守りからリズムつくれず、3連敗

男子バスケットボール

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)第5節。連敗から脱出したい早大は、この日は東海大と対戦。前節と同様に早大らしいバスケットが鳴りを潜め、出だしから東海大の徹底した攻守に歯が立たない。序盤で大きなビハインドを背負い、その後も挽回を図れず。54-71と、敗北を喫した。

 試合の入りで負けないことを意識して臨んだ第1Qだったが、序盤から東海大の攻めに翻弄(ほんろう)される。ポストでは簡単にセンターにボールが入り、淡々とゴール下での得点を重ねられる。ガード陣は、東海大の鋭いカットインに手も足も出ず。得意のディフェンスが機能しないまま、気づけば点差は15点にまで広がる。オフェンスで一矢報いたいところだったが、タイトなディフェンスに阻まれる。第2Qも、苦しい時間帯は続く。同じパターンでの攻めだが、なかなか対応できず。早大のお家芸であるオールコートプレスを仕掛けるも、この日は裏目に出てしまう。「前から当たってターンオーバーをあまり出せなかった」(F濱田健太主将、社4=福岡第一)というように、ボールを奪うことができず、むしろ簡単に突破され、東海大が数的有利な状態で攻めることを許してしまう。何とかワンゴール決めて前半を終えたい第2Q残り1秒、濱田が放ったスリーポイントがゴールネットを揺らし、28-40で前半を終える。

早大の持ち味であるディフェンスで奮闘する選手たち

 前半はパスを回すことすらままならなかったが、第3Qでは攻めの姿勢が目立つようになる。9点差まで詰め寄り、さらに点差を縮めたい早大であったが前回の専大戦と同じく、シュートがなかなか決まらない。バスケットに限らずどんな競技でも「たられば」は許されないが、「スリーポイント(シュート)をそこで僕が何本か打って、そこで決めていれば」とC小室悠太郎(社2=石川・北陸学院)が語ったように、あのシュートが決まっていれば試合展開が変わったかもしれないというシュートの連続だった。第4Qには再び東海大のインサイド陣が爆発力を見せる。最後まで試合の主導権を握れずゲームセット。 54-71で悔しい敗戦となった。

次戦の勝利にはエース・G長谷川暢の活躍が不可欠だ

 この日の敗北で、チームに重くのしかかる3連敗という文字。しかし、「負けても勝ってもやり続けなきゃいけないのがリーグ戦の苦しいところであり醍醐味でもある」とキャプテン濱田が語ったように、連敗から脱するためには、めげることなく戦い続けなければならない。次戦の相手は、現在4勝1敗と勢いのある日大。厳しい戦いが続くが、次こそ、守りからリズムをつくっていく早大のバスケットを思う存分に見せてほしい。

(記事 小林理沙子、写真 林大貴、宅森咲子)

第94回関東大学リーグ戦
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

12 16 10 16 54
東海大 25 15 10 21 71
◇早大スターティングメンバー◇
C#7 宮本一樹(スポ1=神奈川・桐光学園)
F#8 津田誠人(スポ1=京都・洛南)
G#13 長谷川暢(スポ4=秋田・能代工)
C#26 富田頼(スポ4=京都・洛南)
F#27 濱田健太(社4=福岡第一)
コメント

F濱田健太主将(社4=福岡第一)

――目指すゲームプランはどのようなものでしたか

リーグ通して試合の目標というところで、ディフェンスのリバウンドを80パーセント以上とることと、相手の得点を65点以下に抑えること、あと1Qと3Qの入りの部分で負けないことを徹底してやろうという風に言っていました。そのゲームプランでいくとどれも達成できてないんじゃないかなと思うので、そこは課題ですね。

――東海大相手に具体的な対策というのはあったのでしょうか

相手はセットプレーが多いチームなので、まず前から積極的に当たることでセットプレーをさせる時間を減らすことと、各セットプレーの攻め所、ポイントを押さえていたのでそこを潰しにいくこと。主にディフェンスを中心に対策を立てていました。

――実際に試合を終えていかがでしょうか

セットプレーを潰すことに関してはある程度はできたのかなと思ってるんですけど、バックドアだったりプレーを読み過ぎて裏をかかれてしまったところは課題としてあって。それ以上に前から当たってターンオーバーあまり出せなかったので、簡単にハーフコートまで運んでゆっくりじっくり相手の強みのセットプレーをされたことというのは課題だと思っています。もっと言えばトランジションで簡単に点を取られてしまったので、こっちがやりたいことを相手にやられたという感じですね。

――出だしは点差をつけられてしまいました

そうですね。こちらがあまり最初に点数が入らなかった時にディフェンスが浮き足立ってしまって。前から当たったんですけど簡単に攻略されてしまった後に、ディフェンスが少なくオフェンスが有利な形を作られて点を決められてしまってああいう点差になってしまったのだと思います。

――一方3Qは点差が詰まった時間帯もありました

その前のオフェンスもいい形は出ていたけど、最後のシュートが決めきれないというところだったので、そこを意識していました。あと前半相手もスカウティングしているわけで、そのスカウティングされたディフェンスに対してどう攻めていくかということをハーフタイムで話したので、それが体現できたから点差が詰まったんじゃないかなと思います。

――濱田選手は連続3ポイントシュートなどもみられました。ご自身のプレーに関してはいかがですか

きのうに比べればある程度の貢献はできたかなと思うんですけど、リーグを通して苦しい時間帯にもっと自分が点を取らなければいけないと思います。相手にも3ポイントが得意だということはばれていて、相手もそれを抑えにきているので、そうなった時にドライブであったり、3ポイント以外の何かで攻め手を作らないと今後やっていけないなという風に思っているので、満足はできていないです。

――きょうで3連敗になってしまいました。この敗戦はどう受け止めていますか

負けても勝ってもやり続けなきゃいけないのがリーグ戦の苦しいところであり醍醐味でもあると思っています。でもやり続けなければ連敗を脱出することはできないので、負けても心が折れることなく、より一丸となってやっていくことが大事だと思っているので、それを徹底することですね。

C小室悠太郎(社2=石川・北陸学院)

――きょうは強豪・東海大が相手でしたがどのようなプランで臨んだのでしょうか

ここまでリーグで2敗しているんですけど、やっぱりリバウンドが課題で、きょうも大きい選手がいたので。そのリバウンドのところでどれだけ粘れるか、ということと、やっぱり連敗を断ち切りたかったのでやっぱりディフェンスから。どこのチームもそうだと思うんですけど、ワセダもどんどん前から当たり続けてどれだけターンオーバーさせるかっていうのが勝負でした。きのうの試合もシュートが全然入らなかったんですよ。それも含めてきょうはみんなで気持ちよくシュートを打とうと思って試合に入ったんですけど、全然ダメでした(笑)。

――リバウンドで競り負けたり、シュートがなかなか決まらず第1Qから大きく引き離される展開となりましたが

そうですね。インサイドを起点にやられてしまって。こっちのガードの運動量もめちゃめちゃ多いので、ガードが頑張っている分、インサイドは止めなければならなかったんですけど、僕も宮本も詰められてやられて、そこで我慢できなかったことでもったいない失点だったりがありました。あとは相手のディフェンスがすごくて、正直面を食らっていましたね。

――インサイドでは簡単にボールを通してしまう場面も目立ちましたが、改善点としてはどこでしょうか

チームディフェンスですね、ポジション取りと。あとは言ってしまえば1対1のディフェンスを頑張るしかないんですけど、どれだけでかくて、跳べて、速い相手に対抗してディフェンスするかっていったら、仕掛けていくしかないので、そこをもっと詰めていって、シングルの徹底っていうのをもっと磨きをかけていくしかないですね。

――第3Qでは東海大相手に食らいつく場面もありましたが、振り返ってみていかがですか

スリーポイント(シュート)をそこで僕が何本か打って、そこで決めていれば。たらればなんですけど。今までの流れで言えば僕以外でも、僕でもあそこで何本か入って流れを持っていって、一気に3点差とかまで詰められていたんですけど、そこできょうは詰められなかったというか。筑波大戦のときはそうだったんですよ。ただそれがきょうはできなくて、僕もファールトラブルしちゃって、富田さん(頼、スポ4=京都・洛南)もファール取られてしまって、ちょっと萎縮してしまったというのもあるんですけど、一枚上手でしたね、相手が。

――そこで決めて切れていれば第4Qでも食い下がれたといったところでしょうか

そうですね、はい。

――ご自身のプレーとしてはいかがでしたか

ワセダの中では自分が一番体を張れる選手だと思っているので、そこでオフェンスもディフェンスも総じて相手のビッグマンに負けてしまったので、悔しいですね。ただやっぱり自分にも武器はあると思っているので、そこはしっかりと磨きをかけて、こういった大舞台で発揮できるように。あと2年あるので、頑張ります。

――これで3連敗となってしまいましたがその点はチームとしてどう捉えていますか

そうですね、3連敗はしんどいですね。まあでも1勝すれば乗っていけると思うので、とりあえず1勝を取りに行きたいと思います。

――チームの状態としてはいかがでしょうか

ケガ人がいるわけでもないので、回せてはいるんですけど。東海大って露骨に一気に変えてくるじゃないですか。きょうだったら5人一気に変えてきたり、ちょっと違うチームになって。でも(東海大が)やることは一緒なので、しっかりみんなが仕事して、ディフェンスはもうみんながプレッシャーかけて動いてっていう。あれが理想だと思うのでワセダも誰が出ても同じ質、高い質でアグレッシブにプレーできるようになれればなって思います。なので、それの準備ですね。それが全員できれば。なのでチーム状態としては悪いということはないです。

――次戦の相手は現在首位の日大が相手ですが、どういった戦いにしたいですか

チームとしては切り替えて、オールコートからブレイクのかたちを出し続けて。相手は留学生もいますけど、そこは僕が頑張って、奮闘して、抑えて。個人としてはスリーポイントを任されているので、確実に決めてチームの勝ちに貢献できればと思います。

G柳川幹也(スポ2=京都・洛南)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

率直に悔しいですね。

――出だしが良くなくて、第1Qに点差をつけられてしまいました

第1Q、僕は出てなかったんですけど、やっぱりリズムが悪くて、いつも入りが悪いときってしんどいゲームになってしまうので、ベンチからも声掛けを頑張ろうと思って声を掛けていたんですけど、リズムが出なかったのでそこがきょうの試合を通して苦しい展開になってしまったのかな、と思います。

――第3Qは互角に戦えていた部分もありました

ハーフタイムで、話して、もう1回気合入れようという話の中で、まずディフェンスから意識してっていうことで、ディフェンスが機能し始めて、オフェンスもリングにアタックすることが徐々にできてきたので、そこはリズムがでたのかな、と思います。

――最後失速してしまった原因は具体的にはどこだとお考えですか

流れが悪い時にチームの雰囲気だったり、コートの雰囲気が悪くなってしまうので、そこはベンチから声を掛けたり、コートの中で、声を掛けて全員がみんなを鼓舞していかなければいけないな、と思います。

――きょうの勝敗を分けた部分は

オフェンスが上手くいかなかったっていうのもあるんですけど、ワセダはディフェンスからリズムをつくっていくチームなので、オフェンスが悪くてもディフェンスで踏ん張ることができれば、勝利に持ち込むことができると思うので、きょうの勝敗の分かれ目はそこのディフェンスだったり、ディフェンスリバウンドの部分にある、と思います。

――ここまでリーグ戦戦ってきて、ご自身のプレーはいかがですか

プレータイムもなかなか出なくて、出してもらってもなかなかチームに貢献することができていないので、僕がステップアップすることもチームのステップアップにはつながると思うので、しっかり練習してチームに貢献できるように頑張りたいと思います。

――次戦は勢いのある日大戦です

勢いのあるチームだからこそ、そこに勝てれば僕らもさらに勢いに乗れると思うので、みんなでしっかりと勝ちに行って、勝利したいと思います。