接戦制し、1部残留とインカレ出場決める!

男子バスケットボール

 関東大学リーグ戦を9位で終えた早大は、1部残留と全日本学生選手権(インカレ)出場をかけ2部4位の国士舘大学との入れ替え戦に臨んだ。相手の徹底したディフェンスを前に、なかなかリードを奪えない厳しい展開に。それでも最終クオーターに得点を重ね、74-66で勝利。1部残留とインカレ出場を勝ち取った。

 試合開始直後にインサイドからC宮本一樹(スポ2=神奈川・桐光学園)がシュートを決めたが、その後は国士舘大の強固なディフェンスに攻めあぐねる。国士舘大は、早大のシュートを単発に終わらせ、速攻を狙う攻撃を展開。第1Q(クオーター)終了間際にドライブから加点した国士舘大が15-17でリードして第2Qに入る。早大はG柳川幹也(スポ3=京都・洛南)がスリーポイントシュートを狙うも決まらず、一進一退の試合展開に。ようやくリードしたのは柳川の2本続けてのレイアップシュートから。「スリーポイントに国士舘大の守りが集中し、インサイドの守りが薄い」(柳川)と判断しての攻撃だった。フリースローでも得点を重ね、40-31で前半を終える。

ドライブから得点を重ねた土家大輝(スポ1=福岡大大濠)

 迎えた後半。一時15点差まで点差を広げたが、国士舘大の声援が一段と大きくなると、呼応するように立て続けに得点される。「勢いに乗せるとまずい」(宮本)、「勢いのあるチーム」(柳川)という心配が的中し、ついには逆転を許す。国士舘大の流れを食い止めたのはF小室悠太郎(社3=石川・北陸学院)のスリーポイント。これでなんとか逆転し、わずか1点リードで最終クオーターへ臨む。逆転に次ぐ逆転で手に汗握る展開が続くが、小室が再びスリーポイントを決め、一歩リード。その後、柳川、G神田誠人(社1=静岡・浜松開誠館)も得点し、リードを広げる。第4Q終盤は、シュートの精度が落ちた国士館大を尻目に、フリースローなどで得点を重ね、勝利を決めた。

内外両方から積極的に得点を狙った宮本

 この試合で1部残留とインカレ出場を決め、一安心の早大だが、「相手に『まだいける』と思わせてしまったのが課題」と宮本は反省を口にした。第3、4Qでは国士舘大がペースをつかむと早大にミスが生まれ、ますます勢いづけてしまった。今季リーグ戦で、終盤まで苦戦した原因を含め、修正が望まれる。そしてインカレでは、金星を連発した昨季のような躍進を期待したい。

(記事 永田悠人、写真 内海日和)

勝利を喜ぶ部員たち

第95回関東大学リーグ戦 vs国士館大
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

15 25 12 22 74
国士館大 17 14 20 15 66
C#7 宮本一樹(スポ2=神奈川・桐光学園)
G#12 土家大輝(スポ1=福岡大大濠)
G#14 柳川幹也(スポ3=京都・洛南)
C#39 桑田裕平主将(商4=京都・洛南)
F#41 小室悠太郎(社3=石川・北陸学院)
コメント

G柳川幹也(スポ3=京都・洛南)

――今の気持ちを教えてください

とりあえずほっとしてます。今はその一言です。

――きょうのゲームプランはどのようなものでしたか

相手は勢いのあるチームで、スリーポイントなどシュートが入りだしたら止まらないというチームでした。その起点となっているのが、21番の池田選手と、シューターで7番の佐脇選手だったので、彼らにいかにして気持ち良くプレーさせないかということをゲームプランとして、きょうのゲームに入りました

――ご自身のプレーについていかがですか

ディフェンスは池田選手につかせていただいて、キープレーヤーだったのでなるべく仕事をさせないようにと頑張りましたが、やはり池田選手もうまくて、やられるところはやられてしまいました。しかし、最低限の仕事はできたかなと思います。オフェンスではスリーポイントは1本も入らなかったのですが、粘って粘って最後レイアップで決められました。フリースローが入らなかったこともあって、まだ決められるところはたくさんあるので、50点、60点というところですかね。

――セットプレーが多いような印象でした

僕らのスリーポイントが入ってないということもあって、相手もそれを止めにきていて、中の方が手薄だったかなと感じていたので、そこでインサイドを攻めようとなりました。僕なり、小室(C小室悠太郎、社3=石川・北陸学院)なり、土屋(G土屋大輝、スポ1=福岡大大濠)なりがしっかりインサイドまでアタックできるように、セットを作ってやっていたのはあります。

――苦しんだ要因は何だと思われますか

相手の流れが良い時に、スリーポイントやシュートが立て続けに入ってしまったことや、国士さんが3Qからゾーンディフェンスを始めたと思うのですが、やはり1部でもゾーンディフェンスをやるチームは増えていますし、変則的なディフェンスだったので、それにうまくアジャストすることができずに、苦しんでしまったかなというのはあります。

――最後の5分を振り返っていかがですか

そこはもう気持ちでした。試合前の話し合いからきょう負けたら国士舘を勢いづけてしまうので、きょう本当に勝たないとという話をしていたので、5分でリードは少なかったのですが、そこで1回気を引き締めて、全員でディフェンスを上げることで、僕らのリズムになるというふうに僕は思っていました。そこはチームの中心としてディフェンスというのを目標にしていましたし、僕が先頭をきってやらないといけないなと思っていたので、チームとして見ている人にそういう姿勢がとってもらえたというのはすごくいいことだと思います。

――インカレに向けて意気込みをお願いします

一部残留できたということは嬉しいことだと思うのですが、最後のチーム目標はインカレに出て、インカレでいい結果を残すということなので、4年生最後の大会になりますし、僕らの代にもつなげる試合だと考えています。去年は4年生の力であそこまで下克上を起こして勝てたので、4年生含めてチーム一丸となってインカレで日本一を取れるように頑張りたいと思います!

C宮本一輝(スポ2=神奈川・桐光学園)

――どのようなゲームプランを立てていましたか

国士舘大学はリーグ戦で最後6連勝してきていて、勢いがあるので勢いに乗せるとまずいなと思いました。すごく走るチームなので、選手の層が薄いこちらとしてはずっと走らせてしまっては不利になると思って、相手を走らせずにこちらのリズムでハーフコートのプレーをしていけばこちらが有利になるので、そういうゲームプランでいました。

――苦戦した要因は

中盤苦戦した要因はこちらが少し隙を見せてしまったところで、相手のキャプテンの人などが中に切り込んできて、そこで連続失点してしまって、相手に少し流れが傾いたところを止めきれなかったところが、要因だと思います。

――ディフェンス面について振り返っていかがですか

前半が終わって、ディフェンスリバウンドを95%取ることができていて、ディフェンスで相手のセットを壊して、ディフェンスのずれがない状態でリバウンドを取ることができていて、後半もそこを意識してずれをなくしてリバウンドを取りに行くことによって、結構取れていたと思うので、そういう面では良かったと思います。

――相手のディフェンスについて振り返っていかがですか

基本1対1で守ってくるチームだったので、どんどんペイントアタックして、2点ずつ取っていこうというプランでした。

――この試合で得た課題は

3ピリで、連続でスリーが決まって15点差が空いたときに、そこでうまく守って走ってもっと差をつけることができれば良かったのですが、なかなかそういかなくて、相手に流れがいってしまって、相手に「まだいける」と思わせてしまったところがきょうの課題だったかなと思います。

――今後に向けて意気込みをお願いします

きょう勝ってチームは盛り上がっているのですが、きょうまでで切り替えて、インカレは本当に最後の大会で、去年大金星を上げて最終日まで試合ができたので、今年も上位チームと当たったときに相手に嫌だなと思わせるようなチームを作っていきたいと思います。