ここまで開幕から4連敗中の早大は、初白星を目指して、今年から1部リーグに昇格した法大と対戦した。最初こそ法大に3ポイントシュートで先制されるも、そこからは順調に得点を重ねていく。続く第2Q(クォーター)では1点差まで詰められるが、突き放し、34−27と7点リードで前半を終えた。念願の勝利が見えてきたと思われた早大だが、第3Qが始まって5分でまた1点差に詰められると、そこから得点を重ねられ逆転を許してしまう。第4Qでも失った得点を奪い返すことができず、最終スコア54–61で初勝利は次戦に持ち越しとなってしまった。
上位を目指すためには両校にとって負けられないこの試合。第1Q、主導権を握ったのは早大だった。開始30秒ほどで法大に3ポイントシュートを決められてしまうものの、その後は落ち着いたディフェンスと華麗なパス回しで徐々に早大に流れを引き寄せる。第1Q(クオーター)終了のブザーと同時にF宮本一樹(スポ2=神奈川・桐光学園)がシュートを決め、19−13といい形で第1Qを終えた。しかし、続く第2Qでは、ディフェンスの穴を突かれて法大に得点され、残り時間3分のところで1点差まで追いつかれてしまう。ここでこの試合最初のタイムアウトをとった早大。宮本が「前半はシュートが入らなくても、よく我慢できていた」と話すように、タイムアウトが明けると、法大にそれ以上離されないよう食らいついていく。その後、リズムの良い攻撃を段々と取り戻していった早大は、法大をまたも突き放していき、結果的に34−27と7点リードで試合を折り返した。
スリーポイントシュートを放つ宮本
ところが、第3Qに入ると早大に暗雲が立ち込める。早大のシュートがなかなか決まらず、ミスが続く中で、法大にじわじわと前半奪ったリードを縮められていく。開始5分で再び38―37と1点差にまで追いつかれると、早大は第2Qと同様にタイムアウト。タイムアウトを終えても、悪い流れが断てない。落ち着いたプレーができずミスが続く早大。F桑田裕平主将(商4=京都・洛南)が敗因について「3クオーター目の入りのところで流れを断ち切れなかったところですね。あそこの同点のところでうまく流れを切れていればまだ4クオーターで勝負できた」と振り返るように、ここがこの試合のターニングポイントとなった。その後も法大に得点を許し、39−47で運命の第4Qを迎える。一気に追いかける展開となってしまった早大であるが、ここでもシュートが入らず、パスもつながらず、途中ゲームメーカーであるG土家大輝(スポ1=福岡・福大大濠)が5ファールで退場と、いまいち流れがつかめない。「僕がなんとかしてやろうと積極的にシュートを打っていた」と話す宮本が3ポイントシュート3本を含む12得点を奪い、反撃を試みるも及ばず、54−61で関東学生リーグ戦5連敗を喫した。
華麗なドリブルから得点を重ねた柳川
「今年は周りから見ても、自分達から見ても、実力的には下の方だと自覚している」とG柳川幹也(スポ3=京都・洛南)は話す。しかし、この試合の前半は踏ん張ってリードを保持できたことや、第3Q以外のスコアは法大を上回っていたことからもわかるように、今年の早大はつながれば強い。ここまで5連敗と苦しい状況に置かれている早大。崖っぷちの彼らに失うものはもう何もない。あとがない彼らに勝利は必須条件である。次戦の早大のバスケットに大きな期待がかかる。
(記事 内海日和、写真 小林慎治)
第95回関東大学リーグ戦 vs法大 | |||||
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1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 |
19 | 15 | 5 | 15 | 54 |
法大 | 13 | 14 | 20 | 14 | 61 |
C#7 宮本一樹(スポ2=神奈川・桐光学園) G#12 土家大輝(スポ1=福岡大大濠) G#14 柳川幹也(スポ3=京都・洛南) F#39 桑田裕平主将(商4=京都・洛南) F#41 小室悠太郎(社2=石川・北陸学院) |
コメント
F桑田裕平主将(商4=京都・洛南)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
第1Qの入りはそんなに良くなかったんですけど、トータルで見たら点差もついて言い形で入れたのかなっていう感じだったんですけど、3Q始めの所で一気に相手の流れに持っていかれてしまって、そこで追いつくことができなくなったので、踏ん張り切れなかったなというふうに感じています。
――ご自身のプレーを振り返ってどのように感じていますか
自分のシュートタッチが悪くてシュートが当たっていなかったので、打つのはやめずに打つべきタイミングで打とうと思っていたんですけど、そこで決められなかったのは次への課題かなというふうに思います。
――どのような対策を練りましたか
相手のガードにクリエイトされてオープンにボールが飛んで、相手のシューターが気持ちよくシュートを打てないようにということで、ある程度ハンドラーにやらせる部分はやらしていいという入りでディフェンスに入ったんですけど、ちょっとそこでやられすぎてしまったのかなというふうに思います。
――敗因をどのように分析していますか
3クオーター目の入りのところで流れを断ち切れなかったところですね。あそこの同点のところでうまく流れを切れていればまだ4クオーターで勝負できたかなと思うんですけど、勢いを持っていかれたことで一気に追いかける展開になってしまったので、そこがきょうの試合のポイントかなと思います。
――リーグ戦初戦からここまでの結果をどのようにとらえていますか
勝負の世界なんで勝ち負けはあるんですけど、負けが続いている中でどうやって打開しないといけないかというのが今後の課題になってくるんですけど、我慢して我慢して自分たちのやるべきことを継続してやる必要があると思っていて、それができなくなったらリーグが終わってしまうのかなと思います。
――次戦への意気込みをお願いします
何も失うものもないですし、気負うこともないと思うので、とにかく自分たちがやらなきゃいけないことをしっかり徹底して、まずは一勝取れるようにまたいい準備をして試合に入れればなと思います。
G柳川幹也(スポ3=京都・洛南)
――今日の結果をどう捉えてますか。
前回までに4連敗してしまい、法政さんには勝たなきゃいけないと思ってみんなやっていました。しかし結果はこういう形になって、今の状況だと全敗で崖っぷちだと思うので、現時点では大きな負けだと感じています。
――ご自身のプレーはいかがでしたか。
前半はいい所でショットも決めれましたし、チームもリードしていたんですけど、後半に入って、大事な所でショットが入らなかったり、大事な所でターンオーバーして、相手の得点に繋げてしまいました。ターンオーバーだったり、判断だったり、シュートの質だったりはまだまだ足りてないと思うところです。
――終盤は緊迫した戦いだったと思うのですが、そんな中チームでどのような話をしていたのでしょうか。
本当に気持ちの部分だと言っていました。弱い気持ちで下向いてやっていても良い結果は生まれないと思うので、ベンチ、ヘッドコーチ、選手みんな含めて前向いてやらないと何も生まれないと思い、強気で勝ちに行こうという事だけを確認してやっていました。
――試合中でもタイムアウトでも本当にチームメイトによく声をかけていましたがその裏にはどんな気持ちがあったのですか。
今年っていうのは周りから見ても、自分達から見ても、実力的には下の方だと自覚しているので。それで、もし二部に落ちてしまったら来年僕たちは二部でやるしか無くて、それでは何も生まれない。今年落ちてしまったら4年生も悔しい終わり方だと思うし、4年生の為にも、自分達の為にも1つでも多く勝って、インカレや来年に繋げたいっていう一心でやっています。
――今日の結果を踏まえて、明日の試合に向けて意気込みをお願いします。
もう崖っぷちだと思うので、終わったことは仕方ないので、切り替えて、明日もそうですけど、残りの17試合までの取り組みっていうのを、全員でしっかり変えていかないといけないと思います。明日何としてでも勝って、チームとしても個人としてもいい方向に流れを持っていけたらと思います。
F宮本一樹(スポ2=神奈川・桐光学園)
――今日で5連敗という結果となりました
先程のミーティングで個人としてもチームとしても気持ちが落ち気味だと言われました。まだ3戦残っているので、ここで切り替えてやっていかないといけないです。この5連敗が8連敗になってしまったら、それは本当にもう終わりだと思うので、今日のことは切り替えてやっていきたいと思います。
――今日の試合の敗因を挙げるとするならば
前半はシュートが入らなくても、よく我慢できていたのですが、後半もやはりシュートが入らなくて、その中でリバウンドを相手にとられてしまって、裏のカットなどいつも徹底できていることをできなかったです。そこでまた我慢できれば良かったのですが、(コートの)中の5人が切らしてしまって、そこで相手にもっていかれてしまったなという印象があります
――リバウンド面での反省点はありますか
相手のセンターはかなりアスレチックに動いてくるセンターで、そこにディフェンスでついていけてなくて、リバウンドをとられてしまったので、そこは僕の反省です。
――第4Qではご自身のプレーで得点するシーンが多くありました
4ピリの最初からギアを上げていければ良かったのですが、シュートが入らず、なかなか波に乗れなくて、それでもここをなんとか打開しないと終わってしまう流れだったので、そこで僕がなんとかしてやろうと積極的にシュートを打っていました。
――明日からも試合は続いていきますが
5連敗という厳しい状況なのですが、いつまでも落ちていても仕方がないので、やはりここは切り替えて、明日から頑張っていきたいと思います。