山梨学院大との接戦を制するも、課題残す

男子バスケットボール

 関東大学新人戦2回戦で山梨学院大と対戦した。山梨学院大は今年3月に行われた関東大学新人戦の前回大会と5月の関東大学選手権でベスト8入りを果たすなど、今年に入って力をつけてきた大学だ。試合は第1クオーター(Q)から試合終盤まで拮抗(きっこう)した展開で進んだ。残り40秒、G岩屋頼(スポ1=京都・洛南)がレイアップを決めて早大が逆転。最後は再び岩屋の得点で山梨学院大の追撃を振り切り、65ー63で勝利した。次戦は6月9日、ベスト8をかけて法大と対戦する。

 試合の出だしは岩屋の得点で早大がリードするが、山梨学院大のスリーポイントが高確率で決まり、すぐに追いつかれる。また山梨学院大のオールコートプレスに捕まり、離されそうになる時間帯もあったが、G福永陸眞(教2=東京・早実)がドライブからフリースローを獲得して食い下がり、第1Qは17ー21とした。第2Q序盤、両者ともシュートが決まらず落ち着かない時間帯となるが、相手が1本のミドルシュートを決めると、立て続けに3連続スリーポイントを沈める。離されたくない早大は、F小野功稀(社2=新潟・開志国際)が2本のスリーポイントとドライブからのダブルクラッチを決めて食らいつく。終盤には岩屋やG飯島慶記(人2=茨城・下妻一)も得点して、前半を35ー36で終えた。

シュートを狙う高田

 ハーフタイム、早大はボールに触れることなくチームで話し合っている様子だった。そして迎えた第3Qは、「リバウンドをしっかりと全員が取りに行く意識を持った」とG高田和幸(商1=京都・洛南)。F石坂悠月(スポ1=東京・国学院久我山)がオフェンスリバウンドでつなぎ、小野がスリーポイントを決めて最初の得点を奪う。福永や岩屋もリバウンドで活躍。相手の流れを停滞させた。中盤では高田のスリーポイントや石坂のアリウープなどが決まり、少しずつ点差が離れていく。早大ベンチからは「チャンスだぞ」という声も上がった。しかし、「全体通してフィニッシュの部分が甘かった」(石坂)。ゴールから近い位置でシュートを決めきれず、点差を詰められる。第4Qも、早大は終盤までシュート決定率に欠け、流れに乗り切れないまま僅差のゲームが続く。残り40秒、ディフェンスをくぐり抜けた岩屋がレイアップを決めて逆転。残り19秒、再び岩屋が相手に体を当てながらドライブで得点、さらにフリースローを1本沈め4点差に広げた。試合終了間際に山梨学院大が2点を決めて65ー63。最後は早大が逃げ切り勝利した。

留学生を交わしてシュートを狙う石坂

 試合を終えて、高田は「今日の接戦を乗り越えたことを自信に」と話した。一方で、オフェンスの決定力やリバウンドは課題であると石坂と高田は振り返った。次戦の相手は3月に開催された東京六大学リーグ戦では勝利している法大。早大はベスト8をかけて挑む。

(記事 落合俊、写真 冷水睦実)

第62回関東大学新人戦 6月8日(vs山梨学院大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

17 18 16 14 65
山梨学院大 21 15 12 15 63

◇早大スターティングメンバー◇
G#3 高田和幸(商1=京都・洛南)

C#8 松山雄亮(スポ2=京都・洛南)

F#14 小野功稀(社2=新潟・開志国際)

G#18 岩屋頼(スポ1=京都・洛南)

G#33 大柳慶悟(教2=東京・早実)

コメント

石坂悠月(スポ2=東京・国学院久我山)

――試合を終えて

全体通してフィニッシュの部分が甘かったかなと思います。せっかくドライブでゴール下まで行けているのに、なかなか点差を離すことができず、ずるずると試合を運んでしまったことが反省点です。

――留学生選手相手に一番意識したこと

チームとしてもリバウンドに対するボックスアウトを意識しろと言われていました。一昨日の試合でボックスアウトがあまり良くなかったので、その反省点を生かして今回は体を強く当てに行きました。でも抑えきれない点があって、留学生にティップされて他の人にとられてしまうことがあったので、そこはまだ未完成かなと思いました。

――ハーフタイムで話したことを教えてください

フィニッシュの部分とボックスアウトが最初良くなかったというのと、相手のスリーポイントがよく決まっていたので対策するという話が出ました。

――スリーポイント対策でどのようなことをしましたか

できるだけ早くつくということと、打ってくる人が同じだったのでもっと早くそこに気づけばよかったです。

――次戦への意気込みをお願いします

次は留学生がいないチームだと思うんですけど、法大も身長の高いプレイヤーがいるので、やることは徹底して抑えとリバウンドをしっかりやって、チームに貢献したいです。

高田和幸(商1=京都・洛南)

――試合を終えての率直な気持ちは

岩屋(頼、スポ1=京都・洛南)や堀(陽稀、スポ1=京都・東山)、堀田(尚秀、スポ1=京都・東山)などケガ人がいる中で自分がやってやるという気合いが入りすぎて、いいプレーができなかったのが悔しかったです。

――具体的には

自分が点を取らないといけないと思ってドライブにいっていました。相手の留学生のところで、そのままシュートにいったり、タフショットでチャンスを潰したりすることが多かったです。普段ならあまりやらないプレーをして、チームの流れを切ってしまったので、そこがうまくいきませんでした。

――良かったところはありましたか

後半、自分たちの共通のディフェンス意識を持って、相手の特徴を消すことに注力できました。それで自分たちのペースになったのが良かったところだと思います。

――どのようなディフェンス意識でしょうか

(前半は相手の)スリーポイントのアテンプトが多かったです。キャッチアンドシュートという相手の特徴を消すことが徹底できていなかったので、それを消すことです。また後半はシュートが落ちた時のリバウンドをしっかりと全員が取りに行く意識を持って、ディフェンスから試合に入ろうと話していました。

――高田選手自身が意識していたことはありましたか

第1Qの最後に交代して第2Qは一度も出ずに後半を迎えたので、前半休んでいる分、ペースを上げるために前を走ろうという気持ちがありました。またディフェンスのところは、下から声を出すことが多かったので、自分が先頭に立って一番大きな声を出してやろうと意識していました。

――次戦への意気込み

法大は、高校時代の同期がガードにいるので、自分も岩屋もそこには負けたくないという気持ちが大きいです。六大学(東京六大学リーグ戦)でやった時には、自分たちのペースで(試合が)進んでいたのでよかったです。しかし、そこから時間も経っていて、法大も強くなっていると思います。油断はせずに、今日の接戦を乗り越えたことを自信にして、明日はもっと気楽に頑張っていきたいです。