トーナメントが開幕。初戦から逆転劇を制する!

男子バスケットボール

 関東大学選手権(トーナメント)が開幕し、ベスト4入りを目指す早大バスケ部の戦いが始まった。初戦の相手は東洋大。立ち上がりの悪さを課題とする早大は、この試合でも序盤からリードを許す展開に。前半を43-53のビハインドで折り返すと、第3Qに入ってもなかなかその差が縮まらない。しかし迎えた第4Qの中盤で18点差まで離されると、ここから早大の逆襲が始まった。残り2分でついに同点に追い付くとそのまま逆転。89-83で勝利し見事な逆転劇を演じた。

 トーナメントでベスト4に入ることを目標としている早大。しかしこの日は序盤からホームチームである相手に押され、リードを奪われる展開になる。それでもF新川敬大(スポ3=東京・京北)やG河合祥樹主将(スポ4=京都・洛南)の3Pシュートなどで食らいついていく。しかし早い時間帯でチームファウルが5つ溜まってしまい、相手のフリースローでじわじわと点差を離されてしまう。そのまま21-26で第1Qを終えた。続く第2Qでは、シューターが揃う相手に多くの3Pシュートを決められてしまう。持ち味であるディフェンスも息をひそめ、相手の勢いを止められない。それでも雰囲気にのまれることなく応戦し、43-53で前半を終えた。

勝負所でシュートを決め、キャプテンシーを見せた河合主将

 後半に入り流れを呼びたい早大であったが、立ち上がり早々にG南木俊樹(社3=東京・早実)がファウルトラブルでベンチに下がってしまう。その後はG石原卓(社3=東京・京北)や新川が得点するが、なかなか差を埋めることができない。オフェンス、ディフェンス共に身長で勝る相手に対してリバウンドが取れず、苦しい展開が続いた。第4Qに入り後がなくなった早大。しかしここから奇跡の逆転劇が待っていた。「ひとつひとつのディフェンスでもオフェンスでもビッグプレーをするよりも丁寧に積み重ねるということを意識した。」と河合主将が語るように、残り6分の場面から一気に形勢が逆転する。ディフェンスでも本来の力を取り戻し、リバウンドでも相手を圧倒した。得点でも石原やF濱田健太(スポ2=福岡第一)の3連続3Pシュートなどで瞬く間に差を詰めた。そして残り2分でついに18点の差を追い付き、その後も得点を重ねる。また残り6分から相手に1点も許さない安定したディフェンスを見せ、89-83で勝利した。

終盤に3Pシュートなど得点を挙げ勝利に貢献した石原

 ベスト4入りを目指すチームにとって初戦から激しい試合となった。「いつもなら負けてしまうような展開」(石原)ではあったが、逆転勝利という形で新しいワセダの姿が見られた。負けたら終わりというトーナメント独特の雰囲気の中で、早大はさらに上を目指して戦い続ける。

(記事 橘高安津子、写真 黒田菜々子)

第65回関東大学選手権 5月1日(vs東洋大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

21 22 16 30 89
東洋大 26 27 18 12 83
◇早大スターティングメンバー◇
G#7 石原卓(社3=東京・京北)
G#21 南木俊樹(社3=東京・早実)
F#27 濱田健太(スポ2=福岡第一)
F#8 新川敬大(スポ3=東京・京北)
C#38 宮脇隼人(スポ4=京都・洛南)
コメント

G河合祥樹主将(スポ4=京都・洛南)

――京王電鉄杯から関東大学選手権(トーナメント)に向けてどのような調整をされましたか

まずは日数が少なかったのでチームルールを徹底するということと、もっと細かいところを詰めて雰囲気を良くしていこうっていうのを大きなテーマとしてトーナメントまで練習を取り組んできました。

――細かいところとは具体的にどういった部分でしょうか

練習の気持ちのメンタルのつくり方とかから始まって、気持ちをつくっていけば取れるルーズボールであったり練習の合間の切り替えしだったり、ミスした後のチームディフェンスの徹底であったり意識すれば絶対にできるようになることを徹底しようというところです。

――きょうの試合を振り返って

あのような試合の展開にはなったのですが状態としてもやっていることとしてもすごい悪かったということではないと思います。ただ、相手のシュートが入りだして良い雰囲気になったことを自分たちが抑えきれなかったなと。相手のペースに合わせて自分たちのモチベーションを相手以上にできなかったことがきょうの試合展開をつくった原因かなと思います。

――雰囲気が落ちている中でどのような声掛けをされましたか

ここまできたらひとつひとつのディフェンスでもオフェンスでもビッグプレーをするよりも丁寧に丁寧に積み重ねてということです。その結果が追い付いて、逆転してっていう展開になることを信じて伝えていました。

――終盤、逆転劇となりましたがその際に意識した点はどの部分でしょうか

練習してきたこと以上のプレーはできないと思っていたので、ディフェンスを頑張って相手がシュートを落としたのを拾って、走ってピックアンドロールに持ち込むということです。それで確率の高いシュートを続けるというのが最後の選択肢としてそれしかなかったかなと思います。

――チームとして挙げられる課題はどの部分でしょうか

出だしの部分で、初戦というのもあったと思うのですが第4クオーターで見せた迫力であったり得点を取りにいくぞというアタックへの強気のプレーであったり、出だしからやっていかないとレベルが上がっていったときに勝てないと思うので。きょうのような雰囲気でやっていたら勝てないと思います。もっとアップのときから気持ちをつくっていきたいなと思います。

――今後に向けて意気込みをお願いします

今シーズンはベスト4以上のトーナメントでの結果を残すと目標を明確に立てているので、その目標に向かって一試合ずつ積み重ねていって勝ち上がりたいと思います。

G石原卓(社3=東京・京北)

――関東大学選手権(トーナメント)に向けてどのように調整しましたか

フルコートでダブルチーム組むディフェンスというのをやっているんですけど、ワセダの強みはディフェンスだと思いますし、小さい分リバウンドを取られてしまうので、ボックスアウトとディフェンスを重視してやってきました。

――相手は高身長だったと思いますがいかがでしたか

大きかったんですけど自分たちがボックスアウトせずにリバウンドを取られた場面が多かったので、どの相手でもボックスアウトすればリバウンドを取れないということはないと思うので、きょうはボックスアウトが十分じゃなかったというのが反省です。

――きょうの試合全体を振り返って

いつもワセダは入りが悪くて流れを持っていかれちゃうのですが、きょうも入りで失敗してしまって途中まではそのままズルズル行ってしまいました。でもいつもならそのまま負けてしまうんですけど、きょうは残り5分くらいのところで自分たちの流れに持ってこられたので、良い収穫になったと思いますし接戦の中でも勝てたので良かったと思います。

――相手チームの苦戦した部分はありますか

相手はシューターが多いので試合前に誰を抑えろという指示があったのですが、自分たちがそれを守れなくてノーマークになってしまって、決められてしまいました。

――そのあたりはどのようなケアをしようと話していましたか

スタッフ陣が相手チームの分析をしてくれていたので、それぞれプレッシャーをかけたり少し間を保ったり、対応を変えていこうという話はしていました。でも全部本気でやってしまって抑えどころが無くなってしまって、逆に相手に崩されてしまったかなと思います。

――終盤で追い上げた場面を振り返って

ベンチの人たちはすごかったって言ってたんですけど、実際に出ていて楽しんじゃいました(笑)楽しんだ結果シュートが入ったというのは良い循環でした。シュートが入ったというのもあるし、ディフェンスが序盤に比べて安定したのが良かったのだと思います。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

どこが相手でも自分たちのバスケを貫けば勝てない相手ではないと思うので、しっかりディフェンスとボックスアウトをしてまた勝ちたいと思います。