苦戦するもなんとか初戦突破

男子バスケットボール

 春の関東チャンピオンを決める大会の関東大学選手権(トーナメント)。新チームになってこれまで順調にチームを作ってきている早大は東洋大と対戦した。初戦の緊張感からかなかなかシュートを沈めることができず、第3クォーター(Q)まで相手にリードを許す展開となったが、最終Qに逆転し68-62で辛くも勝利。

積極的にドリブルを仕掛ける池田

 「気合が入りすぎて空回りしてしまった」(G玉井勇気、スポ4=福岡第一)という言葉の通り、今季のこれまでの試合とは打って変わって、重いスタートとなる。F河上宗平主将(人4=京都・洛南)が積極的に仕掛けていきなんとか繋いで行くが、オフェンスのテンポはなかなか上がらない。大きく点差が開くことはなかったが、第4Qに入るまでは追いかける展開となった。最終Q、玉井の1対1が決まり逆転すると、G池田慶次郎(社2=東京・京北)、F木村晃大(スポ3=京都・洛南)が連続でシュートを決めてリードを広げる。終盤の勝負どころでシュートを沈めなんとか勝利を手にしたが、次戦に向けて課題を残す形となった。

 「収穫は勝てたことだけ」(池田)というようにこの試合でワセダらしい速いバスケットを見ることはなかった。ターンオーバーを連発したり、単調なオフェンスが続く場面が目立ち、本来早大がやりたいプレーを逆に東洋大に許すことが多く見られた。試合に出ているメンバーに下級生が多い中で「(試合を)最上級生が重くしてしまったところに後輩たちが乗っかっちゃった」(玉井)。勢いに乗ったときは強豪校にも引けをとらないオフェンス力がある反面、いい時と悪い時の波があるのは否めない。今後試合を重ねる中で修正していきたいところだ。

勝負どころでシュートを決めた木村

 負ければ終わりのトーナメントでは一つのミスが勝負を決することもある。きょうのような試合運びでは今後対戦するであろう強豪校との戦いでは十分な戦いをすることは難しい。次戦はベスト8をかけて法大と対戦する。格下ではあるが、昨季のトーナメントで敗れた相手でもあり決して軽視できる相手ではない。きょうの悪い流れを振り切ってリベンジマッチに臨みたい。

(記事 岩本剛志、写真 巖千咲)

第62回関東大学選手権
早大 68 10-16
20-13
17-20
21-13
62 東洋大
【スターティングファイブ】
G 池田慶次郎(社2=東京・京北)
G 玉井勇気(スポ4=福岡第一)
F 河上宗平(人4=京都・洛南)
F 山本純平(スポ2=福岡第一)
C 宮脇隼人(スポ1=京都・洛南)
コメント

G玉井勇気(スポ4=福岡第一)
――きょうの試合オフェンスがとても重い印象を受けたのですが
ちょっと僕自身が気合入れすぎちゃって空回りしてしまいました(笑)。ポンポンとシュートを打っちゃったっていうのもありますし、河上(宗平主将、人4=京都・洛南)が熱出していて体が動かない中出ていて、あまり気持ちが入ってない中で試合をしていたので、(きょうの試合は)最上級生のせいだと思います。最上級が重たくしちゃったので後輩たちもそれに乗っかっちゃったみたいな感じだと思います。
――ディフェンスはできていたのでは
外から見ていたらそう見えていたのかもしれないですけど、僕たち自身としてはそうでもないなってイメージが強いですね。
――ことしにかける思いも強いのでは
そうですね。めちゃめちゃ強いです。僕たち4年生は最後の年なのでやっぱりいい結果残したいっていうのもあるし、きょねんがああいう結果(法大に敗れベスト16で終わる)だったので。気合入っていると思うんですが、きょうはちょっと空回りしちゃいました。
――ことしの1年生に関しては
すごく頑張っているし、うまいプレイヤーがいっぱい入ってきたので、僕もちゃんとしなければやばいかなって思ってます。
――次戦に向けての意気込みをお願いします
きょうはみたいな出だしから重たい試合で楽しくないようなプレーしていたらダメだと思うので、もっと元気出して自分たちがやってきたバスケットを出せるようにしっかり勝ちに行きたいです。

木村晃大(スポ3=京都・洛南)
――きょうの試合を振り返って
初戦で動きが固かったというのもありますが、あまりいい試合ではなかったというのは感じています。
――試合前はどのようなお話をされましたか
僕らの目標はベスト4と決めているので、初戦入り方が大事だと思っていたんですけど、それが空回りしてしまったところが残念ですね。
――接戦から抜け出せなかった原因は
今までディフェンスを練習してきたんですけど、ディフェンスから速攻という自分たちのプレーが出来てなかったのがあると思います。
――オフェンスは苦しめられたと思いますが
まだオフェンスが機能していないというのもありますが、自分たちが思い切りいいシュートを打てなかったりとか、守りに入ってしまったのが、オフェンスがうまくいかなかった原因だと思います。
――残り1分4点リードの時のタイムアウトではどのような話をされましたか
4点ならスリーでも逆転できない点差なので、まずディフェンスで止めることと、自分たちが冷静になることを意識していました。
――次の試合に向けて一言お願いします
次はきょうと同じ試合をしていたら絶対勝てないと思うので、しっかり気持ち入れ直して、楽しく、みんなで勝ちにいきたいと思います。

G池田慶次郎(社2=東京・京北)
――きょうの試合を振り返って
トーナメントの初戦ということでみんな気合が入りすぎて空回りしてしまった部分があって、出だしにつまづいたままずるずるいってしまった点が反省点です。ディフェンスを課題としてやってきましたが相手にやられてしまった部分が多かったので課題の残る試合でした。これを糧にしてあすからの試合では修正していきたいと思います。
――3Qまで追いかける展開でした
点差は別に気にしないというか、あまり考えないで、自分たちのやってきたことをしっかりやろうと考えていました。
――逆転できたきっかけ、勝因はどこですか
チームとしてひとつになれたというかみんなの「勝つぞ」という意識が固まった時間帯に逆転して相手を離すことができたので、気持ちの問題だったと思います。
――収穫はありましたか
勝てたということだけだと思います。反省点ばかりです。
――次戦に向けて意気込みをお願いします
とりあえず初戦を乗り越えたのでチーム一丸となって元気を出してワセダらしく勝ちにこだわってできたらなと思います。