日体大に走り勝ち!3勝目を挙げる

男子バスケットボール

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)第2週2日目、前日の拓大戦を制した早大は、さらに勝ち星を積み重ねるべく日体大との一戦に臨んだ。試合は、リーグ戦開幕以来ずっと順調だった出だしで初めて相手に後れを取るも、その後修正。わずかなリードを最後まで守りきり、89-80で3つ目の白星を挙げた。

 滑り出しでつまずいても、しっかり立て直してみせた。第1クォーター(Q)序盤、早大は日体大の高さの前に苦戦を強いられる。相手のゾーンディフェンスに手を焼き、得意の速攻もなかなか出せない。このままずるずるいくのではという嫌なムードが漂う。しかし、そんな悪い流れを断ち切れるのが今の早大だった。F山本純平(スポ1=福岡第一)が得点直後にうまく相手のチャージングを誘ったのをきっかけに、チームのスイッチが入った。F木村晃大(スポ2=京都・洛南)、G玉井勇気(スポ3=福岡第一)が立て続けにシュートを決めるとあっという間に同点。第2Qに入っても攻撃の手を緩めず、10点ほどのリードを確保する。後半、インサイドを狙って攻め込んでくる相手に再三点差を詰められそうになるが、なんとか持ちこたえて試合終了。89-80で勝利し、第2週を連勝で終えた。

 リーグ戦が始まってからの早大はとにかく走る。リバウンドを取るとすぐにG大塚勇人主将(スポ4=福岡大大濠)がボールを受け、周りの選手たちが一気に駆け出す。この速攻スタイルは春には見られなかったものだ。「何をするのかも分からない状況からとにかく走るということを徹底してやりました。」(F河上宗平、人3=京都・洛南)と、鍛えた走力で相手を揺さぶり続けた。またこのチームにおいて、目覚ましいはたらきをしているのが玉井だ。この日も抜群のスピードで速攻を演出し、より一層磨きのかかったアウトサイドシュートで何本もリングを射抜いてはチームの危機を救った。まさに早大の攻撃スタイルを象徴する選手と言っていいだろう。そんなタレントがいるからこそ、スピーディなバスケットが可能となるのである。

 大塚主将を中心に、玉井、河上、木村と他のチームに引けを取らないメンバーもいる一方で、やはり気がかりなのは選手層の薄さ。選手一人のケガが大きくチームに影響してしまうだけに、体のケアは重要だ。迎える第3週の相手は青学大と東海大。大学バスケット界で1、2を争う強豪校との連戦は厳しいものになるだろう。しかし、早大は昨季のリーグ戦で東海大を下したこともあり、決して勝てない相手ではない。自慢の走力で、相手の牙城を打ち崩す。

(記事 冨丘太朗、写真 小笠原芳)


第88回関東大学リーグ戦 第2週2日目

早大

89

17-14

24-16

25-29

23-21



80


日体大
【スターティングファイブ】
G 大塚勇人(スポ4=福岡大大濠)
G 玉井勇気(スポ3=福岡第一)
F 河上宗平(人3=京都・洛南)
F 木村晃大(スポ2=京都・洛南)
F 山本純平(スポ1=福岡第一)

◆コメント

G大塚勇人主将(スポ4=福岡大大濠)
――きょうの試合の立ち上がりを振り返ってみて、いかがでしたか
倉石さん(平総監督、昭54教卒=東京・早実)にも言われた通り、5分で4点とかしか取れていなかったので、立ち上がりは悪いかな、とは思っていていたんですけど。その中で相手もあまり点を取れていなくて、結局第1Qを勝ちで終われて立て直したという自分たちの力があったので、試合中主導権を向こうに渡さなかったということはよかったんじゃないかなと思います。
――相手は大きいセンターが2枚いましたが、試合前に対策などは立てましたか
いえ、特にはなかったです。ドリブルをついたら取りにいけ、ということは言われていたんですけど。やはり最初の1プレーで押し込まれすぎて寄るにも寄られなかったんで。その点に関しては(ボールを)もらわれる前のディフェンスをもう少ししっかりやらないといけないですね。
――きょうもチームは全体的によく走っているように見えましたが
G玉井(勇気、スポ3=福岡第一)がよく走ってくれているので、それにみんなついていく感じです。F河上(宗平、人3=京都・洛南)とかF晃大(木村、スポ2=京都・洛南)とかが後ろから来てくれるので、僕からしたらどこにでもパスが出せる状況でとてもやりやすいです。
――第3Qで点差が縮められた要因は
やはりリバウンドでセカンドチャンスを与えすぎたことだと思います。リバウンドを取って速攻というのをかたちとしてやっているので、セカンドチャンスを与えてセンターなりゴール下に決められて、やられたくないことをやられて自分たちのリズムを崩してしまったのがあの時間帯でした。
――タイムアウトのときに指示などはありましたか
ちょっと覚えていないですね(笑)。でも玉井とか河上とかセンター陣もオフェンスで要所でつないでいたので、一気に崩れることはなかったです。縮められることはありましたけど、そこからまた立て直すことができているので、チームとしての状態はいいのではないかと思います。
――来週は東海大戦、青学大戦を控えていますが、どのような戦い方をしたいですか
チャレンジマッチというか、実質早大より明らかに能力とか高さはあるわけなので、そこをどう相手のやりたいことをやらせないようにするかだと思います。でもチャレンジマッチって言っていますけど、きょねんは東海大に勝ったりしているので、そこでアップセットを起こすことをまず目標に。決して負ける相手ではないと思うので、勝ちにいきたいと思います。

F河上宗平(人3=京都・洛南)
――今週は2勝することができましたね
だいぶ気をつけてはいるんですけど、僕はきのうもきょうも退場してしまって。でもベンチから出てきたメンバーがこの2試合ともすごく活躍していてくれて、今本当にチームの一体感を感じられているというか勢いがあると思うので、これを切らさずに頑張っていきたいと思います。
――そんなに大きくないリードを最後まで守りきれていますね
そうですね。ずっと立ち上がりを意識していて、きのうは良かったんですけどきょうはちょっと気持ちが抜けていたというか。きのうほど向かっていく気持ちがなくて最初バタバタしてしまいました。相手が相手だったので追いつけたんですけど、やっぱり立ち上がりがカギだと思うので気持ちを入れていかなければいけないと思います。
――きのうもきょうもとにかく走るバスケットが展開されていました
そうですね。春が本当に走れなくて思うようなバスケットができなかったんですけど、何をするのかも分からない状況からとにかく走るということを徹底してやりました。その成果が今すごく出ているというか攻撃の回数がすごく増えていて。僕らはディフェンスを頑張って失点を抑えるというチームだと思うので、点も取れているんですけど失点も多いので。そこも減らせたら早大のバスケットができるのかなと思います。
――来週は東海大、青学大とどちらも簡単には勝てない相手ですが
来週は本当にチャレンジマッチだと思って、今は僕らも勢いがありますし、立ち上がりがカギになると思うので、勝てる気持ちでチーム一丸となって頑張ります。