粘りのバスケで初戦突破!

男子バスケットボール

 各大学の1、2年生が、フレッシュな戦いを繰り広げる関東大学新人戦(新人戦)が開幕した。昨年は3回戦敗退となったこの大会。2年生はその悔しさを晴らすため。そして1年生は自分たちの実力を試すために、とおのおの目標を持って初戦に臨んだ。第3クオーター(Q)に1点差に詰め寄られたが、粘りのバスケでじりじりと点差を広げ70-59で勝利。試合後に選手たちが「気持ちを入れるのが難しい」と口をそろえて語った初戦を無事に突破し、3回戦に駒を進めた。

 第1Qから司令塔としてチームをけん引したのは、柳川幹也(スポ2=京都・洛南)。「最初から自分たちのできるプレーを全力でやって、そこに勝ちがついてきたら」との言葉通り、スリーポイントを着実に沈め、躍動する。ことし早大に加入し、新風を吹かせているC宮本一樹(スポ1=神奈川・桐光学園)、F津田誠人(スポ1=京都・洛南)も尻上がりに調子を上げる。普段の公式戦から、スターターとして試合に出場している彼らだが、主力としての出場はこの新人戦が初である。それでもルーキーらしからぬ堂々としたプレーでチームに貢献し、高さを生かして得点を重ねた。35-20とリードして前半を折り返す。

チームに新風を吹かせている津田

 波乱が起きたのは第3Q。後半開始直後に宮本がスリーポイントシュートで得点を奪うも、そこからオフェンスが沈黙する。攻撃がかみ合わず、苦し紛れに単発のシュートを放つも全く決まらない。単調なプレーが続く早大とは対照的に、玉川大はスクリーンやバックドアカットで、良いリズムでのパス回しを展開し波に乗る。あまりにも簡単に入る相手のシュートに気づけば、1点差まで詰め寄られる。しかし、このままでは終わらないのが早大だ。気持ちを入れ直して臨んだ第4Qの最初の得点を奪ったのは三島大河(文2=神奈川・桐光学園)。強い闘志が感じられるプレーで、悪い流れを断ち切る。三島はその後も、速攻で果敢に切れ込みバスケットカウントをもらうなど、ここにきて覚醒の兆しを見せる。最終的には相手を突き放し、70-59で接戦を制した。

チームを引っ張る司令塔・柳川

 白星は挙げたたものの、オフェンスでは単調なプレーが散見され、修正点も多く見つかった。イージーシュート、フリースローを着実に決めていれば、もっと楽に勝てた相手だっただろう。2学年で8人と人数の少ない早大。次戦以降はやはりチームプレーが勝利に欠かせないものとなってくる。最後まで全員が懸命に走り抜き勝利をつかんだこの流れのまま、課題は修正し3回戦に挑む。次戦の敵は、春の関東大学選手権優勝校の筑波大。大学バスケ界に君臨する王者相手にどこまで粘りを見せてくれるか。「全員が気持ちをそろえて気持ちで勝負するっていうところがやっぱり勝敗を分けてくる」(津田)との言葉通り、まずは全員で一致団結し、絶対王者の牙城を崩しにかかる。

(記事 小林理沙子、写真 加藤千咲)

第58回関東大学新人戦
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

18 17 14 21 70
玉川大 13 22 17 59
C#7 宮本一樹(スポ1=神奈川・桐光学園)
F#8 津田誠人(スポ1=京都・洛南)
G#14 柳川幹也(スポ2=京都・洛南)
C#38 三島大河(文2=神奈川・桐光学園)
F#41 小室悠太郎(社2=石川・北陸学院)
コメント

G柳川幹也(スポ2=京都・洛南)

――新人戦の初戦、どのような意気込みで臨まれましたか

初戦というのは入りが難しいので、玉川大って自分たちもよく分かっていなかったので、とりあえず最初から自分たちのできるプレーを全力でやって、そこに勝ちがついてきたらいいなっていう話で臨みました。

――勝利しましたが、試合の内容を振り返っていかがですか

まず勝てたことが一番なんですけど、初戦という難しい中でやっぱり修正するべき点もありますし、その中でも良いプレーも出ましたし、修正する点を明日練習なので、改善して次の筑波戦、大一番なのでそこに向けていけたらいいなと思います。

――修正する点というのは具体的にどこですか

第3Qで相手に22点取られてしまったので、それがなければもうちょっと楽に勝てたと思うので、そこのディフェンスだったりっていうのを修正していくべきだと思います。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

後半流れが悪い時に、自分自身も単調なプレーになってしまったので、もっとガードとして、新入生の上級生としてチームを良い流れにもっていかなければならないな、と反省しています。

――きょうの試合でチームとして良かった点は

やっぱり1点差までいった場面でも、みんなで声を掛け合って粘って、最終的には勝てたっていうのが一番良かった点かなと思います。

――次戦への意気込みをお願いします

きょうよりも一回り、二回り強い相手なので、しっかりチャレンジャーの気持ちでぶつかって、そこに勝ちがついてきたらいいなっていう思いです。

F津田誠人(スポ1=京都・洛南)

――新人戦初戦でしたが、どのような意気込みで臨まれましたか

新人戦になってからまだ練習してそんなに時間も経ってないんですけど普段出ていない選手が試合に出られたり、僕とか宮本とか小室さんとかは逆にいつも出てるんですけど主力というかたちではなくて、きょうは主力として(得点を)取っていかなくてはいけない試合でしたし、おのおのに目標がある大会なのでみんなで気持ち入れていこうと話して楽しみにしていた試合です。

――試合は勝利となりましたが、展開を振り返っていかがですか

やっぱり初戦で気持ちを入れる部分が難しかったりするんですけど、詰められて接戦になったときにちょっとでも粘って離せたのが良かったなと思っています。

――相手のオフェンスに苦しめられていた印象でした

宮本だったり小室さんだったりミスマッチが多かったんで苦しむところは多かったんですけど、途中からアジャストしてきていい感じに守れたので良かったなと思っています。

――ご自身のプレーを振り返って

最近はケガでプレータイムが制限されてたりすることが多かったので、出ている時間でどれだけチームに貢献できるかというのを意識していて、きょうは前半はセンター行かせたりして、接戦になったら点数を取れたりしたので良かったかなとは思っています。

――次の筑波大戦への意気込みをお願いします

相手は僕たちと違って控えの選手もいるチームで体ももっと僕たちより全然強くて、勝っていこうと思ったら全員が気持ちをそろえて気持ちで勝負するっていうところがやっぱり勝敗を分けてくるのではないかと思うので、全員で明日の練習で一致団結して気持ちを入れて頑張りたいです。