ディフェンスで粘り続け、日体大に勝利!

男子バスケットボール

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)第12節で日体大と対戦した。前半から粘り強くディフェンスとリバウンドをして食らいつくと、第3クオーター(Q)で1年生が躍動し、ついに逆転。その後も試合終了まで走り続けた早大が、徐々に点差を広げ、81−69で勝利した。これで戦績は2勝10敗となり、今の順位は12位。来年度自動降格となる下位2校を脱却し、さらに上を目指す。

 第1Qは両チームが点を取り合い、付かず離れずのまま、13−18で5点ビハインド。第2Qでも流れは変わらない。G岩屋頼(スポ1=京都・洛南)のドライブを起点にオフェンスを組み立て、F石坂悠月(スポ2=東京・国学院久我山)の連係プレーや、F小野功稀(社2=新潟・開志国際)とG高田和幸(商1=京都・洛南)のスリーポイントが決まった。要所のディフェンスとリバウンドを踏ん張り、30−38で前半を終えた。

ドライブする岩屋

 8点ビハインドで迎えた第3Qは、開始早々に高田がスリーポイントを決めて幸先の良いスタートを見せた。さらに堀田の2本目のスリーポイントで1点差まで詰め寄ると、続けて岩屋がドライブから得点し、Q残り5分でついに逆転した。それでも日体大のオフェンスを止めることは一筋縄ではいかない。「失点抑えろ」とベンチから声が掛かる。第3Qを終えて59−55でわずかに4点リード。第4Qが始まり、半田雄資(日体大)にドライブから連続で得点されて、再びリードを許すと、そこから2点差を奪い合う一進一退の展開が続く。しかし、この日の早大は勝負所で盛り上げようとする意識があった。ベンチ外メンバーもハンズアップをして選手を鼓舞する。粘りのあるディフェンスを見せた早大を前に、日体大のシュート確率が落ち始める。オフェンスでは岩屋がドライブから2連続得点、さらに堀がゴール下のシュートをねじ込んだ。最後まで走り続けた早大が、終盤で日体大を引き離し、81−69で勝利した。

スリーポイントを打つ堀田

 試合後、G神田誠仁(社4=静岡・浜松開誠館)はG土家大輝(スポ4=福岡大大濠)の肩を軽く叩いた。今回の勝利に対して、主将と副将としてチームを支えてきた2人だから感じる思いがあるはずだ。日体大戦では4年生の出場機会が限られた一方、洛南高と東山高出身の1年生4人(岩屋、高田、堀、堀田)を筆頭に下級生が大きな活躍を見せた。リーグ戦の折り返しとなる次の中大戦に、この勢いをつなげられるか。

(記事 落合俊、写真 権藤彩乃)

第98回関東大学リーグ戦 9月11日(vs日体大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

13 17 29 22 81
日体大 18 20 17 14 69

◇早大スターティングメンバー◇
G#3 高田和幸(商1=京都・洛南)

G#5 堀陽稀(スポ1=京都・東山)

F#12 星川堅信(スポ3=京都・洛南)

G#18 岩屋頼(スポ1=京都・洛南)

F#77 石坂悠月(スポ2=東京・国学院久我山)

コメント

森一史アシスタントコーチ(令4卒)

――試合を終えて

コーチ陣からディフェンスやリバウンドをやろうねと言われていて、それを徹底しきれなくて勝ってしまったのが明治でした。けれど今日は、第3、4Qの京都5人組含め飯島(慶記、人2=茨城・下妻一)などが出た時に、かなり疲れていたと思うんですけど、徹底できたのかなと思います。

――徹底できた要因は

やろうねとはずっと言い続けていたんですけど、それができなくて。体力面でエネルギーなくなったところと、ディフェンスできなくてもオフェンスでなんとかすればいいという妥協のところ、そしてベンチ陣が一緒になって戦っていなかったところがあって。それは先週くらいに、行動から変えていこうねという話をしていました。立ち上がって迎え入れるとか、ハンズアップするとか、なんでもいいんですけど、そこを細溪くんと神田キャプテンを中心にやってくれて、ベンチの雰囲気がまるで違いました。そこが大きいです。

――今年の早大はサイズがないです。どのような練習を

高くなくても勝てることを、NBAのゴールデンステートウォリアーズが証明してくれて。僕らもあのようなプレーしたいというのを話していて、いい模範例があるし、そこしか道はないので、腹括ってやろうという感じです。そのために準備したり、環境を整備することが僕らの仕事です。

――チームの課題は

もっと強みを出せるよねというのを考えてみます。堀田のシュート力、堀のドライブ、岩屋のゲームコントロール、高田のシュート力、星川の1対1など、そういう強みを出せることを常々考えています。その活かし方がまだ甘くて、そこ使えばいいのにというところで、違うパスを出してしまったりします。そして、それをするためのディフェンスやリバウンドなどの土台のところです。それができた上でだと思うので、その2つかなと思います。個人の課題はリーグ戦が始まってるのもあって、弱点を克服できないので、強みをどれだけ残せるかです。そこはもう通用する子たちだと思っています。

――今後に向けて

期間が空くので、見つめ直すところは徹底して直して、バージョンアップするところはアップして。他の大学は天皇杯など出ながらの期間になるのですが、僕らはないので、見違えたと周りがドン引きするくらい成長して中央戦を迎えたいです。

神田誠仁(社4=静岡・浜松開誠館)

――試合を終えて

チームの一体感が生まれたことが収穫で、ベンチで起用に関してフラストレーションが溜まる選手もいたと思うのですが、もう一度チームを応援しようという雰囲気が出てきたし、ゲームに出てるメンバーがそれに応えることをやってくれたので、両方の面で一体感が生まれる取り組みをしたのが重要だと思います。

――ベンチの雰囲気が変わったのは

昨日の試合終わったあとに、スタッフがスカウティングしたりとか、トレーナーがケアしてくれたり、それぞれのメンバーが思いを抱えていることを分からないといけないと、試合に出てるメンバーは感じないといけないという話を聖和(田口聖和トレーナー、スポ3=東京・松蔭)がしてくれて。それがチームを変えるきっかけになったと思います。

――下級生の起用について

大学バスケという立ち位置を倉石さん(倉石平ヘッドコーチ、昭54卒)は意識してやっていると思います。今の1年生や星川(堅信、スポ3=京都・洛南)などプロで活躍する選手を育てる目的でやっていると思っていて、僕はそういう道は選ばないし、そういう選手よりも下級生が使われるのは正しいことだと思います。それを受け止めて、もう一度チームのために何ができるかというのを考えてやっているのが良かったのかなと思います。選手起用に関しては、自分たちがコントロールできる部分ではないので、起用された選手たちが結果を残すし、起用されなくてもフラストレーションを溜め込むのではなく、チームを応援するのかなと思います。

――主将としてできることは

自分のパフォーマンスを求められたら発揮するべきだと思います。けれどベンチで何もできないわけではなくて、声もそうですし、バスケの経験や考え方は僕の方が優れている点だと思うので、そこは今日も試合中に伝えるようにしました。

――今後に向けて

中央線が残っているんですけど、ここから2週間空いて、一区切りつきます。まずしっかりと休んで回復することもしながら、リーグ戦で出た課題を1つずつ潰していくとか、出てない選手が競争して使える選手を増やしていくことが重要だと思うので、その意気込みを持ってチームで頑張っていきたいです。

星川堅信(スポ3=京都・洛南)

――試合を終えて

うれしいです。

――積極的にシュートを打ったり、リバウンドを取ったりする姿が印象的でしたが、意識していたことはありますか

チームでディフェンスとリバウンドを頑張ろうというのがあって、ちょっとしんどかったですが、頑張りました。

――今後の意気込みをお願いします

自分の意気込みは、怪我をしないことと、勝つ、勝ちたい。以上。

飯島慶記(人2=茨城・下妻一)

――試合を終えての率直な感想は

めちゃくちゃ嬉しかったですね。4Q目で、「慶記出るから準備してろ」というのを言われていて、案の定出たのですが、弱気になったらだめだなと思って、最後は強気でやりました。本当に勝ってよかったです。

――今回どんな試合になると予想していましたか

絶対競って、ラスト5分が勝負になるなというところで、前の試合も同じだったので、このラスト5分でどれだけ戦えるかが鍵になる試合だなと思っていました。

――後半の他の選手の怪我による急な交代後も、うまくつないでいたように感じましたがどうでしたか

昨日はずっと迷いながらプレーしていて、今日は出たら迷いなくプレーしようと思っていました。結構みんながつないでくれていたので、僕はもう思い切りやろうと思っていて、そうしたらうまくいったという感じです(笑)。

――今回の勝因は

今日の勝因はやっぱりチーム力だと思います。ベンチメンバーもそうですし、最初の5人も最初はディフェンスとリバウンドがよくなかったですが、徐々に直していって、ベンチメンバーもなお(堀田尚秀)とかスリーでよくつないでくれたし、ベンチもよく声が出ていて、みっちーさん(細溪宙大、教3=東京・早実)とかすごくベンチから声を出してくれていて、今日はチームの一体感が本当によかったです。(細溪が隣に来て)みっちーさんが、よかったです(笑)。

――次戦への意気込みをお願いします。

やっぱり僕は自分のできることをやるだけなので。チームの課題をみんなで取り組みながら、自分はやれることをやっていきたいと思います。

高田和幸(商1=京都・洛南)

――試合を終えて

チーム一丸となって勝てた試合だったので、いい試合になってよかったです。

――昨日の試合に引き続き高確率でスリーポイントを決めました

昨日打って、入って、感覚的にはよかったので、思い切って打っていこうと思っていて、最初いいところでシュートが入ってくれたので、メンタル的に気楽に打てて、入ったのでよかったです。

――今後の意気込みをお願いします

僕も怪我をせずに試合に出続けることと、今日みたいな勢いを下級生から作っていけるように、盛り上げていきたいです。

堀田尚秀(スポ1=京都・東山)

――試合を終えて

追い上げられる展開で昨日も、国士館戦のときも負けてしまったというのがあったのですが、今回は逆に自分たちが追い上げる形で勝てたのがよかったです。

――シューターとして認知されている中でやりづらさなどはありましたか

やったろうと考えていたら、打てました。ディフェンスがプレッシャーをかけてくるときでも、周りの人たちが、星川さんとかがスクリーンに来てくださったりして、自分をノーマークにしてくれたりとか、頼くん(岩屋)のいいアシストとかもあったので、自分を生かすようにしてくれたのがすごくよかったです。

――今後の意気込みをお願いします

勝てる試合を落としたのが何個かあったので、(2巡目で当たるときは)その分の点差をつけて勝って、上位のところにも勝っていって、早稲田らしさを出していきたいなと思います。

岩屋頼(スポ1=京都・洛南)

――試合を終えて

ほっとしました。勝ててよかったです。

――相手がプレッシャーをかけてくるなかでの落ち着いたボール運びが印象的でした

ボール運びは自分がいけそうだったらいって、陽稀(堀陽稀)とかがパス出しだったら、任せたらいってくれるので、そんなに困らなかったです。

――今回の試合で印象的だったプレーは

慶記さん(飯島慶記)がスティールして、ディフェンスでハッスルして決めたところで勢いづいたので、そこがターニングポイントだと思います

――今後の意気込みをお願いします

練習の期間が2週間くらいあるので、その練習でやったことをやって、それで勝つのみです。

堀陽稀(スポ1=京都・東山)

――試合を終えて

最高です。

――同じ東山高出身の西部秀馬選手とのマッチアップがありましたがどうでしたか

楽しかったです。負けたくないという気持ちはありましたが、あっちがすごくしゃべってきて(笑)。勝負という感じはしなかったです。

――今回の試合で印象的だったプレーは

自分のころころってなって入ったシュートはラッキーでした。

――今後の意気込みをお願いします

楽しんでやることが大切だと思うので、楽しむことをまずやりたいと思います。