東海大相手に善戦するも、終盤追い上げきれず敗戦

男子バスケットボール

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)第18節は、東海大と対戦した。早大は序盤から機動力を生かした積極的なオフェンスでリードを奪う。しかし第2クオーター(Q)から東海大の徹底的なディフェンスに苦戦し、徐々に差を詰められて、第2Q終了間際に逆転され1点ビハインドで前半を終えた。後半も攻めの姿勢を崩さず食らいついていくものの、相手の外のシュートが入り始め、じわじわと点差が離れていく。終盤にG土家大輝(スポ4=福岡大大濠)の連続スリーポイントで6点差まで詰め寄るが、勝負所で決めきれず、66−76で惜しくも敗戦した。

 第1QはG堀陽稀(スポ1=京都・東山)が得意のドライブから先制点を奪い、好調なスタートを切る。その後もコート全体を使ったパス回しで順調に点を重ねていく。交代直後のG飯島慶記(人2=茨城・下妻一)のスリーポイントやF石坂悠月(スポ2=東京・国学院久我山)のゴール下のシュートなど、果敢なオフェンスで自分たちのペースに持っていき、7点リードで第1Qを終えた。しかし第2Qから相手のディフェンスに押され、ターンオーバーが目立ち始める。G堀田尚秀(スポ1=京都・東山)のスリーポイントや堀の懸命なリバウンドで悪い流れを断ち切ったものの、残り数秒で逆転され、前半を1点差で終えた。

ドライブする堀

 後半はG岩屋頼(スポ1=京都・洛南)のレイアップ、そして岩屋のアシストから石坂のシュートで連続得点し、順調な滑り出しを見せる。さらに第3Q中盤の土家の連続スリーポイントで勢いづくが、直後に相手の速攻からの3連続得点を許してしまい、リードを保つことができない。3点を追いかけるかたちで迎えた最終第4Qは相手のスリーポイントが順調に決まり、じわじわと点差が離れていく。しかし終盤に土家が再び連続スリーポイントを沈め、チームを鼓舞する。この時点で残り2分を切り、6点差。早大はここからさらに追い上げたいところだったが、その後のシュートはリングに嫌われ、東海大に追いつくことはできなかった。

スリーポイントを打つ土家

 惜しくも敗戦したものの、森一史アシスタントコーチ(令4スポ卒)が「うちに流れが来ていると思える時間帯があったのは大きな成長」と語ったように、強豪と評される東海大に善戦できたことはリーグ戦を通した成長を示していると言えるだろう。次戦の相手である筑波大も東海大と同じくサイズのある選手がそろっている。惜敗した悔しさをバネに、チームの成長を勝利というかたちで証明できるか。

(記事 権藤彩乃、写真 落合俊)

第98回関東大学リーグ戦 10月15日(vs東海大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

22 13 19 12 66
東海大 15 21 21 19 76

◇早大スターティングメンバー◇
G#5 堀陽稀(スポ1=京都・東山)

G#12 土家大輝(スポ4=福岡大大濠)

F#13 星川堅信(スポ3=京都・洛南)

G#18 岩屋頼(スポ1=京都・洛南)

F#77 石坂悠月(スポ2=東京・国学院久我山)

コメント

森一史アシスタントコーチ(令4スポ卒)

――試合を終えて

ディフェンスが固いチームということは事前に分かっていて、自分たちがどれだけ相手のフィジカルに我慢しながら守って点が取れるかという部分を僕なりに追求したんですけど、届かなかったです。

――オフェンスで気をつけていたことは

うちの持ち味は、ボールも人も止まらない機動力のあるオフェンスなのですが、それをしっかりと体現すること、フィニッシュの部分は高さや強さなど相手が有利になってくる中で、どうやったらできるかなと思っていました。審判の笛と戦ってしまうことがあって、もう少し笛に頼らずタフにプレーできれば変わったと思います。

――後半の追い上げたい時間帯に追いつけなかったことに理由はありますか

ディフェンスを前半と後半で少し変えていました。あの子たちの性に合っているのは後半にやったディフェンスで、前半は凌ぎながらのディフェンスをしていました。その中でマイナス1点で折り返せたのは上出来だと思っています。後半は体力のいるディフェンスだったので、前半はそのかたちを取っていたのですが、後半がもう少し機能すれば良かったと思います。

――全体を通して良かった部分は

自分たちの時間を何度かつくれたところです。うちに流れが来ていると思える時間帯があったのは大きな成長です。

――今後のチームへの関わり方は

明日から倉石さん(倉石平ヘッドコーチ、昭54教卒)が戻って、僕はアシスタントコーチという本来の立ち回りになります。それでも目指すところは同じなので、そこにたどり着けるよう最大限のサポートができればと思っています。

土家大輝(スポ4=福岡大大濠)

――試合を終えて

先週から拓殖、専修とやるうちに自分たちの中でも良くなっているという手応えはありました。今日も東海相手にいい波に乗っていて、自分たちのやるべきことを徹底すれば戦える自信はありました。第1Qの最初は徹底することができて、最後の勝負所でも立て直すことができました。あとは逆転する力だけなので、いい状態で来られていると思います。

――チームの変化した部分は

選手の起用のところです。前半のうちに色々な選手が出て、エネルギッシュにプレーしてくれたことで、後半の勝負所でも体力があって、もう一踏ん張りする力がありました。チームとしてコート上で貢献できる選手が増えたことだと思います。

――終盤、土家選手の連続スリーで6点差まで迫りました

個人的には前半がダメで、それでも森さんが前向きな言葉をずっとかけてくれていて。後半、自分の時間帯が必ず来るとは思っていたので、そこで思い切ってやろうとしていたら、たまたまあのタイミングでした。チームとしては頼(岩屋頼)や堅信(星川堅信)が信頼してパスを出してくれたので、そこを決めきれてよかったです。

――シュートタッチが良くない時間帯は何を考えているのですか

自分の中で色々なことを考えすぎていました。前半は考えすぎていた部分があったので、そこをなくしてシンプルにすることをハーフタイムで整理して臨みました。空いたら打つという気持ちで打ちました。

――ハーフタイムの最初の方にベンチで何かを考えている様子でした

ダメな時は、自分がダメなことに理由があります。オフェンスがダメで、ディフェンスもやるべきことをできていないと本当にダメになってしまいます。なので、そこのメンタルを整えていたというか、後半(オフェンスが)ダメだったとしてもディフェンスは頑張ろうと自分に言い聞かせていました。

――コート上でのコミュニケーションは

東海大は2巡目で順位も上げてきて、まとまっているチームでした。それでも相手がどうこうよりも、自分たちがやるべきこと、ディフェンス、リバウンド、コミュニケーションの3つだけに集中していました。勝ちはコントロールできないから、目の前のワンポゼッションを最大限頑張ろうという話をして臨みました。自分たちのできることにフォーカスしてやりました。

――森アシスタントコーチは選手起用の基準を示してくれるとお聞きしました

やるべきことについてのコミュニケーションも取ってくれますし、ダメなところも言ってくれます。チームの最低ラインを満たしていないと出ることはできません。その上で自分たちの個々の強みを活かすようなバスケをしていて、その基準を伝えてくれるのは選手としてもやりやすいです。

――次戦に向けて

明日も同じです。相手にサイズがあるとか、スキルがあるという話ではなくて、自分たちのやるべき3つのことを最初から徹底すれば戦えるし勝てる相手だと思います。目の前のことを大切にしてチームで戦えば成長もできると思います。