関東大学リーグ戦(リーグ戦)最終週1日目、前節、全敗中最下位の日大にまさかの敗北を喫し、貴重な勝ち星を取りこぼした早大。また、前節の東海大戦でこれまでチームを引っ張り続けてきたG大塚勇人主将(スポ4=福岡大大濠)が負傷し、チーム状況はよくない。きょう勝てば入れ替え戦回避となる一戦は、順位を争っている明大との直接対決になった。劣勢に立たされながらも食らいついてきた早大だったが、得意の速い展開に持ち込めず59-66で敗戦。最終戦を前に自力での入れ替え戦回避の可能性が消滅した。
前半第1クォーター(Q)、明大ボールで始まると先制を許す。大塚主将に代わってスタートとして出場したG池田慶次郎(社1=東京・京北)だったが、早くも2つのファウルでベンチに下がる。外角のシュートを中心にリズムよく攻める明大に対して重苦しいスタートの早大。しかし、この状況を打開したのがエースのF河上宗平(スポ3=京都・洛南)だ。相手ゴールへの鋭いドライブやミドルシュートで応戦する。終了間際にはスリーを沈めるなど、このQだけで14得点の活躍を見せ、20-19の1点リードで終えた。第2Qに入り、再び明大ペースで試合が進む。前節から出場時間が伸びてきたG木澤義椰(人1=京都・洛南)の冷静なゲームメイクのもと徐々に落ち着きを取り戻した早大は、ファウルトラブルに見舞われるものの、ミドルシュートで得点しリードを広げる。最後にはF木村晃大(スポ2=京都・洛南)がスリーを決め、36-27の9点リードで前半を折り返した。
第3Q、大塚主将がケガを押してコートに立つ。ここで一気に点差を広げたかったが、またしても入りに失敗する。明大に連続で得点を許し、リードはわずか1点に。今ひとつ流れを掴めない早大は、単調なオフェンスながらもなんとか相手に主導権を譲らず4点リードで最終Qへ。この試合一番の敗因は各Qの入りだろう。最終Q、8分間でわずか2点と完全に沈黙したその間についに逆転を許す。河上と木村が5ファウルで退場した早大に再び逆転するだけの力は残ってなかった。最後はファウルゲームに持っていくが確実にフリースローを決められ59-66でタイムアップ。入れ替え戦回避をかけた試合はまたしても明大に苦汁をなめる結果になった。
「自分たちのバスケットに持ち込めなかったのが敗因」(C二宮弘憲、スポ3=福岡大大濠)というように早大らしい速攻が飛び出すことはなかった。これまでチームを引っ張り続け、速攻でも先頭を走り味方の得点を演出し続けてきた大塚主将の影響力はそれほどまでに大きかった。さらに、今試合でのG玉井勇気(スポ3=福岡第一)の負傷も早大にとって不安材料が増えるかたちとなった。2ヶ月に及んだリーグ戦もいよいよ次戦で最終戦を迎える。今季最初で最後のホームゲームの相手は筑波大だ。これまでなかなか勝ててない相手だけに厳しい展開が予想されるが、なんとか気持ちを切り替えてもらいたい。きょうの敗戦の結果、入れ替え戦回避のためには明大が負けて早大が勝たなければならなくなった。とても厳しい状況だが、いいかたちでリーグ戦を終えるためにも下を向いている時間はない。
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◆コメント
G大塚勇人主将(スポ4=福岡大大濠)
――痛い1敗でしたね
入れ替え戦(回避が)かかってて、一番大事な試合だったので、もったいなかったというか…最悪の結果でしたね。
――大塚選手自身は後半からのプレーでしたが
前半の途中からボールが回ってたんですけど、後半僕が出たことによって逆に止まってしまって。みんなが落ち着いてしまった、人任せになり始めたっていうのがいけなかったかと。
――第4Qもオフェンスがうまく機能してなかったように見えましたが
僕自身がいつもの調子ではなかったので、いつもみたいなプレーができなかったので、逆に重くなってしまって…。みんな焦ってしまったというか、みんなこういう試合を経験したことがなかったというのと、上級生がメンタルが弱かったです。
――ベンチから見て同じポジションの1年生はいかがですか
1年生なのである程度はしょうがないと思ってたので、上級生の3年生あたりに期待してたんですけど、やっぱり3年生だとまだ重要性とかもわからない部分があるので、4年生がいなきゃ…、全体的にチームにかわいそうなことをしたなと思います、
――次はリーグ最終戦ですが、チームとしての終わり方は
他力本願にはなりますけど、明大が負けて早大が勝てればまだ入れ替え戦わからないので。明大が勝ったとしても逆に入れ替え戦に向けてここから切り替えていかないと、2部から上がってくるチームって勢いがあるので。僕たちも2年生のころ経験してわかってるので、そういう部分も伝えていかなければいけないです。本当に切り替えることが大切かなと思います。
C二宮弘憲(スポ3=福岡大大濠)
――きょうの試合を振り返って悪かったところは
やっぱりリバウンドですね。相手も身長が大きいのでそれに対抗しきれなかったというのは一番大きかったです。あとは自分たちのバスケットができなかったというのもあります。相手はすごくローペースなのに対し、うちはハイペースでやることが調子を上げる唯一の方法なので、それをしっかりできずにすべて相手のペースでやられてしまったというのが敗因だと思います。
――大塚選手も途中から出ていましたが、まだ本調子ではなかったですね
そうですね。かなり無理してると思うので。
――入れ替え戦へ行く可能性も出てきましたが
どうなるかわからないんですけど、とりあえずあしたは勝ちにいかなくてはならないので。負ければ入れ替え戦が決まってしまうので、あしたは勝ちにいくだけです。それ以外は考えられないですね。
F木村晃大(スポ2=京都・洛南)
――また明大相手に悔しい結果となりましたね
勝てた試合だと思うので、もったいないことをしたなというのがありますね。
――前半は勝負どころでシュートを決めるなど調子は良かったのでは
流れ的にF河上さん(宗平、スポ3=京都・洛南)やG大塚さん(勇人主将、スポ4=福岡大大濠)が出れなくなった時には自分がもっと頑張らないとなって普段から思っていて、きょうの試合ではそれができていたのだと思います。
――大塚選手がいない時間帯に1年生の2人がよく頑張ってくれていたのでは
本当に頑張っていました。(きょうの試合では)勢いの部分では1年生に頼ることになっていたんですけど、詰めの部分でもうちょっと自分たち上級生が頑張らないといけなかったのは反省するべきところだと思います。
――ファウルトラブルに苦しむ結果となりましたが
ファウルはもうちょっとうまく考えて使うべきでした。そこがうまくいかなくて残念だったのでそこも反省ですね。
――いよいよ入れ替え戦のことも考えないといけなくなってきましたがどうでしょうか
入れ替え戦になったにしろ(入れ替え戦)回避になったにしろ自分たちがどういうプレーをするかが大事だと思うので、今はチームに勢いがなくてよくないですけどリーグ戦の終わり方が大事になってくると思います。
――あすは今季リーグ戦最後となりますが意気込みをお願いします
今まで筑波大には勝ててないですし、あしたはどんな内容でもいいので何がなんでも勝つことを考えてプレーしたいです。
G池田慶次郎(社1=東京・京北)
――きょうの試合を振り返って
後半に入ってから自分たちのペースでバスケットができず、4Q始まってから全然得点が取れなくて。倉石さん(平総監督、昭54教卒=東京・早実)には、プレッシャーに弱いと言われましたが、やっぱり、一人一人の気持ちがリングに向いていなくて、そういったところで相手にやられてしまったのかなと思います。
――きょうはG大塚勇人(スポ4=福岡大大濠)選手が負傷という中での試合でしたが
今週の練習から準備はしてたんですけど、大塚さんが3Q出て、ちょっと大塚さんに頼ってしまった、安心してしまった、というような弱い気持ちがちょっとでもあったというのが敗因だったと思います。
――きょうの試合の結果で、入れ替え戦も視野に入ってきたと思いますが
そうなってしまった以上仕方ないので、とりあえずあしたの試合、いい流れで終えて。まだ決まってはないですけど、入れ替え戦がもし決まってしまったら、相手の勢いにのまれないように、自分たちがチャレンジャーの気持ちで向かっていけば、勝てる相手だと思うので。まずあしたの試合をいいかたちで終えたいです。
G木澤義椰(人1=京都・洛南)
――敗戦を受けていかがですか
勝つことしか考えていなかったのでショックです。第4Q、ノーマークのシュートをみんな置きにいってしまいました。8分間で2点しか取れないというのは…。とにかくシュートが入らなかったことが負けにつながったと思います。ロースコアになると明治の方が有利なので、僕らのペースで点の取り合いになれば良かったのですが、ずっと向こうのペースだったのが敗因です。
――他に反省点は
スクリーンの声が出ていなかったです。オフェンスも重たくてパスが全然回っていませんでしたし、1人がボールを持ってドリブル付いて1対1、というのばかりで流れが悪かったですね。PGとして自分がもっとパス回しを速くしていれば得点につながったと思います。
――先週に続きかなりプレータイムがありましたが、自分のプレーについては
ディフェンスは前半、安藤さん(誓哉=明大)を結構抑えられたと思うんですけど、後半はやられてしまって集中力に欠けました。あと、前半は速攻が一本しか出なかったのでそれはPGとしては物足りませんし、ワセダのバスケは速いバスケなのでもっと展開を速くしなければいけませんでした。反省です。
――2部との入れ替え戦回避のためにはあすの勝利が絶対条件となりました
勝つしかないので、(チームの雰囲気は)重たくなってはいますけど、みんな切り替えてくると思いますし、自分もしっかり切り替えて絶対に筑波に勝ちたいです。
――筑波大戦に向けて対策などは
対策というより気持ちの問題だと思うので、倉石さん(平総監督、昭54教卒=東京・早実)もおっしゃっていたんですが、受け身にならず向かっていく気持ちを持って、気持ちをどれだけ高めていけるかだと思います。