あと一歩が届かず、白鷗大に黒星

男子バスケットボール

 11試合に及ぶ関東大学リーグ戦(リーグ戦)も折り返しの時期が近づいてきた。ここまでの戦績が1勝4敗と苦しい状況にある早大が対峙したのは、春の関東大学選手権(トーナメント)で7位の白鷗大。序盤から両チームともファウルが重なり、思うように試合を組み立てられない。第2クオーター(Q)に入ると、速い展開のバスケットから早大が逆転。しかし白鷗大の外角のシュートに粘られ、流れをつかみきれないまま前半が終了。後半戦、強度の高いディフェンスから早大が一気に詰め寄るが、白鷗大のフィニッシュ力を前に、追いつくことができない。最終第4Qでも、激しくプレッシャーをかけ、早大は逆転のチャンスを狙うが、終始落ち着いたプレーを見せた白鷗大に逃げ切られ、60−82で敗戦した。

 試合の出だし、白鷗大に5点を先制されるが、すぐにG土家大輝(スポ3=福岡大大濠)が奪い返す。その後も土家を中心に得点を重ね、一進一退の状況が続く。しかし第1Qは、両チームともファウルに悩まされ、リズムをつかめないまま19−25で終了。続く第2Q、早大は土家やF石坂悠月(スポ1=東京・国学院久我山)が得点し、徐々に点差を縮める。またパスプレーからテンポの速い試合展開を仕掛け、F宮川丈クレイトン(商3=愛知・千種)が速攻で得点。またG福永陸眞(教1=東京・早実)の果敢なドライブで逆転した。しかし、その直後に松下裕汰(白鷗大)に3連続スリーポイントを沈められ、一気に10点差まで開き、32−42で試合を折り返す。

パスプレーの中心となった福永

 後半戦の開始直後には、宮川と土家が2本のスリーポイントを決め、4点差まで食い下がる。しかし「自分たちのターンオーバーから崩れることが多かった」と土家。あと一歩のところで、自分たちのミスから追いつくことができない苦しい時間帯が続いた。さらに脇真大の高いフィニッシュ力や松下裕汰のスリーポイントで得点を重ねる白鷗大に少しずつ点差を離され、45−62で最終第4Qへ。早大は土家のアウトサイドシュートを軸に得点し、またディフェンスでも足を動かし続けたが、白鷗大の安定したボール回しを崩すことはできなかった。最後まで激しくプレッシャーをかけたが、そのまま点差は変わらず、60−82で終了。早大はリーグ戦の戦績を1勝4敗とした。

果敢にドライブをする土家 この試合30得点の活躍を見せた

 リーグ戦5戦目となった今試合は、またもや悔しい黒星となってしまった。大会が進むにつれ、主力メンバーにけがが重なり、チームは苦境にあるはずだ。しかし「勝たなければいけない試合は続く」と石坂が話すように、少しでも上位を目指すためには、これからの一戦一戦が大切になる。次戦の相手は春に開催されたトーナメントの王者・日大。手強い相手に対し、「チャレンジャーとして、勝つことよりも自分たちがやるべきことを徹底していきたい」と土家は意気込みを語った。

(記事 落合俊、写真 宮島真白)

第97回関東大学リーグ戦 10月17日(vs白鷗大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

19 13 13 15 60
白鷗大 25 19 20 18 82

◇早大スターティングメンバー◇
F#7 宮本一樹(スポ4=神奈川・桐光学園)

G#12 土家大輝(スポ3=福岡大大濠)

F#25 宮川丈クレイトン(商3=愛知・千種)

G#33 大柳慶悟(教1=東京・早実)

F#77 石坂悠月(スポ1=東京・国学院久我山)

コメント

土家大輝(スポ3=福岡大大濠)

――試合を振り返って、良かった点と悪かった点を教えてください

良かった点としては、限られたメンバーの中で、しっかりと繋げる部分があったと思います。第2Qでは、主力があまり出ていない中でボックスアウトができていたり、トランディションで簡単に点が取れたりしていたと思います。悪かった点としては、サイズ的に仕方ないとは思いますが、ボックスアウトの徹底はまだできると思います。また前半は競ることができたのですが、その後は自分たちのターンオーバーから崩れることが多かったです。特に第4Qで15点差になった時に、自分たちのターンオーバーから相手に流れを渡してしまいました。チームとして反省点だと思います。

――白鷗大との一戦に向けて、チームや個人として対策していたことはありましたか

白鷗大は個々の力が強くどこからでも点を取ることができるので、マンツーマンのところでダイレクトアタックをされないことや留学生に対するボックスアウトはチーム練習の中で話し合っていました。

――ゾーンディフェンスでは何か決まり事がありましたか

相手にマンツーマンかゾーンか分からないようにすることが最大の強みなので、相手に(ディフェンスへの対応を)考慮されたり、勝負所となったりした時にゾーンに変えることで、相手を混乱させることが目的です

――これからのチームにおける土家選手の役割は何だと思いますか

自分がミスをしないということだと思います。自分がミスをしてしまうと崩れてしまいます。また経験のある選手が少ないので、率先して改善するために、(試合中に)やられているところに気が付いたら、みんなに伝えるようにしています。

――次戦はトーナメント王者・日大との対戦です。意気込みをお願いします

本当にけが人が多く、限られたメンバーで戦うしかないので、自分たちがチャレンジャーとして、勝つことよりも自分たちがやるべきことを徹底していきたいと思います。

石坂悠月(スポ1=東京・国学院久我山)

――試合を振り返って、良かった点と悪かった点を教えてください

良かった点は前回の中大戦と比べて、少しですが得点に絡めたところかなと思います。悪かったところとしては、今、主力がけがで欠けている中で、リバウンドやルーズボールは自分の中では出来たものの、システムの面でエラーが多かったことや、相手の流れが悪かったときにそれに付き合ってしまい自分たちのペースに出来なかったことかなと思います。

――相手には高さのあるインサイドがいたと思うのですが、チームではどのような対策をしてきましたか

ルーズボールとノーペイントタッチとリバウンドのボックスアウトを大きな目標にしていました。留学生がいる中でも空中で勝負するのではなく、空中戦になる前を大事にして練習をやってきていました。

――その対策はどのくらい生かせましたか

リバウンドの方では生かせたのですが、後半になるにつれてなかなか出来なくなってしまい、点差が開いてしまいました。

――スタートのメンバーにけがが重なる中で、今後もインサイドを任される機会が増えると思います。どのような役割を求められていると思いますか

今の時点では、自分は得点に絡まないといけないのはそうなのですが、それ以上にリバウンドなど泥臭いプレーを頑張っていかなければいけないと思っています。それを継続してやりつつ、将来的には得点に絡んでいけるようになればと思っています。

――次戦への意気込みをお願いします

この先も主力が欠けている中で、勝たなければいけない試合は続きます。まだリーグ戦は何戦もあるので、しっかりケアしながら臨んでいきたいなと思います。