1部残留へ絶体絶命の中勝利を掴む

男子バスケットボール

 負ければ自動降格という、背水の陣で迎えた今季リーグ最終戦。迎える相手は絶対的エース、小酒部(泰暉・4年)率いる神奈川大。早大は試合序盤から気迫のディフェンスで神奈川大の攻撃を封じた。一方オフェンスではG土屋大輝(スポ1=福岡大大濠)、F宮本一樹(スポ2=神奈川・桐光学園)を中心に攻撃。二人で44得点と早大を牽引する。さらには、負ければ引退と言う状況であった桑田裕平主将(商4=京都・洛南)がドライブで切り込みバスケットカウントを取るなど、ガッツを見せチームを鼓舞。気迫で終始、神奈川大を圧倒した早大は71―58の13点差で勝利を納め、リーグ戦を9位で終えた。

  「きのう大差で負けてしまって、個人的にもチームのみんなも結構落ち込んでしまって、全体でミーティングをした時もきょう負けたらシーズンは終わりで4年生は引退なわけで、やっぱりやることは変わらないので、悔いのないように楽しくバスケットを40分間やりきろうという気持ちできのうから切り替えてきました。」と宮本が語ったように明大戦の敗戦から気持ちを切り替えて臨んだ早大。序盤から絶対に負けられないという気持ちの入ったディフェンスを展開。相手エース小酒部を徹底的に抑え、第1Qをわずか10点に抑える強さを見せた。またオフェンスでは土屋、宮本が積極的に攻撃を仕掛け、得点を量産。特にこの日スリーポイントが7分の3と好調だった土屋は試合を通して24得点と暴れ、流れを引き寄せた。攻守が噛み合い、流れが良かった早大は34―27で試合を折り返した。

気合いのこもったプレーを見せた桑田主将

  迎えた後半。ここで引き離し、完全に主導権を握りたい早大だったが、逆に神奈川大の粘り強いディフェンスにより攻撃が停滞。しかし、G神田誠人(社1=静岡・開誠館)、桑田主将がスチールをするなど気迫のこもったディフェンスが力を発揮し、第3Qでも神奈川大の得点を10点に抑え、主導権を渡さない。そして迎えた第4Q。桑田裕平主将がレイアップを決めると、G柳川幹也(京都・洛南)もドライブを仕掛け得点。さらにはC小室悠太郎(社3=石川・北陸学院)の献身的なスクリーンから宮本がレイアップを決めるなど完全に流れを掴む。さらに、この日好調の土屋がとどめのスリーポイントを沈め、17点差とし、勝負あり。リーグ戦の順位を9位につけ1部残留のチャンスを手にした。

スリーポイントが好調だった土屋

 終始気迫のこもったプレーを見せ、神奈川大を圧倒した早大。20得点の活躍を見せた宮本も「入りから気持ちを前面に出して、ディフェンスやリバウンド、コートの中もベンチもみんなで声を出してやっていたので、正直きょうは負ける気がしなかったですね。」と強く語った。リーグ戦9位の早大は2部の上位チームとの入れ替え戦を戦う。桑田主将が「まだ1部に残れると決まったわけではないので、水曜日の国士舘大戦に向けて2日間準備をして、絶対に1部に残れるように頑張りたいと思います。」と語ったように早大に慢心はない。神奈川大戦で見せた気迫を入れ替え戦でも発揮できれば1部残留は確実だろう。気合いの入った早大バスケ部の入れ替え戦での活躍にも注目だ。

(記事 工藤竜輔、写真 小林理沙子、町田華子)

関東大学リーグ戦 vs神奈川大
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

18 16 13 24 71
神奈川大 10 17 10 21 58
F#39 桑田裕平主将(商4=京都・洛南)
F#7 宮本一樹(スポ2=神奈川・桐光学園)
G#12 土屋大輝(スポ1=福岡大大濠)
G#14 柳川幹也(スポ3=京都・洛南)
C#41 小室悠太郎(社3=石川・北陸学院)
コメント

C桑田裕平主将(商4=京都・洛南)

――今の気持ちを聞かせてください

素直にほっとした気持ちです。

――昨日の試合からどのように切り替えて臨みましたか

昨日の試合は昨日の試合でしっかり受け止めて、きょうはもう勝てば先に繋がって負ければ終わりというシンプルな戦いだったので、割り切って絶対に勝ちにいこうと思っていました。

――どのようなゲームプランを立てていましたか

小酒部選手(泰暉・4年)にどれだけ気持ち良くやらせないかというのをチームで徹底して、ディフェンスリバウンドの部分とトランジションでしっかり走るということを意識してやりました。

――小酒部選手とのマッチアップについて振り返っていかがですか

自分がマッチアップしてはいたのですが、やはりチームで40分彼を止めようというふうに考えていたので、そこをしっかりとチーム全員で徹底できたので良かったかなと思います。

――今後に向けて意気込みをお願いします

先に繋がったといえども、水曜日に勝たなければ同じ状況だと思うので、しっかり勝って1部残留とインカレ(全日本学生選手権)出場を水曜日1日で決め切れるように頑張っていきたいなと思います。

F宮本一樹(スポ2=神奈川・桐光学園)

――今の率直な気持ちを教えてください

正直、めちゃめちゃうれしいです。本当は昨日勝てば(入れ替え戦進出が)決まる試合だったんですけど、きょうに長引かせてしまって自分たちで崖っぷちの状況をつくってしまったので、そこでチームがまとまったというのもあるんですけど、本当にきょうは勝ててうれしいです。

――きのうの敗戦からどのように切り替えて、この試合に臨みましたか

きのう大差で負けてしまって、個人的にもチームのみんなも結構落ち込んでしまって、全体でミーティングをした時もきょう負けたらシーズンは終わりで4年生は引退なわけで、やっぱりやることは変わらないので、悔いのないように楽しくバスケットを40分間やりきろうという気持ちできのうから切り替えてきました。

――神大に対するゲームプランは

リーグ戦でのトップスコアラーの小酒部くんがいて、その周りの選手もシュートやドライブが上手かったり、的を絞りづらいチームではあるんですけど、キャプテンの桑田さんが小酒部選手の足元に入って、きょうはスリーポイントは7分の1で、ツーも3割くらいだったので、そこはキャプテンのディフェンスがらすごいなと思いました。周りもそれに応えて、リバウンドなど気持ちで取れる部分を意識した結果だと思います。

――試合内容を振り返って

入りから気持ちを前面に出して、ディフェンスやリバウンド、コートの中もベンチもみんなで声を出してやっていたので、正直きょうは負ける気がしなかったですね。試合展開も、ずっとうちがリードしている展開だったんですけど、少し追いつかれたとしても他のチームメートとの信頼感というものをきょうはいつもより強く感じて、本当に負ける気がしなかったです。

――入れ替え戦への意気込み

きょう勝ってうれしいんですけど、切り替えて、9位だと思うので水曜日の一戦にしっかりとした準備をして、入れ替え戦に向けてやっていきたいと思います。

G土家大輝(スポ1=福岡大大濠)

――今の率直な気持ちを聞かせてください

昨日負けてしまってチームみんながへこんでいたのですが、きょうの試合で勝てば9位で入れ替え戦にいけるというチャンスがあったので、そのチャンスに向けてみんなが最善の準備をして臨むことができてこういう結果になったので、すごく嬉しいです。

――どのようなゲームプランを立てて臨みましたか

相手のエースの小酒部さん(泰暉・3年)以外の選手に点を取られないようにしっかり守ろうということと、神奈川大はリバウンドやルーズボールをすごく頑張るチームなので、そこのフィフティーフィフティーのルーズボールを、絶対に気持ちで負けないように40分徹底して、我慢し続けたら絶対に勝てるというゲームプランだったので、それを遂行できて良かったと思います。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

きょうはスリー含めてシュートが当たっていましたし、ファストブレイクで小室さんがクリアアウトして、自分がレイアップを決めるという速い展開に持っていけました。いつもは後半で落としてしまうシーンが多いのですが、きょうは最後まで走り切れたのでそれも勝因だと思います。

――終盤まで勢いが衰えなかった要因は

上級生が気持ちを出して本当に頑張ってくれたので、僕たちはついていくだけだったので、上級生が積極的に走って、声を掛けて、気持ちを切らさずに頑張ってくれたので勝てたと思います。

――今後に向けて意気込みをお願いします

まだ1部に残れると決まったわけではないので、水曜日の国士舘大戦に向けて2日間準備をして、絶対に1部に残れるように頑張りたいと思います。