男子部インカレ展望

男子バスケットボール

 最後の戦いがついに幕を開ける。20日から大学日本一を決める大会、全日本大学選手権(インカレ)が始まる。昨年は7位となったが、ことしのチームは『インカレ制覇』を絶対的な目標として戦ってきた。まさかの結果に終わった関東大学選手権(トーナメント)での屈辱、久々の早慶定期戦での歓喜、2か月に渡る長い関東大学リーグ戦(リーグ戦)を経て大きく成長したチームは大舞台でどんな姿を見せてくれるだろうか。

 リーグ戦は結果だけ見れば8位と下位に沈んだ早大。とはいえその内容は悲観すべきものではなかった。多くの接戦を演じ、上位校からも多くの白星を手にした。やりたいバスケットを表現できれば優勝も現実的な目標と言えるだろう。リーグ戦の取材の中で多くの選手から「ディフェンスからリズムをつかむ」という言葉が聞かれたが、実際にディフェンスが機能した試合は勝利に結びついていた。ディフェンス面では、C富田頼(スポ3=京都・洛南)、C小室悠太郎(社1=石川・北陸学院)の両インサイドがカギを握るだろう。順当に勝ち進んだ場合準々決勝で大東大、準決勝で専大と対戦することが予想される。特に富田はリーグ戦終盤では20点オーバーを連発するなどオフェンスでも柱となる存在となっているだけに留学生を擁する両チーム相手にファウルトラブルは避けたいところ。

攻守両面で大きな期待がかかる富田

 オフェンス面では、速攻を繰り出す回数を増やし、速い展開に持ち込むことと、スリーポイントシュートの成功率がポイントになる。リーグ戦でアシスト王に輝いたG森井健太主将(スポ4=京都・洛南)やG石原卓(社4=東京・京北)など全国屈指のガード陣を誇る早大がどう自分たちのペースを作り出していくかは必見だ。アウトサイドの要はF濱田健太(社3=福岡第一)。濱田がスリーポイントを沈め、相手ディフェンスを外に広げることができれば、ガード陣がリングにアタックするスペースを作り出し、さらにオフェンスにリズムをもたらすことがゲームメイクの幅を広げ、いい循環を生むだろう。

森井の学生最後の雄姿は必見だ

 ことしはトーナメント1回戦という、苦しいスタートを切った早大。しかしそこから約半年間、多くの試合の中でチームとして結束し成長してきた。泣いても笑っても最後となる今大会は一発勝負のトーナメント形式。戦術的な部分より重要となるのは何と言っても最上級生の気持ちの面であることは間違いない。悲願のインカレ制覇に向け、熱い姿勢で戦うチームの歓喜の姿が楽しみだ。

(記事、写真 秋間勇人)