新チーム初の大会で全勝優勝

男子バスケットボール

 ここまで東京六大学リーグ戦で3勝を挙げている早大は、最終日で立大、明大と対戦した。両試合とも前半からリードを奪うが、終盤に追いかけられる展開となった。しかし勝負所のディフェンスで逃げ切り、2試合とも勝利。今大会を全勝で終えた早大は、優勝を果たした。

 早大は1試合目で立大と対戦した。前回の試合で課題としていた試合の出だしは修正し、早大が試合を優位に進める。しかし第1クオーター(Q)中盤、ディフェンス強度を増した立大に対して、早大はペイントエリアに入れず、得点が停滞し、23−22で第1Qを終えた。続く第2Q、早大が仕掛けたオールコートプレスが奏功し、速攻から連続得点を奪い流れに乗る。49−38と点差を広げて、前半戦を終えた。

 第3Qに入っても、早大は強度の高いディフェンスを継続。オフェンスでは、ボールマンに対するダブルチームを冷静にさばいて、得点を重ねた。そのまま前半戦の点差を保持して、最後の10分間へ。迎えた第4Q、早大はシュートが決まらない時間帯が続いたが、ディフェンスやリバウンドで流れを渡さない。そして我慢の時間帯を切り抜けると、オールコートプレスやG岩屋頼(スポ1=京都・洛南)のミドルシュートで、試合は早大ペースになった。11点差を守り切り、89−78で試合終了。この時点で、早大は4連勝となった。

パスを伺う岩屋

 2試合目は、明大との対戦となった。試合序盤は、拮抗(きっこう)する展開が続いたが、早大がディフェンスからの速攻でリズムをつくっていく。F小野功稀(社2=新潟・開志国際)のスリーポイントシュートも決まり、8点差に広げる。しかしサイズのある明大を前に、中盤から得点が停滞し、18−16で第1Qを終えた。第2Qは、岩屋の連続得点で幕を開けると、早大の持ち味である走るバスケットを体現し、41−24と明大を突き放す展開となった。

 第3Q、早大はF兪龍海(スポ3=神奈川・桐光学園)のポストプレーやG高田和幸(商1=京都・洛南)のミドルシュート、G堀陽稀(スポ1=京都・東山)のドライブなど、多彩なオフェンスを見せる。対する明大もインサイドを中心に得点し、61−41で終了した。しかし第4Q序盤、明大のオールコートプレスを突破できず、早大はターンオーバーが重なり、一気に10点差を詰められる。それでも勝負所のディフェンスでは24秒オーバータイムを奪うなど、明大の猛追から逃れ、75−67でタイムアップ。今大会5勝を挙げた。

ミドルシュートを打つ兪

 新チーム初の大会となった東京六大学リーグ戦で、早大は全勝優勝を果たした。また、新入生の活躍という面でも大きな収穫のある大会となった。今年もチームの目標が「日本一」であることは変わらない。神田主将は「インカレ(全日本大学選手権)の最後にチームを優勝させられるようなキャプテンになっていきたい」と語った。

優勝トロフィーを受け取る神田主将

(記事 落合俊、写真 落合俊 冷水睦実 大滝佐和氏)

※学年は来年度のものです。

 

東京六大学リーグ戦 3月21日(vs立大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

23 26 18 22 89
立大 22 16 19 21 78

◇早大スターティングメンバー◇
G#1 神田誠仁(社4=静岡・浜松開誠館)

F#14 小野功稀(社2=新潟・開志国際)

F#24 細溪宙大(教3=東京・早実)

F#25 宮川丈クレイトン(商4=愛知・千種)

F#77 石坂悠月(スポ2=東京・国学院久我山)

東京六大学リーグ戦 3月21日(vs明大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

18 23 20 14 75
明大 16 19 24 67

◇早大スターティングメンバー◇
G#1 神田誠仁(社4=静岡・浜松開誠館)

G#5 堀陽稀(スポ1=京都・東山)

F#14 小野功稀(社2=新潟・開志国際)

F#15 兪龍海(スポ3=神奈川・桐光学園)

G#18 岩屋頼(スポ1=京都・洛南)

コメント

神田誠仁主将(社4=静岡・浜松開誠館)

――新チーム初の試合でしたが、振り返っていかがですか

自分たちは1部の上位を狙っているチームなので、優勝しなければいけないとはずっと言ってきました。その中でも内容にこだわることをやり続けました。チームが始まってまもないので、ディフェンスとリバウンドにこだわることは意識していたのですが、それがやり切れなかったシーンが多かったです。明大さんにも、前半あれだけリードしていたにも関わらず、接戦になったことは課題が残るのかなと思っています。

――主力が何人か抜けている状態でしたが、それに関しては

堅信(星川堅信、スポ3=京都・洛南)と大輝(土家大輝、スポ4=福岡大大濠)はBリーグから戻ってきたばかりで調整できていないので、出られなかったです。それでも新1年生も入ってきて、メンバーはいたので、勝たなければいけないとは話していました。

――この大会での収穫は

新入生の活躍というのは、1つ大きいものがあったのかなと思います。特にスタートで出ていた3人(岩屋、堀、堀田)は、活躍してくれました。ベンチから高田も活躍してくれて。新入生の活躍があるから、上級生も競争して、コートに立つためには何ができるのかというところを普段の練習も考えられる環境になってきたと思うので、そこは良かったかなと思います。

――神田選手の目指すキャプテン像は

とにかく優勝させられるキャプテンになりたいです。今シーズン、これだけのメンバーがいて、倉石監督からたくさん教えをいただける期間になっていて。コロナの影響がどれくらい出るか分かりませんが、インカレ(全日本大学選手権)の最後に優勝させられるようなキャプテンになっていきたいです。

――そのために必要なことは

今の段階では、チームの核となる3つのことがあります。リバウンド、オールコートで当たり続ける、トランジションで点数を取る、この3つが核となります。今の時期は、その核がより大きくなるようにやるのが正解かなと思っています。

堀田尚秀(スポ1=京都・東山)

――早稲田を選んだ理由は

自分がこれまでやってきた高校バスケとディフェンスという面で、早稲田大学はすごく力を入れていたので、自分のプレーのステップアップのためにも早稲田大学がいいなと思いました。

――得意なプレーは

スリーポイントシュートです。

――今大会の出来栄えはいかがでしたか

全然だめでした。(笑)

――今後の意気込みをお願いします

チームとしてはインカレ日本一を目指しているので、そこに向けて自分自身がルーキーとして、チームに刺激を与えられるような選手になりたいです。

堀陽稀(スポ1=京都・東山)

――早大を選んだ理由は

バスケットだけやっているのではなく、文武両道が徹底できるのかなという理由で選びました。

――得意なプレーは

ドライブです。

――今大会の出来栄えは

大学生だと相手のフィジカルが強くて、抜けない部分がありました。そこは自分がもっと体を強くして、当たり負けしないようにしたいです。

――今後の意気込みをお願いします

チームの目標は日本一なので、それに貢献できるような選手になりたいです。

岩屋頼(スポ1=京都・洛南)

――得意なプレーを教えてください

ジャンプシュートや周りをいかすプレーが得意です。

――今大会では持ち味を出せましたか

できた部分もあったのですが、課題も多かったです。

――今後の意気込みをお願いします

こういう経験をさせてもらったのでチームにいい影響を与える存在になれたらいいなと思います。

高田和幸(商1=京都・洛南)

――得意なプレーを教えてください

スリーポイントシュートです。

――今大会では持ち味を出せましたか

オフェンスは好きにやらせてもらったので、いいプレーもできたと思うのですが、ディフェンスの面で体格の差をとても実感して、あまりできなかったのでまだまだだなと思いました。

――今後の意気込みをお願いします

1年生なので短い時間でも出させてもらえたら、生き生きしたプレーをして、チームに勢いを持ってこれるように、声を出して頑張りたいと思います。