ついに迎えた全日本大学選手権(インカレ)。悪夢のような入れ替え戦から3週間弱が経過し、今季の残された挽回の舞台もインカレのみとなった。チームの目標であるベスト8を突破するためにも絶対に落とせない初戦の相手は、中国地区2位の倉敷芸術科学大。F木村晃大(スポ3=京都・洛南)をケガで欠く中で戦わなくてはならない厳しい状況だが、ベンチメンバーを含めチーム全員で戦い、102-49と快勝。次戦に大きな弾みをつけた。
積極的なプレーを見せた鈴木
初戦の重圧か、気合いの空回りか。きょうも『入りの悪い』早大が見られた。しかし開始1分半にF河上宗平主将(人4=京都・洛南)がバスケットカウントを決めると、徐々に早大がリズムをつかむ。今季のテーマともなっていたディフェンスではローテーションがうまくいき、スティールから速攻が生まれる。G池田慶次郎(社2=東京・京北)やG木澤義椰(人2=京都・洛南)などを中心に第1クォーター(Q)だけで5本の速攻が決まり、『ディフェンスからブレイク』という、まさに早大らしいプレーが見られた。リズムに乗った早大は、次々とシュートが決まり、31-10と大量得点をつけて最初のピリオドを終えた。迎えた第2Qではベンチメンバーが躍動。G武津祐太郎(文構3=大分舞鶴)が3本のスリーポイントシュートを沈めると、F小林裕太郎(スポ3=新潟商)は交代してすぐにシュートを決め、チームを鼓舞。最後はF鈴木貴大(スポ4=京都・洛南)がブザービーター。55-19と相手を寄せ付けないまま、ハーフタイムを迎える。
後半に入ると、立て続けに相手シュートが決まり、ディフェンスにキレがなくなる。しかし、そんな中でも、C宮脇隼人(スポ1=京都・洛南)のゴール下でのパワープレーや、G澁田貴大(スポ1=東京・京北)の速攻などで得点を重ねる。要所ではF平野哲朗(人3=京都・洛南)がカットインやリバウンドショットなどで気迫あふれるプレーを見せた。80-35で迎えた最終Qは、C二宮弘憲(スポ4=福岡大大濠)がゴール下で仕事をするも、ディフェンスが回らなくなり、開始4分でタイムアウトを要求し立て直しを図る。すると直後、G國枝健太(社2=東京・早大学院)がミドルシュート、スリーポイントシュートを続けて沈め、チームを盛り上げた。終盤も再び早大らしいプレーを見せて、102-49と快勝で初戦を締めくくった。
3本のスリーポイントシュートを決めた武津
試合後の選手たちには久しぶりに笑顔があった。今季公式戦初の100点ゲーム、かつダブルスコアでの勝利。関東大学リーグ戦(リーグ戦)で苦しんだ早大にとって久々の快勝に、どことなく安堵の表情も見られた。ケガの木村を除いて全員出場、多くの選手が活躍したことでチームに勢いをつけられたのは確かだろう。あしたはベスト8を懸けて拓大と対戦する。リーグ戦では2戦2敗の相手だが、全員バスケで勝ちきり、ベスト8そして正月に行われる全日本選手権の切符をつかみとる。
(記事 加藤恵、写真 岩本剛志)
結果
○早大102―49倉敷芸術科学大
第65回全日本大学選手権11月28日(vs倉敷芸術科学大) | |||||
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1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 |
31 | 24 | 25 | 22 | 102 |
倉敷芸術科学大 | 10 | 9 | 16 | 14 | 49 |
◇早大スターティングメンバー◇ | |||||
G#34 池田慶次郎(社2=東京・京北) G#11 河合祥樹(スポ1=京都・洛南) F#21 河上宗平主将(人4=京都・洛南) F#16 山本純平(スポ2=福岡第一) C#38 宮脇隼人(スポ1=京都・洛南) |
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◇主なスコアリーダー◇ | |||||
得点 武津祐太郎、平野哲朗:15得点 リバウンド 二宮弘憲:9リバウンド アシスト 宮脇隼人:5アシスト |
コメント
F鈴木貴大(スポ4=京都・洛南)
――きょうの試合の感想をお願いします
もうちょっと出来たなというのが、反省として出てきますね。久しぶりの出場だったので、いい意味の緊張感を持って出来たと思います。
――トーナメント戦の初戦の入り方としてはいかがでしたか
もう少しディフェンスとか出来るところもあったと思いますが、勝ちは勝ちなので勢い付いたのかなとは思います。
――あしたに向けて一言お願いします
あした勝てばベスト4とかも狙えると思うので、チーム全員まとまって勝利をつかめるように、僕自身も自分にできる事を考えて頑張りたいです。
G武津祐太郎(文構3=大分舞鶴)
――インカレ初戦ということでしたが、どのような気持ちで試合に臨みましたか
あした拓大ですし、大会の初戦はしっかり入らないといけないと思ったので、個人としてもチームとしても気合いが入っていたと思います。
――チームの雰囲気はいかがですか
キャリーさん(F河上宗平主将、人4=京都・洛南)のケガも治ってきていますし、すごくいいと思います。
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
久しぶりにたくさん試合に出させてもらって嬉しかったですけど、疲れましたね(笑)。
――チームとして久しぶりの快勝でしたね
そうですね。久しぶりで変な感じですね。
――速攻も出ていましたね
速攻が出たらやっぱり強いので、速攻をもっと出さないといけないなと思います。
――ディフェンスのローテーションも良かったと思いますが
でも途中締りがなかったと思うので、ちゃんと試合を通してやらないといけないと思いました。
――締りがなかった原因はなんでしょうか
点差が開いてだれてしまったのと、相手に合わせてしまいましたね。
――ご自身も第2Qに3本のスリーポイントシュートを決めました
もう最高です。最近は調子いいなとは思っていましたが、まさかあんなに入るとは思っていなかったです。調子乗りましたね。
――あしたに向けて一言お願いします
試合に出る出ないには関わらず、やっぱりチームとして勝ちたいので、できることを一生懸命頑張りたいです。
F小林裕太郎(スポ3=新潟商)
――インカレ初戦ということでしたが、どのような気持ちで試合に臨みましたか
相手が相手ですし全員出るだろうなと思って、しっかり準備はしていました。
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
倉石さん(平監督、昭54教卒=東京・早実)にも言われましたが、入りが悪かったのと、要所要所でディフェンスが悪かった時間があったのでそこが反省でした。
――試合に出るときにはどのようなことを心がけていましたか
オフェンスはいいタイミングでパスがきたらシュートを打つだけなので、とりあえずディフェンスのことばかりを考えていました。
――そのディフェンスはいかがでしたか
まだまだですね。
――オフェンスでは交代して立て続けにシュートを決めましたね
あれは、リングを見たら誰もいなかったので、ごちそうさまですって感じでした。
――あした勝つためのポイントはどのようなことでしょうか
ディフェンスに尽きると思います。いいディフェンスをすれば速攻が出ますし、それが自分たちの流れなので。いいディフェンスをして、いい速攻を出せる時間帯が増えれば増えるほど勝機が増えると思うので、そこをチーム全体として意識してやっていきたいです。
――あしたに向けて一言お願いします
勝ちます!
G國枝健太(社2=東京・早大学院)
――きょうの試合の感想をお願いします
自分はAチームに上がってから初出場だったので、だいぶ緊張していましたね。
――そんな中思い切りのいいプレーを見せてくれたと思のですが
ガードの武津さん(祐太郎、文構3=大分舞鶴)とかが、どんどんシュート打って行っていいよと言ってくれたので、それで気持ちよく出来たと思います。
――國枝選手がシュートを決めるとベンチも盛り上がっていました
そうですね。なかなか試合に出ることがないので。でも、それでチームの雰囲気が盛り上がったので、よかったです。
――トーナメント戦の初戦の入り方としてはいかがでしたか
きょうは序盤を特に大切にしようということだったので、ディフェンスで少しやられてしまった部分もあったんですけど、その後に立て直すことが出来たのでそこは良かったと思います。
――あしたに向けて一言お願いします
あしたはとても大切な一戦だと思うので、ベンチからもしっかりと声を出して行きたいと思います。
F澁田貴大(スポ1=東京・京北)
――きょうの試合の感想をお願いします
リーグ戦の時もケガしていて、公式戦で長時間プレーするのが久々だったので、ちょっと緊張しました。試合感覚もあまりなかったので、自分が何をやればいいかあまりわからない中で、最初は何も出来ませんでした。でも、身体があったまってきてからは、倉石さん(平監督、昭54教卒=東京・早実)の指示にもあったんですけど、ポストでつないで周りがカットインして行くプレーが上手く出来たと思います。
――チームとして初戦の入り方としてはいかがでしたか
今回は相手も格下だったので、オフェンスよりもディフェンスに力を入れていたんですけど、ミーティングで倉石さんにもっと徹底できると言われました。でも、雰囲気はいいと思います。
――後半は相手に付き合ってしまった印象を受けたのですが
後半になるにつれてディフェンスでのプレッシャーだとか戻りだとかがちょっと甘くなってしまって、それで相手にやられてしまった部分はあると思います。
――あしたに向けて一言お願いします
あしたはおそらく拓大ということで、リーグ戦でも2敗していて今大会のヤマ場だと思うので、チーム一丸となってワセダらしいバスケをやろうと思います。僕は試合に出るかは分かりませんが、ベンチにいるメンバーと盛り上げて行けたらなと思います。