ベスト4のカベは崩せず、優勝への道途絶える

男子バスケットボール

 今シーズン目標にしてきた悲願の全日本大学選手権(インカレ)制覇を狙う早大は、きょうベスト4の座を懸けて白鴎大との一戦に臨んだ。関東大学リーグ戦(リーグ戦)では2敗している相手。身長の高いセンターを中心に得点を量産し、リバウンドでも強さを見せるのが白鴎大の特徴だ。早大は第1クオーター(Q)から外のシュートで得点を挙げ、接戦に持ち込む。32-33で前半を折り返すと、後半にリードを得て9点差まで広げたものの相手に10連続得点を許してしまい、終盤は再び接戦に。両者譲らない展開が続いたが、最後は相手にリードを許してしまう。それでも最後の一秒まで諦めずに戦った早大だが、67-72で敗れ14年ぶりのベスト4進出とはならなかった。

 相手は関東3位としてインカレに臨む白鴎大。リーグ戦の二試合では●70-79、●68-78と共に敗戦を喫している。「ずっと我慢の展開になるとは思っていた」(G河合祥樹主将、スポ4=京都・洛南)と語るように、試合は第1Qから接戦となった。内外問わずシュートを打ってくる相手に対して、早大はF濱田健太(社2=福岡第一)とF新川敬大(スポ3=東京・京北)がスリーポイントで得点する。両者共にリードを奪うことができない中で第2Qに試合が動く。立ち上がりにG澁田貴大(スポ4=東京・京北)のシュートが決まるが、そこから相手ディフェンスに阻まれ得点が止まってしまう。その間11失点を喫し19-32と大幅にリードを許すと、早大はタイムアウトを要求。しかし、ここから怒涛の反撃を見せる。得意のディフェンスで良いかたちをつくり得点につなげた早大は、G森井健太(スポ3=京都・洛南)が個人技で圧倒し得点にアシストに奮起する。その後C富田頼(スポ2=京都・洛南)や河合主将の得点で今度は早大が13連続得点を挙げると、32-33として再び接戦に持ち込んだ。

要所でシュートを決めた石原

 接戦に次ぐ接戦で我慢の展開が続いたこの試合。第3Qでは序盤にG石原卓(社3=東京・京北)が立て続けにシュートを決め逆転に成功する。河合主将のドライブや富田のフリースローが続き一気に点差をつけた。相手も応戦するが早大がわずかにリードを保ったまま第3Qを終えた。試合はいよいよ最終Qへ。「勝てるという思いでやった」(富田)。早大は濱田のスリーポイントを皮切りに攻撃力を発揮する。ゴール前に走り込んだ新川に富田が絶妙なパスを合わせ得点すると、石原のスリーポイントとC宮脇隼人(スポ4=京都・洛南)の得点で9点のリードを得た。何としてでもこの流れを維持して接戦を切り抜けたい早大であったが、相手も簡単には引き下がらない。その後スリーポイントやフリースローなどで失点を重ねると、気づけば点差はわずか1点に。白鴎大の流れを声援が後押しする中で、早大も必死に食らいつく。しかしフリースローで逆転を許すと、刻一刻と時間が迫る中で61-67までリードを広げられてしまう。それでも残り28秒、河合主将が放ったスリーポイントが決まる。選手たちは最後まで諦めることなく攻め続けた。さらに残り7秒で濱田のスリーポイントが決まり3点差とするが、勝ちたい気持ちとは裏腹に時間は1秒ずつ無くなっていく。最後はとどめのシュートを決められてしまい、67-72で試合終了。選手たちは悔しさをあらわにした。

試合終了後、肩を落とす選手たち

 インカレ優勝という目標のもとに練習を重ねてきた選手たち。勝てば14年ぶりのベスト4だっただけに、終盤で逆転された試合展開には悔いが残るはずだ。しかしまだあと2試合残されている。「最後まで応援してもらえるようなバスケを見せられたらいいなと思う」(河合主将)。もう一度勝利を目指して、あす青学大との順位決定戦に臨む。

(記事 橘高安津子、写真 黒田菜々子)

第68回全日本大学選手権 11月25日(vs白鴎大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

17 15 17 18 67
白鴎大 18 15 14 25 72
◇早大スターティングメンバー◇
G#11 河合祥樹主将(スポ4=京都・洛南)
C#38 宮脇隼人(スポ4=京都・洛南)
G#7 石原卓(社3=東京・京北)
F#8 新川敬大(スポ3=東京・京北)
F#27 濱田健太(社2=福岡第一)
◇主なスコアリーダー◇
得点  河合祥樹:16得点
リバウンド  河合祥樹:4リバウンド
アシスト  森井健太:6アシスト
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コメント

G河合祥樹主将(スポ4=京都・洛南)

――いまの率直なお気持ちをお聞かせください

最後みんなが我慢して頑張っていたところで、自分がフリースローを2本決められなかったのと、セットプレーでパスミスしてしまったのが、そこが一番負けに直結した部分なので、誰が悪いとかではないと思うんですけど、率直にいまは自分の責任だなと感じています。

――これまでの二試合は立ち上がりで苦しみましたが、きょうはどのように臨みましたか

一気に点差が開くような相手ではないですし、リーグ戦でも負けているし、留学生の大きい選手がいるということで、ずっと我慢の展開になるだろうなとは思っていました。自分たちの流れが来るまで集中力を切らせないかというのが、カギになってくると思って臨みました。

――きょうのディフェンスの出来はいかがでしたか

終盤になって相手にオフェンスリバウンドを取られる場面が少しずつ出てきたんですけど、きょうはみんな前からずっとディフェンスし続けて、どんなに苦しくてもみんなで声かけてコミュニケーションを取ってディフェンスしていたので、自分たちのできるディフェンスは出し切ったなと感じています。

――留学生選手に対してはどのような対策で臨みましたか

リバウンドを簡単に取られてセカンドチャンスを何度も与えてしまうということが、留学生のいるチームの一番の怖さであると思うので、とにかく全員でリバウンドを取るということだけを対策として考えていました。

――きのうの時点でオールジャパンへの出場を決めましたが

インカレで優勝することが僕たちの一番大きな目標だったし、毎日それしか考えていなかったので、オールジャパンという先のことまではあまり考えていませんでした。

――あす、あさってと試合が続きますが意気込みをお願いします

優勝という目標は達成できなくなりましたけど、達成できなくなったからといって自分たちが今まで取り組んできたことは間違っていなかったと思いますし、きょうの敗戦も自分たちがやってきたことを全てコートで出し切った結果なので、この先の2試合で気持ちを切らしてしまったらそれこそ今までやってきたことが無意味になってしまうと思います。負けた後に切り替えるのはなかなか難しいと思うんですけど、まだ2試合できるというありがたみを感じながら、ワセダの走るバスケというのを最後まで体現して、最後まで応援してもらえるようなバスケを見せられたらいいなと思います。

C富田頼(スポ2=京都・洛南)

――ベスト4進出とはなりませんでした、今の率直なお気持ちとしては

悔しいですね。リーグ戦で2回とも負けていて、2回目の敗戦が今回のような負け方でした。きょうは勝てるという思いでやってきたので、ここで負けてしまったのは非常に悔しいですね。

――きょうの試合を振り返って

最初から最後までワセダらしいプレーというか持ち味は出せたと思います。ただ、最後の詰めの部分が甘くて向こうに流れを持っていかれてしまったというのが印象的です。

――富田選手自身、体を張ったプレーでチームを盛り立てた印象があります。どういったプレーを心がけていらっしゃいましたか

相手は留学生がいてゴール下のシュートでもブロックとかしてくるので、バックシュートをメインにやっていこうというのは考えていました。

――お話しにもありましたが、2人の留学生選手とマッチアップしてみていかがでしょうか

やっぱり大きいですよね。最後はそれで結局勝負どころで同点になって、向こうは積極的にゴールまでドライブでアタックしてファールもらって、フリースローでつないだのですが僕らは向こうの高さのブロックでやられてしまって、スリーポイントシュートを単発で打って、力強いプレーができなかったと思います。そういったところで負けてしまったのかなと思います。

――リーグ戦からインカレで生かせた部分はありましたか

最初の方に比べると1部校はどこも僕たちよりサイズがあってフィジカルも強いのですが、ワセダのオフェンスのリズムはだいぶ通用してきているのではないかなと感じます。

――インカレで見つかった課題はどの部分でしょうか

ディフェンスがいいときは、オフェンスのリズムもいいのですがディフェンスで粘り切れなくて相手にフリースローであったり、苦しまぎれのシュートでつながれてしまうとなかなか自分たちの思うようなバスケットが展開できないなというのは思います。

――次戦へ向けて

まだあと2試合残っているので、最後は勝って終われるように頑張りたいと思います。