大東大相手にシーソーゲームとなるも、終盤で力尽きる

男子バスケットボール

 早大は、関東大学選手権2戦目で大東大と対戦した。バトゥマニ・クリバリを筆頭に強力なインサイドを擁(よう)する大東大を相手に、早大は前半から拮抗(きっこう)する展開を見せた。第3クオーター(Q)終了時点で7点ビハインドと大東大に食らいつく。しかし第4Q、早大は自チームのミスからの失点が目立ち、徐々に点差が離れていった。終わってみれば57−76と、19点差をつけられて敗北。早大は今大会ベスト16で姿を消した。

 大東大は、序盤からクリバリがリバウンドで存在感を見せ、安定した試合運びで、富山仁貴を中心に得点を重ねた。対する早大は、第1QからG堀陽稀(スポ1=京都・東山)が積極的なドライブで相手のインサイドでのファウルを誘う。またF星川堅信(スポ3=京都・洛南)のアウトサイドシュートが高確率で決まり、第1Q終了時点で3点ビハインドの拮抗した展開に。第2Qに入ると、早大はより強固なディフェンスを披露し、24秒オーバータイムを奪うなど相手のオフェンスを一時停滞させた。第2Q終了間際には、星川とF小野功稀(社2=新潟・開志国際)が連続でスリーポイントを沈め、このクオーターでは4点のリード。38−37で試合を折り返した。

シュートを打つ星川。ゲームハイの18得点を挙げた

 しかし、前半の勢いはどこへ。後半に入ると、早大のアウトサイドシュートが決まらない時間帯が続く。その間にも順調に得点を取り続けた大東大に、開始6分で9点差をつけられた早大は、ここでタイムアウトを要求。試合再開後は、G神田誠仁主将(社4=静岡・浜松開誠館)のバスケットカウントや堀から星川へのアリウープでの得点で食い下がり、47−54の7点ビハインドで第3Qを終えた。第4Q開始直後、F兪龍海(スポ3=神奈川・桐光学園)のオフェンスリバウンドからの得点で5点差に縮める。しかし、早大にターンオーバーが目立ち、大東大に5連続得点を許すと、一気に14点差まで開いた。その後も早大は攻撃の糸口をつかめないまま試合終了。第4Qだけで12点差をつけられ、最終スコア57−76で敗れた。

ペネトレイトする神田

 神田は試合を終えて、「優勝候補の大東大相手に(第3Qまで)シーソーゲームをできていたのはよかった」と振り返った。一方、多くの選手が課題として挙げたのは、オフェンスの停滞だ。特に第3、第4Qは個人で力で打開しようとしてタフショットになることが多かった。攻守両面において課題と収穫が見つかった大会となったはずだ。

(記事 落合俊、写真 落合俊 谷田潤一)

第71回関東大学選手権 5月5日(vs大東大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

21 17 10 57
大東大 24 13 17 22 76

◇早大スターティングメンバー◇
G#12 土家大輝(スポ4=福岡大大濠)

G#5 堀陽稀(スポ1=京都・東山)

G#18 岩屋頼(スポ1=京都・洛南)

F#13 星川堅信(スポ3=京都・洛南)

F#77 石坂悠月(スポ2=東京・国学院久我山)

コメント

神田誠仁主将(社4=静岡・浜松開誠館)

――試合を終えて

第3Qまでは、自分たちのやりたいバスケットボールがある程度できていました。前半は1点リードで折り返して、第3Qも7点ビハインドの状態だったので、優勝候補の大東大相手にシーソーゲームをできていたのはよかったです。けど、第4Qに入って点数が取れなかったり、リバウンドやルーズボール、相手のブレイクに対してディフェンスに戻れなかったりしました。そういう細かい積み重ねで20点離れてしまったのは修正しないといけないポイントでした。

――留学生がいるチームでしたが、特別な対策はされていましたか

オフェンスに関しては、彼らがゴール下に残っているとリバウンドやブロックショットなどの役割が大きいので、彼らを上に引き出してピックアンドロールをしたり、速い展開にすることで彼らが戻る前に攻め切るなど、そのような点を強調してやっていました。ディフェンスに関しては、とにかく体を当て続け、リバウンドもボックスアウトしました。インサイド陣がボールをとるのではなく、彼らにコンタクトしてもらって、ガード陣がボールを取りに行くというスタイルの重要性をチームの共通認識としていました。

――ご自身のプレーを振り返って

ディフェンス面は自分自身の役割だと思っているので、そこはある程度できていたのではないかと思います。しかし、オフェンス面ではPGとしてシューターにうまく打たせるシュートやドライブからファウルをもらうプレーなど、そこがまだ課題だと思います。

――チームとしての課題は

まずゲーム感をあまり持てていませんでした。そこは練習試合やリーグ戦などを通して、後半で勝てるようにゲーム感を戻すことが重要だと思います。その他には、シュートは外れる前提で、オフェンスリバウンドに絡み続けることができていませんでした。相手の留学生や日本人の選手に簡単にリバウンドをとられてブレイクに走られてしまう展開が多かったです。セカンドチャンスを取れなくても、相手の速攻を遅らせるような部分をより強調する必要があると感じています。あとは、今後セットプレーを増やしていくと思うので、セットオフェンスの中で人とボールが動くような、ズレをチームで作り出すようなプレーが必要なのかなと思います。個人で打開しようとするシーンが多すぎたのが反省でした。

――これからの期間をどのように過ごしていきますか

オフェンスの面にフォーカスしがちですが、自分たちはディフェンスからリバウンドをとって走るチームなので、自分たちがやっているバックラインディフェンスの共通認識をより深めて、ディフェンスのボールプレッシャーも含め、より強固なディフェンスをつくりることに焦点を当ててやり続けていきたいです。オフェンスに関しては、リバウンドからのトランジションでより点数を稼がないと85点を取ることはできないと思うので、徹底してコントロールできることをやり続ける必要があると思います。

星川堅信(スポ3=京都・洛南)

――試合を終えて

大東大を倒そうという目標でトーナメント(関東大学選手権)に挑んできたので、それを達成できなかったのは残念です。僕らは1年生の時から掲げた目標を達成できたことがあまりないです。リーグ戦(関東大学リーグ戦)やインカレ(全日本大学選手権)でも目標を掲げて、それを達成できるだけの準備をしないといけないと思います。

――目標を果たせなかった要因は

接戦を過ごす時のプレーが悪かったです。自分たちが崩れてターンオーバーをしたり、ディフェンスで止めなければいけないところで、止められなかったり。そういう接戦の過ごし方は改善しないといけないと思います。

――ご自身のプレーを振り返って

僕は今日フルで出たのですが、最後は全然動けなかったですし、体力が切れてしまいました。40分出してもらえる期待に応えないといけないです。

――得点が停滞した時間帯はどのように乗り切ろうとしていましたか

外でボールが回るだけになったり、個人で打開しようとしてタフショットになったりしました。今考えると、ファウルをもらったり、チームでオフェンスをつくって、チームのシュートを打てたらよかったと思います。

――これからの期間をどのように過ごしていきますか

試合が遠いとなるとモチベーションが保ちづらくなります。試合のためにというより、この長い期間は。自分の課題をリストにして1つずつ潰していくことをモチベーションに頑張ろうかなと思います。

兪龍海(スポ3=神奈川・桐光学園)

――試合を終えて

スタート時点でのチームシステムが合わない部分があったので、最初に発見できてよかったです。しかし、それを練習中に気づけなかったのかという点は、果たしてよかったのかなと思います。プラス半分で、戸惑いも半分くらいです。

――留学生とのマッチアップについては

留学生はそんなに気にしていませんでした。チームとして特別な対策はしていませんでした。

――得点が停滞した時間帯の課題は

システム上で言われていたことに対して、個人の焦りも露わになったのかなと思います。うまくいかないところをどうにかしてやろうという個人の思いが強くなってしまい、単発のシュートが増えてマイナスの循環になってしまったのかなと思います。

――前半のダンクシュートについては

空いたからいきました(笑)。

――これからの期間をどのように過ごしていきますか

時間が空いている分、試合は経験できないと思います。けれど、もう一度僕たちは相手のことよりも自分たちのことをちゃんと見つめ直した方がいいかなと思うので、この期間を大切にしたいと思います。

堀陽稀(スポ1=京都・東山)

――試合を終えて

前半は競っていましたが、後半は自分たちのミスで離されてしまい、そこで立て直せなかったところは悔しかったです。

――スタートメンバーの抜てきについては

出たらは自分のやることをするだけでした。

――留学生選手に対して特別な対策は

留学生は飛んでしまう癖があると思うので、飛んでたら下でパスを合わせたり、上に打ったり、ファールをもらったり、というのをやっていました。

――ご自身のプレーを振り返って

ドライブはうまくいきましたが、フリースローが全然入らなくて、そういうところで迷惑をかけてしまったところがありました。

――今後の課題は

自分は結構ドライブをするので、そこでファールをもらってフリースローを決め切りたいと思います。