2ヶ月以上にわたって激闘が繰り広げられてきた関東大学リーグ戦(リーグ戦)もいよいよ最終週へ突入し、残り2試合を残すのみとなった。第20節を終えて通算成績を10勝10敗としていた早大は、1巡目の対戦で敗れた日大と対戦した。前回のリベンジを期して臨んだ一戦だったが、試合は序盤から一方的な展開に。攻守ともに精彩を欠いた早大に対し、日大に次々とシュートを沈められて前半で17点のリードを許すと、後半も相手の勢いを止めることができず63-104と41点差をつけられる惨敗を喫した。
バスケットボールの怖さ、難しさを改めて思い知らされる試合となってしまった。2メートル超の留学生センターの高さとスリーポイントが武器の日大に対し、リバウンドを粘って拾うことを意識して試合に入った早大だが、「最初に強度の高いディフェンスができなかったことが全て」とF濱田健太主将(社4=福岡第一)が語ったように、プレッシャーをかけきることができず序盤から相手に立て続けにシュートを決められてしまう。なんとか追い上げたい早大であったが、この日はアウトサイドシュートが決まらず波に乗れない。攻守に早大らしさが見られないまま13点差をつけられて第1クオーター(Q)を終えると、第2Qも歯がゆい展開となる。ボールマンに強いプレッシャーをかけてくる相手のディフェンスを前にターンオーバーを連発し、速攻で連続得点を許す。さらには相手にオフェンスリバウンドを奪われてシュートをねじ込まれるなど、自分たちのミスから崩れてリードを広げられてしまった。
3本のスリーポイントシュートを決めて気を吐いた濱田
巻き返しを図りたい後半だったが、一度相手に大きく傾いた流れを取り戻すことは容易ではなかった。前半よりも激しく相手にプレッシャーをかけ、相手に難しいシュートを打たせることに成功したが、勢いに乗った日大の選手たちのシュートは次々とリングを通過する。一方の早大のオフェンスでは、ドライブで相手を引き付けてノーマークの選手がスリーポイントシュートを放つもボールはリングに弾かれた。「下がるな」というヘッドコーチの大きな声が飛ぶ中、選手はなんとか守備からリズムを作ろうとしたが、この日の日大のシュートは全く落ちる気配がなく、「中も外も相手にやりたいことを全部やらせてしまった」(濱田)と第3Qだけで36点を奪われてしまった。第4Qでも点差を縮めることができず、最終的に41点という大差をつけられて敗れた早大。試合開始から後手に回り、一度も流れをつかむことができないまま屈し、もどかしさだけが残る試合となった。
最後まで流れをつかむことができなかった早大の選手たち
いよいよ明日はリーグ戦最終節。きょうのショッキングな敗戦から立ち直ることは簡単ではないだろうが、主将の濱田は「リーグ戦は負けても勝っても試合がある。ここで切り替えてできるかどうか、ワセダの本質が問われる試合で、みんなしっかりと準備してやってくれると思う」と言葉に力を込めた。最終戦こそ早大らしいバスケットを表現し、いい形でリーグ戦を終えることに期待したい。
(記事 吉田寛人、写真 阿部かれん、小林理沙子)
第94回関東大学リーグ戦 11月10日(vs日大) | |||||
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1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 |
10 | 17 | 18 | 18 | 63 |
日大 | 23 | 21 | 36 | 24 | 104 | ◇早大スターティングメンバー◇ |
C#7 宮本一樹(スポ1=神奈川・桐光学園) G#13 長谷川暢(スポ4=秋田・能代工) C#26 富田頼(スポ4=京都・洛南) F#27 濱田健太(社4=福岡第一) F#39 桑田裕平(商3=京都・洛南) |
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◇主なスコアリーダー◇ | |||||
得点 富田頼:16得点 アシスト 森定隼吾:7アシスト |
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関東大学リーグ戦1部順位表(11月10日時点) | |||||||||
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順位 | 校名 | 勝 | 負 | 勝率 | 得点 | 失点 | |||
1 | 東海大 | 17 | 4 | 0.81 | 1627 | 1458 | |||
2 | 大東大 | 16 | 5 | 0.762 | 1559 | 1347 | |||
3 | 専修大 | 14 | 7 | 0.667 | 1636 | 1533 | |||
4 | 青学大 | 14 | 7 | 0.667 | 1585 | 1461 | |||
5 | 筑波大 | 13 | 8 | 0.619 | 1604 | 1510 | |||
6 | 白鷗大 | 11 | 10 | 0.524 | 1627 | 1654 | |||
7 | 日大 | 10 | 11 | 0.476 | 1617 | 1588 | |||
8 | 早大 | 10 | 11 | 0.476 | 1469 | 1503 | |||
9 | 神奈川大 | 7 | 14 | 0.333 | 1455 | 1578 | |||
10 | 明大 | 6 | 15 | 0.286 | 1489 | 1627 | |||
11 | 中大 | 5 | 16 | 0.238 | 1466 | 1616 | |||
12 | 拓大 | 3 | 18 | 0.143 | 1638 | 1897 |
コメント
F濱田健太主将(社4=福岡第一)
――日大に対して具体的な対策は立てていましたか
スリーポイントと留学生のリバウンドが武器だったと思うので、そこを中心に対策ををしました。
――ゲームプランはどのようなものでしたか
結構シュートを打たれることよりも、打った後のリバウンドを簡単にやらせないためのゲームプランを組んでいたんですけど、その結果ドライブを気にしすぎて自分たちはチェックしていたつもりなんですけど、それを上回ってシュートを決められてしまったというのが残念な所ですね。
――リバウンドがうまくいきませんでした
中も外も相手にやりたいことを全部やらせてしまった試合だと思っているので、どこか1つがというよりは全部崩壊してしまって、それが崩壊してしまった一番の要因はやはディフェンスでプレッシャーをかけられなかったことだと思っています。
――ワセダの良いところが全く出せない試合となってしまいました
自分たちが最初に強度の高いディフェンスができなかったことが全てで、それに加えて相手の調子が爆発してしまったことが、自分たちの流れ云々よりも全てが相手のいいように回っていく試合になってしまったので、明日は出だしから自分たちの良さを先に出して後手にならないようにというのを意識したいと思います。
――あすは神奈川大とどのように戦っていきたいですか
相手が勢いがあるというのはみんな分かっていますし、きょうの敗戦もうまくいかなかったことはみんな感じていると思うんですけど、それで引っ張られるんじゃなくて、リーグ戦は負けても勝っても試合がある。ここで切り替えてできるかどうか、ワセダの本質が問われる試合で、みんなしっかりと準備してやってくれると思うので、練習でやってきたことを出せたら、と思います。