接戦を制し、ベスト8進出

男子バスケットボール

 1、2年生を中心として挑む関東大学新人戦(新人戦)。初戦を圧倒的な強さで突破した早大は明大と対戦した。前半から両者譲らず互角の戦いぶりを見せる。4点リードで迎えた後半、一時は逆転を許すものの最終第4クオーター(Q)でオフェンスが爆発。一気にリードを奪うと最後まで流れを渡さず、最終スコア88-71で白星を飾った。

 新人戦のヤマ場となる明大戦。選手たちも普段より一層気合の入る一戦となった。序盤から互いに積極的にゴールを狙い、一進一退の攻防となる。4点ビハインドで迎えた第2Qでは、F橋本悠平(教2=東京・早実)を皮切りにこのQだけで4本のスリーポイントシュートを沈め逆転に成功。ディフェンスも機能して相手の得点をわずか9点に抑え込み、39-35で前半を終えた。

チームハイの18得点を挙げた南木

 点差を広げたい早大だったが明大も簡単にリードを許してくれる相手ではない。立て続けにスリーポイントシュートを決められ、開始3分で逆転を許してしまう。それでもG石原卓(社2=東京・京北)のミドルシュートやC冨田頼(スポ1=京都・洛南)がインサイドでの連続得点を挙げ、59-59と同点にまで食らい付いた。手に汗握る接戦のなか迎えた最終Q、先に流れをつかんだのは早大だった。G長谷川暢(スポ1=秋田・能代工)がバスケットカウントをしっかりと決め攻撃の口火を切ると、立て続けにG森井健太(スポ2=京都・洛南)もスリーポイントシュートで追撃。明大も立て直しを図るが、勢い付く早大はディフェンスでも集中力が冴えわたり24秒バイオレーションを誘発させた。森井がドライブで切り込み、技ありのレイアップシュートを沈めると、そこからコンスタントに得点を重ねリードを広げていく。試合の主導権を握った早大は相手にプレッシャーをかけ続け、シュートの機会を与えない。そのまま最後まで点差を守り抜き、最終スコア88-71と接戦を見事に制した。

巧みなハンドリングでオフェンスをけん引した森井

 「みんなで守り切ろう」(SG南木俊樹、社2=東京・早実)。前半から攻守ともに粘り強く戦い抜いたことが勝利へのカギとなっただろう。後半からは早大の持ち味であるディフェンスから速攻というかたちも多く見られた。あすはベスト4を懸け、強豪・青学大と対戦する。「自分たちのバスケをやれば勝てない相手ではない」(石原)。早大らしいバスケットをどこまで展開できるか、真価が問われる。

(記事 黒田菜々子、写真 丸山美帆、橘高安津子)

★かつてのチームメイトと激突!

かつてのチームメイトとの再会を楽しんでいるようだった

 13年高校総体(インターハイ)を制した京北高校。その後、石原やF新川敬大(スポ2=東京・京北)など大学でも活躍する選手を多く輩出。その中でも今回、当時の優勝メンバーである石原と吉川治耀(明大)の同級生マッチアップがこの試合では実現した。京北高校時代、ガードでコンビを組んでいたこの2人。試合開始から1対1で火花を散らすなど、お互いにやり合う場面がこの試合では何度も見られた。「楽しんでやっている気持ちの方が大きかった」(石原)と振り返るように、中高6年間を共に過ごしたかつてのチームメイトとの戦いに心を躍らせているようだった。


第55回関東大学新人戦 6月11日(vs明大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

21 18 20 29 88
明大 26 24 12 71
◇早大スターティングメンバー◇
G#7 石原卓(社2=東京・京北)
SG#21 南木俊樹(社2=東京・早実)
SF#8 新川敬大(スポ2=東京・京北)
F#27 濱田健太(社1=福岡第一)
C#26 富田頼(スポ1=京都・洛南)
◇主なスコアリーダー◇
得点  南木俊樹:18得点
リバウンド  南木俊樹、富田頼:10リバウンド
アシスト  南木俊樹:5アシスト
関連記事

新人戦開幕、大差で初戦突破/関東大学新人戦(6/10)

コメント

G石原卓(社2=東京・京北)

――きょうの試合を振り返って

きょうはみんなオフェンスよりもディフェンスを頑張ろうということでやっていたので、最初は明大の流れだったんですけど、後半は我慢するところでディフェンスを徹底してできたので勝てたのかなと思います。

――前半からハイペースな試合展開になりましたが、意識したことはありますか

今の1、2年生のチームの中では、慶次郎さん(池田慶次郎主将、社4=東京・京北)みたいに積極的にゴールを狙いにいく選手があまりいないので、僕自身慶次郎さんみたいにできるだけフィニッシュまで持っていったり、中を活かしたりというプレーを意識しました。

――後半は主にベンチから見ていていかがでしたか

やっぱり2年生として、どのようなかたちでもいいからチームを引っ張っていくということは大事だと思うので、試合に出てないときはその分コートの5人を声で引っ張っていけたらと思って、チームのためになるような声を出し続けました。

――きょう得た収穫や今後改善していきたい課題などはありますか

収穫というよりは、ディフェンスを頑張れば自分たちの流れにできて勝利につながるということを再確認できました。課題は、やっぱり身長は高くないので、きょうもリバウンドを何回も取られてしまったので、しっかりボックスアウトしたいです。リバウンドを取れれば自分たちのハイペースなバスケができると思うので、そこはセンターだけに限らずガードの人たちも、リバウンドにしっかり絡みにいけたらもっと良くなるのかなと思います。

――マッチアップの相手が同じ京北高校出身の吉川選手(治耀、明大)でしたが、対戦してみていかがでしたか

やっぱり彼は1対1が強くて得点能力があるので、そこはしっかり止めなきゃと思ってやっていました。でもことし入って何回か明大とやっていて、色々楽しみながらやれたので、本当はあまりこういうこと言っちゃだめなんですけど、自分の中では勝ち負けというよりも楽しんでやっている気持ちの方が大きかったですね。でもそれが良い方向に行っていたのかなと思ったし、バスケは楽しいスポーツなので、ひたすら楽しんでやりました。

――あしたの青学大戦に向けて意気込みをお願いします

青学大は身長も高くて自分たちよりも経験があるチームなので、でも自分たちのやるべきバスケは変わらずディフェンスから頑張って、そこから粘って粘ってというバスケなので、相手がどこだろうと自分たちのバスケをやれば勝てない相手ではないと思います。

SG南木俊樹(社2=東京・早実)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

一人一人いい時と悪い時と波のある試合だったんですけど、最後までミスしていてもディフェンスでみんなで守り切ろうという我慢のディフェンスの時間帯があったので、それが勝ちにつながったんじゃないかと思います。

――ヤマ場の明大戦に向けて意識したことは

ポイントを2つに絞って、1試合通して声をしっかり出し続けることと、ディフェンスで相手が大きかったのでリバウンドを特に気を付けて、ボックスアウトをしっかりしよう、こぼれ球のルーズボールを追いかけようというところを2つ決めて臨みました。

――マッチアップの相手は明大のキーマンである斎藤選手(拓実、明大)でしたが、ディフェンスを振り返って

自分の持ち味は激しいディフェンスで、前から当たっていけと言われていたんですけど、相手はチェンジオブペースでスピードを使ったプレーが上手かったので、できるだけ体を張って嫌がるようなディフェンスをしようと決めていたんですけど、僕的にはあんまり抑えられた感じはなかったです。

――きょうはドライブあり、スリーポイントシュートありとバランスよく攻められていました

僕的にはちょっとエアボールもあったし、大事な場面では一応決められたんですけど、まだ慌てていたので、もうちょっと落ち着いたプレーをあしたからまた必要だと思うので修正していこうと思います。

――リバウンドは戦えていた印象もありますが

体を張って一人一人がしっかり相手を跳ばせないボックスアウトができたので、よかったと思います。

――今大会はゲームキャプテンを務めていますが、何か意識することはありますか

僕は技術よりも精神的な部分の方を向上させるために、声を出すこと、元気付けるような活気付けるようなプレーで見せるというところを意識して試合に臨んでます。

――あしたに向けて意気込みをお願いします

相手は前半から体でぶつかって、コンタクトのあるディフェンスとオフェンスをしてくると思うんですけど、それに負けず強気で向かって行って前半から僕らの持ち味であるディフェンスからの速攻を出せるように、声を出して元気よくやっていきたいです。

G森井健太(スポ2=京都・洛南)

――新人戦のヤマ場となる明大戦でしたがどのようなお気持ちで臨まれましたか

早慶戦があったので新人戦まで練習する時間があまりなくて試合にすぐ入るかたちだったのですが、明大がヤマ場っていう話しはしていてそういう意味でみんなが一つになってワセダのディフェンスから速攻っていう流れをみんなが意識できたことが後半点数が開いた原因だと思います。

――きょうの試合を振り返っていかがですか

個人的にも新人戦で1年生を引っ張っていくというのを全面的に出して、リングにアタックするという場面を増やしていきました。

――前半から積極的なプレーが見られましたが振り返ってみていかがですか

前半は相手(明大)も力が変わらないので我慢の時間帯だと思っていました。そういう面でしっかり我慢してリードすることができて、前半から頑張れたのではないかなと思います。

――後半は接戦でしたがいかがですか

前半からディフェンスを頑張っていて、このディフェンスの頑張りが後半にも生きてきて自分たちのペースに持ち込めたので前半のディフェンスが後半にもつながってきたのだと思います。

――課題とおっしゃっていた外のシュートが勝負どころで決められていましたがご自身のシュートに関してはいかがですか

まだまだ精度も低いですし、打つ回数も少ないですが気持ちで決めたという感じです

――きょうの試合で得た収穫はありますか

チームとして1試合ずつで成長していくのがトーナメントが続く中で大切なのでそういう意味では、きょう勝ったことでチーム全体で勢いが付いたんじゃないかなと思います。

――あすの青学大戦にむけて

青学大ですが自分たちのバスケットをきょうみたいに貫いていけば勝てる相手だと思いますのであすはチーム全体で勝ちにいきたいと思います。

G長谷川暢(スポ1=秋田・能代工)

――明大戦は新人戦のヤマ場でしたが、どのようなことを意識して試合に臨まれましたか

自分は早慶戦に出ることができず、こういう機会がないとなかなか試合に出られません。きょうは試合に出たら絶対にやってやろうという気持ちが強く、リングに向かってプレーしました。

――明大のキーマンとマッチアップされていましたが、ディフェンス面を振り返って

自分の得意なプレーはディフェンスで、先生たちもディフェンスでのプレーを期待してくれていると思います。そういった意味で相手のエースにつくことにやりがいを感じたし、絶対にやられないように頑張ってディフェンスにつきました。

――オフェンス面でもスリーポイントシュートを決めるなどチームに貢献されていましたが

勝たなければ次がないという局面ですごく気持ちが入ってしまいました。もっと冷静にできたと思いますが、決めたときは声を出してガッツポーズをしてしまうくらい嬉しかったです。

――本日見えたチームの課題は

相手に何点も離されたときに、チームとしてどうやってまとまるかがカギになると思います。チームとしてあまり練習できていない中でこうしてできたという点は良かったです。あしたも新人戦の南木(俊樹、社2=東京・早実)キャプテンを中心にチームとしてまとまり、声をかけあってやっていきたいと思います。

――ご自身の課題は

2年生がメインになる中で、1年生としてルーズボールなど球際の泥臭いところを もっと頑張れれば自分はもっと生きてくるし、そういうところを先生たちにも求められていると思います。自分がよりそういった細かいところでチームに貢献できればいいですね。

< p>――あしたの青学戦へ向けての意気込みをお願いします

相手がどこであろうとやることは変わりません。自分がベンチから出てくる場面で勢いを付けられるプレーができればいいと思います。