今回登場するのは、フレッシュな1年生、F小野功稀(社1=新潟・開志国際)、C松山雄亮(スポ1=京都・洛南)、C高羽優介(法1=東京・早大学院)、G杉渉夢(教1=福岡大大濠)の4人組。早稲田大学男子バスケットボール部に入部してから、早7カ月。全日本大学選手権(インカレ)を控えた今、4人は何を思うのか。早稲田を目指した理由やそれぞれの立場から見た今シーズン、そしてインカレへの思いについてうかがった。
※この取材は11月28日に行われたものです。
右隣の人を紹介してください!
他己紹介を受ける松山
――まず初めに他己紹介をしてください
小野 (松山を指しながら)松山くんです。今はけがをしているのですが、裏のサポートを頑張っています。体脂肪率がちょっと高いです(笑)。
松山 高羽くんです。バスケを高校から始めたらしいです。しかし、(バスケットボールを始めてから)1年しか経っていないのに結構うまくて、とても尊敬しています。ラーメンが好きだそうです。
高羽 杉くんです。浪人しているので、年齢は1個上なのですが、そんな感じもせずに同期として仲良くやっています。一番同期の中でしっかりしていて、とても細かい人です。片付けや道具の準備とかの時に、とても指示してくれます。意識が高いので、英会話とか行っていたり、本を読んでいたりしてすごいなと思います。
杉 (小野)功稀は1年生の中では、石坂(石坂悠月、スポ1=東京・国学院久我山)と2人だけほぼフルタイムで試合に出ています。一見自分の空間があるように見えますが、一番遅くまでシューティングを頑張っているなど熱い部分も持っていて、そのようなところを尊敬しています。また、この学年で一番モテると思います。
――オフの日は何をされていますか
小野 僕は寝るかゲームをしています。ダイアモンドパールのリメイクが出たと思うのですが、僕はスイッチを持っていないので、普通のダイアモンドをやっています。一番初めに選んだポケモンは、もちろんポッチャマです(笑)。
松山 僕は最近手術して、あまり動けないので、家で寝るか映画を見ています。最近はマーベルのスパーダーマンの2作目の映画を見ました。
高羽 僕は実家暮らしで、8月に免許を取ってからはドライブすることが多いです。また、温泉が好きなのでオフの日は必ず温泉行って、サウナに行っています。
杉 それこそさっき言ってくれた英会話に行ったり、朝は本を読んだりしています。最近はあまりしていませんが、少し前まで自然を感じに一人で旅に出ていました。
――松山選手は手術明けとのことですが、調子はいかがですか
松山 まだうまく歩けないので、かなり不便です(笑)。
リーグ戦の振り返り
リーグ戦を振り返る小野
ーーリーグ戦を振り返っていかがでしたか
小野 チーム的に言えば、最初の筑波大から最後の青学大まで見て、確実に成長したと言えることが良かったところだと思います。最後2連勝して終えられたことも良かったし、インカレにつなげられるような試合運びができたのが一番良かったかなと思います。
ーー具体的にどのようなところが成長しましたか
小野 初めは発展途上というか、まだチームのスタイルも完全に理解できていない状態だったのですが、やっているうちに倉石さん(倉石平ヘッドコーチ、昭54教卒)の意図を汲み取れるようになってきました。チームでディフェンスして、全員で走って決めるというスタイルが少しずつ出せていけたかなと思います。
松山 僕が言えたことじゃないんですけど、全体を通してけが人が多く、主力のメンバーがけがをしてしまった時もありました。それでもサブのメンバーがなんとか食らいついて、戦い抜いたことが成長につながったかなと思います。
高羽 僕も初めはけがしてベンチにも入れなかったんですけど、それから入れてもらって。また、白鴎大戦と日体大戦では数分でも出してもらって、自分の立場から言えば、とても感じたものがあったし、もっと努力しないといけないと思いました。あと一樹さん(宮本一樹、スポ4=神奈川・桐光学園)がけがした時に、悠月(石坂悠月、スポ1=東京・国学院久我山)が出ずっぱりだったので、自分がもっと成長しないとチーム的にも強くなれないし、石坂を助けられるような選手になって早く試合に絡めたらと思うようになりました。
ーーどのようなことを感じましたか
高羽 日体大戦で留学生の選手とマッチアップした時に、リバウンドのボックスアウトで全然押し出せなくて、ファウルになってしまったりしました。練習ではある程度できたかなと思ったことでも、もっと上のプレーを意識しないと通用しないと思ったので、もっと頑張りたいなと思いました。
杉 チームとしては最初に勝てない時期が続いて、苦しい時間が長かった大会だと思います。それでも終わりに近づくにつれて改善点を見つけて、そこに全員が集中して取り組んだことで改善して。それを次の試合に繋げていけたのが、チームとして成長していたので良かったと思います。個人としては全然プレータイムがないですし、唯一出られた神奈川大戦では自分の良さというかアピールするべきところを出せなくて。それ以降は試合に絡めなかったので、そこが個人としては悔しかったです。来年に向けてさらにレベルアップしようと感じた大会でした。
ーー今年から大学バスケデビューということで、高校の時と違うなと感じる部分はありましたか
高羽 僕は高校最後の8月くらいからバスケを始めて、大学入ってリーグ戦とか経験してタフだなと思いました。あと練習強度が高校の時より引くほど高くて(笑)。大学はフィジカルコンタクトがめちゃくちゃ多いなと思います。松山も言ってたんですけど、長い期間リーグ戦を戦っていく中でたくさんけが人が出てしまって、けがしない体づくりとかケアの部分が大切だなと感じました。
小野 バスケに関してはあんまり変わってないんですけど、大学に入って一番変わったのは生活スタイルです。中高は19時くらいまでやって帰って、ご飯食べて寝るみたいな感じでした。けど大学入ると22時まで練習があって、帰って22時半で、それからやることやったら1時くらいになっていて(笑)。一番辛いのはテスト時期で、夏の大会があったんですけどその時にちょうど被っていて。中高の時はテスト休みの期間もありましたし。僕は夜にやるタイプで、練習終わってやろうと思わなかったし、起きてもやろうと思わなかったので、ちょっとダメになってしまいました(笑)。
松山 高校の時は朝練とかあって、午後の練習も3、4時間はやっていました。けれど大学は1、2時間で集中して密度の濃い練習をしているのが結構変わったかなと思いました。
杉 高校時代から結構強いところで、全員がバスケットをするために高校に行っているようなチームだったので、強度自体で言えば大きくは変わらないです。けれど早大は特にそれぞれのやりたいことや目的があって来ている人たちが多いと思うので、高校の時はバスケだけに集中してればそれで良かったのですが、今は就職や自分のやりたい勉強と両立しながらバスケットでも勝ちを求めないといけない部分が大変だなと思います。
ーー小野選手にお聞きします。リーグ戦後半にかけてシューターとして活躍されていましたが、どのような部分が一番成長したと感じますか
小野 前半はそもそも決めるどころか打てていない状況でした。中盤あたりに一度けがをして、外から見ている期間があったのですが、その時に大輝さん(土家大輝、スポ3=福岡大大濠)や(宮本)一樹さん任せになっているなという印象があって。そこで自分もどんどん打っていかないといけないなと思って、後半からはとりあえず打つことを優先してやっていたのが良かったかなと思います。
早稲田を選んだ理由
バスケットボールを始めたきっかけについて話す高羽
――高羽選手はなぜバスケを始めたのですか
高羽 高校3年生の7月にバスケを始めました。それまでは野球をやっていたのですが、妹がバスケ部だったこともあり、遊びではバスケをやっていました。身長が高かったので、高校1年生の体育祭でバスケをした時に、高校のバスケ部の監督に勧誘してもらいました。それでも野球はやりたかったので続けていました。しかし、大会がコロナの時期と被ってしまって野球が早く終わって、バスケ部の引退が伸びたんですね。そこの2カ月の間にバスケ部の監督に「来れば?」と言われたので、バスケを始めました。
――大学でもバスケットボールを続けようと思われていたのですか
高羽 僕は附属校だったので、早稲田に来ることは決まっていたのですが、バスケを続けようとは思っていませんでした。(バスケを高校で)始めた時から大学でやろうと思っていませんでした。しかし、高校の引退をかけた大会ではスタメンで出してもらったのにも関わらず、緊張などもあり自分の思ったプレーができませんした。周りには高校でバスケをやめる選手も多かったので、自分が全然活躍できなかったことでみんなのバスケ人生を終わらせてしまったと思いました。当時は夜も全然眠れませんでしたね。その時に悔しさを晴らしたいと考えて。(早大)学院でバスケ部に呼んでくださったからには、大学でバスケを続けることが一番かなと思い、続けようと思いました。
――杉選手は大学でバスケットボールを続けようと思われていましたか
杉 もともと大学で部活に入るつもりはありませんでしたが、高校時代は先輩の土家大輝(スポ3=福岡大大濠)さんに、バディというかたちでよくしてもらっていて、土家さんのバスケに対する姿勢や人間性を尊敬していたということがありました。その中で、できるなら、もう一度同じチームで大輝さんの背中を見て学びたいと思うようになりました。そこで、入学前に大輝さんと連絡取らせてもらって、入ってみようかなと思いましたね。そのような経緯があったからこそ、大学ではチームの一員として選手ではなくスタッフとしてチームに関わろうと思いました。僕としてはチームのマネジメントに関わりかったのですが、学生コーチというかたちで関わることになると、そこでの関わり方は自分が考えていたものとは離れていました。それに加えて、みんながプレーしているのを見て、やはりもう一度プレーしたいと考えて、プレーヤーに戻りましたね。
――なぜ早稲田を目指されたのですか
杉 もともと高3の夏までは学校推薦で同志社大学に行く予定でした。しかし、9月くらいになくなってしまって。僕は引退が12月だったので受験勉強をする時間もなくて、それだったら大学に行かなくて良いかなと思っていました。しかし、親に「大学は出ろ」と言われたので、どうせ行くなら名の知られたところの方が良いかなと思って早稲田を選びましたね。
――松山選手と小野選手はなぜ早稲田でバスケをしようと思われたのでしょうか
松山 僕の高校と早稲田のプレースタイルが似ていて、ディフェンスからアタックするところや1番から5番全員がシュートを打てるプレースタイルに惹かれました。また、留学生もいないので、自分が活躍する機会もあると思って早稲田大学を選びました。
小野 セカンドキャリアを考えた時に、一番良いと思いました。また、色々な大学を見させていただいたのですが、やはり早稲田のチームバスケットがかなり魅力的だと感じて、選びましたね。
――自分の強みは何だと思われますか
杉 人から見てどう思われるかはわかりませんが、自分の中では一度客観的に考えて行動に移せると思っています。
高羽 一番下手なのですが、逆にそこが強みだと思っています。失うものは何もないですし、シュートフォームに癖もありません。また、始めたばかりの時に、周りがみんなウインターカップ(全国高等学校選手権)に出ている選手ばかりという環境の中でプレーができることはとても良いと思っています。見るだけでも勉強になりますし、真似をすればもっと勉強になるので、そこが強みかなと思いますね。
小野 僕は速攻展開に持っていけるところだと思っています。高校の時も守って走るという似たようなプレースタイルだったので、そこで一番初めに前に走って速攻につなげていけるところが強みかなと思います。
松山 僕はチームで一番身長が高いのですが、外のシュートを打つことも好きで、自分の中ではそのようなところは誰にも負けないと思っています。
インカレに向けて
インカレでの目標を話す杉
ーーインカレの目標を教えてください
一同 優勝!
ーー個人としては他にありますか
高羽 4年生とできる最後の大会で、(宮本)一樹さんとかすごい選手のプレーを間近で見れる最後の機会だと思っていて。それまでの残り1週間で勉強させてもらえることはたくさんあると思います。個人としては出られるか分からないし、今の状態では出られなくて当然なのですが、その中でも学ぶことはたくさんあると思うので、少しでも先輩方からいろいろなことを吸収して、来年以降のシーズンにつなげてチームとして日本一になりたいなと思います。
杉 僕も正直プレータイムはないと思うのですが、そこではなくてプレーに直接関係なくても、チームの士気を上げることはできると思います。そういう裏方的な部分でチーム全員が同じ方向を向いて頑張れるように、ハードワークしたいと思います。
松山 僕もけがで出られないので、2人と一緒なんですけど、チームを支えられる存在になりたいと思います。
小野 僕は日本一を目指す過程の中で一つ一つの勝利に少しでも貢献できたらいいなと思います。あと個人的には、津田さん(津田誠人主将、スポ4=京都・洛南)をインカレのコートに立たせてあげたいです。もしチャンスがあるとすれば1回戦とかだと思うんですけど、点差を離してどうしても津田さんをコートに立たせてあげたいです。
ーーそれぞれインカレに向けて、どんな練習をしていますか
杉 僕にできることは練習中にハードワークしたり声を出したりしてチームの雰囲気を少しでも良くすることだと思うので、そういった部分を心がけてするようにしています。
高羽 5対5とかするんですけど、その時に(宮本)一樹さんや(石坂)悠月の試合相手として僕が立たせてもらいます。だから僕がもっとレベルを上げないと2人の練習にならないし、チームのためにもならないので、もっと基礎からシュート練習などを徹底して、頑張るようにしています。
松山 まずは普通に歩けるようにします(笑)。
小野 僕は今できることをもっと磨いています。シュートやディフェンスをもっとできるように意識してやっています。
ーーインカレで早稲田のキーマンになりそうな人を教えてください
杉 倉石さんの考え方的に、誰か特定のエースやキーパーソンに重点を置くというよりは、5人やベンチメンバー全員が役割を果たして、総力で勝とうとしています。なので全員がしっかりと自分の仕事を果たせるかどうかだと思うので、この人を注目してほしいとかはあると思うのですが、この人が鍵とかは分からないですね。
ーーインカレに向けて意気込みをお願いします
杉 今はみんなが同じ方向に一致団結して頑張っているので、その力をしっかりと発揮できるように全員でしっかりと戦っていきたいと思います。
高羽 僕もチームが勝つことが一番の目標だと思っているので、それに向けてベンチとかで声を出したり盛り上げたりしたいです。あとアップでダンクするのが自分の役割だと思っているので(笑)。最後とかやらしてもらうんですけど、外しちゃうと1クオーターの始まりに影響与えちゃうかなと思っているので、しっかりと決めてチームの士気を上げて、あとは(小野)功稀たちに託そうかなと思います。
松山 チームの目標のために、自分のできることをちゃんとやってサポートして日本一目指したいと思います。
小野 残り少ない時間を大切にしつつ、最大限の力を出せるように頑張ります!
――ありがとうございました!
(取材・編集 落合俊、内海日和)
◆杉渉夢(すぎ・あゆむ)(※写真左)
170センチ。福岡大大濠出身。教育学部1年。1年生の中で一番しっかりしていると紹介された杉選手。対談中もしっかりとした受け答えをしてくれました。インカレでは杉選手の愚直に役割を果たす姿に期待です!
◆高羽優介(たかば・ゆうすけ)(※写真中央左)
192センチ。東京・早大学院出身。法学部1年。高校からバスケットボールを始めたという高羽選手。最近は免許を取ったばかりで、ドライブにハマっているのだとか。まだまだ伸び代十分な高羽選手がチームを盛り上げてくれるでしょう!
◆松山雄亮(まつやま・ゆうすけ)(※写真中央右)
199センチ。京都・洛南出身。スポーツ科学部1年。チームで最長身を誇る松山選手。現在リハビリ中でインカレでのプレーは叶いませんが、今後のバスケットボール部をけん引してくれるでしょう!
◆小野功稀(おの・こうき)(※写真右)
186センチ。新潟・開志国際出身。社会科学部1年。一見物静かな小野選手ですが、対談では笑顔でお話してくださいました。シューターとしてフレッシュマンとして、チームの原動力となる小野選手に注目です!