大事な一戦を我慢強さで制す

男子バスケットボール

 負ければ全日本大学選手権(インカレ)への出場権、関東学生1部リーグ昇格のための入れ替え戦への挑戦権も遠のく早大。関東大学2部リーグ戦(リーグ戦)第17節の対立大戦を背水の陣で迎えた。両校ともに前半からシュートミスを連発。お互い流れに乗れないまま前半が経過していくが早大がスリーポイントシュートを要所で沈めていく。第4Q残り3分には1点差まで追いつめられたが、G池田慶次郎主将(社4=東京・京北)のシュートで引き離しにかかり、最終スコアは71-65。調子の上がらない中、意地をみせた早大が勝利を呼び込んだ。

 立大は前回同様、機動力の高さを活かしたゾーンディフェンスを展開。早大は積極的にシュートを放つもことごとくリングに弾かれてしまう。ミスを両者ともに増発し、シーソーゲームのまま第1Qが終了した。第2Qが始まるとSG南木俊樹(社2=東京・早実)が連続でスリーポイントシュートを決めチームに勢いをつける。しかし立大のスピードのある攻撃に翻弄(ほんろう)されるシーンもあり簡単には点差を広げさせてはくれなかった。36-32で試合を折り返す。

ケガから復帰した南木

 後半もシュートミスと相手のスピードに苦戦を強いられる。そんな状況の中、ここ数試合不調に苦しんでいた池田主将がスリーポイントシュートを沈め一時点差は9点に。途中出場のF國枝健太(社4=東京・早大学院)もディフェンスでプレッシャーを与えターンオーバーを誘発。リバウンドでも食らいつき連続得点の活躍を見せた。このまま逃げ切りたい早大だったが気づけば1点差までじわじわと迫られてしまう。「気持ちでみんなが粘り強く諦めないでやった」(國枝)。ここで流れを断ち切ったのはやはり池田主将のシュートだった。続いて國枝のパスに合わせてSF新川敬大(スポ2=東京・京北)も得点を重ねていく。71-65でブザーが鳴り響くと選手たちは歓喜にわいた。

積極的なオフェンスを見せた國枝

 シュートが入らないという課題も残ったが、チーム全員が粘り執念で勝利をつかみとったことは評価できるだろう。次戦は入れ替え戦を懸け、日体大と対決する。最終節の結果次第では優勝から入れ替え戦、インカレの出場権を逃す可能性まである混戦模様であるが、ことしの早大の武器はどんな状況下でも我慢強さを発揮できること。その武器で必ずや日体大を下してくれることだろう。

(記事 藤巻晴帆、写真 黒田菜々子、秋間勇人)

第91回関東大学2部リーグ戦 10月31日(vs立大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

14 22 14 21 71
立大 10 22 14 19 65
◇早大スターティングメンバー◇
G#34 池田慶次郎主将(社4=東京・京北)
G#7 石原卓(スポ2=東京・京北)
SF#36 澁田貴大(スポ3=東京・京北)
SF#8 新川敬大(スポ2=東京・京北)
C#38 宮脇隼人(スポ3=京都・洛南)
◇主なスコアリーダー◇
得点  池田慶次郎主将、國枝健太:12得点
リバウンド  新川敬大:12リバウンド
アシスト  森井健太:3アシスト
コメント

F國枝健太(社4=東京・早大学院)

――相手のゾーンディフェンスにどのような対策をとって試合に臨まれましたか

ゾーンディフェンスを敷かれて外打ちになってしまうと、どうしても攻撃が単発になってしまってつながらないので、なるべくペイントにつないで力強いプレーをしようということを試合前に話していました。

――実際ではいかがでしたか

前半に関してはどうしても外打ちになってしまっていたのですが、後半になってハイポストにつないで、そこからローポストだったりハイポストからシュートだったりっていうのは点にはつながらなかったのかも知れませんけど意識的にできたのは良かったかなと思います。

――相手には足の速い選手がいましたが、どう対応されましたか

本当に速かったので、全員で止めるというのもひとつなのですがワセダのガード陣はトップレベルで一人でも守れるくらいのレベルではあったので、全員で守ってはいたのですが、きょうはガード陣のディフェンスがすごく効いていたから相手のターンオーバーを誘発できたのかなと思います。

――きょうの試合全体を振り返っていかがですか

きょうはとにかく白星をつけられたことが最大の良かった点だと思うので内容ともかく、あしたに向けてつなげられたことがすごく良かったなと思います。

――終盤は粘り強さが見られましたが、どう捉えられていますか

その点は技術うんぬんというよりかは気持ちでみんなが粘り強く諦めないでやった結果かなと思います。

――あすの最終戦に向けて意気込みをお願いします

僕自身も4年生として最後のリーグ戦になるので何が何でも勝利できるように全身全霊で頑張りたいと思います。

G南木俊樹(社2=東京・早実)

――大事な終盤戦での1勝となりましたがいまのお気持ちは

監督さんにも言われたんですけど、きょうの評価はマイナスなので僕的にはちょっと悔しい結果に終わったかなと。勝ったんですけど、苦い終わり方しましたね。

――きょうの試合を振り返って

出だしが悪かったので、セカンドで入った人たちはとにかく流れを変えようと思って、ディフェンスからしっかり気持ち入れてやって、きょうはずっと相手と五分五分でシーソーゲームだったんですけど、最後まで切らさず集中できていたかなと思います。シュートはみんな入らなかったんですけど、我慢しきれました。

――立大はガード陣が攻守両面でキーとなっていたと思いますがそこに対してはいかがでしたか

すごく速いし、スピーディーに攻めてそのままスリーとか決めるっていうチームだったので、そこで綺麗にスリーを打たれた所が僕たちガード陣にとってきょうダメなポイントの1つだったと思います。

――苦しみながらも1度も逆転を許さなかった要因は

きょうはみんな打って入らないねって言う風に吹っ切れてプレーできていたので、そういう面ではやっぱりリバウンドだったり球際の泥臭い所で食らいついてプレーできていたから勝てたのかなと思います。

――南木選手自身ケガなどもあったと思うのですが、リーグ戦を振り返っていかがでしたか

自分もこんなにできるとは思っていなかったんですけど、1試合1試合集中して取り組めました。きょねんは2軍だったんですけど、ことしは1軍で出れていて、まあリーグ戦1年目としてはすごく楽しむことができました。

――明日の最終戦は大事な試合ですが、いまの心境は

そうですね、もう勝つことしか考えていないです。もしシュートが入らなくても、もしプレーがあまり良くなくても、気持ちで絶対負けないようにと思ってます。

――最後に意気込みをお願いします

泥臭く、球際頑張ります。