新年度初日となったこの日、京王電鉄杯が開幕した。春の関東大学選手権まで残り少ない時期に行われるこの大会は多くの大学にとって現在地を確かめる貴重な実戦の場となる。初日のこの日は青学大、中大との試合に臨んだ。青学大戦では持ち味を存分に発揮して87-52と完璧なゲームで勝利したが、中大戦では最終クオーター(Q)にオフェンス、ディフェンスともに完全にかみ合わなくなってしまい64-84で敗戦。1勝1敗で初日を終えた。
1戦目の青学大戦は序盤から全開のプレーを見せる。積極的なディフェンスで8秒バイオレーションを奪うなどしっかりとディフェンスから流れを作ると、「ゴール下までアタックという部分がしっかり出せた」とC富田頼(スポ3=京都・洛南)が試合後語ったようにオフェンスではガード陣の積極的なドライブを起点に得点を重ねる。第2QにはG森定隼吾(商3=岡山・倉敷青陵)、SG南木俊樹(社4=東京・早実)が中心となり速攻を連発。一気に点差を広げると後半はインサイドの富田がバスケットカウントを2本決めるなど中でも勝負できる所を見せつける。サイズで勝る相手に対しリバウンドもしっかり確保し最後まで付け入る隙を与えなかった早大が強豪相手に87-52と大きな意味のある勝利を得た。
最上級生となりチームを引っ張る石原
2戦目の中大戦では、序盤G石原卓(社4=東京・京北)の圧巻のドリブルからのレイアップやフローターなどで得点を挙げると、上々の滑り出しでゲームに入る。第2Q、F桑田裕平(商2=京都・洛南)の速攻で14点差までリードを開けると相手はすかさずタイムアウト。ここでディフェンスを修正した中大の前にその後手を焼くも、37-28で折り返す。大きくメンバーを入れ替えて臨んだ後半、第3Q。このQだけで4本のスリーポイントシュートを決めるなど奮闘を見せる。特にG長谷川仁哉(教2=東京・早実)は攻撃をリードする活躍を見せた。しかし最終Q、なかなか得点を奪えずにいると相手が完全に勢いにのってしまう。残り5分で追いつかれるとその後もあれよあれよと点差が離れ、最終的には64-84というスコアで敗れてしまった。
富田はインサイドで得点を量産した
強豪相手に見せた会心の試合は、早大の理想とする部分をしっかりと体現することが出来たからこその勝利だろう。それ故に、今後意識していくべきは「1試合を通して波を無くしていくこと」(富田)と語った所であろう。次週は法大、東大と対戦する。六大学リーグ戦ではどちらも勝利している相手である。そんな中、どんな試合運びとなるのか注目したい。
(記事、写真 秋間勇人)
第33回京王電鉄杯 | |||||
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1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 |
15 | 23 | 29 | 20 | 87 |
青学大 | 11 | 14 | 13 | 14 | 52 | ◇早大スターティングメンバー◇ |
G#7 石原卓(社4=東京・京北) G#15 森定隼吾(商3=岡山・倉敷青陵) F#23 中谷誠人(商3=東京・早実) C#26 富田頼(スポ3=京都・洛南) F#27 濱田健太(社3=福岡第一) |
第33回京王電鉄杯 | |||||
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1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 |
16 | 21 | 20 | 7 | 64 |
中大 | 13 | 15 | 21 | 35 | 84 | ◇早大スターティングメンバー◇ |
G#7 石原卓(社4=東京・京北) G#15 森定隼吾(商3=岡山・倉敷青陵) F#23 中谷誠人(商3=東京・早実) C#26 富田頼(スポ3=京都・洛南) F#27 濱田健太(社3=福岡第一) |
コメント
C富田頼(スポ3=京都・洛南)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
青学戦は自分達よりフィジカルが強くて大きい相手でしたけど、ディフェンスで前からプレッシャーをかけるという部分で1試合通してワセダの流れを維持できてよかったと思うんですけど、中大戦は流れの波というのが激しかったのでもっとその波を一定にしてワセダの流れで1試合やっていけるゲーム展開にできるようにしなければと思いました。
――青学戦では大差での勝利となりましたが、具体的に良かった部分は
ディフェンスで前からずっとプレッシャーをかけ続けられたことと、ボックスアウトをしっかりしてオフェンスリバウンドを取られないように全員でリバウンドに絡みに行って相手に点を与えないという所と、オフェンスの部分では春に新チームが始まってから自分たちがずっと練習してきたゴール下までのアタックというのがしっかり出せたところが勝因だと思います。
――六大学リーグ戦の時よりもゴール下の合わせのプレーが増えた印象でしたが
基本ピック主体のオフェンスになるので、ガード陣のドライブに合わせるという所は新チームになって練習してきている事なので、それが上手く成果が出たというのは良かったと思います。
――中大戦の第4Qの前にはコーチから檄が飛んでいましたがどんなことを言われましたか
ゲーム展開も色々あるんですが、そもそも自分たちで自滅している部分が多かったので、もっと自分たちで盛り上げる声や、発破をかけるということがそもそも出来ていなくて、コートの5人が全員一つの方向を向いていなくて、バラバラの方向を向いていたということを指摘されて、そこをもっと頑張れよということを言われました。
――次週に向けて意気込みをお願いします
自分たちのやることは変わらないので、自分たちの流れを常に維持できるようなオフェンスディフェンスを心がけていきたいと思います。