六大学リーグ優勝!好スタートを切る

男子バスケットボール

 この日が最終日となった東京六大学リーグ戦。早大は慶大、明大との対戦に挑んだ。第1試合の慶大戦はF桑田裕平主将(商4=京都・洛南)が「ゲームを通しても40分間リードを保ち続けて終始余裕を持って戦うことができた」と振り返ったように、優位な展開で勝利。続く明大戦は、最後まで勝負の分からないシーソーゲームとなったが、G柳川幹也(スポ3=京都・洛南)が8本のスリーポイントを沈めチームを勝利に導く。この結果により、早大は今大会を優勝で締めくくることとなった。

 選手たちが「絶対に負けられない」と口をそろえた第1試合の相手は慶大。6月に行われる早慶戦の前哨戦は早大に軍配が上がった。前半、ガード陣が強気のカットインでフリーの選手をつくり、得意とするスリーポイントを次々と沈める。終始リードを保ちながらも、「なかなか点差を離せなかった時間が多かった」(C小室悠太郎、社3=石川・北陸学院)というように10点差以上をつけられずに試合は進んでいく。58-45で迎えた第4Q(クオーター)、早大が一段階ギアを上げ相手を突き放す。最終スコアは77-57と危なげなく勝利したが、中盤思うように点差をつけられず課題も残った。

今季主将を務める桑田

 第2試合は、ここまで全勝の明大と対戦した。序盤はリングに嫌われ、なかなか得点を重ねることができない。 流れが明大に傾いていた第2Q中盤、ここでG柳川幹也(スポ3=京都・洛南)が4連続スリーを決める。「僕の仕事はスリーポイントを打って決めてチームに貢献することなので、その仕事を全うするだけ」と試合後に語った柳川のスリーポイントで、流れは早大に。中盤、一進一退の攻防が続いたが、この日は衰えることを知らなかった柳川のスリー、どこからでも得点の取れる小室のシュートでじりじりと差を広げる。充実した試合内容で勝利をつかみ、70-63で試合終了のブザーが鳴った。

スリーポイントの雨を浴びせた柳川

 新体制で挑んだ初の大会を優勝で終え、良い形でシーズンインを迎えた早大。昨年の主力であった4年生が多く抜け、顔ぶれが大きく変わった今年のチーム。今季ここまでの試合を振り返り、「(サイズが)小さい中でもディフェンスリバウンドを取り切る、そこから走って早い展開に持っていくというのができている試合はとてもいい試合になっている」と小室は分析した。春シーズンの山場である関東大学選手権に向けて、早大の勝ちパターンを確立することが勝利への近道となるだろう。「全員で一つの目標に向かって戦っていけるようにチーム作りをやっていきたい」と主将としての意気込みを語った桑田が率いる、今季の早大の戦いぶりに注目だ。

(記事 小林理沙子、写真 阿部かれん、森田和磨)

第15回六大学リーグ戦
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

17 20 21 19 77
慶大 12 17 16 12 57
◇早大スターティングメンバー◇
F#7 宮本一樹(スポ2=神奈川・桐光学園)
G#14 柳川幹也(スポ3=京都・洛南)
G#27 土家大樹(スポ1=福岡大大濠)
F#39 桑田裕平(商4=京都・洛南)
C#41 小室悠太郎(社3=石川・北陸学院)
第15回六大学リーグ戦
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

12 19 19 20 70
明大 16 28 11 63
◇早大スターティングメンバー◇
F#7 宮本一樹(スポ2=神奈川・桐光学園)
G#14 柳川幹也(スポ3=京都・洛南)
G#27 土家大樹(スポ1=福岡大大濠)
F#39 桑田裕平(商4=京都・洛南)
C#41 小室悠太郎(社3=石川・北陸学院)
コメント

F桑田裕平主将(商4=京都・洛南)

――1試合目を振り返っていかがでしたか

早慶戦で負けちゃいけない相手でもあって、入りから全体としてしまった形で入れたので、ゲームを通しても40分間リードを保ち続けて終始余裕を持って戦うことができたので、良かったと思います。

――2試合目はいかがでしたか

2試合目も序盤少し離されかけていたところを、タイムアウトを取らずにコートの中にいるメンバーで立て直して、逆に点差をつけることができて、試合を通して見ても自分たちのやりたいことがしっかりできて、相手を抑えられて結果勝つことができたので良かったかなと思います。

――Aチームの連携はいかがでしたか

試合を重ねるごとにいい形がよく出るようになったとは思うんですけど、ディフェンスの部分でコミュニケーションとか小さなミスというのがまだ見られるところがあったので、まだまだ改善の余地はあるかなと思います。

――ご自身のプレーはいかがでしたか

大会を通して決していい状態ではなかったんですけど、自分のもう一つの役目として下級生をまとめるというところに力を入れていたので、自分のプレーに関してはまだまだ課題があるかなと思います。

――キャプテンになって意識の変化はありましたか

下級生が試合によく出ている中で、自分がコートに立つ時間がひとり4年生で長いので、コートの中にいるときは自分が出ているメンバーをまとめるのをしっかりやらなければいけないなと思いながら、同時に後輩にいかにのびのびとやらせるかというのは意識してやっています。

――どういうチームを作っていきたいですか

良くも悪くも下級生に頼らないといけないのと、メンバーがなかなか少ないチームなので、全員で一つの目標に向かって戦っていけるようにチーム作りをやっていきたいなと思います。

――京王電鉄杯への意気込みをお願いします

まだ2週間くらいあるので、この六大学戦で出た課題は改善して、いいところのレベルを上げていけるように、いい準備をして試合を迎えられたらなと思います。

C小室悠太郎(社3=石川・北陸学院)

――1試合目を振り返っていかがですか

早慶戦ということでお互い気合が入る中で、早慶戦を見据えてここでぶっ潰さないといけないと言うのをみんなで話していて、その上で自分たちがやらなければいけないこと、リバウンドルーズとブレイクでどんどん走って点を取ることというのをやろうと言っていたんですけど、ここ最近の神大キャンプとか六大学とかの試合で10点とか点差が開く時間があるんですけど、結局そこで5点6点に詰められ踏ん張れないっていう場面が沢山あって、そういった場面で15点20点取れるようにやっていこうと言っていました。

――2試合目はどうでしたか

苦しい展開が続いた中で僕、宮本(一樹、スポ2=神奈川・桐光学園)、土家(大輝、スポ1=福岡大大濠)、柳川(幹也、スポ3=京都・洛南)を中心に点を取らなければいけないんですけど、僕と宮本のところがなかなか点を取ることができなくて、でもそんななかで柳川がスリーを4連続で決めてくれたことでディフェンスものってきて5分くらい得点されないっていうのができました。なので、さっき言った10点を15点に離すことだったり、10点差つけられても追いついて離すといった課題が明治大戦では解決できたかなと思います。慶應の時は最終的には20点離せたんですけど、なかなか点差を離せなかった時間が多かったので、今後改善していきたいなと思います。

――大会を通じての収穫、課題は

普段試合に出るメンバーも出ないメンバーも平等ではなくてもプレータイムがもらえて、その中でやるべきことは共通しているなと感じていて、小さい中でもディフェンスリバウンドを取り切る、そこから走って早い展開に持っていくというのができている試合はとてもいい試合になっているんです。例えば立教に負けてしまったり、練習試合で日経大に負けてしまった時も負け方がワンパターンで、リバウンドも取られてセカンドチャンスでやられたりそこからつながれてスリー決められたり、せっかく点数離したのに踏ん張りきれずに5点差に持っていかれたりというのがあって、やはり負けるパターンと勝つパターンは大抵決まっているので、自分たちが勝つパターンをしっかりと確立してその中で戦っていけたらなと思いました。

――今シーズン自身に求められる役割は

おそらく40分出る試合が多くなってくると思うので、今回の六大学でも初戦の法政戦では最後足をつりかけていましたし、他の試合でも常に40分間走りきれていたかというとそうではないと思うので、それを今年は小さいチームとして僕は40分間走り続けて体を張り続けることが僕に求められていることだと思います。

――京王電鉄杯にむけた意気込みをお願いします

順当にいけばトーナメントで当たるであろう中央大や拓殖大ともやる機会があると思うので、そこをしっかり勝ち切って今回六大学で出た課題をしっかり克服してまた新たなレベルの高い課題を見つけられるようにしていきたいと思います。

G柳川幹也(スポ3=京都・洛南)

――第1試合を振り返っていかがですか

相手が慶大っていうことで、早慶背の前哨戦というか、やっぱり他の試合とは気持ちが違って絶対に勝たなきゃいけないという気持ちで臨みました。

――試合内容を振り返っていかがですか

前半苦しい展開が続いてなかなか点差が離せない中で、後半こんなんじゃだめだということでギアを上げて最終的に20点差をつけられたので、そこは良かったかなと思います。

――スリーポイントが好調だった2試合目を振り返っていかがですか

僕の仕事はスリーポイントを打って決めてチームに貢献することなので、その仕事ができて良かったです。チームメイトもそれを分かってくれて、土家(大輝、スポ1=福岡大大濠)や、神田(誠仁、社1=静岡・浜松開誠館)や、仁哉さん(長谷川、教4=東京・早実)がいいパスを出してくれました。仕事なので、全うするだけです。

――今シーズン、ご自身が求められている役割は

スリーポイントと激しいディフェンスです。やっぱり自分もサイズがないので、そこは足元の動きでカバーしていかなければいけないと思いますし、そう考えると、スリーポイントを決めることと、激しいディフェンスで相手を混乱させることです。後は4年生がどちらかというとリーダーシップを表に出してとる方じゃなくて、僕はわりと喋れる方だと思うので、コート内でしっかりリーダーシップをとって、やっていけたらと思っています。

――今大会で得た収穫と課題は

5試合通して、チームの中の個々の役割が大分わかってきて、良いチームになってきたのかなと思います。ただ、流れが悪い時に流れを断ち切れずに連続得点されて点差を縮められたり、広がったりしてしまっているので、流れが悪い時にどう断ち切るか、自分たちのリズムにどう戻すかが課題になるので、これからの練習につなげていきたいと思います。

――京王電鉄杯と関東大学選手権への意気込みをお願いします

もちろん大会に参加する以上、優勝っていうのを見なきゃいけないんですけど、僕たちの今シーズンの最終目標がインカレ(全日本大学選手権)優勝で、そこにつながるように、1試合1試合成長できるようにチーム全員で戦っていきたいと思います。