笑)
ーー2年生のプライベートはどのような感じですか
小野 最近は部内でも結構ポケモンとか流行っていて。
石坂 流行ってはないですね。
飯島 2年生は結構やってる人が・・・あれ、誰だ? 俺と陸眞(G福永陸眞、教2=東京・早実)と功稀か。3人だけか。
小野 そんなにでした(笑)。
飯島 その3人だけでもめちゃくちゃ盛り上がってますね。
小野 そうですね。ポケモン楽しい!
ーー今年は1年生が入ってきましたが、意識として変わったことはありますか
飯島 やっぱり頼(岩屋頼、スポ1=京都・洛南)とか陽稀(堀陽稀、スポ1=京都・東山)とか、京都組が結構ガードが多くて。そこでガード的に意識する部分はあったんですけど、試合やっていく中であの4人(岩屋、堀、高田和幸(商1=京都・洛南)、 堀田尚秀(スポ1=京都・東山))はキーマンになってくることが多いし、それでも僕がやらなきゃいけない部分もあると思うので、そこは意識しちゃう部分もあるけどチームのためにやらなきゃいけないなと思いながらやってることが最近は多いですね。
石坂 僕はそんなにポジションが被ってるとかもないので、結構頼りっぱなしになってる・・・頼ってる部分も多いです。
小野 僕もそんなに変わったことはないですね。今のところは去年と変わらずやってます。
ーー1年生との交流はありますか
石坂 僕は京都組は全員寮が一緒なので、結構プライベートでも関わったりすることが多いのかなって感じです。
小野 僕はたまにご飯に行くくらいですね。そんなに遊びに行ったりとかはないです。
飯島 僕は基本的にあんまりバスケ部とは関わってないですね、プライベートでは(笑)。最近は本当に家にこもってることが多いので、1年生ともバスケ部ともあんまり関わってないですね。
ーーオフの日は何をされていますか
飯島 最近はポケモンをずっとやってます。
ーー石坂選手と小野選手はスプラトゥーンをやっているとお伺いしました
石坂 やってます。
小野 そんなにやってないですけどね、僕は。
飯島 いやいや、結構やってるって聞くけどな(笑)。
石坂 めちゃくちゃやってます。
小野 そんな。目悪くなるんで、制限してます(笑)。
ーー今年は昨年と比べてどのようなチームでしょうか
小野 僕が思うのは、良くも悪くも浮き沈みが激しいチーム。いいときは本当に良くて離したり追いついたりするんですけど、沈み方がすごい悪いかなと思っていて。そこを我慢できればもっと強くなれるんじゃないかなと思います。
石坂 僕は去年よりディフェンスの部分で考えることが多くなったということです。ディフェンスのシステムが去年は初めてやる感じだったので、1年やってきてもっと詳しい部分まで、細かいところまで分かるようになってきてなおさら難しくなったというのが一つあります。ディフェンスのところでは去年よりは意識する部分が多くなったかなと思います。
飯島 僕は2人と被ってる部分もあるんですけど、ディフェンスと走る部分と粘る部分です。粘るところは功稀が言っていた沈んでる時間帯だったりとか、ディフェンスに関しては悠月が言っていたところで。あとは、今シーズンは結構速攻で、トランジションで点取ろうみたいな感じで頑張って走ってるので、ディフェンスできてる時間はよく走れてますし、あとは粘って勝つだけなのかな、そういうチームなのかなと僕は思ってます。
ーー石坂選手は、昨年から宮本一樹選手(令4スポ卒=現ファイティングイーグルス名古屋)が引退したり、リーグ戦途中は兪龍海選手(スポ3=神奈川・桐光学園)が出ていない期間もありましたが、インサイドでの変化はありますか
石坂 そこは泣きそうでした、正直(笑)。今年になって宮本一樹くんのありがたさがなおさら分かったというか。やっぱりいなくなってしんどい部分が大きくて。特にリーグ戦前半、ビッグマンとして出ていたのが僕とかしかいなかったので。でも、いい意味で言えば勉強になった部分が大きかったのでポジティブに捉えて頑張ります。
ーーリーグ戦前半は負けが続きましたが、何を考えていましたか
飯島 僕的には、頼(岩屋頼)が1試合目でけがをしてしまって、メンバーが結構変わってしまったので、そこでアジャストしていくのがちょっと厳しかったのかなと思うので、そこで合わせていってたって感じですかね。メンバーが違う中で。
石坂 僕は特に、前半も後半も変わらずきつかったです。
石坂 後半はちょっとビッグマン交代で龍海さんとか出るようになったので多少は楽にはなったんですけど、あんまりキツさは変わらないっていうか。とにかく体を張ることが大事だったので。でも精神的には意外と4年生の人たちが声出してまとめてくれたのでそんなに思い詰めることもなく後半にいけたかなと思います。
小野 勝てない時期は4年生が中心となって引っ張ってくれて、それが今の残留という結果だと思うし、そこは4年生の力だなと感じました。
ーー4年生にはどのような声かけをされましたか
石坂 僕だったら例えばあんまり良くないプレーをしちゃったときとかに、剛さん(ホセイン剛、教4=東京・早実)やクレイさん(宮川丈クレイトン、商4=愛知・千種)が積極的に声かけてくれたりしてたのであまり落ち込むこともなくて、そこはすごく助かったなと思います。
小野 チーム全体的にはチームルールの徹底というのをずっと口酸っぱく言ってくれてて、できないときでもずっと徹底して言ってくれたおかげで迷いもなくなったと思うし、個人的には剛さんとクレイさんが外の方で結構声かけてくれて、きついときも救いになったかなと思います。
飯島 僕は大輝さん(土家大輝、スポ4=福岡大大濠)が結構コミュニケーションを取ってくれていたのが印象に残ってますね。個人的にはまささん(神田誠仁主将、社4=静岡・浜松開誠館)がプレーのことで相談に乗ってくれたりいろいろアドバイスしてくれたり、そういうところが4年生すごいなというふうに思いましたね。
ーー今年に入って成長したところはありますか
石坂 成長・・・そうですね。成長してない?
ーーお二人から見てどうですか
飯島 去年より留学生に対して体負けしてないなという部分はあると思います。
石坂 いい意味で、去年より気楽にプレーできてるところはあります。やっぱりまだ1年生で、あまり思い切ってやることもなかったので。去年より気楽にできているかな。
飯島 功稀は去年に比べてすごいドライブがうまくなったなというイメージがあります。練習ゲームでも試合でも、ドライブいってファウルもらったりバスカンしてることが結構増えて、そこはすごいんですよね、やっぱり。フィニッシュのところがすごいうまくて、そこは去年あまり見えていなかったので、今年初めて見れたところだなと思います。
小野 ありがとうございます(笑)。今年はチーム全体でアタックしようということを言われていたのでちょっとやってみようかなと、やってみました。
石坂 去年はドライブしてフィニッシュするときに静かだったんですよ、なんか「痛え」みたいな感じだったんですけど。今年入ってからフィニッシュするときに「いたーい!」みたいな(笑)。
ーー無意識に出ちゃうのですか
小野 自然ですね(笑)。
ーー飯島選手はいかがでしょうか
小野 慶記は今年から1ポジをやり始めて、どんどんゲームメイクもうまくなってますし、さっきも言ったんですけど早稲田の中ではスピードが持ち味なので、そこは他の人とは違ったゲームプランができて、緩急のつけ方というのがすごくいいかなと思います。
飯島 ありがとうございます。結構「縦のドライブ、縦のドライブ」とコーチ陣から言われているので、そこを生かして、スピードも生かして、やっていこうと。去年あんまり出てないんですけど、最初の頃は何したらいいのか分からなくて結構苦戦していました。「縦のドライブをしたらいいんじゃない?」ということを言われてそれを意識的にやっていましたね。
ーー誰に言われたのですか
飯島 森さん(森一史アシスタントコーチ、令4スポ卒)とか井ノ山とかさん(井ノ山琉人学生コーチ、スポ3=東京・豊多摩)に。
――チームにおいて、ご自身の武器や今後伸ばしていきたい部分は何でしょうか
飯島 武器は、スピードを生かした縦のドライブです。今後はプレーメイクの部分ももっと伸ばさないといけないなと思っています。高校の頃も1ポジでしたが、それほどレベルが高くなかったので、ゲームメイクについてはあまり考えていませんでした。早稲田はそういうところもしっかり考えないといけなくて、今はやっとスタートラインに立てたくらいで。もっと上手くなるように頑張りたいです。
小野 僕はやっぱりシュートを決め続けないといけないと思います。任されているシーンもあるので、そこはもっと自信を持って(シュートを)打っていきたいです。また、ドライブをもっと成長させたいと思っていて、(ドライブで)抜けるようにはなったのですが、その後のシュートセレクションやヘルプが来たときのパスが雑なときがあったりして、まだ伸びしろがあるのではと思っています。
石坂 僕はディフェンスです。留学生に対しての守り方もそうですし、スイッチアップしてガードにつくことが特に入れ替え戦で多くなって、スピードのミスマッチがあるところでも頑張ってついていくことができるようになったかなと思っています。これからは、リバウンドにもっと、留学生がいても絡めたらと思っています。
リーグ戦の振り返り
飯島
――ここからはリーグ戦を振り返っていただきます。一番印象に残っている試合は何でしょうか
石坂 1巡目の国士舘大戦かな。前半は点差を離して終えられたのですが、後半に急に追いつかれて、そのまま競り合いになって、負けてしまって。結構衝撃的でした。相手のペースに飲まれたこと、相手の攻め方に対応できなかったことが大きくて、自分自身リバウンドを取らないといけないところを取られてしまって、反省点が一番多かった試合でした。
飯島 僕は入れ替え戦の2戦目ですね。絶対に負けられない試合だったし、20点くらい離したけれど最後追いつかれて危ない場面になって、まささん(神田誠仁主将)が久しぶりに(コートに)出てチームに勢いを取り戻していたのが印象的でした。キャプテンとしての存在感が印象に残っています。
小野 僕は2巡目の専大戦です。負けはしたのですが、個人的に一番チームで戦っている感じがしました。ディフェンスでもベンチから声を掛けてくれて、1つ1つのシュートや些細(ささい)なプレーでも盛り上がったので、良い内容で負けたのではないかなと思っています。
――今年のリーグ戦は、入れ替え戦を含めて29試合戦いました。昨年より試合数が大きく増えましたが、その点はいかがでしたか
石坂 精神的には結構きつくて。僕はプレータイムを長くもらえていたのですが、その分疲れも溜まっていることが多かったので、昨年と比べて体のケアへの意識が高くなりました。
飯島 僕は、昨年は一度もベンチに入っていないのですが、2~3か月で26試合やることが人生で初めてで、長かったですね(笑)。中盤はプレータイムがまばらで、体のケアや試合に対するモチベーションの高め方に苦労しました。やる気出して行ったらあまり出されなかったり、「今日は出ないかな」と思ったら結構出されたりして、メンタルを保つのが大変でしたね。
小野 僕も出ていない試合の方が多かったので、モチベーションを高めるのが難しかったです。(不満を)溜め込んでいるときは剛さん(ホセイン剛)やクレイさん(宮川丈クレイトン)が声を掛けてくれて、少し和らいだなと思います。
インカレに向けて
小野
――他大で意識している選手はいますか
小野 大阪産大に同じ開志国際高出身の選手が3人いるのですが、大学で試合をするのは初めてで、同じコートに立ちたいなという思いがあります。その次の拓大にも開志国際高出身のジョフ・ユセフがいて、楽しみです。
飯島 僕は白鴎大の根本大や陳岡流羽、拓大の鈴木治輝など茨城県出身のメンバーですね。小学校の頃から知っているメンバーですし、注目しています。
石坂 僕はいないです。どの選手も上手くてかっこいいなと思っています(笑)
――部内で注目している選手はいますか
小野 僕は龍海さん(兪龍海)がキーマンだと思っています。龍海さんはやればできるのですが、我慢しなければいけない部分をやらなくてモチベーションが下がっている面があると思います。龍海さんがやりたいプレーをやりつつ、我慢しなければいけないプレーもやれたら、チームとしても個人としても満足できる内容になると思いますし、それが勝ちにつながるのではと思っています。
飯島 僕は頼(岩屋頼)ですかね。1年生で1番(ポジション)を任されて重圧があると思うのですが、20試合くらい、40分近く出ていて、頑張ってほしいなと思っています。
石坂 僕は大輝さん(土家大輝)かな。最後の年であることはもちろん、昨年から一緒にコートに出ていて、頻繁に自分のところに来てハイタッチをしてくれたり褒めてくれたりして。練習外でも声を掛けてくれることが多くて。一緒にプレーはしますが、応援するという気持ちが強いのは大輝さんですね。
――4年生に対する思いは
飯島 悔いなく終わってほしいですし、後輩が僕たちで良かったなと思われるようにやっていきたいですね。
小野 僕は4年生全員がコートに立ってほしいと思っています。クレイさんとまささんと大輝さんはリーグ戦に出られていたのですが、剛さんがまだ出られていないと思うので、もし自分が出られたら1点でも差を広げて、剛さんを出しやすい雰囲気にしてあげたいと思います。
石坂 自動降格はギリギリ抜け出して、入れ替え戦という4年生には非常にプレッシャーのかかる試合も乗り越えて迎えるインカレなので、早稲田のためという思いがもちろんあると思うのですが、あまり気にせずに4人全員が楽しんでほしいと思います。
――最後に、インカレへの意気込みをお願いします
石坂 観ている人が応援したくなるようなプレー、リバウンドやルーズボール、ディフェンスを頑張ります。
小野 僕もルーズボールやリバウンド、ディフェンスを中心に、愛し愛されるチームを目指して頑張ります。
飯島 観に来た人が「これが早稲田なんだな」と思うようなプレーをしたいです。早稲田らしくやっていきたいと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 落合俊 宮島真白 大滝佐和)
◆石坂悠月(いしざか・ゆづき)
2003年3月22日生まれ。193センチ。90キロ。東京・国学院久我山高出身。スポーツ科学部2年。色紙『愛』「愛し愛されるチームになるため」
◆飯島慶記(いいじま・よしき)
2002年6月9日生まれ。181センチ。76キロ。茨城・下妻一高出身。人間科学部2年。色紙『粘』「早稲田は粘って勝つことが多いことと、今シーズンは粘り強く頑張ることが多かったことが理由です。我慢と迷いましたが、粘の方が自分に合ってると感じました。『粘』は、早稲田らしい!」
◆小野功稀(おの・こうき)
2002年10月22日生まれ。186センチ。83キロ。新潟・開志国際高出身。社会科学部2年。色紙『何が何でもハリーバック』「高校の体育館に書いてたから」