優勝を目指して挑む今大会、準々決勝までコマを進めた早大は日大と対戦した。きょう勝利を収め、きょねん敗れた東海大に再び挑みたいところだったが、課題となっている立ち上がりで波に乗ることができなかった。接戦に持ち込んだものの、最後は攻め手を欠き、徐々に点差が開いて無念の敗戦。4強入りを果たすことも、東海大にリベンジマッチを挑むこともできず、5―8位決定戦に回ることになった。
速攻を沈める河合
この日も立ち上がりで相手を圧倒することはできなかった。日大に速攻を許すと、リバウンドを取ることができず、セカンドショットから得点を重ねられてしまう。一時は10点のビハインドを背負うことになってしまったが、第1クオーター(Q)終盤にディフェンスが機能するようになると、SF新川敬大(スポ1=東京・京北)が連続でスリーポイントシュートを沈め、21-24と追い上げて第2Qを迎える。そこからは競った展開になる。G河合祥樹(スポ2=京都・洛南)、SF澁田貴大(スポ2=東京・京北)が速攻に走り、日大に食らいつくが、第2Q残り1分余りでC宮脇隼人(スポ2=京都・洛南)がこの試合4つ目のファウルを吹かれる。残り30秒を切ってSF伊藤諄哉(人2=京都・洛南)がきれいなアーチのスリーポイントシュートを決めて同点に追いつくも、日大もショットクロックぎりぎりで放ったスリーポイントシュートが決まり40-43と3点ビハインドで前半を終えた。
ファウルトラブルの宮脇がベンチの早大は、センター抜きで試合を進めることになった。後半の立ち上がりは、伊藤が2連続でシュートを沈め逆転に成功。その後徐々に離されるが、第3Q終盤、G石原卓(社1=東京・京北)がスティールから速攻を沈めると、最後はスリーポイントのブザービーター。62-63と日大に詰め寄ることに成功した。迎えた最終Q、早い段階で逆転し、突き放したいところだったが、次第にシュートが入らなくなる。4ファウルの宮脇がゴール下で粘りを見せ、キャプテン河合も意地を見せるが及ばず、77-85でベスト4入りはならなかった。
自らもゴールを狙う石原
優勝という目標を果たすことはできなかったが、選手たちはすでに気持ちを切り替え、次の試合を見据えている。残りは2試合。課題となってくるのは、立ち上がりとリバウンドだろう。そしてディフェンスから速攻という早大らしいプレーを存分に発揮することができれば、2連勝も見えてくる。シーズン前半戦、最後の公式戦として、秋の関東大学リーグ戦にも繋がるようなプレーで勝利を目指す。
(記事 加藤恵、写真 東哲也)
第54回関東大学新人戦6月20日(vs日大) | |||||
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1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 |
21 | 19 | 22 | 15 | 77 |
日大 | 24 | 19 | 20 | 22 | 85 | ◇早大スターティングメンバー◇ |
G#11 河合祥樹(スポ2=京都・洛南) G#7 石原卓(社1=東京・京北) SF#8 新川敬大(スポ1=東京・京北) SF#36 澁田貴大(スポ2=東京・京北) C#38 宮脇隼人(スポ2=京都・洛南) |
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◇主なスコアリーダー◇ | |||||
得点 河合祥樹:28得点 リバウンド 河合祥樹:7リバウンド アシスト 石原卓:6アシスト |
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コメント
G河合祥樹(スポ2=京都・洛南)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
試合前のミーティングからディフェンスっていうところを言われていて、きのうの練習でもあまりチームのディフェンスができていなくて、結局最後はディフェンスできなくてリバウンド取れなくてっていうところで相手との差が出たと思います。
――きょうは競った展開になりましたが、勝ち切れなかった要因は
やっぱり相手の方が攻撃してリバウンドまでしっかり来ていて、僕らの方が後手になってリバウンドを相手に多く取られたというのが負けた原因だと思います。
――きょうは相手の24番(高橋耕陽、日大)に多くの得点を許してしまいましたが
ある程度得点を取られることはわかっていたんですけど、でももっと抑えられるところはあって、相手がシュートを落とした時のセカンドチャンスをその選手に取られてやられてしまったので、もっとできるところがあったと思うと悔いが残るところではあります。
――準決勝で東海大に昨年のリベンジを果たすという目標は叶いませんでしたが、この結果をどう捉えていますか
東海大にリベンジするという目標だったんですけど、それがいまできなくなって、悔しいというよりも次の5-8位決定戦でどうやって戦っていくか。いまだめだったところをどうやって修正していくかというそっちの方の意識が強いというか、負けたことよりも次どうしていくかというところが大事だと思います。
――いまチームに足りないものは
声出すところとか、ディフェンスでもオフェンスでも大事な場面で自分が自分がという個人プレーに走ってしまって、ディフェンスでもカバーできるところをカバーしなかったり、チームのルールを守れていない状況が上手くいってないところかなと思います。
――キャプテンとしてどうやって引っ張っていきたいですか
一つは声を掛けてちゃんと怒るところは怒って、でもしっかり持ち上げて、1年生も多いので声を掛けてあげて、ミスした部分は僕たち2年生がカバーしていきたいです。
――あしたに向けて抱負をお願いします
あしたの対戦相手はどこかわからないですけど、とにかく自分たちのバスケが新人戦入って一回もできてないので、1、2年生の中でもワセダのルールを守ってワセダらしくプレーをして、勝ち負けにはこだわらず自分たちのプレーをしてそれで出てきた結果を受け止めたいと思います。
SF伊藤諄哉(人2=京都・洛南)
――きょうの試合を振りかえっていかがですか
点差が縮まってきたところで、攻めきれず、あと一歩頑張りが足りなくて負けてしまい、悔しいです。
――対戦した日大の印象は
試合とかに結構いて、身長が高いというイメージなのですが、その相手の特徴をちゃんと捉えきれずに試合を終えてしまったという感じでした。
――互角の戦いを繰り広げていたなかで、負けてしまった要因はなんだと思いますか
リバウンドですね。
――リバウンドという反省点に関して、次の試合でどのように意識していきますか
早大バスケ部は、小さいチームであり、それがいつも課題となるところではあるのですが、上で争うのではなく、ルーズボールで奪えるようにしていけたら弱点も補えるのではないかな、と思います。
――試合後半にかけて、自身のシュートが安定していて、チームに良い流れをもたらしていましたが、何か意識していたことはありますか
トーナメントが始まったくらいから、ずっとシュートの調子が悪くて、プレーに自信がなかったのですがきのう先輩方がアドバイスを下さったのでそれをもとに挑みました。また、日大に同じ洛南高校出身の選手がいて、高校時代にシュート練習をしていたこともあったのですが、きょうの試合でたくさんきめていて、自分も負けてられないと思いプレーしました。ちょっと自信がなかった部分ではあったのですが、周りからの影響もあってきょうはうまくいきました。
――次戦は5―8位決定戦へと回ることになりましたが、意気込みのほうをお願いします
一戦一戦集中して頑張っていきたいと思います。
G石原卓(社1=東京・京北)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
ずっと課題になっている出だしがきょうも悪くて、前半ずっと相手の流れでワセダの流れが一回も来なかったところが一番の敗因かなと思っています。
――準々決勝でしたが、どのような気持ちでこの試合に臨みましたか
この試合に勝てばベスト4で東海大とあたれると思っていて、僕自身まだ東海と一回もやったことがないので、強いところとやってみたいなというのがもあり、すごく気合いは入っていましたが、負けちゃいましたね。
――ワセダのディフェンスに関してはいかがでしたか
最初僕は抜かれてもついていかなかったり、少しサボっていたところがあってしまって、前半試合にあんまり出れていませんでしたが、後半倉石さん(平監督、昭54教卒=東京・早実)に言われ始めて、そこ意識しました。やっぱり試合に出ないとおもしろくないですし、出たいので、そこはしっかりしました。チームとしては、ゾーンとマンツーマンの切り替えの時にチームとして意思を統一できていなかったというのがあり、バラバラな感じになったかなと思います。
――うまくローテーションできていた時間帯もあったと思いますが
うまくできていた時間帯もありましたが、きょうは自分たちの流れの時間が短くて、相手の流れで走られてばっかりでした。1試合でどれだけ自分たちの流れでバスケができるかというのが大きいと思います。
――きょうは宮脇さんがファウルトラブルの中、センターがいない時間帯もありましたが
その時はみんながディフェンスから頑張れて、走れていたので、流れも良くいい感じでできたかなと思います。
――1Q苦戦したリバウンドもその後は修正できましたね
倉石さんがみんなにリバウンドを取られすぎと言われたので、後半は打たれたら全員でボックスして全員で取りにいこうとしていました。
――最後まで競った展開になりましたが、勝ちきれなかった原因は何でしょう
オフェンスで、多分みんな河合さんがどうにかしてくれると思っていて、河合さんがボールを持ったら全員が止まっているという場面が多くあったと思います。相手もエースは河合さんだと思っていると思いますし、河合さんを強くマークすると思うので、そこでみんなが動いて点を取りにいけたら良かったと思います。
――あと2試合残っていますが、それに向けてお願いします
今からみんなで学校に帰ってきょうの試合のDVDを見るんですけど、やっている中じゃ気づかなかったところもあると思うので、悪かったところをしっかり反省して、切り替えてあしたあさってワセダのバスケットをしたいと思います。