最後の5分踏ん張れず、国士舘大に惜敗 「切り替えるしかない」

男子バスケットボール

 残り9.5秒で78−79。国士舘大に与えられたフリースローが2本とも外れ、早大は最後のシュートチャンスを狙う。しかし、速攻で前を走っていたG岩屋頼(スポ1=京都・洛南)へのパスが乱れたところを相手にカットされてタイムアップ。初勝利には、シュート1本分届かなかった。

 「前半にボックスアウトやリバウンドは徹底できた」とF石坂悠月(スポ2=東京・国学院久我山)が話すように、序盤のシュート決定率が低かった国士舘大に対して、石坂を中心とする連係プレーで着実に得点し、第1クオーター(Q)では23−14と大差をつけた。第2Qでも、スリーポイントが好調のF星川堅信(スポ3=京都・洛南)やG土家大輝(スポ4=福岡大大濠)が得点を重ねていく。第2Q終了間際、国士舘大に連続得点で42−36に詰め寄られるが、6点のリードを守って後半戦へ。

ペネトレイトする星川

 第3Q、国士舘大がゾーンディフェンスを仕掛けてくるが、G堀陽稀(スポ1=京都・東山)や星川が果敢にリングアタックして得点を奪い続ける。さらに土家が2本のスリーポイントを沈め、65−57と8点リードに広げた。しかし第4Qが始まり、スリーポイントを立て続けに決めた国士舘大が勢いづくと、残り5分で71−72に逆転された。早大は土家と星川を中心に得点し、1点リードを奪い合う展開が続く。だが、ここまでオフェンスを支えてきた土家が残り2分でファウルアウトし、国士舘大に流れが傾く。残り9.5秒で78−79、早大は最後のオフェンスに望みを託すが、パスが乱れたところを国士舘大に狙われた。それとほぼ同時に、試合終了のブザーが鳴り響いた。

シュートを打つ土家

 「切り替えるしかない」。土家は試合後、悔しさを滲ませながらも、力強く言った。チームの課題はラスト5分の戦い方。勝ちきるためには、メンタルの他に、「控えの選手がいかに主力を休ませる時間をつくるか、流れをつくれるか」が大切だとG神田誠仁(社4=静岡・浜松開誠館)は話す。それでも、4年生が語るように直近の3連戦を通してディフェンスとリバウンドを徹底する力はついてきた。チームは9連敗と苦しい状況だが、勝利のために前を向く。

(記事 落合俊、写真 荒井理沙 落合俊)

第98回関東大学リーグ戦 9月4日(vs国士舘大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

23 19 23 13 78
国士舘大 14 22 22 21 79

◇早大スターティングメンバー◇
G#5 堀陽稀(スポ1=京都・東山)

G#12 土家大輝(スポ4=福岡大大濠)

F#13 星川堅信(スポ3=京都・洛南)

G#18 岩屋頼(スポ1=京都・洛南)

F#77 石坂悠月(スポ2=東京・国学院久我山)

コメント

土家大輝(スポ4=福岡大大濠)

――今の心境をお聞かせください

切り替えるしかないです。崩れるのは簡単だし、背けるのも簡単です。けど、ここでもう1回、4年生としてチームがまとまるように切り替えて頑張るのみだと思います。

――試合に向けてどのようなことを話されましたか

相手がどうこうというよりも、自分たちのディフェンスやリバウンドを徹底するだけです。明確な課題が8試合を通して出ていたので、そこを重点的にやると話していました。

――実際に、その部分はどうでしたか

昨日もなんですけど、35分間は戦えてるんです。今はメンバーが固定されている中で、勝負所の5分を頑張れば、どこのチームとも戦えると思ってます。本当にその5分をチームとして戦えればと思っています。

――そのために必要なことは

もちろん一人一人の意識もそうですし、26試合戦っていく中でケガ人も出るので、出られていないメンバーが努力して数分でもつなぐことがこのチームには重要かなと思っています。

―― 残りのリーグ戦に向けて

結果はコントロールできないので、まずは自分たちができるディフェンスとボックスアウトのところを40分間徹底して、チーム全員でまとまれば勝ちがついてくると思うので、目先のことを丁寧にやっていくだけだと思っています。

神田誠仁(社4=静岡・浜松開誠館)

――今の心境をお聞かせください

このゲームに関して、自分を含め4年生の力不足だったなと思います。自分たちが先頭を引っ張っていく姿が重要だと思うので、切り替えて全力を尽くすのみだと思います。

――試合に向けて

ノーレイアップ、ボックスアウトの2つをディフェンス面では特に合言葉にして重点的にやってきました。

――実際にディフェンスとリバウンドはどうでしたか

リバウンドに関しては、この3試合で80%を取れる試合もあって。大輝(土家大輝)が言ったように、35分間8割をキープできているのは成長なので、そこはポジティブに受け取っています。最後の5分を勝ちきるためには、控えの選手がいかに主力を休ませる時間をつくるか、流れをつくれるかという部分と、勝負所で勝ちきれるメンタルを身につけるだけだと思います。35分間は戦えているので、残りの勝負を決めきれるかにかかってくると思います。

――控え選手の起用について

今日の(監督の)使い方が、本当に勝ちにいくやり方だったと思っています。大輝がファウルアウトした時に、僕や高田(和幸、商1=京都・洛南)やナオ(堀田尚秀、スポ1=京都・東山)、みっちー(細溪宙大、教3=東京・早実)、龍海(兪龍海、スポ3=神奈川・桐光学園)も含め、チームを底上げする、監督の信頼を勝ち取るというステップが必要なのかなと感じます。

――今後に向けて

明治、青学、中央、日体の4試合が1巡目では残っているんですけど、チームは確実に良くなっていて、筑波相手に前半戦えたり、白鴎にも残り3分まで戦えています。リーグ戦の最初に比べれば確実に良くなっているので、あとは勝ちきることに尽きると思います。

石坂悠月(スポ2=東京・国学院久我山)

――国士舘大戦を振り返って

チーム通しても前半にボックスアウトやリバウンドは徹底できたと思うんですけど、最後の5分にそれが徹底できなくて。勝てたゲームだと思うので、悔しかったです。

――最後に勝ちきれない試合が続いています

白鴎大の時もチーム全体が受け身になってしまって。倉石さん(倉石平ヘッドコーチ、昭和54卒)には言われていたんですけど、やっぱりそこにアジャストできなかったのかな。

――ディフェンスとリバウンドに関して

向こうは平均的には大きい選手がいてオフェンスリバウンドに結構絡んでくるチームというのはスカウティングで分かっていたんですけど、それでも最後は徹底できなくて。

――以前よりもディフェンスでコンタクトしているからこそ、ファウルもありました

専修戦で体を張らずにファウルしないようにしてたら、あんまりパフォーマンスが良くなかったので、そこはファウル怖がらずにいこうかなと思います。

――オフェンスについては

初めはうまく合わせとかできた部分もあったんですけど、後半で相手がゾーンディフェンスになって動きが重くなってしまう中で、外のシュート頼りになっている部分が多かったです。そこは全員が攻め気を持ってリングアタックして、もっとパッシングを起点に動きをつくらないといけないです。

――今後に向けて

特に明治、青学は勝たないといけない試合です。リバウンドとノーレイアップの部分を最後まで徹底できるか。前半は最近徹底できているので、それを最後まで続けられるかが大事だと思います。