終始流れをつかめず、春の王者・日大に完敗

男子バスケットボール

 全11試合に及ぶ関東大学リーグ戦(リーグ戦)は早くも折り返しを迎える。6戦目の相手は春の関東大学選手権(トーナメント)の王者・日大だ。試合序盤は白熱したスリーポイントの応酬が繰り広げられるが、日大の高いインサイドとスリーポイントの成功率を前に、だんだんと点差が開く。そのまま離れた日大の背中を捉えることはできず、53-99で敗北を喫した

 試合は、神田誠仁(社3=静岡・浜松開誠館)のアシストから石坂悠月(スポ1=東京・国学院久我山)がシュートを決め、早大の先制点で始まった。しかし、日大の留学生選手の高さを生かした攻撃ですぐさま追いつかれる。第1クオーター(Q)中盤に兪龍海(スポ2=神奈川・桐光学園)がスリーポイントを沈めると、ここからスリーポイントの打ち合いとなる。一進一退の攻防が続くが、両チームのスリーポイントが落ち始めると、リバウンド力で点差が開き、17-21で第1Qを終えた。第2Qに入っても拮抗(きっこう)した試合展開は途切れず、25-26と試合が進む。しかし、日大の3連続スリーポイントで点差が10点に。早大はたまらずタイムアウトを取るが、流れは変わらない。第2Qだけで33点を許し、31-54で前半を折り返した

アウトサイドでも存在感を放った兪

 後半に入ると、早大はインサイドとアウトサイドの合わせや懸命なルーズボールですがりつくが、ファウルが嵩(かさ)み、相手にフリースローを与えてしまう。早大はボールポゼッションに苦しみ、この10分で8点しか取ることができず、39-72で第3Qを終えた。第4Qに入ると、早大はミドルシュートやドライブを中心に果敢に攻める。試合終盤には神田のスリーポイントが決まるが、無情にも試合のブザーが響く。早大は今リーグの戦績を1勝5敗とした。

果敢に攻める姿勢を貫いた神田

 神田が「精神的にも肉体的にもキツさが少し出てしまった」と語るように、この試合は、チームにけが人が重なる中で早大らしいバスケをさせてもらえない厳しい戦いとなった。「フレッシュマンとしてもっと強気で攻めるというところをできたら」と話す大柳など、1年生の活躍も多く見られる今リーグ。チーム全員で一丸となって、次戦、拓大との試合に臨む。

チーム一同 リーグ後半戦に挑む

(記事 宮島真白、写真 落合俊)

第97回関東大学リーグ戦 10月19日(vs日大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

17 14 14 53
日大 21 33 18 27 99

◇早大スターティングメンバー◇
G#1 神田誠仁(社3=静岡・浜松開誠館)

G#12 土家大輝(スポ3=福岡大大濠)

F#15 兪龍海(スポ2=神奈川・桐光学園)

F#25 宮川丈クレイトン(商3=愛知・千種)

F#77 石坂悠月(スポ1=東京・国学院久我山)

コメント

神田誠仁(社3=静岡・浜松開誠館)

――試合を振り返って良かったところを教えてください

前半、2Qの途中くらいまでは、ゾーンディフェンスが結構効いていました。そこのディフェンスで、練習してきたことを徹底してできていたというのは良かったなと思います。また、オフェンスに関してもスリーポイントを狙ったシチュエーションで打てている場面が多かったというのは良かったなと思います。

――では悪かったところを教えてください

悪かったところとしては、やはりリバウンドです。前半で19本くらい取られて、後半もインサイドで簡単に点数を取られてしまいました。けが人が多くてインサイドが薄いですが、そこをチームで徹底して守るというのができなかったのが悪かったところかなと思います。

――第2Qの途中からインサイドを多く使っている印象でしたが、チームで何かお話があったのでしょうか

インサイドとアウトサイドのこだわりはあまりなく、チームのリズムだったらどんどん打つというようにやっていました。途中、オフェンスのリズムが悪くなって、パスが回らなくなって、結果的にインサイドで無理なシュートを打って、(相手に)ブロックされるという流れになってしまいました。ドライブした後にしっかりとキックアウトできる場所をつくったり、ドライブをした選手が最後まで判断をしきるというのは徹底できなかったかなと思います。

――苦しい時間帯が続きましたが、どのような心境でしたか

やはり相手のスリーポイントが入って、精神的にも肉体的にもキツさが少し出てしまったかなと思います。それがオフェンスに影響してしまいました。そこでしっかり気持ちを切らさずに自分たちの用意したセットオフェンスを遂行するとともに、相手に対応して臨機応変にバックカットをしたりフェイクを入れたり裏をかいたりというのができなかったのが良くなかったなと思います。

――ご自身のプレーとして、積極的に攻める姿勢が印象的でした。どのような意識でプレーをしていましたか

リーグ戦6試合を終えて、スリーポイントが1本も決まっていなかったのでスリーポイントは積極的に狙っていこうと意識していました。また、けがをしている選手が多い中で、点数をどうやって取るかというのは個人的にずっと考えていたところなので、インサイドでピックを使ったりハンドオフを使ったりしながらシューターに良いシュートを打たせるというのを考えていました。なので、スリーポイントを打つという意識と、ドライブしてキックアウトあるいは自分でシュートを狙うというところを意識していました。

――次戦への意気込みを聞かせてください

拓大も勝利数が少なくて、絶対に勝たなければいけない、より重要度の高い試合だと思います。けがしている選手も何人か戻ってくると思うので、もう一度チームとしてまとまって、次は必ず勝つというところをチームとして目標に掲げて、やっていきたいと思います。

大柳慶悟(教1=東京・早実)

――試合を振り返って、良かったところと悪かったところを教えてください

良かったところは、個人として前からプレッシャーをかけることができたこととシュートを気持ち良く打てたことだと思います。悪かったところは土家さん(土家大輝、スポ3=福岡大大濠)や神田さん(神田誠仁、社3=静岡・浜松開誠館)のゲームメイクへの負担が大きいところをまだ改善できていないところです。自分がハンドラーになってプレーをメイクすることは今後の課題だと思います。

――第2Qの途中からインサイドを多く使っている印象でしたが、チームで何かお話があったのでしょうか

チームとして、インサイドのゴール下で点数を取っていこうという意識は全員で持っていました。

――それはどのくらい実践できましたか

相手に留学生がいたこともあり、ポストに(ボールを)入れた後に、周りが動いて1対1をする機会をつくってあげなければいけませんでした。しかしポストフィードする回数も少なく、入ったときも周りで見てしまったというのはあったと思います。

――ルーズボールを頑張っていたのが印象的でした。どのような心境でしたか

自分は他の人と比べて、できることが少ないので、チームに貢献することができるルーズボールやディフェンスなどの泥臭いところはチームで一番やろうと思ってプレーしています。

――次戦への意気込みを聞かせてください

1年生なので、チャレンジしてもっとゴールにアタックするようなプレーなど、フレッシュマンとしてもっと強気で攻めるというところをできたらいいなと思います。