健闘も一歩届かず、リーグ戦2連敗

男子バスケットボール

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)開幕から一夜、早大が挑んだのは3人の留学生選手を擁(よう)する日体大、春に開催された関東大学選手権(トーナメント)では20点差をつけられ敗北した相手だ。リベンジに燃える早大は序盤から攻守共に積極的な姿勢を見せ、高い攻撃力を誇る日体大に第1クオーター(Q)終了時点で7点ビハインド。第2Qにはスリーポイントやミドルなど外角のシュートを中心に得点を重ね、ついに3点差まで追い詰めた。しかし後半に入ると、高さのある留学生選手を前にペイントエリアからの得点が伸びず、試合の流れは少しずつ日体大に傾く。第3Qで留学生選手が1人ファウルアウトするが、それでもガードの選手を中心に試合を展開する日体大の牙城を崩すことはできなかった。早大も最後まで粘り強く得点を取り続けたが、終始にわたって落ち着いたプレーを見せた日体大に逆転は叶わず、惜敗。早大はリーグ戦戦績を2敗とした。

 早大は昨日からスタートメンバーを一新し、上級生を中心に試合を組み立てた。Cホセイン剛(教3=東京・早実)が「かなり自分たちのバスケットを遂行できた」と語る第1Q、ホセインやF宮本一樹(スポ4=神奈川・桐光学園)を中心にインサイドでの得点を狙う。すると留学生選手にファウルが重なり、早大が望むような展開となる。終盤日体大の激しいディフェンスにつかまり、連続得点をされる場面もあったが、早大もディフェンスやリバウンドで応戦し、19−26で終了。続く第2Q、開始早々から日体大が2-3のゾーンディフェンスを仕掛けてくるが、「たくさん練習していました」と話すF兪龍海(スポ2=神奈川・桐光学園)のスリーポイントが3本連続で決まり、一気に同点へ。しかしその後、オフェンスのミスから速攻を決められ、再び7点差となる。これに対し、ディフェンスからの立て直しを図った早大は、リバウンドを死守し、これ以上の点差を離されない。オフェンスではF宮川丈クレイトン(商3=愛知・千種)と宮本がアウトサイドから、兪がインサイドから得点し、43−46で試合を折り返した。

試合を通して大きな活躍を見せた宮本

 前半戦では留学生選手に対するディフェンスが機能し、日体大の攻撃をうまく封じながら、粘り強く攻めることができた早大。しかし第3Qに入ると、206㌢の高さを誇るムトンボ・ジャンピエール(日体大)のブロックが冴えわたり、なかなかシュートを決めきれない。また、ディフェンス面でも相手の連続スリーポイントや高速ドライブに翻弄(ほんろう)される。早大はG土家大輝(スポ3=福岡大大濠)の得点やモンゾンボ・クリスティン(日体大)がファウルアウトした後の宮本の得点などで食い下がるが、点差は広がり、58−71で第3Qが終了。迎えた第4Q、初めは一進一退の状況が続くが、相手のスリーポイントでリズムをつかまれると、それ以降も多種多様な攻撃から得点を奪われる。対する早大は、F星川堅信(スポ2=京都・洛南)のスリーポイントや土家のバスケットカウント、兪の速攻からの合わせプレーなどで健闘したが、第3Qで遠のいた日体大の背中には届かず、80−94で惜しくも敗れた。

インサイドで奮闘した兪

 この戦いを振り返って、「絶対に勝てる試合でした」と言葉を漏らしたホセイン。後半の立ち上がり部分で前半のようなオフェンスが続けられなかったこと、試合の重要な局面でミスが続いてしまったことが悔やまれる一戦となった。しかし、「ディフェンスをやればできると感じました」(兪)と話すように、14点差という数字を見ると、春よりも、そして昨日よりも粘り強く戦うことができていたことは間違いない。次戦は、早大と同じく、スピードと泥臭さをチームの強みとしている神奈川大との一戦。これまでとは違ったより平面的な戦いが予想されるが、チームとしてやるべきことを成せば必ず勝利は見えてくる。リーグ戦初勝利へ向け、気合いは十分だ。

(記事 落合俊、写真 五嶋彩花)

第97回関東大学リーグ戦 10月3日(vs日体大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

19 24 15 22 80
日体大 26 20 25 23 94

◇早大スターティングメンバー◇
G#1 神田誠仁(社3=静岡・浜松開誠館)

F#7 宮本一樹(スポ4=神奈川・桐光学園)

G#12 土家大輝(スポ3=福岡大大濠)

F#25 宮川丈クレイトン(商3=愛知・千種)

C#91 ホセイン剛(教3=東京・早実)

コメント

ホセイン剛(教3=東京・早実)

――試合を振り返って、感想をお願いします

久しぶりにスタートで出場しました。コーチの意図としては、上級生をスタートにすることで、その背中を見て後輩がついてくることを考えていたと思います。第1Qは、かなり自分たちのバスケットもできたし、セットプレーも遂行できたので、よかったです。しかし後半戦になった時に、アグレッシブさが足りなかったり、プレッシャーが劣ってしまったりしてしまい、一気に離されてしまいました。下級生も、もう少しハングリー精神を出すことができたらと思う試合でした。

――チームとしての反省を教えてください

絶対に勝てる試合でした。自分たちに流れがくるという場面で、ミスが多かったです。なので、そこでミスしないことや、もっとアグレッシブにいくことができなかったのは反省だと思います。

――個人としても反省点があったかと思います。次戦ではそれをどのように生かしていきたいですか

自分はずっと試合に出るのではなく、ピンポイントで出してもらえているので、そこでチームを勢いづけられるような、声を出すなど泥臭いプレーをできればいいと思っています。自分が点を取れなくても、周りが点を取ることができれば良いと思っているので、次の試合でもそこを遂行できるようにしたいです。

――チーム内で任されていたプレーを発揮できましたか

悪くはなかったと思います。前半は良かったのですが、後半は少し止まってしまいました。前半の勢いを、第3Qの1発目で出せたらよかったと思っています。

――ゴール下で留学生とリバウンドを争う場面もありました。どのような部分を意識していましたか

まずは自分で取りにいかないことを意識していました。リバウンドを取る時に、自分は体を張って、相手の留学生に取らせないことが一番大切だと思うので、思いっきり体を当てるように注意しました。リバウンドは周りが取りにいけばいいと思っています。

――この試合を通して収穫はありましたか

昨日は主将(津田誠人主将、スポ4=京都・洛南)がいたのですが、今日はけがでいなかったので、全員でやらないと勝てないと思っていました。そこが昨日の何十倍もできたのは大きな収穫で、チームとして絶対に勝つという意識が上がったのではないかなと思います。

――次戦に向けての意気込みをお願いします

次戦の神奈川大はみんなが言っているように、泥臭いし絶対に諦めないチームです。なので、僕らがルーズボールを諦めたり、ゴール下に戻らなかったり、そういうことをしてしまうと勝てなくなってしまうと思います。派手なことはやらずに、自分たちがやらないといけないことを徹底的に遂行し続ければ、最後に勝負できると思います。1点でも勝てればいいと思っています。

兪龍海(スポ2=神奈川・桐光学園)

――試合を振り返って、感想をお願いします

昨日と同じように、出だしでうまくいきませんでした。それでも昨日より良かった部分は多かったので、リーグ戦を通して直していきたいと思います。

――出だしが良くなかった原因はどこにあると思いますか

昨日の試合でけが人が出てしまったことによる、チームの雰囲気などもあったと思います。相手にまた主導権を握られるようなかたちとなり、自分たちのバスケットができていなかったように感じました。

――日体大は以前も戦った相手ですが、どのようなところを意識して試合に入りましたか

相手のことはあまり考えていませんでした。自分は肩をけがしているので、オフェンスではどうやったら点を取ることができるのか考えていました。ディフェンスは肩のけがは関係ないので、頑張ろうと思っていました。

――トーナメントの時と比べて変化を感じたことはありましたか

チームとしては、全員が個々のスキルはもちろん、春よりもシステム的なところができるようになりました。そこが粘れた理由かなと思います。

――第2Qではスリーが炸裂していましたが、練習していたのでしょうか

たくさん練習していました。昨日はあまり入らなかったのですが、今日は決めることができたので、メンタル的には落ち着くことができました。

――この試合を通して収穫はありましたか

相手がターンオーバーを連発しているシーンもあって、ディフェンスをやればできると感じました。水曜日は神奈川大との対戦になるのですが、相手もしつこいチームなので、そこで負けないように、ディフェンスをもっとしつこくやっていきたいと思います。

――次戦に向けて、意気込みをお願いします

相手はかなり平面的で、スピードと泥臭さを売りにしているチームなので、相手と同じ部分で戦っていきたいです。また(早大は)神奈川大よりサイズがあると思うので、そこも生かしていきたいと思います。