残り3秒で逆転負け

男子バスケットボール

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)8戦目、前日日大に快勝した早大は明大と対戦した。試合は終始拮抗(きっこう)した展開で進み、早大は第4クォーター(Q)残り4分からリードを奪う。しかし、試合終了まであと3秒のところで逆転を許し、64-65で敗戦。ここまで2勝5敗と苦しんでいた明大から痛い黒星を喫し、対戦成績は4勝4敗となった。

 前日と同じスターティングメンバーで臨んだ早大はG玉井勇気(スポ3=福岡第一)とF木村晃大(スポ2=京都・洛南)の連続ゴールで幸先良く先制したが、あとが続かない。残り6分からエースのF河上宗平(人3=京都・洛南)のエンジンがかかり、2本のスリーポイントを含む12点を挙げるも、大きく点差を広げるには至らず19-15で最初の10分を終えた。第2Qでは早大が得意とする速攻を出せず、セットオフェンスでも得点を奪えない。約6分間ノーゴールと苦しみ、この間に自分たちのターンオーバーから連続速攻を決められ逆転を許してしまう。玉井のフリースローで詰め寄り、29-31で後半を迎えることになった。

 第3Qも依然として重い雰囲気が続く。C二宮弘憲(スポ3=福岡大大濠)の連続ゴールで一時は逆転したが、相手もスリーポイントなどで対抗。このQだけでリードが5度入れ替わる激しい展開となる。最後はこの試合初めてG大塚勇人主将(スポ4=福岡大大濠)からの速攻が決まり、47-43で第4Qへ入った。

 最後の10分間も変わらず、両チーム抜け出せない。残り2分、大塚主将のパスを受けた木村がファウルを受けながらもシュートを決め、4点リードとするが直後のフリースローを失敗。さらに残り1分を切ったところで早大は連続でトラベリングをコールされると、残り15秒でスリーポイントを許し、差は1点に。ファウルゲームに出た相手に対し、フリースローを1本しか成功できず、残り8秒で痛恨のアンスポーツマンライクファウルを犯してしまう。これで与えたフリースローで再び1点差とされると、その後の相手ボールのスローイン、ここまで要所でシュートを決めてきた安藤誓哉(明大)にボールが入る。安藤が左45度から放ったボールは残り3秒でリングに吸い込まれ、逆転。その後タイムアウトを取った早大は、大塚主将が最後の望みをかけてドライブをしかけるが、ターンオーバー。64-65と惜しくも1点差で敗れる結果となった。

 この試合、サイズで勝る明大に対してリバウンドでは健闘したが、フリースローが相手の15本中10本成功に対し、早大は22本中成功はわずか12本に終わった。リーグ戦で早大はここまでの合計も60パーセントと高くなく、改善が必要な点といえるだろう。来週の筑波大戦でリーグ戦は1周目を終え、折り返しとなる。ここ数年勝利がなく、苦手とする相手だが前半戦を勝ち越して終えるためにも負けられない戦いだ。

(記事 浜雄介、写真 穂積麻衣)


第88回関東大学リーグ戦

早大

64

19-15
10-16
18-12
17-22



65

明大
【スターティングファイブ】
G 大塚 勇人(スポ4=福岡大大濠)
G 玉井 勇気(スポ3=福岡第一)
F 河上 宗平(人3=京都・洛南)
F 木村 晃大(スポ2=京都・洛南)
C 二宮 弘憲(スポ3=福岡大大濠)

◆コメント

G大塚勇人主将(スポ4=福岡大大濠)
―― きょうの試合を振り返って
相手のペースでやってしまったというのがいけなかったのかなと思います。
――高さがある明大への対策はありましたか
対策とかは特になくて、一人ひとりがちゃんと守ってリバウンドを意識したんですけど、前半でセンター陣のファウルが混んでしまったのが、後半に響いたかなと思います。あとは基本的なボールマンプレッシャーが僕自身できてなかったというのがダメでしたね。
――フリースローの成功率も普段より低かったかと思いますが
第4クォーターの勝負どころでフリースロー入らなくて勝てる試合を落としてという典型的なワセダの良くないところが出てしまったのかなと思いますね。
――今週末1勝1敗でしたが振り返って
日大は相手が挑んでくるって感じだったので第3Qで(点差を)離せたところは良かったんですけど、前半受けてしまったのはダメだったところです。明大はディフェンスを今頑張ってるということで、自分たちも頑張らないといけなかったところで耐えられなかったです。あと走り合いでペースを上げることができなかったのが敗因であるかなと思います。
――ケガから復帰した二宮選手はいかがですか
今までなかった、木村晃大(スポ2=京都・洛南)や(山本)純平(スポ1=福岡第一)にはない力強さがあってよくなってると思います。それはあいつの持ち味でもあるのでやり続けてくれればいいと思います。リバウンドの面ではあいつだけではなくセンター陣が活躍してくれないときついかなと。ただセンターだけじゃなく僕たちも頑張らないといけないですし。
――次戦はなかなか勝てていない筑波大との対戦ですが
悪い流れが続いてるので思いきりやるというのを心がけて、あとは一つ一つ自分たちのやることをやれば筑波大でも負けることはないと思います。その次の大東大もあんまり相性が良くなくて、昨年からずっと負けてるので…。あとは倉石監督(平、昭54教卒=東京・早実)に言われたことを徹底してしっかりやっていけば大丈夫だと思います。

F河上宗平(人3=京都・洛南)
――惜しくも負けてしまいましたね
今週は2連勝したかったんですけど、負けたものはしょうがないし取り戻せないので。来週はまたチャレンジマッチが続くので頑張ります。
――気持ちはすぐに切り替えられそうですか
もちろん負けたのはショックだし、しかも負け方が最後自分たちのミスで負けたので悔やまれるんですけど、切り替えてやっていきます。
――点差がなかなか離れなかった原因は何でしょうか
離せるところでこちらがイージーシュートを落としてしまって、最後も(木村)晃大(スポ2=京都・洛南)が落としたりと目立ちました。実際は第1、2Qでも離せるところで絶対にシュートを決めなければいけない場面があったし、ディフェンスで粘っているのにせっかくのイージーシュートを落とす場面が本当に多くて、それできょうみたいなことになってしまったと思います。
――次は筑波大、大東大と苦手とする相手との試合が続きますが
どちらも相性が悪くて、筑波大に関しては僕が入学してから一度も勝ったことがないので、チャレンジという意味では楽しみです。

C二宮弘憲(スポ3=福岡大大濠)
――1点差での敗戦となりました
自分たちが後手に回ってしまったという感じですね。相手にたいして少なからずナメていたところがありました。誰かの責任というわけではなくて、僕も含めて全員の責任だったと思います。これを真摯(しんし)に受け止めて、次に生かさなければいけないと思います。
――得意の速攻がなかなか出ずに苦しんだのではないでしょうか
相手が意外とそこをケアしてきていて、注意してきたのかなと思います。(速攻が)出ないから重くなって、攻められなかったというのが多かったので、もっと自分たちのペースの時間が長ければ勝てたかなと思うところもあります。
――マッチアップが明大・皆川徹選手だったことについてはいかがですか
2メートル近い選手で、それなりに成績も残している選手でうまい部類の選手なので僕も気を抜かずにやっていかなければなと思ったのですが、やはり高さはどうにもできませんでしたね。
――来週は筑波大、大東大と対戦しますが
筑波に関してはディフェンスで我慢して、隙あらば速攻を出すというかたちでやっていかないと、どんどん相手のペースで進められて勝てないと思うので気をつけたいです。両チームに関して気をつけなければならないのはリバウンドですね。そこは頑張っていきたいです。
――筑波大は入学以来勝利したことがない相手ですが
そうですね、練習試合でも勝ったことがないのでなんとかここで前半戦を折り返す前に1勝して、5勝は確実にしたいです。