【連載】『TIP OFF』第3回 C二宮弘憲×C宮脇隼人

男子バスケットボール

 国士舘大との入れ替え戦に敗れ、関東大学リーグ戦(リーグ戦)ではまさかの2部落ちという結果に終わったワセダ。屈辱を噛み締め、全日本大学選手権(インカレ)での復活を目指す。第3回はゴール下の力持ちであるセンター陣の、二宮弘憲(スポ4=福岡大大濠)と宮脇隼人(スポ1=京都・洛南)に今シーズンの振り返りとインカレへの意気込みを語っていただいた。

※この取材は11月13日に行われたものです。

困難を乗り越えて

学年の違いを感じさせない2人

――今回のリーグ戦には、どのような気持ちで臨まれましたか

二宮 最後の年なので、いい結果が残せるようにと思いました。リーグの初めの方は、そういう気持ちでやっていました。

宮脇 初めてのリーグだったのですが、一つでも上の順位で終われるようにという気持ちで臨みました。

――リーグ戦で印象に残っている試合やシーンはありますか

二宮 あまりないです。ずっと負けていたので…リーグ戦は負けたという印象がすごく強かった。これという試合は特にないです。

宮脇 僕も負けばかり続くので、印象に残る試合はあんまりなくて。とりあえず苦しいリーグだったな、と思います。

――リーグ戦は苦しい結果に終わりましたが、どのように受け止めていらっしゃいますか

二宮 4年生として、後輩には申し訳ないなという気持ちでいっぱいでした。何もできなかったです。ある意味吹っ切りやすいのかなとも思いましたけれど。もう、めちゃくちゃにやられました。

宮脇 僕も負けが続いて、実力不足なのかなと感じました。

――結果は残念なものに終わってしまいましたが、リーグ戦を通して成長できたところ、困難を乗り越えて得られたものはありましたか

二宮 とりあえず、今回のリーグでチームがどういうレベルなのかがはっきりして。インカレに向けて何を改善しなければならないかが、はっきり見えたシーズンだったのかなと思います。

宮脇 そうですね、同じです。だめなところがはっきりわかって、そこを直さないとなって感じです。

――国士舘大との入れ替え戦について、振り返ってみてどう思われますか

二宮 これはもう、うちの力不足でしたね。1試合目勝ったのはたまたまだったみたいな、残り2戦を見るとそんな感じがしますね。国士舘大相手に点は取られるわ、守れないわ、でも自分たちは点を取れないわ、で最後の最後にケガ人が出るわ。なんかもうリーグの集大成がそこに出たのかなと思いました。

宮脇 1戦目2戦目と出番が無くて、3試合目に出させてもらったんですけど、何もできなくて、チームにマイナスになっているんじゃないかというくらいのプレーをしてしまい、本当に悔しい思いをしました。

――宮脇選手に質問なのですが、春にお話をうかがったときは拓大の(ジョフ・チェイカ・アハマド)バンバ選手、青学大の永吉(佑也)選手などリーグ屈指の選手とも対戦してみたいとおっしゃっていました。実際に戦ってみてどのような感想をお持ちになりましたか

宮脇 やっぱり体も強いですし、自分とは比べ物にならないくらい技術もあって。まあ、ボコボコにやられましたね。

――でも、これからは倒せる、と思いますか

宮脇 いやー、どうですかね(笑)。

二宮 頑張れ。

宮脇 頑張るしかないですけど。とりあえず来年2部で勝って、また1部でバンバとかと戦えるように、これから一年練習して、ちょっとでも上手くなって、1部に帰れるように頑張っていきたいです。

ゴール下の力持ち

ゴール下で身体を張る二宮

――オフの日はどんなことをしていますか

二宮 お前何してる?なんかお前いろんな所行ってるじゃん。

宮脇 オフの日は結構授業とかいっぱい入っているんですけど、オフの前の日とかは友達と映画とかご飯食べに行ったりとかして遊んで、オフの日は授業頑張るという。学校大好きなんで。

二宮 絶対嘘だな(笑)。

宮脇 学校大好きなんですよ。オフの日でも授業が6限とかまであるので、しっかり勉強しに行っています(笑)。

――二宮選手はオフの日どうなさっていますか

二宮 授業行って、帰ってきて、寝ています(笑)。

宮脇 嘘です、ずっと寝ています(笑)。

二宮 ずっとは寝ていない、ちゃんと授業行くもん。

――仲の良い選手などはいらっしゃいますか

宮脇 バスケ部内だと1年生は全員仲良いです。高校からずっと一緒っていうのもあるんですけど。

二宮 仲良いって言ったら、それこそ河上(宗平主将、人4=京都・洛南)とか、鈴木(貴大、スポ4=京都・洛南)とか、オフの日に少し遊びに行ったり、練習後に3人でメシ食いに行ったりとか。まあ佐々部(孝紀学生トレーナー、スポ4=山口・豊浦)とかも一緒に行ったりするし。まあ今それしかいないので(笑)。

――先ほどからお二人も仲が良さそうな様子でいらっしゃいますね

宮脇 全然仲良くないです!

二宮 こいつがただなめくさっているだけなので(笑)。

――宮脇選手が二宮選手のことを「ノリ」と呼ぶのが印象的ですが

宮脇 そうっすね。ニックネームっていうか。

二宮 それはお前がなめてるだけだから(笑)。

宮脇 なめてないですけど(笑)。

――二宮選手は皆さんからそう呼ばれていらっしゃるんですか

二宮 そうですね。僕はもう何とでも呼ばれていいので。気にしないので。

宮脇 あだ名多いですよね。

二宮 他に何があるのかな。

宮脇 「ノリ」とか、ちょっと前まで「ヘルメット」とかっすね。

二宮 あれ失礼だよね。

宮脇 髪型がちょっと、ボンバーっていうか、ヘルメットみたいで。晃大さん(木村、スポ3=京都・洛南)とかが面白いあだ名つけてくれるので。

二宮 あいつのせいでいくつあだ名が増えたことか、俺もわからない。

宮脇 それを許す、心の広い優しいお方です、ノリは。

――バスケを始めたきっかけはあるのですか

宮脇 まあなんとなく友達がいっぱいやっているから、バスケやっとこうかなっていう感じで。

二宮 僕は姉の影響で始めました。姉がやっていたので。

――お二人ともセンターということですが、どうしてセンターというポジションを選んだのですか

二宮 成り行きです(笑)。

一同 身長がでかい(笑)。

宮脇 そういう理由ですね。

――どうして背が伸びたのですか

宮脇 遺伝ですかね。親も大きいので。

二宮 遺伝なの?俺、両親とも小さいけどね。

宮脇 突然変異(笑)。

二宮 突然変異、突然変異。捨て子だった、って言われています(笑)。

――牛乳でしょうか

二宮 ですね、牛乳は毎日飲んでいました。パックで1本は飲んでいました。

宮脇 僕あんまり牛乳は好きじゃないんですよ。

――じゃあ何でしょう、睡眠ですかね

宮脇 そうっすね、睡眠ですね(笑)。睡眠命って感じですね。

二宮 寝る子は育つって言うしね。

――センターとしての役割をどう捉えていらっしゃいますか

宮脇 それはノリが一番分かっています。

二宮 お前何でそんな振るわけ(笑)。何なんだろうなあ。まず汚れ役じゃない?

宮脇 そうですね。とりあえずリバウンドをバンバン取って。

二宮 点数があまり取れなくても。魅せるとかでなくても、泥臭くボールに絡んで、地道なことを一つやるしかないという感じですね。

――同じポジションの先輩後輩ということで、お互いの印象をお聞かせください

宮脇 ゴリゴリ系です(笑)。

一同 (笑)。

宮脇 とりあえずパワーで押し込んで。強いです。本当に強いですよ。

――どのようなところで強いと感じられますか

宮脇 当たりが強いです。強いです。

二宮 らしいです。宮脇は何なんだろうね。驚くことをするんだよね、こいつ。皆が上手くない上手くないと言っているのに、「試合でこんなプレーするの?」ということをする。試合中は特に、器用なのか不器用なのか分からない。不器用だなと思った瞬間に器用なことをする。

結果を信じて

1年生ながらインサイドの柱としてプレーする宮脇

――インカレへ向けて今のチームはどの様な状態ですか

宮脇 入れ替え戦に負けて、一回皆で話し合って、インカレまで練習でも本気で取り組んでいこうということになりました。今は練習の雰囲気は良くなっていると思いますね。

――インカレでの目標は

二宮 最初が岡山のチーム(倉敷芸科大)で、次が拓大です。目標は拓大に勝って、ベスト8に残り、オールジャパン(全日本選手権)に出られるようにすることですね。

――ご自身の目標としては

宮脇 試合に出られるか分からないんです。出たら、チームに貢献できるよう、泥臭くリバウンドを頑張っていきたいと思います。

二宮 同じくです。派手なことは勝負せず、一つ一つ目の前のことをやっていくしかない。それが良い結果に繋がると信じて頑張ります。

――二宮選手はご自身の4年間を「早い」とおっしゃっていましたが

二宮 はい、思います。あっと言う間でした。終わってみれば、ここまで来れば、早いと思いました。高校3年の時もそう思ったんですけど、早いな、と。やっている時は長いんですけど、いざ終わってみるともうインカレか、もう12月かと思います。もう少しで引退だなと感じますね。

――引退を見据えられた今、大学4年間を振り返っていかがでしょうか

二宮 すごい波が多かったと思います。良いときもあったし、悪い時もあった。それがそのまま試合に出られる出られないに繋がっていた。すごく自分を見つめる時間があったと思います。

――4年間で一番印象に残っている試合やシーンは何ですか

二宮 一番印象強いのは、2年のリーグ戦、日大戦かな。確か再々延長くらいで勝ったんですよ。それが一番印象深いかな。うちがブザービーターで決めていって、最後に勝ったという感じでしたね。

――二宮選手にとっては最後の、宮脇選手にとっては最初のインカレとなりますが、今の思いは

二宮 最後のインカレですか。早いですね。1年の時のインカレはベンチに入っていないし。2年の時はベンチに入っていたけれど試合には出ていないし。3年の時は1回戦で負けたし。良い思い出がないんですよ。最後こそは拓大に勝って、オールジャパンに出られるという良い思い出にしたいと思います。

宮脇 4年生と一緒に戦う最後の試合になるかもしれません。そのため、1つでも多く試合できるように頑張っていきたいですし、来年にも繋がるような試合にしていきたいと思いました。

――どうもありがとうございました!

(取材・編集 芦沢仁美、丸山美帆)

「全力」の2文字とそれぞれのニックネームを書いてくれました

◆二宮弘憲(にのみや・ひろのり)#4(※写真右)

193センチ。センター。福岡大大濠高校出身。スポーツ科学部4年。部内ではさまざまなあだ名で呼ばれていらっしゃるという二宮選手。特に木村選手に面白いニックネームをつけられることが多いそうで、「あいつのせいでいくつあだ名が増えたことか、俺もわからない」とポツリ。学年を越えたバスケットボール部の仲の良さを垣間見ることができた一幕でした。

◆宮脇隼人(みやわき・はやと)#38

195センチ。センター。京都・洛南高校出身。スポーツ科学部1年。バスケットボール部の中でも最も身長の高い宮脇選手ですが、意外にも牛乳はあまりお好きではないそう。背が高くなった理由をうかがうと「睡眠命って感じですね」とおっしゃっていました。寝る子は育つ、というのは本当だったんですね!