リーグ最終節で中大に惜敗するも「入れ替え戦に向けていい流れ」

男子バスケットボール

 26試合に及ぶ関東大学リーグ戦(リーグ戦)はついに最終節を迎えた。1巡目で敗戦を喫した中大に対し、終盤まで互角の戦いを見せたが、あと一歩及ばず69−72で惜敗。早大は1部リーグ12位で今大会を終え、次戦は11月8日から1部リーグ残留と全日本大学選手権(インカレ)出場をかけて2部リーグ3位の東洋大と入れ替え戦をする。

 中大には敗れたが、入れ替え戦に向けていい雰囲気をつくることができた。第1クオーター(Q)は13−17で終え、第2Qでは下級生シューター陣が大活躍。G小野功稀(社2=新潟・開志国際)、G高田和幸(商1=京都・洛南)、G堀田尚秀(スポ1=京都・東山)が立て続けにスリーポイントを決めて1点差まで詰め寄る場面もあった。

スリーポイントを打つ小野

 第3Qに、ここまで出場機会が限られていたG宮川丈クレイトン(商4=愛知・千種)がコートインすると、すぐに連係プレーで得点。さらに小野が「入ってラッキーだった」と話すブザービーターのスリーポイントが第3Qを締めくくり、51−55とした。第4Qが始まると、すぐにG土家大輝(スポ4=福岡大大濠)からのパスを受けて宮川が左コーナーからスリーポイントを沈めた。「大輝(土家大輝)なら1本くれると思っていて、あまりシューティングしていなかったので自信がなかったのですが入って良かった」と宮川は喜んだ。これで勢いに乗ると、第4Q残り2分、堀田がスリーポイントを決めて67−70。さらに残り1分、土家がミドルシュートを決めて69−71。残り24秒で中大にフリースローを与えたが、1本目が外れて69−72。勝利まであと少し。

 しかし、一歩及ばなかった。早大は最後の攻撃にかけるが、堀田が放ったスリーポイントはわずかにゴールを外れ、そのリバウンドを取った中大が最後は逃げ切った。

スリーポイントを打つ堀田

 1部リーグ7位の中大と互角に戦った。試合後、土家は「最後までしっかり戦えた。入れ替え戦に向けていい流れ」と自信を示した。これでリーグ戦26試合を戦い抜き、一区切りついた。しかし、まだ気を緩めることはできない。11月8日からは東洋大との入れ替え戦が行われる。今のチームでバスケットができるのも、長くて残り2ヵ月。入れ替え戦に向け、「悔いなく楽しんでいきたい」と土家は顔をほころばせた。

 東洋大との入れ替え戦は、最大3試合が行われる。先に2勝すれば早大の1部残留とインカレ出場が決まる。1戦目は11月8日に駒沢オリンピック公園総合運動場体育館で18時30分から。

(記事 落合俊、写真 五十嵐香音)

第98回関東大学リーグ戦 11月6日(vs中大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

13 23 15 18 69
中大 17 24 14 17 72

◇早大スターティングメンバー◇
G#3 高田和幸(商1=京都・洛南)

G#5 堀陽稀(スポ1=京都・東山)

G#12 土家大輝(スポ4=福岡大大濠)

G#18 岩屋頼(スポ1=京都・洛南)

F#77 石坂悠月(スポ2=東京・国学院久我山)

コメント

土家大輝(スポ4=福岡大大濠)

――試合を終えて

自分たちは勝っても順位が変わらないし、逆に中央は勝ったらシード権がもらえるっていう状態で、モチベーションが上がらなくてもおかしくない中でも、最後までしっかり戦えました。中央相手に戦えたのは、入れ替え戦に向けていい流れに持っていけたと思います。

――個人としてリーグ戦を振り返っていかがでしたか

ヘッドコーチから求められることも変わっていて。自分のプレーを確立するまでにすごい時間がかかっていますし、まだ確立できているわけでもなくて。迷いながら試行錯誤しながら、チームのためにプラスになるプレーをできればと思っています。持ちすぎる癖だったりがまだ抜けていなくて、そこに関してはまだ自分の中でしっくり来ていないという感じです。入れ替え戦やインカレ(全日本大学選手権)を通して、最後に自分のプレーを確立できればいいと思っています。

――チームに変化はありましたか

一番大きいのは龍海(兪龍海、スポ3=神奈川・桐光学園)が試合に絡むことで、 間違いなく相手にとっては脅威になりますし、龍海がいることで外が楽になったり、リバウンド面で大きな貢献をしてくれます。その点で、自分たちの弱みをカバーできるようになったと思います。

――試合中、宮川選手とはどんな話をされていましたか

ちょっとイジるじゃないですけど、ゴール下でファウルもらっただけだったので決めろよとか(笑)。下級生と出ていたので、僕らが引っ張らないといけないと部分や、やっぱクレイが苦しんでいた分、最後の試合で出て活躍してくれたのは、同期として本当に嬉しかったです。

――ホセイン選手のベンチ入りはどう感じていますか

やっぱ4年生全員ベンチにいることで、僕的にも心の支えになりますし、チームとしての雰囲気も全然違います。やっぱベンチに4年生が入ってるのが大きいと思います。

(これに対して横にいたホセインが)今日の試合もめっちゃ盛り上がったと思っていて。でも後半あたりから、だんだんみんなの盛り上げとか、一体感が出てきて。それをつくることは僕の役目だと思います。点を決めたり、ディフェンスがうまいわけでもないですけど、人それぞれに役割があります。(中大戦も)最後は出てないですけど、全然何も思わないですし、倉石さん(倉石平ヘッドコーチ、昭54教卒)の方からも出せなくてごめんと言われて。全然気にしてないです。何よりも盛り上がったのが良かったです。

(これに対して土家が)そこでエゴを出さずに頑張ってくれてるのが大きいんです。まあ、(それよりも)痩せろって話だけどな。

――次戦に向けて

東洋はヘッドコーチも経験ある方で、いろいろな対策をしてくると思いますが、自分たちのやりたいプレーを最初から守りに入るんじゃなくて、攻撃的にすることで絶対に勝てる相手だと思います。2試合でしっかり終わらせられるように、悔いなく楽しんでいきたいと思います。

宮川丈クレイトン(商4=愛知・千種) 

――試合を振り返っていかがですか

まず凄く疲れました。リーグ最後だったで入れ替え戦に向けてつながる試合をやろうという話をしていました。(点差が)離されつつも追いついて、最後まで良い試合ができました。リバウンドの部分がいつも課題でしたが、今日はオフェンスリバウンドを抑えられたり、オフェンス取れたりして良かったと思います。

――試合に出ることは伝えられていましたか

剛(ホセイン剛、教4=東京・早実)がベンチに入っていて森さん(森一史アシスタントコーチ、令4スポ卒)がリーグ最後に4年で出すかもしれないという話をしていたので、もしかしたら(出場機会が)あるかなと思ってました。

――緊張などはありましたか

緊張はあまりなかったです。あと3ヵ月しかバスケできないんだったら自分のために楽しんでやるしかないと思っていたので、吹っ切れてプレーできました。

――以前のインタビューで自身の4年生としての振舞いに対し試合に出れてない時間があるためもどかしさを感じるとお話しされていました

逆に試合に出られないということが分かっていたので、もどかしさはあまりなく吹っ切れていて。ベンチでも必要な声掛けをしたり、下級生中心にフィジカルが課題なので練習中に戦ったりしてレベルを上げるというようなところを意識していました。

――土家選手からパスを受けたスリーを決めた気持ちはいかがでしたか

大輝(土家大輝)なら1本くれると思っていて、あまりシューティングしていなかったので自信がなかったのですが入って良かったです。

――次戦に向けて

できることをやるだけです。どれだけプレータイムがあるか分からないですし絶対に落とせない試合です。ベンチにいるメンバーが盛り上げられるメンバーで、そこの力が大きいのかなと思います。点差が離れた時に声を掛けることでちょっと(点差が)詰めたりするので、ベンチとしてはそういうところを頑張りたいと思います。チーム全体としては相手のスリーポイントを消して、リバウンドをしっかり取り切れれば勝てると思うので、気負わずにリラックスしてプレーしたいと思います。

小野功稀(社2=新潟・開志国際)

――今日の試合を振り返って

 今日は大輝さん(土家大輝、スポ4=福岡大大濠)とクレイさん(宮川丈クレイトン、商4=愛知・千種)が引っ張ってくれました。今までクレイさんはずっと出られなかったのですが、今日出て久しぶりの試合だったと思います。でもすごく引っ張ってくれて自分たちもチームとして盛り上がることができました。火曜日につながるいい試合になったと思います。

――入れ替え戦を残すとはいえリーグ戦は4年生にとって最後ということで何か違いましたか

 この土日は勝ち負けよりも、リーグを締めくくるという意味で内容を意識していました。そういう意味では、やはり最後に向けて良い締めにできたと思います。

――ブザービーターでスリーポイントを決めた時の気持ちを教えてください

 あれは入らないかなと思ったのですが、入ってラッキーでした(笑)。

――入れ替え戦に向けて意気込みをお願いします

 入れ替え戦は最大3戦あるのですが、最初の2戦で決めるくらい、1部と2部の格を見せつけるじゃないですけど、それくらい圧倒して勝ってインカレに行きたいです。こっちが受け側で向こうが挑戦者としてくるので、その分重くなると思うのですが、そこをいつも通り、また今日みたいにチーム一丸となってやっていければいいなと思います。