新チーム初戦を全勝優勝で飾る

男子バスケットボール

 暖かくなってくると同時に大学バスケットのシーズンも幕を開ける。各チームが春休みのトレーニングの成果を試しながら、新たなチームを作っていくこの季節。本格的なシーズンの開幕を前に一足早くに行われた東京六大学リーグ戦。昨季の主力をことしも多く残す早大は、攻守ともにミスが多く明大戦では最後まで競るなどまだまだチームとして未完成ではあるものの5戦全勝で2年連続の優勝を果たした。

早大のスピードスターの玉井。一度スピードに乗るとなかなか止められない

 春休みは主に体幹トレーニングに取り組み、バスケットの練習を始めたのは最近という早大は、オフェンスではミスが多く、ディフェンスでも簡単にバスケットを許す場面も多く見られた。それでも1部リーグのチームとしてその能力の高さを見せつける。今季新たに主将に就任したF河上宗平(人4=京都・洛南)はユニバーシアードの代表合宿のため初日のみの参加となったが、昨季までの4番ポジションとは違い本来の3番ポジションでのプレーということもありシュートを次々と沈めチームをけん引した。他にも抜群のスピードを持つG玉井勇気(スポ4=福岡第一)はキレのあるドリブルに加え、スリーポイントシュートなど昨季以上に磨きのかかったプレーを見せた。また、昨季の早大との1番の違いでもあるポイントガードのポジションではG池田慶次郎(社2=東京・京北)がスタートとしてプレーしスピード感あるバスケットを展開。「大塚さん(勇人、平25卒=福岡大大濠)の時とは違ったカラーが出せたら」というように、新たなワセダのガードとして期待したい。

 ことしも多く新入生がバスケ部に入部した。長身のC宮脇隼人(スポ1=京都・洛南)は自身の持ち味でもあるポストでのディフェンスやリバウンドなど身体を張ったインサイドでのプレーに注目だ。また、G河合祥樹(スポ1=京都・洛南)は冷静なゲームメイクと高確率でシュートを決めるなどミスのないプレーを武器とする。「やるからには上を目指していきたい」(河合)と即戦力としてこれからの活躍が楽しみな存在である。他にもシューターのG伊藤諄哉(人1=京都・洛南)やG澁田貴大(スポ1=東京・京北)の2人も加わり選手層に厚みが増してきた。

1年生ながらチーム最長身の宮脇。インサイドの柱となれるか

 1年生の頃からスタートとして試合に出ていた河上と玉井が4年生になりチームを引っ張る存在になった今季の早大。大塚という絶対的ガードが抜けたチームの躍進の鍵はこの2人が握っている。昨季は関東大学リーグ戦では入れ替え戦までもつれ、全日本大学選手権でも初戦敗退など思うような成績を残せなかった。約1ヵ月後には京王電鉄杯が行われる。そこには1部リーグのチームも多く出場するため新チームの力が試せるいい機会となるだろう。本格的なシーズンの開幕はまもなくだ。

(記事 岩本剛志、写真 加藤恵、森健悟)

※記事中の学年は新年度のものです。

コメント

G池田慶次郎(社2=東京・京北)
――今大会を終えていかがでしたか
初日は点をとるプレイヤーの河上さん(宗平、人4=京都・洛南)がいたので、河上さんにボールを集めれば点をとれたんですけど、2日目と今日は得点源がいなくて、チーム全体で攻めるというのが課題だったんですけど、うまくボールが回らないで止まってしまうことが多かったというのがオフェンスの反省点です。ディフェンスは組織的に守れてなかったというのと、コミュニケーションが足りなかったなというのが反省です。
――最後の明大戦は競った展開になりましたが
相手は主力3人がいなくて、こっちも1人いなかったんですけど、そういった状況で競ってしまったのは、倉石さん(平総監督、昭54教卒=東京・早実)も言っていたんですけど、本メンバーになった時に全然敵わないと思います。競ったゲームができたというのはいい経験になったんですけど、本来ならばもっとちゃんと戦わなくてはならなかったのかなと思います。
――最後大事なところでスリーを決めましたが
あれはあいたから打ったっていう感じで。誰がやろうが決めれば勝てるし、ミスれば負けるしっていうところだったので、どうせならあいている自分がと思い、思い切り打ちました。
――オフェンスではパスミスが目立った印象がありますが
受け手にパスをするときに怖いという印象がまだ自分の中にあって、出せるときに出せていない時があって、そういうのが重なって、結局自分でボールを持ちすぎてしまって、最後の手段としてパスという風になってしまったので、そういうのがミスに繋がったと思います。
――今の新チームの状況はいかがですか
現段階では明るく楽しくやっています。もうちょっとバスケ的には詰めるとこ詰めてやればいいチームになっていくと思うので、これからも続けていきたいなと思います。
――大塚さん(勇人、平25卒=福岡大大濠)が抜けて、ガードとしてチームをまとめていく立場にもなると思いますが
大塚さんは絶対的な司令塔だったので、大塚さんが抜けただけでガラッとチームの雰囲気が変わると思うんですよ。でも、去年は去年で今年は今年っていうように、ワセダのバスケ部としては変わらないんですけど、新しいカラーを出していけたらなと思います。
――今季の目標をお願いします
チームの目標は、みんなで話し合って決まっていて全大会を通してベスト4以上で、インカレは優勝を目指していきます。個人としては大塚さんが抜けて絶対的な1番というのがいなくなったので、今年のワセダに足りない部分を自分が補えたらいいチームになるのかなと思います。その辺をこれから自分で考えて、理想のプレイヤーになっていきたいです。

G伊藤諄哉(人1=京都・洛南)
――今大会を終えていかがですか
やっぱり出ているときは緊張しましたね。シュートの調子がよかったので思い切ってシュートを打っていったんですけど。先輩も打っていいって言ってくれていたので、じゃんじゃん打っていきました。
――ワセダを選んだ理由を教えてください
僕洛南高校出身なんですけど、先輩がいっぱいいらっしゃったのがすごく魅力的で、また一緒にバスケをしたいっていうのと、いい成績を一緒に残したいというのがありましたね。
――いつ頃チームに合流されましたか
3月6日から参加しました。
――この2週間で感じた高校との違いはありますか
体の強さですね。高校だったら自分は強い方なんですけど、大学に来たら自分は弱くて、まだまだ足りないところがあるなと思います。
――今後どのようなプレーでチームに貢献したいですか
シュートが得意なので、シュートを外から決めていきたいです。
――今後の目標をお願いします
試合に出て活躍することです。先輩からの信頼を得たいですね。

G河合祥樹(スポ1=京都・洛南)
――ワセダに入学した理由はなんですか
自分は洛南高校出身でワセダには洛南の先輩か多くいるということが1つあって、バスケに関しても1部の部で、勉学に関しても励めると思ったのでそういったところに魅力を感じました。
――ワセダのバスケ部の雰囲気はどうですか
すごく楽しくバスケができているなって感じます。
――今回始めて大学生として試合に出てみた感想は
やっぱり身体のあたりが強いなって思います。きょうの試合でもそうだったんですけど、高校時代はぶつかっても倒れなかったり相手をとばしたりできていたのですが、きょうの試合ではとばされてばっかりだったのでフィジカルの強さが違うと思いました。
――プレーしていく上で1番の武器はなんだと思いますか
ミスを少なくして、ノーマークのシュートとか当たり前にできることをちゃんとできることだと思います。
――ことし1部の年間の抱負をお願いします
やるからにはトーナメント(関東大学選手権)でも新人戦(関東大学新人戦)でもリーグ戦(関東大学リーグ戦)でも上を目指して頑張っていきたいと思います。

G澁田貴大(スポ1=東京・京北)
――今大会を終えての感想をお願いします
高校ではある程度できていたことが、大学生が相手になるとできないプレーもあって、まだまだ実力が足りないなと思いました。
――ワセダを選んだ理由は何ですか
バスケが強くて、レベルの高い練習ができるし、勉強の方もしっかりできるので、文武両道を大事にしたいなと思っています。
――チームに合流されたのはいつ頃ですか
何回か練習は行っていましたが、本格的に練習に参加したのは3月15日とか、半ばですね。
――その間に感じた高校までとの違いはありますか
やっぱり体つきが大学生は高校生と違って大学生は全員が強くて、自分もそういうところはしっかり作っていかないとと思いました。
――どのようなプレーでチームに貢献していきたいですか
高校でもシューターとしてやってきて、この大会でまだシューターとして何かできたわけではないので、この4年間で大事なところでしっかり決められるプレイヤーになっていきたいです。
――今季の目標をお願いします
まずは体作りをしっかりすることですね。それをしないとやっぱり相手にはじかれちゃったりするので、体作りをしっかりしてから、技術的なことをやっていきたいです。

C宮脇隼人(スポ1=京都・洛南)
――初めての試合出場となりましたがこの3日間を振り返って
緊張しました。新入生なので、先輩がいるのでミスしてもいいから全力でやろうと思ってやりました。
――ワセダへの進学を決めた理由
高校の先輩がいっぱい居るので。
――ワセダの雰囲気はいかがですか
高校の先輩がいっぱい居るので、高校の雰囲気と似ているところもあるのですが、楽しい感じです。馴染みやすいです。
――洛南高校の先輩もたくさんいると思いますが
楽しいです。先輩がいるのでそんなに緊張とかもしないし、楽しくやれて、いい感じです。

――宮脇選手自身ここを見て欲しいという所は
自分はそんなに上手くないので、リバウンドとディフェンスですね。自分の中ではそれが持ち味だと思っているのでそこを見て欲しいです。
――ことし1年どんなプレーをしていきたいですか
1年生らしくがむしゃらに、いっぱい走って飛んでチームの勝利に貢献できるようにやっていきたいです。