きのうの敗戦から気持ちを切り替え臨んだ順位決定戦。ここで勝利すれば昨年の7位よりも上の成績を残すことができる。相手は関東大学リーグ戦(リーグ戦)において1勝1敗だった白鷗大。試合はなかなか点差が動かない接戦となるが、早大が常にペースを握る。第3クオーター(Q)で差をつけると、一度もリードを明け渡すことなく74-64で勝利。あすの5位決定戦へ難なく駒を進めた。
前半は早大ペースで試合が進むも、シュートを決めては決め返され点数が動かない。第1Q、F桑田裕平(商3=京都・洛南)のアシストをC小室悠太郎(社2=石川・北陸学院)が力強く沈め先制し、幸先良く出だしを切る。その後もコンスタントに得点し白鷗大を突き放しにかかりたいところだが、白鷗大も必死に追随する。同点に追いつかれるとC富田頼(スポ4=京都・洛南)が意地を見せフックシュートなどで再びリードを保ち、チームのピンチを救う。第2QではG森定隼吾(商4=岡山・倉敷青陵)のスリーポイントやフローター、アシストなどで何度も波に乗ろうとするが思うように点差は開かない。33-31とワンゴール差で前半を折り返した。
気持ちを前に出したプレーでチームのピンチを救う富田
第3Qで点差を2桁にすると後半は完全に早大の流れになる。G長谷川暢(スポ4=秋田・能代工)や小室を中心に得点を重ね、早大の持ち味であるディフェンスで白鷗大の勢いを抑えると徐々に点差を離していく。F濱田健太主将(社4=福岡第一)や長谷川暢のスリーポイントなどが決まると盛り上がる早大ベンチ。さらに桑田のスリーポイントやG柳川幹也(スポ2=京都・洛南)のロングシュートで点差を16点まで広げる。最終Qでも柳川、森定、長谷川暢らガード陣が積極的にドライブを仕掛け、富田のインサイド、濱田のスリーポイントと個々の持ち味を発揮。74-64で白星を挙げた。
得意のスリーや激しいディフェンスでチームに貢献する柳川
きのうの敗戦から「気持ちの作り方が難しかった」と桑田が語ったが、早大は悔しさを払しょくし無事に5位決定戦への切符を手にした。あすは今季の京王電鉄杯やリーグ戦で敗戦を喫した相手である青学大との対戦。厳しい戦いになるかもしれないが、リーグ戦から全日本大学選手権までの短い期間で大きく成長した早大なら勝てる相手だ。「勝って終わるしかない」と柳川が語ったように、ことしのワセダの最後の試合を勝って笑顔で締めくくってもらいたい。
(記事 阿部かれん、写真 吉田寛人、下長根沙羅)
第70回全日本大学選手権 12月15日(vs白鷗大) | |||||
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1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 |
17 | 16 | 25 | 16 | 74 |
白鷗大 | 15 | 16 | 17 | 16 | 64 | ◇早大スターティングメンバー◇ |
F#27 濱田健太(社4=福岡第一) G#13 長谷川暢(スポ4=秋田・能代工) C#26 富田頼(スポ4=京都・洛南) F#39 桑田裕平(商3=京都・洛南) C#41 小室悠太郎(社2=石川・北陸学院) |
コメント
F桑田裕平(商3=京都・洛南)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
きのう負けて、気持ちの作り方という点ではすごく難しかったです。きょう負けてしまったら、1年間やってきたことが無駄になってしまうので絶対に勝とうとチームで話し合いました。その気持ちを体現できたのではないかなと思います。
――1Qは攻めあぐねていた印象でした
攻めあぐねていた中でも、ディフェンスを頑張ってロースコアの展開でなんとか勝負ができる点差を保っていたので良かったと思います。結果としてはそこで我慢できたことが良かったと思います。
――ハーフタイムでは何を話し合いましたか
相手のターンオーバーの割には自分たちが点差を広げることができていなかったので、もっとやれると話がありました。後半も強い気持ちでプレーをしようと話し合いました。
――きょうの勝利によって、おととしの7位よりも上の順位が決定しました。率直なお気持ちはいかがですか
勝つことは嬉しいことなので、おととしの結果云々の前に素直に勝てたことが嬉しいです。
――後半は何を意識して入りましたか
あしたの試合が今シーズン勝っても負けてもラストだし、4年生とできるのも最後だし、このメンバーでできるのも最後なので全てをコートに置いてくるつもりでやりたいです。自分たちのバスケットができるように頑張っていきたいです。
G柳川幹也(スポ2=京都・洛南)
――準々決勝の敗戦からきょうの試合に向けてチームとしてどのように立て直しを図りましたか
一年間インカレで優勝するということを目標としてやってきていたので、きのう負けてしまった時は本当に悔しくてみんな落ち込んでいたんですけど、日曜日まで試合ができるということに感謝して、2年前の7位入賞を超えようとみんなで気合を入れて臨みました。
――ベンチからの出場となりましたがどのようなことを意識してコートに入りましたか
僕はスリーポイントシュートと激しいディフェンスを求められていて、きょうはスリーポイントがなかなか入らなかったのですが、ディフェンスに関しては激しくプレッシャーをかけられたかなと思います。
――前半はなかなか点差を離しきれない展開でした
内容は非常に良かったのですが、どこか乗り切れずになかなか点差が離れない苦しい展開だったのですが、その中でも耐えて粘り強くプレーできたことが後半リードを広げられた要因かなと思います。
――ハーフタイムにはどのような話がありましたか
もう一回ここからギアを上げていこうということでみんなで気持ちを一つにしていくことができたので、後半いい入り方ができたのかなと思います。
――終盤は追い上げられる展開でした
焦りはもちろんありましたが、自分にできることはスリーポイントとディフェンスということに変わりはないので、そこを徹底しようということを意識して、結果的にチームが波に乗れたので良かったかなと思います。
――きょうの試合でも4年生が積極的に声をかけていました
4年生は本当にインカレ期間中ずっと大きなぶれない背中を見せてくれていて、プレーでも声でも引っ張ってくれて本当に感謝しています。
――あしたはこのチームで戦う最後の試合となります
勝って終わるしかないですね。4年生含めチーム全員で笑って終われるように絶対勝ちます。