高麗大の高さに圧倒され、完敗

男子バスケットボール

 1日目は競り合った末、後半突き放されてしまった高麗大との定期戦。「僕らは平面で走って勝たなきゃいけない」(C小室悠太郎、社3=石川・北陸学院)と課題は見えていた2日目だったが、この日は前半から流れをつかむことができなかった。スリーポイントやミドルシュートで得点を重ねていくが、ゴール下での圧倒的な高さの前ではシュートを決めきれない場面が目立つ。試合は59−88で敗れ、第8回となる高麗大との定期戦は高麗大の2勝で幕を閉じた。

 第1クオーター(Q)の開始5分は快調だった。土屋大輝(スポ1=福岡大大濠)のスリーポイントや土屋から小室へのアシストが決まり、得点をかせいでいく。しかし、中盤ディフェンスのミスから流れが相手にわたった。ボールマンへのチェックが遅れ、フリーでのシュートを打たせてしまう場面も。1日目の試合では、高麗大のシュート決定率はそれほど高くなかったが、この日の高麗大は確実にシュートを決めていく。高麗大の連続ポイントで逆転されると、一気に点差が広がっていった。なんとか食らいついていきたい早大は、第2Qからオールコートでのディフェンスに切り替えた。相手のオフェンスを苦しめ、ボールをカットしやすい作戦である一方、運動量が多く自らの体力も削られていく。勝負に出た早大だったが、流れは高麗大が握ったまま、前半を26ー38で折り返した。

ドライブで高麗大ディフェンスに攻めていく柳川

 早大のタフなディフェンスは後半も続いた。しかし、相手はパスをつないで早大のディフェンスをかき回す。早大は途中までは相手を苦しめるも、24秒ぎりぎりのところで相手にシュートを決められることが多くなってしまう。すると、その悪循環はオフェンスにも影響を及ぼし、ゴール下のシュートを決めきれない。直後に速攻で点数を広げられ、体力的にも精神的にも厳しい戦いに。早大はF宮川丈クレイトン(商1=愛知・千種)やG柳川幹也(スポ3=京都・洛南)などのスリーポイントで得点を重ねていくが、点差を縮めることはできなかった。

スリーポイントを狙う高阪

 「僕たちの持ち味のディフェンスをもっときびしくやっていかなければならない」と柳川は試合後に振り返った。体格が大きい相手を前にした時に、ディフェンスから流れを作っていかないと勝利を導くことはきびしい。ボックスアウトやルーズボールなどのプレーで早大ボールにできない場面も見られた。連日の試合で疲労は溜まっているだろうが、リーグ戦では22試合が待ち構えている。一戦一戦に対する集中力、体力、精神力を上げてリーグ戦に臨まなければならない。リーグ戦開幕まで3週間を切った。それまでにどこまで成長できるか期待したい。

試合後笑顔で写真に映る両校の選手たち

(記事 瀧上恵利、写真 青柳香穂、小林慎治)

第8回高麗大学定期戦
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

10 16 21 12 59
高麗大 17 21 28 22 88
C#7 宮本一輝(スポ2=神奈川・桐光学園)
G#12 土家大輝(スポ1=福岡大大濠)
G#14 柳川幹也(スポ3=京都・洛南)
F#17 高阪俊輔(社4=東京・早実)
C#41 小室悠太郎(社3=石川・北陸学院)
コメント

C小室悠太郎(社3=石川・北陸学院)

――高さのある相手ではありましたが、試合をしてみていかがでしたか

やっぱり僕らは平面で走って勝たなきゃいけないというのがありますね。リバウンドだったり、普通のゴール下のシュートだったり、どんなに体を張っても相手の高さに敵わない部分というのはあって、彼らは普通にジャンプすればシュートが打ててしまうので。そういう失点はもうしょうがないという風に捉えていて、それ以外の他の部分、ボックスアウトしてないリバウンドだったり、カットプレーだったり、しょうもない失点を抑えてカバーしようという風に話していました。

――きのうのプレーを踏まえての戦略だったのでしょうか

そうですね。でも正直関東1部の他の大学は皆さん僕らより大きいので、それはもう常日頃から意識していることではあるんですけど、今回1年ぶりに高麗大とやらせてもらって更にその気持ちが強まりましたね。

――きょうの自分のプレーはいかがでしたか

きのうはスリーをたくさん決めてしっかり得点につなげて、相手に対しては打たせないようなディフェンスを心がけたのですが、あまり満足はできていないです。スリーのときにどう打つか、他の選手にどう打たせるかあまり考えられないまま試合が終わってしまった感じがします。きのうの良かった点と悪かった点を生かして改善できなかったところが反省点です。

――ディフェンスについてはどういう風に考えていましたか

きのうはスイッチかブリッツをやっていてそれがはまりました。それからきのう高麗大の選手のミッドレンジのシュートがそこまで入っていなかったので、だったらアイスをしてそこまでプレッシャーをかけずにミッドレンジのシュートを打たせて2on2でそこのピックのシュートを完結させて抑えようというディフェンスをしました。ただピックのディフェンスも徹底できていないところはまだまだあったのは反省ですね。自分が行くべきポジションを取れなかったりピックをするのが遅かったりという部分があったのでそれも反省点です。

――リーグ戦に向けて一言お願いします

きのうの高麗大との1試合目は自分たちの入り方がすごく良かったので、あのエネルギーを毎試合毎試合持ってこられるようにしたいですね。まだまだ練習試合も続くのでリーグ戦に向けていい入りができるような準備をしっかりしていきたいと思います。

G柳川幹也(スポ3=京都・洛南)

――きのうの試合からきょうの試合に向けて修正した点はありますか

きのうは高さの部分でやられてしまったのですが、どうしても高さの面で僕たちは補えないので、平面で勝負しようと思って臨みました。ボールマンプレッシャーを強くかけようとチームで意識してやっていました。

――前半からオールコートでのディフェンスとなりましたが、その意図はなんだったのでしょうか

コーチ陣としては前半で点数が離れてしまってなかなか自分たちの流れに持っていけなかったので、リズムを変えようとしたのだと思います。

――体力面はどうでしたか

体力面は正直あのディフェンスを前半からやっていくのはしんどいです。でも僕たちの持ち味はディフェンスですし、そこはもっときびしくやっていかなければならない点かなと思います。

――きのうときょうのご自身のプレーを振り返っていかがですか

スリーポイントはわりと確率よく決めることができたと思いますが、今シーズンまだ経験したことのない高さのディフェンスだったので、リング付近のフィニッシュが決めきれませんでした。スリーポイント以外の攻撃のバリエーションが自分には少ないのかなと思ったので、そこはこれからリーグ戦戦っていく上での課題だと思います。

――高阪俊輔(社4=東京・早実)選手のシュートが決まったときにベンチが一番盛り上がっていましたが、それはどうしてですか

俊輔さんは普段あまり試合に出てないのですが、俊輔さんのスリーポイントは職人技というかコートの中での仕事なので、そのシュートが入ると盛り上がりますね。俊輔さんもいじられキャラなので、決まるとみんな「わぁ〜」となります。すごくいい雰囲気に持っていってくれるので、あの人のスリーポイントは貴重だなと思います。

――秋のリーグ戦に向けての意気込みをお願いします

22試合やりきるしかないので、しんどい部分もたくさんあると思いますが、1つでも多く勝てるようにチーム全員で頑張ります。