熱戦を繰り広げるも、敗北

男子バスケットボール

 接戦を逃げ切り勝利した昨日から一夜明け、きょうは早関定期戦の2日目。前半は早大が1本決めれば、関学大が1本シュートを沈める、というように両者一歩も譲らない一進一退の攻防をみせる。しかし、第3クオーター(Q)の残り3分で関学大の怒涛の得点ラッシュで流れを明け渡してしまう。11点差を追いかける第4Qは、早大が反撃に出て、ファウルゲームまでもつれ込む。最後まで勝負の行方が分からない展開となったが、わずかに及ばず。激戦を制することはかなわず74-78で敗北を喫した。しかし、2日間の試合での得失点差では勝った早大が第89回早関定期戦で優勝杯を獲得した。

 第1Qは互いにワンゴールずつシュートを決めていくシーソーゲームとなる。前日は序盤に相手のシューターに連続でスリーポイントを沈められてしまった。その反省を生かし、早大が得意とするディフェンスで相手にタフショットを打つのを余儀なくさせるも、押し込まれてしまう。展開の速い関学大のオフェンスに対応しきれず、ファウルがかさみ、チームファウルとなってしまう。C宮本一樹(スポ1=神奈川・桐光学園)のスリーポイントで追いつき同点で第2Qを迎える。開始3分ほどで、再びチームファウルとなってしまい、ノーファウルで守ることを余儀なくされる。それでも24秒しっかりと守り切るディフェンスを続け、32-32で前半を終える。

個人技に磨きがかかった濱田

  前半を同点で折り返し、緊張感の漂う中始まった後半。第3QにはF濱田健太主将(社4=福岡第一)が目覚ましい活躍をみせる。得意のスリーポイントだけでなく、普段はあまり見られないカットインやドライブなどの個人技で得点を量産し、観戦しているOBからも感嘆の声があがった。しかし第3Q残り3分、関学大の猛攻が始まる。関学大のスコアラーのシュートは次々と決まり、気づけば点差が広がってしまう。タイムアウトで切り替えようとするも、ブザービートで10点差に。完全に関学大ムードのまま、勝負の第4Qへ。なんとか点差を縮めたい早大だが、苦しい攻めが続く。この試合最大点差の15点差がついても早大はまだあきらめていなかった。「まだ4分もある」とG長谷川暢副将(スポ4=秋田・能代工)が声を張り、チームを鼓舞すると、ここから4年生を中心に早大も必死の反撃へと出た。残り1分で1点差の手に汗握る展開になり、早大としては絶対に抑えたい場面だったが、関学大のルーキーが放ったスリーポイントは無情にもネットに吸い込まれる。それでも、ここまで何度もチームのピンチを救ってきた長谷川の得点で72-73と首の皮一枚つながる。ファウルゲームまでもつれ込む熱戦となったが、きっちりフリースローを沈める関学大に対し、なすすべなく試合終了のブザーが鳴り響く。74-78で惜しくも敗戦となった。

トロフィーを囲む選手たち

  きょうの敗因は「相手のフィジカルなプレーに受け身になってしまった」ことだ、と選手たちは口をそろえた。高いシュート率を誇る関学大に対し、守り切ることができず接戦を制することができなかった。しかし、課題ばかりが目立ったわけではない。2日間を通して4年生の活躍が光った。「4年生がしっかり締めていかなくてはいけないという意識を言葉にはしていないものの全員が持っていた」(F中谷誠人、商4=東京・早実)というように、プレーや声掛けなどで最上級生としてチームを引っ張る姿が印象的だった。9月には22試合の長丁場となるリーグ戦が幕を開ける。混戦が予想されるリーグ戦を通して一歩一歩成長し、飛躍を遂げてほしい。

(記事 小林理沙子、写真 阿部かれん)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

第89回早関定期戦
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

16 16 13 29 74
関学大 16 16 24 22 78
C#7 宮本一樹(スポ1=神奈川・桐光学園)
F#8 津田誠人(スポ1=京都・洛南)
G#13 長谷川暢(スポ4=秋田・能代工)
C#26 富田頼(スポ4=京都・洛南)
F#27 濱田健太(社4=福岡第一)
コメント

F濱田健太(社4=福岡第一)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

相手のフィジカルなディフェンスやオフェンスに少しこっちが受け気味になってしまったことと、ルーズボールを自分たちのものにできなくて相手にチャンスを多く与えてしまったことが敗因だと思います。

――きのうの一戦を終えて関学大の得点源に対してどのような対策をしましたか

きのう序盤に相手のガード陣にスリーポイントをやられてしまったのできょうはスリーポイントを抑えていこうという話をして、ある程度はタフなショットを打たせられたかなとは思っているんですけど、それでも決めてきたということはまだ足りなかったのかなというふうに感じています。

――スリーポイントなど好調でしたがご自身のプレーを振り返っていかがですか

僕が決めていた時間帯は比較的ワセダに流れが来ていた時間帯だったので、ワセダが苦しい時にもう少し点を決めていたら試合の展開も変わってきてたのかなと思うので、単純にちょっと点数を取れたからといって満足はできていないです。

――ディフェンス面はいかがでしたか

ガードを中心について相手もガードを中心に攻めてくるということはわかっていたので、相手の特にピックアンドロールのところを壊しに行くというテーマで全員頑張っていたんですけど、きょうはきのうと比べてスリーポイントを抑えた分ドライブをたくさんやられてしまったので、スリーとドライブのバランスをいかに抑えていくかが今後の課題なのかなと思います。

――この夏は何を重点的に練習していますか

基本的に春とあまりシステムは変わっていないんですけど、その中で雑なところであったり相手が厳しいプレッシャーをかけてきてもオフェンスを遂行できるように精度を上げていくということをテーマにやっていて、それをテーマに練習というよりは韓国に遠征に行ったりしていて試合の中でどんどん修正を繰り返しています。

――次は大学生活最後のリーグ戦ですが意気込みは

今までのリーグ戦も困った時は4年生が助けてくれたという印象が大きいですし、最後の年に懸ける思いもありますし、暢(長谷川、スポ4=秋田・能代工)、隼吾(森定、商4=岡山・倉敷青陵)、頼(富田、スポ4=京都・洛南)や僕中心に苦しい時にちゃんと苦しいゲームを勝ちきれるように頑張っていきたいと思います。

F中谷誠人(商4=東京・早実)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

チームの中で目標としてディフェンスリバウンド8割以上と1ピリ、3ピリの入りをしっかりすること、また全体で65点以内ということを掲げていました。ですが、ディフェンスのフィジカルなプレーにおいては相手の関学大の方がフィジカルにプレーをしていてこちらが受け身になってしまい、4クオーターで立て直すことはできたのですが1試合を通してはひきずってしまったので、そこから目標にも全く達成できず昨日に比べて結果としては不本意なものになってしまったと思います。

――きょうはプレータイムも長かったですが、ご自身のプレーを振り返ってはいかがですか

小室がケガをしていることもあってプレータイムが長くなることは覚悟していたので、自分が出た時はオフェンスではなくてディフェンスでしっかりチームに貢献していこうと思っていました。オフェンスでは何度か得点をする機会があったのですが、ディフェンスリバウンドのところでインサイドの僕がもう少し取りきることができればチームの悪い流れを早めに断ち切ることができたと思うので、チームに求められている役割をまだまだ達成できていないと感じました。そこをリーグ戦までに詰めていきたいです。

――ディフェンス陣はチームとしては24秒しっかり守りきれている部分もあったと思うのですが振り返っていかがですか

昨日もあったようなラッキーシュートがいくつかあり、そういったところも含め最終的に24秒最後に打たれるシュートというのをチェックが甘くなってしまい、関学大がそこのタフなシュートを決めてきた点では、そこでラッキーシュートで終わらないで力強くコンタクトをとって最後コンテストをするというところに切り替えていければ良かったのですがそれができていなかったです。そこがチームとしても課題に上がったのでしっかり直していきたいと思います。

――2日間を通して4年生が活躍している印象を受けました

定期戦は公式戦ではないのですが、少しお互いに気持ちが高まり、独特な雰囲気の中でやっていることもあってまずは下級生が活躍できるように4年生がしっかり締めていかなくてはいけないという意識を言葉にはしていないものの全員が持っていたと思うのでそれが表に出たのは良かったと思います。引き続き3、4年生の上級生が活躍しながら1、2年生がフレッシュにプレーするとチームで一体感を持てれば、より強くなれるかなと思うので意識していきたいと思います。

< p>――最後のリーグ戦へ向けての意気込みをお願いします < p>リーグ戦ではまだ明確な目標を決めてはいないのですがリーグ戦を通してインカレの学生日本一という最終的な目標にむかってステップアップできるように22試合長いのですがチームでコミュニケーションを取りながら一歩ずつステップアップしていきたいです。