最後まで流れを変えられず、初戦を落とす

男子バスケットボール

 今シーズン、チームが目標として掲げてきた『1部昇格』。早大は関東大学2部リーグ戦で2位という成績を収め、見事にその挑戦権を獲得した。そして迎えた、先に2勝すれば1部昇格が決まる関東大学リーグ戦入れ替え戦(入れ替え戦)。1部9位の法大に対し果敢に攻めていきたいところだったが、攻撃のリズムをつくれずに点差を離されてしまう。そのまま最後まで反撃の糸口をつかめずに、52-68で試合終了。法大に先勝を許し、1部残留に王手をかけられる結果となった。

 勝てば1部、負ければ2部と天国と地獄を分けることになる入れ替え戦。それだけに両校共に譲らない、白熱した展開となった。SF新川敬大(スポ2=東京・京北)のスリーポイントシュートで幸先よく先制するも、すかさず取り返され一進一退の攻防となる。独特の雰囲気からか双方に若干の固さも見られる中、同点で第1クオーター(Q)を終えた。第2Qでは、リバウンドを奪えずに徐々にリードを広げられてしまうことに。早大も外からのシュートで反撃するが、リングにも嫌われ約7分間無得点の時間が続く。それでもディフェンスで法大の攻撃を最小失点に食いとどめ、26-31で試合を折り返した。

1対1から得点を挙げた石原

 ここまでの流れを変えたい後半。しかし、法大のタイトなディフェンスに阻まれて思うような攻撃ができない。ドライブで切り込んでいく場面も少なく、外一辺倒の単調な攻めに終始してしまう。途中交代のG森井健太(スポ2=京都・洛南)が芸術的なラストパスを供給するシーンもあったが、相手ペースを覆すことはできなかった。第4Qでは立ち上がりに連続で7得点を決められ、この時点で15点差に。G池田慶次郎主将(社4=東京・京北)、G石原卓(スポ2=東京・京北)のスリーポイントシュートなどで応戦するも、法大に追い付くことはかなわずに試合終了を告げるブザーが鳴った。

スリーポイントシュートを3本沈めた新川

 この日の敗戦を受け、1部昇格へ向けて後がなくなった早大。相手のディフェンスに対応し切れず、またリバウンドも取れなかったことが大きく結果に響いた。入れ替え戦は連戦で行われるため、改善点をすぐに実践することが求められるだろう。だが、今季の早大は窮地から何度も力を発揮して、困難を乗り越えてきた。「早大は追い込まれたら強い」(石原)。今回もまた、大きなカベを越えてみせるに違いない。悲願の『1部昇格』へ、早大の逆襲は、ここから始まる。

(記事 角田望、写真 黒田菜々子、橘高安津子)

第91回関東大学リーグ戦入れ替え戦 11月4日(vs法大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

17 16 10 52
法大 17 14 19 18 68
◇早大スターティングメンバー◇
G#34 池田慶次郎主将(社4=東京・京北)
G#7 石原卓(スポ2=東京・京北)
SF#36 澁田貴大(スポ3=東京・京北)
SF#8 新川敬大(スポ2=東京・京北)
C#38 宮脇隼人(スポ3=京都・洛南)
◇主なスコアリーダー◇
得点  新川敬大:13得点
リバウンド  新川敬大:6リバウンド
アシスト  池田慶次郎主将:4アシスト
コメント

G池田慶次郎主将(社4=東京・京北)

――入れ替え戦の初戦は負けてしまいましたが、いまのお気持ちをお聞かせください

リーグ戦から中二日でこの試合でしたが、2部のリーグ戦はすごく良いかたちで終われたので、この流れをそのまま入れ替え戦にぶつけようということで非常にモチベーションの高い試合でした。逆にチームが硬くなってしまって点が取れなかったのが悔やまれる試合でした。

――第2Qで得点が止まってしまいましたが

2部でやってきて、2部の相手にはないようなディフェンスをしてきたので、戸惑いが大きかった部分もありました。自分たちのオフェンスはガードがアタックしてそこから展開するものですが、そのアタックが上手くいかなかったのでしっかり修正してあしたは頑張りたいと思います。

――ディフェンス面を振り返って

68点で、点数自体はそんなに取られていませんが、相手に気持ちよく点を取られてしまうシーンが多々見られたので、そういったところをなくしていけば点数は抑えられると思います。

――ハーフタイムにチームで話し合いなどはされたのでしょうか

前半は相手が31点で自分たちが26点でしたが、31点は倍にすると約60点ですから、ディフェンスは良かったということで、このまま続けていこうということと、オフェンスはもっと果敢にアタックしていこうということを話し合いました。

――本日のご自身のプレーを振り返っていかがですか

きょうは思いきりの良さに欠けるプレーでした。このまま終わってしまったら、2部の代表としても不甲斐ないし、らいねん残る下級生たちにも申し訳ないです。あしたは本当に崖っぷちというか、後がないのでなりふり構わずやっていいきたいと思います。

――あしたの試合への意気込みをお願いいたします

ここまでチーム全員でやってきたので、あしたも全員で、勝ちに向かって頑張っていきたいと思います。

C宮脇隼人(スポ3=京都・洛南)

――ディフェンスが良かった印象を受けましたがいかがですか

ディフェンスは良かったのかもしれないのですが、僕らの持ち味のファストブレイクが全然出ませんでした。あとはオフェンスでもいつものリーグ戦ならチームファウルが4つくらいたまるのですが、1ピリしかたまっていなくてもっとプレッシャーをかけられるところがあったと思うのであしたからはもっとプレッシャーをかけて、もっと自分たちでファストブレイクをだしていきたいと思います。

――リバウンドに関してはどう捉えられていますか

相手の16番(沼田凌、法大)にオフェンスリバウンドを取られすぎたかなと思うので、あしたはボックスアウトをしっかりして自分が取れなくても相手に取らせないようにしていきたいです。

――ピックアンドロールの際にガード陣がプレッシャーに押されてターンオーバーしてしまう場面が見られましたがセンターから見てどう思われましたか

ピックのかけ方や向きとか変えたり、ダイブを速くしたりもう少し工夫できたところがあったと思うので修正していきたいなと思います。

――きょうの試合を振り返って

初戦ということでまだ堅くて、いつものワセダらしい元気さがなかったのであした負けたら終わりなので元気だして勝ちます。

――あすに向けて意気込みをお願いします

勝ちます!

G石原卓(社2=東京・京北)

――入れ替え戦出場となりましたがコンディションはいかがでしたか

リーグ最終戦の日体大の時は調子良くて点を入れられていたので、きょうも気合い入っていました。しかし入れ替え戦は雰囲気が違くて、1部のチームはディフェンスも強いし、オフェンスの場面でワセダの流れをつくれずに1試合ずるずる引きずってしまいました。それがいけなかったのかなと思います。

――緊張はしましたか

あまり緊張しない方なのでその点は大丈夫でした。ただ、もっと人が多い方がいいなと思いました。

――ピックアンドロールでターンオーバーを誘発されるシーンが見受けられましたが、プレーしていていかがでしたか

ピックしてもハードショーが強かったです。2部では皆センターは下がっているのですが、やっぱ1部はハードショーが強かったことに戸惑ってミスが出てしまいました。きょうはもう切り替えてあしたそれを克服できるか、という研究や、もう時間がないので慣れが大事になってくると思います。

――どのように調整をしていきますか

やっぱり時間がないので、体を休めることを一番に考えたいです。もうあと一回しかないので、クヨクヨせずによかったところをどんどん伸ばしてあしたも頑張りたいです。

――あす、やりきるしかありません。意気込みをお願いします

負けたら終わりです。日体大戦もそんな感じだったのですが、ワセダは追い込まれたら強いところがあると思うので、ディフェンスからしっかりして、激しいプレッシャーをかけてワセダのプレーをしたら勝てると思います。あしたは自分たちのバスケがどれだけできるかにかかっていると思います。