結束力を武器に準決勝へ挑む

男子バスケットボール

 明大戦から一夜明け、きょうは青学大との試合を迎えた。関東大学新人戦(新人戦)ベスト4を懸け、チーム一丸となって挑んだ3戦目。序盤こそなかなかシュートを決めることができず苦しい時間が続いたが、『新人』の名にふさわしい気迫あふれるプレーでゲームを展開し、66-58で見事準決勝進出を果たした。

 先日の明大戦に続き、今回も格上の青学大との一戦を迎えた早大。開始早々、G石原卓(社2=東京・京北)を筆頭にゴールを狙うが、リングに嫌われ決められない時間が続く。それでもリバウンドに必死に食らい付き、徐々に攻撃をかたちにしていく選手たち。ルーズボールへの執着で、相手の隙を突き早大のオフェンスを展開する。6点ビハインドを背負い迎えた第2クオーター(Q)には、チーム一丸となったディフェンスを繰り広げ、約5分間ノースコアで抑えるなど攻守両面で観客を魅了する。前半残り4分で、石原がこの日チーム初となるスリーポイントシュートを決めると、G森井健太(スポ2=京都・洛南)らが続けてゴールを沈め、28-24で試合を折り返した。

インサイドで奮闘した富田

 このままさらにリードしていきたい後半。しかし、相手も早大の攻撃に黙ってはいない。ゴール下でのシュートを次々に決められると点差を縮められ、ついには逆転を許してしまう展開に。何とか追いつこうとゴールへ向かうもなかなか点には結びつかず、またも流れを手にできない時間を迎える。だが、早大はここから粘り強く戦った。「自分たちの流れが来るまでずっと我慢」(SF新川敬大、スポ2=東京・京北)。この言葉通り、相手に攻め込まれようとも、チームディフェンスで厚いカベをつくり、思うような展開にさせない早大。球際への執着でピンチをチャンスに変え、確実にシュートを沈める。残り5分で同点と激しい攻防戦は依然として続く。しかし、ここで試合を決定付けたのは石原、森井の連続ファストブレイク。早大らしいプレーで完全にゲームの流れを手にし、その後もリバウンドや球際への執着を忘れることなく、66-58と接戦をものにし準決勝へと駒を進めた。

試合終了後、選手たちの顔には笑顔が浮かんだ

 「全員でディフェンスを頑張れたことが一番の勝因」とC富田頼(スポ1=京都・洛南)は試合を振り返った。相手の流れである時間帯に、辛抱強く立ち向かえたことが大きな勝利に結びついたことは言うまでもない。新人戦も残り2日となったが、日々深まるチーム力は無限の可能性を秘めていることであろう。あすは決勝進出を懸け、大東大との対戦に挑む。粘り強いプレーで会場を沸かせる早大はとどまることを知らない。

(記事 渡部歩美、写真 東哲也)

第55回関東大学新人戦 6月12日(vs青学大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

12 16 21 17 66
青学大 18 19 15 58
◇早大スターティングメンバー◇
G#7 石原卓(社2=東京・京北)
SG#21 南木俊樹(社2=東京・早実)
SF#8 新川敬大(スポ2=東京・京北)
F#27 濱田健太(社1=福岡第一)
C#26 富田頼(スポ1=京都・洛南)
◇主なスコアリーダー◇
得点  石原卓:26得点
リバウンド  新川敬大:12リバウンド
アシスト  森井健太:3アシスト
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コメント

SF新川敬大(スポ2=東京・京北)

――強豪・青学大を倒してベスト4です。いまのお気持ちは

関東大学選手権(トーナメント)で青学大倒すのが目標で、そこで負けてしまったので、いま1、2年生だけというかたちになってはしまったんですが青学大を倒せて嬉しいです。

――この試合を振り返っていかがですか

途中何度か相手に流れがいって、そこは我慢して自分たちの流れが来るまでずっと我慢して、我慢して我慢してやった結果が自分たちに流れが来て、こういう結果になったと思うので、そこは今後も続けていきたいと思います。

――きょうの勝因は粘ってディフェンスできたことにあると思いますが、ディフェンス面を振り返っていかがですか

ガード陣がプレッシャーをかけてくれて、そこでスティールとか何本かあって、問題は後はリバウンドとか次当たる相手も必ず大きいと思うので、そこは頑張っていきたいです。

――逆にオフェンスはなかなかシュートが決まらない展開でしたが、オフェンス面を振り返ってはいかがですか

我慢すればいずれは入るところだと思うので、今後もこうやって我慢していきたいです。

――きょうはリバウンドやドライブといった中への意識が強かったと思いますが

泥臭いところを頑張ろうと思って、スリーだけじゃなくリバウンドも頑張りました。

――次の相手は大東大ですが、昨年戦ってみての印象は

すごくプレッシャーをかけてきて、すごく走ってくるチームなので、そこは受けずに相手の流れに合わせずにワセダらしいプレーで自分たちの流れに持っていきたいと思います。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

きょうみたいに40分で1点でも勝っていれば勝利なので、そういう泥臭いところを全員で頑張って、勝利につなげたいと思います。

C富田頼(スポ1=京都・洛南)

――きょうもとても良い試合でしたね

全体を通して全員でディフェンスを頑張れたことが一番の勝因だと思います。

――きょうの試合で富田選手自身が意識していたプレーとはどのようなものでしたか

自分のマッチアップする相手が自分よりも遥かに大きな相手だったので、リバウンドのところでオフェンスリバウンドを取られないように、しっかりとボックスアウトをすることを特に意識しました。

――第1クオーター(Q)であまりスコアが伸びない印象でしたが

オフェンスと相手に対するディフェンス両方に原因が考えられると思います。相手がシュートを落としてくれていて、それをみんなでリバウンドを取れたことが良かったのかなと思います。

――4点リードで前半を終えましたが、どのような意気込みで後半に臨みましたか

前半と同様に、この試合は相手の方が大きいのでとにかくプレッシャーをかけて、自分らもリバウンドを取られないように、ということを意識していました。

――試合全体を通してルーズボールへの執着心がよく見られました

そこも試合前に南木さん(SG南木俊樹、社2=東京・早実)が球際のところに執着していこうということをおっしゃっていて、それを試合中で表現できたのかなと思います。

――最後まで油断を許せないスコアでしたが、競った展開の中でのチームの結束力を強く感じました

そうですね。きのうからずっとベンチからも、中からも非常に声がよく出ていて、その点でつながっていてチーム力として向上したのかなと思います。

――連日の試合となりますが、準決勝への意気込みをお願いします

とりあえず次の相手も、インサイドの自分の相手は大きいと思うので、リバウンドのところで優位に立たれないようにディフェンスから意識してプレーしていきたいと思います。