日体大相手に敗北するも、収穫を得る

男子バスケットボール

 西武文理大との初戦に勝利し、連日の試合となった関東大学選手権(トーナメント)。早大にとって2戦目となる今日、前回大会第5位に位置し、3人の留学生を擁する日体大に挑んだ。第1Q(クォータ)から、相手の高さを活かしたプレーに引けを取り、ファウルを重ねてしまう。前半を12点差で終え、第3Qを迎えると、インサイドを使った合わせのプレーが増え、徐々に早大の流れをつくる。しかし、相手のスリーポイントが炸裂し、なかなか点差が縮まらない。「一人一人がやるべきことをやらなければ勝てない試合」(F兪龍海、スポ2=神奈川・桐光学園)だったが、最終的には63ー83というスコアで敗北を喫し、今大会は幕引きとなった。

 試合開始直後、F星川堅信(スポ2=京都・洛南)とG土家大輝(スポ3=福岡大大濠)が素早い速攻で先制点を挙げる。その後は、両チームの一進一退の攻防が続き、試合が進んでいく。第1Q残り3分、井手拓実(日体大)のスリーポイントが決まると、試合の形勢が一気に傾く。さらに、続けて8連続得点を許すと、第1Q終了時には13ー22と点差をつけられてしまう。第2Qに入るも、相手の堅いディフェンスを切り崩せず、速攻やリバウンドにも対策を講じることができない。一時は差が17点にまで広がるが、残り3分を切ると、土家のドライブ、アシスト、スリーポイントで得点を重ね、24ー36と点差を縮めて前半を折り返した。

攻撃の起点となった土家

 後半に入ると、「自分たちガード陣が中に入っていくという気持ちで、早打ちするのではなく、しっかり判断した上で駆け引きできた」(土家)という言葉の通り、インサイドを使ったプレーが際立った。ドライブやリバウンドからも流れをつくり出し、相手のファウルを誘う。しかし、「早稲田のいつものプレーを持ってこられるような、流れをつくれるプレーをしたい」(F津田誠人主将、スポ4=京都・洛南)という思いとは裏腹に、相手のスリーポイントがよく入り、詰め寄ることができない。勝敗が決する第4Qに入るが、日体大は止まらない。留学生らの高さを活かしたゴール下のプレーだけでなく、ドライブやアウトサイドからのシュートといったバラエティに富んだ攻撃に苦しめられ、最終スコア63ー83で敗北した。

ディフェンスからチームの流れをつくった神田

 序盤から相手のペースで試合が進んでいったものの、第2Q、第3Qでは早稲田らしさのあるプレーを見せ、猛然と追いかける場面も見られた。勝利には今一歩届かなかったものの、「自分の強みやみんなのやるべきことが徐々に明確になってきた」(津田)というように、次へとつながる大きな一戦であった。今大会は悔しくもベスト16という結果になってしまったが、秋に行われる関東大学リーグ戦に向けて、早大のさらなる飛躍を期待したい。

(記事 宮島真白、写真 落合俊)

第70回関東大学選手権 7月8日(vs日体大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

13 11 17 22 63
日体大 22 14 23 24 83
◇早大スターティングメンバー◇


F#8 津田誠人主将(スポ4=京都・洛南)

G#1 神田誠仁(社3=静岡・浜松開誠館)

G#12 土家大輝(スポ3=福岡大大濠)

F#13 星川堅信(スポ2=京都・洛南)

F#15 兪龍海(スポ2=神奈川・桐光学園)

コメント

F津田誠人主将(スポ4=京都・洛南)

――今日の試合を振り返っていかがでしたか

入りの部分は僕としては良かったかなと思っているのですが、第1Qの途中くらいから、相手の身長にアジャストできておらず、僕たちのやりたいバスケットではないものをやらされていたというのが敗因かなと思います。

――インサイドでは留学生の高さが目立っていました。チーム内で何か対策はしていましたか

なかなか留学生がいるチームとは練習試合をしてこられなかったので、頭の中では守り方が分かっていても、実際にパワフルな留学生と相対したときに、どういった守り方をしていくのかというところは、まだまだ甘かったかなと思っています。

――第2Qはリバウンドからのオフェンスなどが良いリズムができていました。何か修正した点はありましたか

自分たちから修正をしたというよりかは、F細溪(宙大、教2=東京・早実)が途中から出場して、体を張ってくれたことで、みんなのやるべきことが明確になりました。それが全員に波及したことが第2Qの結果につながったと思っています。

――細溪選手が声を出している姿が試合中多く見られました。これもチームに良い影響を与えましたか

そうですね。彼は特出した身体能力や身長はないので、僕とよく話をしている中で、一番声を出せる選手になろうとしています。普段の練習からそういった行動は気を遣ってやっているので、やっと試合で芽が出たというか、やっと起用されるようになったのかなと思います。

――第3Qからは、インサイドや速攻での得点が増えました。ハーフタイムで何を話し合われましたか

昨日もそうだったのですが、走り勝つというところです。走り負けていては絶対に追いつけないので、ドライブだったり走り勝つことだったりというのはみんなの中で徹底しようとしていました。

――第3Qでもなかなか点差を縮めることができませんでした。個人としてどのように感じていましたか

正直みんなの足が重くなっていて、流れも相手の方にありました。なので走ってレイアップを決めるなどの早稲田のいつものプレーを持ってこられるような、流れをつくれるプレーをしたいと思っていました。

――日体大のどのようなところに強さを感じましたか

どれだけプレッシャーを与えても、ボール回しが途絶えなかったというのは強みだと思っています。そのような外の選手に加えて、留学生が中で自分の仕事を徹底するということに、チームの共通認識のようなものができていたので、なかなか崩すのが難しかったです。

――今日の試合を通して収穫はありましたか

日体大レベルの大学と練習試合をすることがあまりなかったのですが、(兪)龍海たちがファウルトラブルだったことで、下級生のF石坂(悠月、スポ1=東京・国学院久我山)や細溪、F小野(功稀、社3=新潟・開志国際)が試合によく絡んでいました。その中でも石坂だったらゴール下、小野だったらスリー、細溪だったら声出しという感じで、自分の強みやみんなのやるべきことが徐々に明確になってきたところは良かったかなと思っています。

G土家大輝(スポ3=福岡大大濠)

――今日の試合を振り返っていかがでしたか

日体大の強みであるリバウンドからブレイクというのを一番やられたくなかったのですが、前半は、そこを自分たちの決定力不足ですごく走られてしまいました。また、前半で自分たちが逆にディフェンスリバウンドを取られすぎたというのが反省です。

――第1Qは特に留学生のリバウンドに苦しめられていました。チーム内でどのような意識でプレーしていましたか

ずっと練習してきたのですが、それが徹底できていませんでした。なので、ただひたすらに徹底しようと、そこは約束事にしてチーム内で共有しました。

――第2Qになるとリバウンドが取れたり、スリーポイントが入ったりしていました。チーム内で声かけなど意識していたことはありますか

ディフェンスからという意識と、自分たちの能力がない中でボールを止めずに相手を動かしながらアタックしようということを意識していました。そこが少しずつかたちになって点も取れ始めたと思います。

――ハーフタイム後から、外からではなく中からの攻めが増えましたが、ハーフタイムでどのような指示がありましたか

相手が留学生に対してドロップするということが分かっていました。なので、自分たちガード陣が中に入っていくという気持ちで、早打ちするのではなく、しっかり判断した上で駆け引きできた結果だと思います。

――第3Qは中を使って上手く攻めているように見えました。しかし、相手との点差がなかなか縮まりませんでした。そんな中、チーム内でどのような気持ちでプレーしていましたか

それも、相手のオフェンスリバウンドからつながっているものが多かったです。ただ自分たちが我慢比べで我慢できなかったというか、まだ忍耐力が足りないなと思います。

――チームとして成長を感じた部分と課題を教えてください

良かった点で言えば、速い展開でプレーできたことです。課題としては、オープンショットを決め切るということと、中に入っていったところの判断ですね。ディフェンス面では、特に相手のスリーポイントシュートだったりショットに対するコンタクトだったりをしっかりと激しくいくことや、リバウンドを徹底することですね。そこに尽きると思います。

F兪龍海(スポ2=神奈川・桐光学園)

――今日の試合を振り返っていかがでしたか

今日の試合は、一人一人がやるべきことをやらなければ勝てない試合だったと思います。そこは僕自身も含め全員が全うすることができなかったです。僕もミスが目立っていて、悔しい1戦となってしまいました。本当は上級生たちを勝たせて、もっと上までいきたかったのですが、僕はファウルアウトになってしまったのもあり、非常に悔しいです。

――留学生とのマッチアップの中で、ファウルが少し目立ってしまった印象があります。どのようなところに原因があると思いますか

自分一人で(留学生を)守れると思っていました。前半までは守れていたのですが、後半からは、交代した(留学生)選手につかなければいけないのが辛くて、自分自身は省エネになってしまいました。楽なことをしようして、ファウルをしてしまい、それでファウルが増えてしまったので、原因は自分にあるかなと思います。

――第3Qはインサイドでの得点も多かったです。ハーフタイムで何を話し合いましたか

特にチームとして話し合ったことはないのですが、僕自身の調子が悪かったので、外のシュートを打つことはやめようと思ってプレーしていました。

――留学生とのマッチアップする中で、普段と違っていたところはありますか

いつもとの違いを感じることはなく、今日に関しては自分に不甲斐なさを感じています。相手が留学生だからというのは特に思わなかったです。

――この試合を通して修正すべき点はありましたか

僕自身の決定率です。相手を守っているだけなら、体の強い人であればできると思います。オフェンスの場面での決定率が低かったというのは今日の試合の反省点で、この決定率をあげられるように、これから日々の自主練に取り組んでいきたいと思います。