乱戦制し、無傷の開幕5連勝

男子バスケットボール

 関東大学2部リーグ戦(リーグ戦)開幕から4連勝と勢いに乗る早大。この日は昨年共に2部に降格した中大と対戦した。試合は序盤から点の奪い合いになる。第3クオーター(Q)には両チーム合わせて13本のスリーポイントシュートが決まるなど、打ち合いになったこの試合。しかし、第4Qにディフェンスからの速攻という早大らしいバスケットを展開し、中大を突き放した。終盤に強さを見せつけた早大が乱戦を制し、99―85で逃げ切り勝利。開幕から無傷の5連勝と勢いは止まらない。

 第1Q、SF澁田貴大(スポ2=東京・京北)が素晴らしいプレーを披露する。スティールからの速攻で早大に先制点をもたらすと、このQ2本のスリーポイントシュートを含めた11得点の活躍。この澁田が作った勢いで大きくリードを広げたい場面であったが、中大の速い展開のオフェンスに翻弄(ほんろう)され、思うようにリードを広げられない。第2Qも相手のゾーンディフェンスに対し攻め切れずリズムに乗れない時間帯が続いた。それでも終盤、G河合祥樹(スポ2=京都・洛南)が2本のジャンプシュートを沈め、47-40と7点のリードで前半を折り返す。

ディフェンスをかわし切り込む河合

 後半、この日好調の澁田のバスケットカウントで突き放しにかかる早大。SF伊藤諄哉(人2=京都・洛南)の連続スリーポイントシュートで完全に流れをつかんだかのように思えた。しかし、中大も正確なシュートで応戦。ここからシュートの打ち合いになる。第3Qだけで早大6本、中大7本のスリーポイントシュートに成功し試合は白熱した点取り合戦へ。76-70で迎えた第4Q、このハイスコアゲームの勝負を分けたのはディフェンスだった。早大は前線から激しいプレスディフェンスでスティールを連発。ターンオーバーからの速攻で得点を重ね、最終スコア99―85で勝利。5つ目の白星を獲得した。

華麗に速攻を沈める澁田

 持ち味のディフェンスからの速攻が勝負を決めた。リーグ戦が進むにつれて、早大らしいかたちが多く出始めた。しかし、「5連勝中ですけどみんな浮かれずに悪いところはどんどん修正しようとしている」(伊藤)と語るように、連勝に慢心せず、試合で浮き彫りになった課題を修正し成長を遂げている。1部復帰への道のりはまだまだ遠いが、一歩一歩確実に目標へ。リーグ内で唯一の無敗と首位に立っている早大。1部昇格への逆襲劇は、まだまだ序章にすぎない。

(記事 東哲也、写真 渡部歩美)

第90回関東大学2部リーグ戦 9月14日(vs中大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

24 23 29 23 99
中大 22 18 30 15 85
◇早大スターティングメンバー◇
G#34 池田慶次郎(社3=東京・京北)
G#11 河合祥樹(スポ2=京都・洛南)
SF#36 澁田貴大(スポ2=東京・京北)
F#16 山本純平(スポ3=福岡第一)
C#38 宮脇隼人(スポ2=京都・洛南)
◇主なスコアリーダー◇
得点  澁田貴大:23得点
リバウンド  山本純平:6リバウンド
アシスト  池田慶次郎、石原卓:4アシスト
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コメント

G武津祐太郎主将(文構4=大分舞鶴)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

きょうは、オフェンスは良かったと思いますが、ディフェンスがうまくいかなかったと思うのでそこは反省しなくてはと思います。

――2番目のチームは今までうまくいっていませんでしたが、きょうは良かったのではないでしょうか

卓(石原、社1=東京・京北)が入ってきてパスが回るようになったのが良かったと思います。今まで悪かったので、きょう良くてほっとしました。

――ご自身もきょうは調子が良かったですね

ずっとチームに迷惑をかけてきたし、倉石さん(平監督、昭54教卒=東京・早実)にもすごく怒られてきたので、少し貢献できてよかったなと本当にほっとしています。

――第3Qはスリーポイントシュートの打ち合いになりましたね

入ったのは良かったですが、入れられたのも多かったので、月曜火曜の練習で修正したいです。

――早大らしいプレーも多く出たと思いますがいかがでしたか

速攻が出たら強いと思います。走る練習はすごくしてきたので、ブレイクが出たらワセダの流れになると思います。

――今週3回試合がありますが、コンディションはいかがですか

きょねんは40分出ている人もいましたし、それに比べたら今はみんなでシェアしているので、そんなに体が重い人もいないと思います。でもオフがない状態なので、しっかりとケアをして試合に臨みたいと思います。

――水曜日はの日大戦に向けて一言お願いします

きょう結構リバウンドを取られていましたし、日大は中大より大きいと思うので、そこをしっかりと修正して、アップテンポにして頑張りたいと思います。

SF伊藤諄哉(人2=京都・洛南)

――きょうの試合振り返っていかがですか

出だしで思ったほど前より点差が開かなかったので、僕らがしっかりしなければと思って試合に臨みました。

――きょうは第3Qにスリーポイントシュートがよく決まりました

気持ちよくシュートを打てたと思います。

――リーグ戦ではあまり調子がよくないようにも感じましたが

先週まではあんまり納得したシュートを打てていなかったんですけど、きのうはシュートが入っていなかったですけど、きのうぐらいから自分の中で一番いいシュートが打てていたと思っていたので、きょうは自信を持ってシュートを打てて、入ってよかったと思います。

――その一方で多くのスリーポイントシュートを許してしまいましたが

ボールマンへのプレッシャーが甘かったのが一番の要因だと思います。

――これで5連勝となりましたが、チームの状態は

5連勝中ですけどみんな浮かれずに悪いところはどんどん修正しようとしているので、とてもいい状態だと思います。

――リーグ戦での個人的な目標はありますか

自分のプレータイムは限られているので、もちろん僕はシュートが得意なので決めたいですけど、それ以前にチームのために例えばディフェンスのヘルプだったり、リバウンドだったりそういうところで貢献できればいいなと思います。

――次の試合は新人戦で敗れた日大が相手ですが

相手が大きいのでリバウンドもあまり上手くは取れないとは思いますけど、ルーズボールとか自分のできることを自分の出ている時間でやりたいと思います。

G河合祥樹(スポ2=京都・洛南)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

きのう快勝したこともあって、きょうはその勢いに乗りたかったですが、相手のチャレンジしてくる勢いに押されてしまったところがあって、出だしそこがあまり良くなかったと思いますが、最後まで我慢してできたと思います。

――スターターのディフェンスはよく機能していますね

個人としてもチームとしても、個人的なミスを意識するのではなく、ディフェンスだけはやろうという意識が統一されているところがいいのだと思います。

――オフェンスではゾーンディフェンスに苦しむ場面も見られますがいかがですか

ゾーンをされた瞬間にいつも打っているタイミングでみんながシュートを打とうという気持ちがなくなって、ボールを持ってもリングを見ないときとかがあって、そこが後手になってしまっていると思います。

――速攻など早大らしいプレーも多くありましたね

新チーム始まってから夏の合宿でもずっと、走りに関しては他のどのチームにも負けないくらい走ってきたという自信があるので、このリーグ戦週3回の試合でも全然スタミナ切れすることもなく走りきれていると思います。

――最後に競り勝てた要因はなんでしょうか

競っているときは声を出すということができていなかったですが、最後はみんなで声出してディフェンスでプレッシャーをかけることができ、相手のミスにつながり、僕らがブレイクを出せたのがよかったと思います。

――今リーグ戦個人的に目標としていることはありますか

5戦戦って、シュートがいい日と悪い日が交互に来ている感じなのですが、そこは意識しないで、打つところは打って、攻めるところは攻めるというのは続けてやっていきたいです。僕が出ているときのメンバーは全員が得点を取れるので、そういった面ではきちんとディフェンスをするというのを意識していきたいです。

――次戦は新人戦で敗れた日大が相手ですが、日大戦に向けて一言お願いします

1部2部合わせても長身の選手が多いと思うので、そこをみんなでカバーしながら守って、走り勝ちしたいです。

SF澁田貴大(スポ2=東京・京北)

――きょうの試合を振り返って

出だしが成功だったかというときのうのほうが良かったです。ワセダのペースになったときに点差を離すことができなかったので、そこはまずかったかなと思います。

――中央大の印象は

外のシュートの確率がとても良くて、ああいうところはワセダも練習しているのであれぐらいか、あれ以上は決めていかなくてはならない、と思いました。

――前半、試合が競り合っているときのシュートで、チームに流れをもたらしていましたがきょうの試合で特に意識していたことはなんですか

最初にスティールして速攻で出て、ってなったときに続けて点を決めることができたので、ちょっときょうは積極的に攻めていこうとおもってプレーしました。

――スティールからの速攻で得意のプレーをしていましたが

ワセダのDFのシステム通りにいったときに狙いどころというものがあるのですが、みんなで守ってカットする場面がたまたま僕だったというのが多かっただけです。

――開幕5連勝となりましたが、いまの率直なお気持ちをお願いします

嬉しいです。きょねんはやっぱり負けが続いて雰囲気も悪くなっていたのですが、ことしは勝ちが続いたりして雰囲気がいいのでバスケやってて楽しいなって感じます。

――次戦は、新人戦で惜しくも敗れた日大との試合です。意気込みをお願いします

新人戦でのリベンジというのもありますし、日大はとにかく身長が高いのでリバウンドからしっかり取ってプレーを下せるように頑張ります。