今シーズン初の大会となる関東大学新人戦が始まった。1点差という接戦を制し、1回戦で法大に勝利した早大。今回の相手は、F小野功稀(社1=新潟・開志国際)が「留学生の方もいて、高さがそろっているチーム」と語る大東大である。試合序盤からボールポゼッションの入れ替わりが激しく繰り広げられる中、早大はスティールから速攻を中心に得点を重ね第1クオーター(Q)を同点で終える。しかし、続く第2Qからはターンオーバーや相手からのスティールが増え、思うように攻撃ができない。そのまま流れを取り戻せず、47-76で敗北。今大会から姿を消すこととなった。
試合が始まると得点を重ねられ、厳しい出だしとなる。早大は初得点でG飯島慶記(人1=茨城・下妻一)がミドルシュートを沈めるも、続くディフェンスでバスケットカウントを許してしまう。ここで点差が広がるかと思いきや、F兪龍海(スポ2=神奈川・桐光学園)が速攻やドライブで3連続得点を挙げ、流れを渡さない。終盤には飯島からC高羽優介(法1=東京・早大学院)への華麗な合わせプレーも見られ、第1Qを15-15と同点で終えた。迎えた第2Q、相手の速攻に対しアンスポーツマンライクファウルをし、いきなり危うい展開に。しかし、ここも兪が速攻で豪快なダンクを決め、流れを断ち切る。そして、ここで17-16、ついに今試合初の逆転。このままリズムをつかみたい早大だが、連続スティールに阻まれむしろ点差が広がってしまう。小野のスリーポイントや速攻で食い下がるが、点差を10点に広げられ、前半を折り返した。
ダンクを決める兪
後半に入ると、ターンオーバーやリバウンドからボールを失う時間帯が多くなる。それとともに点差が広がり続けるが、その間も選手たちのひたむきなプレーは止まらなかった。F細渓宙大(教2=東京・早実)が懸命なリバウンドを見せると、G福永陸眞(教1=東京・早実)は得意のドライブ、「なるべくボールに絡むことを意識してプレーしていた」と語るF石坂悠月(スポ1=東京・国学院久我山)は積極的なプレーで果敢に攻め入る。また、第3Q後半にはベンチからも大きな声が聞こえ、コート内でも足をよく動かすプレーが増えた。G大柳慶悟(教1=東京・早実)と小野が続けてスティールから速攻を決めると、チームはそのまま最後の10分間へと臨んだ。第4Q序盤に小野が安定感のあるスリーポイントを次々に沈めると、ベンチからは大きな歓声が聞こえた。また、後半には兪のスティールや1対1、高いブロックが冴えわたりチームは勢いづく。しかし、点差を元に戻すことは叶わず、試合終了。選手らは悔しげな表情でコートを後にした。
ボールをコントロールする福永
これまでとは違った感情を胸に、先輩方のいない大会を終えた1、2年生たち。大柳が「自分がチームを引っ張っていくのだという意識で、この1年頑張っていきたい」と奮起したように、それぞれから熱い思いが感じられた。これからのチームの中心になっていくのは彼らである。今月末には東京六大学リーグ戦が、6月に入るといよいよ関東大学選手権が開幕する予定だ。新生早大バスケットボール部の戦いはここからスタートしていく。
(記事 宮島真白、写真 落合俊、五十嵐香音)
第61回関東大学新人戦 3月5日(vs大東大) | |||||
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1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 |
15 | 11 | 9 | 12 | 49 |
大東大 | 15 | 21 | 20 | 20 | 76 |
◇早大スターティングメンバー◇
F#14 小野功稀(社1=新潟・開志国際)
F#15 兪龍海(スポ2=神奈川・桐光学園) G#22 飯島慶記(人1=茨城・下妻一) G#33 大柳慶悟(教1=東京・早実) F#77 石坂悠月(スポ1=東京・国学院久我山) |
コメント
福永陸眞(教1=東京・早実)
――今日の試合を振り返っていかがでしたか
相手の知名度にびびってしまった部分もあって、最初の方は緊張で思うようにプレーできなかったです。最後の方まで課題に残るような試合になってしまいました。今後練習していこうと思います。
――今日の試合の敗因を挙げるとするとどのような点でしょうか
後半は、人数が少ないのもあって疲労がたまってしまって、集中力も切れて差が開いてしまいました。最後の方あきらめてしまった人も何人かいました。そういう部分も今後詰めていけたらなと考えています。
――ルーキーズトーナメントを通して、どのようなことを意識していましたか
自分は、結構ドライブを得意としているのですが、その分ターンオーバーが多いのが昨シーズンの反省でした。なので今回ノーターンオーバーを目標にしていましたが、少し多くなってしまいました。今後改善していこうと思います。
――今後の意気込みをお願いします
3月は六大学(東京六大学リーグ戦)や、練習試合が何回かあると思うので、春休みのうちに試合勘を戻して、次のトーナメントに向けてチーム練習を重ねて頑張りたいと思います。
石坂悠月(スポ1=東京・国学院久我山)
――今日の試合を振り返っていかがでしたか
今までの練習で、オフェンス面での練習ができていませんでした。チームの目標としてハードワークでディフェンスをすることを掲げてきたのですが、今日も第3Qで離されてしまったり、我慢できなかったりしたので、そこはこ れからの課題だと思います。
――ご自身のプレーを振り返っていかがでしたか
オフェンス面の練習ができていない分、ディフェンス面で貢献しようと思っていました。最後の方は、留学生の守り方やリバウンドなど、なるべくボールに絡むことを意識してプレーしていました。
――プレーに関しての評価はいかがでしょうか
最後の方は自分として絡めた方だと思います。けれど、チームの流れが悪くなった時に、まだルーズボールやリバウンドを取り切れないところが多かったので、課題かなと思います。
――オフェンスでのコンタクトの意識はどうでしたか
前の試合もそうだったのですが、体を当ててシュートをすることに慣れないといけないと思っていました。ドライブでのコンタクトなど、意識して慣れていこうと思っています。
――今大会での成長や収穫はありましたか
新入生のチームということで、流れが悪い時に引っ張っていく人がいませんでした。これから新チームになっていく中で、自分もチームに影響を与えられる選手になりたいと思います。
――今後の意気込みをお願いします
今後はオフェンス面で、もっと得点に絡めるプレイヤーになって、チームに貢献したいと思います。
――今後の意気込みをお願いします
3月は六大学(東京六大学リーグ戦)や、練習試合が何回かあると思うので、春休みのうちに試合勘を戻して、次のトーナメントに向けてチーム練習を重ねて頑張りたいと思います。
大柳慶悟(教1=東京・早実)
――今日の試合を振り返っていかがでしたか
ガードとしてやるべきことをできなかったのは、反省しています。昨年から試合に出ている(兪)龍海さんや、小野、石坂など、いいウィングとビッグマンがいたにも関わらず、こういう結果になってしまったのは、自分たちがチャンスをつくれなかったり、ターンオーバーしたりした僕の責任だと思います。今日の負けを心に留めて、また一からウィングとビッグマンとの信頼を築いていけるように頑張っていきたいと思います。
――兪のところにディフェンスが寄っていく場面が目立ちました。対策はしていましたか
チームとして、ダブルチームしてきたら、こういうふうに動こうというデザインはありました。しかし、それが実行できず、かたちにならなかったのは良くなかったと思います。
――その原因はどのようなものでしょうか
フロアバランスを見れていませんでした。全員が、自分がどういう役割なのかを瞬時に判断しなくてはいけなかったのですが、それができず、1歩目が遅れてしまいました。それが重なったのだと思います。
――第2Q以降得点が伸びなかったのに対してはいかがでしょうか
ガードのイージーミスが多かったです。また、ボールがコートの上でしか回っていませんでした。中に1回集めてもう1回など、ボールの動きや人の動きがつくれなかったのが原因だと思います。
――今大会での成長や収穫はありましたか
自分のミスがなかなかあったのですが、長い間試合に出させてもらえました。自分の中で反省がすごく多かったです。昨年から土家さん(土家大輝、スポ3=福岡大大濠)や神田さん(神田誠仁、社3=静岡・浜松開誠館)を見習ってきたはずなのに、できていなかったのはもったいなかったと思いました。今大会でガードとフォワードとセンターの信頼関係を、こちらがなかなかつくれませんでした。それで、チームのリズムとしてうまくいかなかった部分でもあったので、もう一度ガードとして練習して、信頼関係を築いていけたらと思います。
――今後の意気込みをお願いします
今までなら1年生として出て、ディフェンスを頑張っていれば評価されていました。しかし来年、先輩のガード陣が抜けてしまい、下からもいいガードがたくさん入っています。自分がチームを引っ張っていくのだという意識で、この1年頑張っていきたいと思います。
高羽優介(法1=東京・早大学院)
――今日の試合の感想としてはいかがですか
自分たちがやりたいことは、ディフェンスのハードワークとペースを上げるというところでした。けれど相手にゲームメイクされたり、自分たちのしたいことを相手にされたりして、それが敗因になったと思うので、悔しいです。
――ご自身のプレーを振り返っていかがでしたか
自分は、オフェンスとディフェンスのリバウンドに絡んでくれることを期待して出されたと思います。少しは絡めたと思うのですが、まだまだリバウンドのところで、チームに貢献していきたいなと思います。
――相手のリバウンドやボックスアウトに対しての印象はいかがでしたか
自分たちがやっているレベルよりも、身長も体重も、一段階上だと感じました。対戦してみて、技術もそうですし体格も鍛えていかないといけないなと思いました。
――今大会での成長や収穫はありましたか
今大会、初めてプレータイムをたくさんもらうことができました。今まで経験できなかったレベルで、自分の技術の足りないところを確認できたのは良かったなと思います。
――今後の意気込みをお願いします
自分はまだバスケを始めて1年くらいしか経っていませんが、チームはインカレ(全日本大学選手権)優勝を目指してやっています。自分がチームの優勝に貢献できるように、今日の敗退を切り替えて一生懸命プレーしていきたいと思います。