関東大学新人戦ベスト8をかけた法大との一戦。試合の出だしで離されると、その後も点差が縮まらないまま試合が進んでいく。第4クオーター(Q)、開始2分で早大が立て続けに得点し、この試合で初めて法大を追い越した。終盤までは一進一退の攻防が続き、残り11秒、64ー63で1点リードの場面。法大ボールで始まった攻撃だったが、岡部雅大(法大)の放ったシュートはリングには届かず。第4Qまで粘り続けた早大が最後は逃げ切り、勝利した。次戦は全国大会への出場権をかけて、日体大と対戦する。
G岩屋頼(スポ1=京都・洛南)が「相手が一番したいバスケットをされてしまった」と振り返った試合の出だし。相手に3本連続でシュートを決められ、開始3分で0ー9となり、序盤から追いかける展開となった。早大の初得点はG堀陽稀(スポ1=京都・東山)がフリースローで決めた。しかし、その後はリバウンドで苦戦し、法大に走られる場面も見られた。そして12ー22と点差が縮まらないまま第1Qを終えた。第2Qでも早大はリバウンドが取りきれない。法大にセカンドチャンス、サードチャンスからの得点を許し、開始6分で12点差に開いた。この状況を打開したのはG高田和幸(商1=京都・洛南)。高田がドライブからレイアップを決めると、続けてG大柳慶悟(教2=東京・早実)がリバウンドを拾って8点差。早大はディフェンスでも足が動くようになり、法大の攻撃を止めると、そのままF小野功稀(社2=新潟・開志国際)がスリーポイントを沈めて5点差まで詰め寄る。終盤で法大に決め返されたが、早大も高田と堀が得点し、前半戦を26ー32で終えた。
スリーポイントを狙う小野
後半戦、初めに主導権を握ったのは早大だった。F石坂悠月(スポ2=東京・国学院久我山)と高田がリバウンドから得点を決めて3点差とする。しかし、法大の堅いディフェンスを前に早大のシュートが悪く、ファストブレイクで少しずつ点差を広げられた。ここで食らいつきたい早大は岩屋が奮闘し、外角のシュートを3本決める。さらに小野が粘り強いリバウンドからタップシュートをねじ込み、43ー47で第3Qを終えた。第4Q、法大のシュートが2本連続でリングに嫌われた間に、G石水鴻(スポ1=東京・国学院久我山)と堀が走力を生かしたシュートを決めて、逆転。ここから試合終盤までシーソーゲームが続いた。残り1分半で石水がスリーポイントを決めて4点リードとしたが、すぐに法大もスリーポイントを決め返し、再び1点リードに。そして残り30秒、堀が1対1を仕掛けるが、ここで痛恨のファンブル。早大はこの攻撃がターンオーバーとなり、残り11秒からの攻撃権を法大に献上するかたちとなった。タイムアウトが終わり選手たちがコートに出てくると、「ディフェンス声出そう」という小野の声かけも聞こえた。法大ボールで再開した攻撃は、岡部がコーナーからミドルシュートを狙ったが、堀のシュートチェックもあり、リングには届かなかった。早大ボールで残り0.9秒のサイドスローは、ボールキープで逃げ切った。64ー63で勝利し、今大会ベスト8入りを果たした。
ペネトレイトする堀
試合を終えて、小野はベスト8に入れたことを「うれしい」と話した。しかし、この試合を通して課題も見つかった様子だ。岩屋は「自分たちのペースに持っていくのに時間がかかった」と振り返る。前半はリズムが悪く点数が伸びなかったが、後半にはコートプレイヤーがまんべんなく得点し、法大に食らいついた印象だ。2試合連続の接戦を経験して成長した部分もあるはずだ。ベスト4をかけた次戦の相手は、早大と同じく関東1部リーグに所属する日体大。小野は「絶対勝って全国に行けたら」と意気込んだ。
(記事 落合俊、写真 落合俊 五十嵐香音)
第62回関東大学新人戦 6月9日(vs法大) | |||||
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1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 |
12 | 14 | 17 | 21 | 64 |
法大 | 22 | 10 | 15 | 16 | 63 |
◇早大スターティングメンバー◇
G#3 高田和幸(商1=京都・洛南)
G#5 堀陽稀(スポ1=京都・東山) C#8 松山雄亮(スポ2=京都・洛南) F#14 小野功稀(社2=新潟・開志国際) G#18 岩屋頼(スポ1=京都・洛南) |
コメント
小野功希(社2=新潟・開志国際)
――試合を終えて率直な気持ちは
僕が早稲田に入ってから初めてベスト8に入れました。ここ数年入れていなかったので、そこはまずうれしいです。チームとしてはまだ全然やりたいこともできていないし、悪い流れの方が多かったので、もっといい流れをつくっていけるようにしたいです。
――チームとしてどのような意識で試合に臨みましたか
一昨日は相手にリバウンド取られたので、最初はディフェンスから締めようと話していました。けれど今日もそれができなくて、相手にスリーポイントを2本決められて悪いかたちで入ってしまったので、明日はそれを修正できるようにしたいです。
――その中で小野選手自身が意識していたことはありますか
ディフェンス面ではチームのシステムディフェンスを自分がしっかりとやることと、余裕があれば声かけをしようとしていました。リバウンドも自分のところでは絶対に取られないように意識していました。
――リバウンドに関しては意識していましたか
ビッグマンがいないチームなので、僕が行く番かなと思って飛び込んだら取れてよかったです。
――コート上で2年生1人となる場面もあります
意識はしていません。1年生もしっかりとやってくれるので、自分のやれることに集中して、あとは余裕があれば声かけたりしていけたらなと思います。
――残り11秒の場面はどのような心境でしたか
タイムアウトを相手が取ってくれて、僕たちもディフェンスの守り方を考えました。それを忠実にやろうということと、もし外れたら絶対にリバウンドにいこうと話していました。
――「ディフェンス声出そう」という声かけに関しては
ゾーンのようなディフェンスだったのでスクリーンなどで声をかけてやっていこうと言っていました。
――次戦への意気込み
明日勝てば次の全国大会の挑戦権が得られるので、絶対勝って全国に行けたらいいと思います。
岩屋頼(スポ1=京都・洛南)
――今日の試合を振り返っていかがでしたか
勝ってほっとしたって感じではあります。けど、内容が内容だったので相手のペースでバスケをしている感覚が自分がコートに出た時にあって、自分たちのペースに持っていくのに時間がかかって、課題が見つかった試合だと思いました。
――岩屋選手自身はどのように試合に入ろうとしましたか
変に気負わずにいつも通りやろうという気持ちではいたんですけど、少し考えが甘かったというか。相手にスリーポイントを入れられたり、リバウンド取られたりという、相手が一番したいバスケットをされてしまったので、そこが課題だと思います。
――中盤に、センターが抜けて外のプレイヤーが多く入っていた時間帯がありましたが何が狙いだったのでしょうか
相手はピック&ロールのオフェンスが多かったのですが、(自分たちの)サイズが全員一緒なので、個のピックに対してオールスイッチでつけるというのがメリットかなと思います。そこを監督やコーチ陣も狙っていたのかなと。練習中もあのメンバーでやることが結構あったので、そういう意図があったんだと思います。
――最後まで接戦となりましたが、どのようなことを考えていましたか
ディフェンスは、コミュニケーションだけを考えていて。コートの中で声を出そうと、声掛けをずっとしていました。オフェンスは、ボールを回すということを考えていたのですが、結果的に時間を使って1対1みたいな形になってしまったので。そこはもっとボールを回して個人でなくチームで打開できるオフェンスができたらよかったんじゃないかなと思います。
――次戦に向けて意気込みをお願いします
次戦の相手は僕たちよりも能力が高くてうまい選手ばかりだと思うので、チャレンジャーとして挑みたいと思います。