初日の2連勝により、グループリーグ上位通過に向けて幸先の良いスタートを切った早大。大会2日目となるきょうは法大、青学大との対戦に臨んだ。法大戦では序盤からシュートが決まらずリードされる展開が続く。またカギとするディフェンスもなかなか機能せずに、相手ペースで試合を運ばれ67-84の敗戦を喫した。続く青学大戦では、前半から持ち前のディフェンスで相手のミスを誘い、強豪相手に接戦に持ち込む。しかし第3Qの終了時点で同点とするも、その後は粘り切ることができず64-74と痛い2連敗になってしまった。この結果により早大は2勝2敗でグループ3位(5チーム中)。あすは拓大との5位決定戦に臨む。
第1戦目の法大戦。早大は関東大学選手権(トーナメント)を考慮し、主力以外のメンバーで試合に臨んだ。立ち上がりからシュートがなかなか決まらず、リードを許して焦る時間帯が続く。それでもG森井健太(スポ3=京都・洛南)のスリーポイントシュートや、C富田頼(スポ2=京都・洛南)の終盤の連続得点などで5点差まで詰め寄った。しかし持ち味である激しいディフェンスが上手く機能せず、第2Q以降もなかなか点差を詰めることができない。それでも34-43で前半を終えると、後半に入ってから外角のシュートが決まり始める。G長谷川暢(スポ2=秋田・能代工)やF北代智樹(社3=東京・早実)のスリーポイントシュートなどでついに同点に追いつき、流れをつかんだかのように思えた。しかし相手もすかさず得点を重ね、再びリードを離されてしまう。9点ビハインドのまま迎えた第4Q。ミスからの失点もあり思うように力を発揮できない早大は、最後まで攻め続けるが相手の勢いを止めることはできず、67-84とさらに点差を離され今大会初の黒星となってしまった。
スリーポイントシュートなどで流れを呼び込んだ長谷川暢
続く第2戦目は関東大学1部リーグ所属の強豪・青学大。昨年末の全日本大学選手権(インカレ)で敗戦した相手でもある。「青学大は学生バスケ界でもずっとトップにいるチームなので、気持ちはみんな入っていた」(G河合祥樹主将、スポ4=京都・洛南)。早大は序盤から流れを呼び寄せる。G石原卓(社3=東京・京北)のドライブやSF伊藤諄哉(人4=京都・洛南)、G森定隼吾(商2=岡山・倉敷青陵)のスリーポイントシュートなどで接戦に持ち込み、16-17で第1Qを終えた。また、ディフェンスでも「ダブルチームで相手のミスを誘っていくというワセダらしいディフェンスができていた」(SG南木俊樹、社3=東京・早実)と語るように、積極的にプレッシャーをかけて相手のミスから得点につなげるという形が効果的に機能した。「ワセダのスタイルで試合が運べた。」(河合主将)と語るように、前半は34-36という十分に逆転が狙えるスコアで終えた。後半に入っても両者共に譲らない展開が続く。特に目立った活躍を見せたのが富田だ。インサイドでの得点もさることながら、チームが課題とするリバウンドの場面でも躍動した。そして58-58の同点で試合は第4Qにもつれ込む。接戦のまま何とか勝ち切りたい早大であったが、「第4Qで糸が切れて相手のペースになってしまう。」(南木)というチームの“負けパターン”が徐々に選手たちを焦らせた。リバウンドが取れずに相手にチャンスを与えてしまったり、ターンオーバーなどでリードを広げられてしまった。「少しリードされたところで自分たちが踏ん張れなかった」(河合主将)。結局64-74というスコアで試合終了。収穫と課題、どちらも見つかる試合となった。
アシストだけでなく自ら得点を狙いにいく森井
「一つ一つの試合を大切にという気持ちで取り組んでいる」(河合主将)。早大はグループを3位で通過し、あすの拓大戦に臨む。早大らしいディフェンスからどれだけ多くのチャンスを生み出せるか、勝負のカギとなってくるであろう。
(記事 橘高安津子、写真 平野紘揮)
第32回京王電鉄杯 4月16日(vs法大) | |||||
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1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 |
14 | 20 | 17 | 16 | 67 |
法大 | 19 | 24 | 17 | 24 | 84 | ◇早大スターティングメンバー◇ |
G#11 河合祥樹(スポ4=京都・洛南) SG#21 南木俊樹(社3=東京・早実) SF#25 伊藤諄哉(人4=京都・洛南) C#38 宮脇隼人(スポ4=京都・洛南) C#34 桑田裕平(商1=京都・洛南) |
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第32回京王電鉄杯 4月16日(vs青学大) | |||||
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1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 |
16 | 18 | 24 | 6 | 64 |
青学大 | 17 | 19 | 22 | 16 | 74 | ◇早大スターティングメンバー◇ |
G#7 石原卓(社3=東京・京北) SG#21 南木俊樹(社3=東京・早実) SF#25 伊藤諄哉(人4=京都・洛南) C#38 宮脇隼人(スポ4=京都・洛南) C#34 桑田裕平(商1=京都・洛南) |
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コメント
G河合祥樹主将(スポ4=京都・洛南)
――きょうの試合を振り返って
僕たちの負けパターンというか、それが出てしまって最後の第4Qで踏ん張れなかったという点では、負けパターンに陥ってしまったというのが課題だと思います。でもそれをしっかりみんなが認識できたという部分では、良かったのかなとも思います。
――負けパターンというのは具体的にどのようなことですか
第4Qに入ってルーズボールやディフェンスリバウンドを取られ始めて、少しリードされたところで自分たちが踏ん張れず、さらにターンオーバーとかでリードを離されてしまったところです。僕たちは身長も小さくてなかなかインサイドで確実に得点できないので、僕らにとっては相手の一つ一つの得点がとても重い2点になってしまいます。そのような場面で粘り切れずにズルズルと点差を離されてしまうというのが負けパターンだと思います。
――逆に前半は接戦となる展開でしたが、良かった点は
今まで練習してきたディフェンスの形で、前からプレッシャーをかけてトラップにいって、そこで相手にテンポを上げさせて逆に僕たちのペースに持ち込むというのができていたと思います。前半は相手ペースというよりワセダのスタイルで試合が運べたことは良かったと思います。
――具体的に試合の中でディフェンスについての指示などはありましたか
前からプレッシャーをかけるということとトラップの部分、あとはハーフコートに入ったらしっかりディナイをして、一回でディフェンスリバウンドを取って相手にオフェンスリバウンドを与えないようにするという話がありました。練習でやっていることが全てです。
――1部のチームを相手にどのような気持ちで臨みましたか
青学大は学生バスケ界でもずっとトップにいるチームですし、昨年のインカレでも20点差くらいで負けて悔しい気持ちもあったので、気持ちはみんな入っていたと思います。でも僕たちはまだ1部に上がったばかりで、2部との差も1部との差も大きいというわけでもないので、特定の試合に重きを置くのではなく、一つ一つの試合を大切にという気持ちで取り組んでいます。
――きょうは第1戦の法大戦でも負けてしまいましたが、この2敗という結果をどのように受け止めますか
法大戦に関してはトーナメントのこともあって主力以外のメンバーで戦ったという点もあると思いますが、それにしても内容が悪すぎたように思います。青学大戦にも言えることなのですが、日々の練習の中での自分たちのゆるい部分というのが試合に出て、結果として負けたということが全てだと思います。今週もあまり雰囲気のいい練習ができていなかったので、トーナメントまでに見直せるという意味ではこの敗戦を次につなげていきたいなと思います。
――次戦に向けて意気込みをお願いします
青学大戦の前半のように、前からプレッシャーをかけて相手のターンオーバーを多く誘発するということを意識して、それをコートに立つメンバーが40分間ひたすら続けるということが大切だと思います。また、僕らはベンチのメンバーもベンチ外のメンバーも全員一つにまとまって声をかけ合って一体感を出そうという話をしているので、全員で取り組んで良い結果が得られたらいいなと思います。
SG南木俊樹(社3=東京・早実)
――きょうのゲームプランは
トーナメントもあるので、セットプレーを抑えたディフェンス中心のゲームプランではあったのですが、難しい試合でした。
――ディフェンス面ではどのような指示が出ていたのでしょうか
昨年はオールコートマンツーマンをずっとやってきていて、それは継続していたのですが、ことしから新たにダブルチームを前線からやるというのが加わりました。きょうは第3Qまではそれが機能していてワセダらしいディフェンスができていたのですが、第4Qが相手のペースで進められてしまったというのが反省かなと思います。
――第3Qまでは接戦が続きました
シュートも入っていましたし、ダブルチームで相手のミスを誘っていくというワセダらしいディフェンスができていたかなと思います。
――後半は苦しい時間帯が続きましたが、振り返ってみていかがですか
河合キャプテンもおっしゃっていたのですが、ズルズルとゲームが進んで、最後の第4Qで糸が切れて相手のペースになってしまうという、ワセダの負けるときのパターンが出てしまったと感じました。そうなってしまうということは、練習の時から3時間(の練習時間)をずっと通して集中することができないから、それがそのまま試合に出たのだとおっしゃっていて、まさにその通りだと思っています。ズルズルとしたゲームになったときに何か一つ相手よりも上回るものがなかったから、最後の第4Qで押し負けちゃったのかなと思います。
――次戦に向けての意気込みをお願いします
きょうの第3Qまでは自分たちのペースで、粘り強いワセダのディフェンスができたと思うので、あしたはまだどのチームと戦うかは分からないですが、それを40分間続けてできるようにしていきたいと思います。