ライバル相手にまたも敗戦。悔しい3年連続の準優勝

男子バスケットボール

 ことしで74回目を迎えた早慶定期戦(早慶戦)。長い歴史を誇るこの伝統の一戦はここまで早大が37勝、慶大が36勝で、ほぼ互角という驚異的な戦績だ。まさに永遠のライバルと呼べるにふさわしい両校の一戦である。ことしも超満員となった代々木第二体育館で、熱狂に拍車をかけるような熱いゲームが展開された。試合開始から両チーム共に闘志むき出しのプレーの連続となり、どちらも1歩も譲らない緊迫したゲームが続き何と第3クオーター(Q)終了時点で同点となった。しかし第4Q、相手の一本のスーパーショットを皮切りに勢いづいた慶大に完全に試合を支配され、65-79で敗戦。3年連続となる準優勝に終わった。

 大熱狂の中行われたこの試合、まずは早大が魅せる。G石原卓(社3=東京・京北)のドライブからの見事なビハインドザバックのパスを受けたC宮脇隼人(スポ4=京都・洛南)がファウルを獲得し先取点を得る。両チーム共に出だしからよく足を動かしディフェンスで奮闘したが、第1Qは石原を中心に慶大のディフェンスを翻弄(ほんろう)した早大が5点リードで終える。第2Q、早大はC富田頼(スポ2=京都・洛南)のバスケットカウントなど連続9得点で一気に慶大をたたみかける。しかし、後が続かずにオフェンスが停滞し始めると相手も反撃。途中9点差まで広げた点差を2点にまで縮められ、前半を35-33で終えた。

シュートを放つ石原

 後半も最初からお互い一歩も譲らない展開に。第3Qはファウルがかさみ、終盤相手にフリースローを大量に与えるピンチを迎えるも、早慶戦特有のプレッシャーからか、慶大がこのフリースローをことごとくミス。同点で最終第4Qを迎えたものの、そこに思わぬ落とし穴が待っていた。慶大が3連続ゴールで勢いに乗る時間帯。早大にとっては絶対に1本守り切りたい場面であった。体を張ったディフェンスで24秒を守り切ったと思われたが、相手の放ったタフショットが無情にもリングに吸い込まれる。ここから完全に流れを明け渡した早大は、20-0のスコアリングランで一気に試合を決められてしまった。最終スコアは65-79、ことしも早大は『紺碧の空』を客席に響かせることはできなかった。

終了後、喜びを爆発させる相手の前で肩を落とす選手たち

 この敗戦によって、通算成績を五分五分としてしまった早大。今シーズンは関東大学選手権、関東大学新人戦共に慶大を上回る成績を残しており、勝ってもおかしくない試合ではあった。浮き彫りになったのは、外のシュートが落ち始めた時間帯に、どう粘り切るかという部分であろう。ことしは昨年までと違い、両チーム共に関東大学1部リーグに所属するため、秋の関東大学リーグ戦(リーグ戦)でのリベンジの機会は残されている。秋のリーグ戦、そして全日本大学選手権での逆襲に向け、この悔しさをバネに飛躍する早大に期待したい。

(記事 秋間勇人、写真 橘高安津子、足立もも)

第74回早慶定期戦 6月25日(vs慶大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

19 16 20 10 65
慶大 14 19 22 24 79
◇早大スターティングメンバー◇
C#38 宮脇隼人(スポ4=京都・洛南)
G#7 石原卓(社3=東京・京北)
F#8 新川敬大(スポ3=東京・京北)
G#21 南木俊樹(社3=東京・早実)
F#27 濱田健太(社2=福岡第一)