主将の活躍で勝利。1部残留に王手

男子バスケットボール

 先日行われた関東大学リーグ戦(リーグ戦)を9位で終えた早大は、1部残留を懸けて国士舘大と対戦した。前半で得た11点のリードを第3クォーター(Q)に詰められながらもF河上宗平主将(人4=京都・洛南)の活躍が光り、76−70で手に汗握る接戦をものにする。1部としての意地を見せつけ、残留へと王手をかけた。

けがを感じさせないプレーを見せた河上

 「国士舘大は本当に流れに乗ったときの勢いが強かった」(G河合祥樹、スポ1=京都・洛南)との言葉通り、第1Qの出だしは2部から勝ち上がってきて勢いに乗る国士舘大のプレーに会場の空気を掌握され、一気に6得点を挙げられる。しかし、早大も河上を中心に得点を重ね、18−18で第1Qを終えた。F山本純平(スポ2=福岡第一)のスリーポイントシュートからスタートした第2Q、途中出場のG木澤義椰(人2=京都・洛南)がパスカットから単独速攻を決める。このプレーを皮切りに、ここから早大のパフォーマンスが観客を魅了した。河上がディフェンスを引きつけ、味方にノーマークでシュートを打たせる。G池田慶次郎(社2=東京・京北)が華麗なドリブルでディフェンスをかわし、最後はダブルクラッチでシュートを沈めると会場のボルテージも最高潮に。対する国士舘大には上手く死角へ入り込んでパスを合わせられるプレーで得点を許すも、41−30とこのQで得点差を大きく広げた。

 このまま早大のペースで試合が進むと思われた。しかし第3Q、国士舘大のタフショットが当たり始め、徐々に点差が詰まり始める。開始4分にスリーポイントシュートを沈められてとうとう44−42と2点差まで差を縮められると、会場は一気に国士舘大ムードに。しかし、その後逆転されても早大が雰囲気にのまれることはなかった。落ち着いていたのは、「リーグ戦が終わってからはずっと国士舘大の対策をして」いた(河上)からであろう。残り2分に山本がドライブからシュートを決め再逆転する。54−50で迎えた最終Qでは国士舘大にチェックの上からスコアされつつも、この日目覚ましい活躍を見せていた河上が3本目のブロックショットを決めるなど更なる輝きを見せた。一進一退の攻防が続いた残り3分、66−66の同点から河上が脅威の連続9得点を叩き出す。残り時間が少なくなり焦る国士舘大からファウルをもらった木澤がフリースローを確実に沈め、最終スコア76−70で勝利を手にした。

19得点12リバウンドとダブルダブルの活躍を見せた山本

 「絶対に2部には行きたくない、1部でプレーしたいっていう気持ちのぶつかり合いで結果競った試合になった」(木澤)。入れ替え戦独特の熱気の中で、まず一勝を手にした早大。あす勝利することで1部残留が決定する。1部でプレーすることがチームの最終目標ではないだろう。その先の目標のために、意地でもこの戦いを制してくれることを期待したい。

(記事 宮西祐香子、写真 巌千咲)

結果

○早大76―70国士舘大

第89回関東大学リーグ入れ替え戦11月5日(vs国士舘大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

18 23 13 22 76
国士舘大 18 12 20 20 70
◇早大スターティングメンバー◇
G#34 池田慶次郎(社2=東京・京北)
G#11 河合祥樹(スポ1=京都・洛南)
F#21 河上宗平主将(人4=京都・洛南)
F#15 木村晃大(スポ3=京都・洛南)
F#16 山本純平(スポ2=福岡第一)
◇主なスコアリーダー◇
得点    河上宗平:29得点
リバウンド 山本純平:12リバウンド
アシスト  池田慶次郎:4アシスト
コメント

F河上宗平主将(人4=京都・洛南)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

まず大事な初戦で勝てたのはすごく大きいと思いますし、悪い時間帯もあったんですけどよく我慢して最後にまくれたのは良かったです。

――第3Qに一気に追いつかれる場面がありましたが

正直、僕自身足首をけがしちゃって動けるかなって構えちゃった部分があって、僕が悪くて追いつかれたと思います。4ピリになった時に4点ぐらいリードしていたので、こんな中途半端なプレーするぐらいなら、けがしてもいいから頑張ろうと思ってやってそれが結果になってよかったです。

――リーグ戦を終えてからきょうまでの練習の雰囲気などはいかがでしたか

リーグが終わってからはずっと国士大の対策をしていましたし、相手のキーマンは原(修太、国士舘大)だって分かっていたんですけど、それでもちょっとやられてしまったのは明日に対して修正点ですけど、そこをアジャストできればもっといい結果になると思います。

――河上さんもかなり気持ちが入っていたように感じたのですが

シュートがよく入ったので、そういう風に見える部分もあると思うんですが、きょうに関しては純平(山本、スポ2=福岡第一)とかがリバウンドを頑張っていたし、池田(慶次郎、社2=東京・京北)も河合(祥樹、スポ1=京都・洛南)もディフェンスをよく頑張ってくれていて、僕がシュートに集中できる環境を作ってくれたので、決めなきゃなと思って打っていました。

――あしたへの意気込みをお願いします

きょねんは、第1戦できょうよりもいい勝ち方をしたんですけど第2戦でボロ負けしたという経験があるので、きょう以上に向かって行くことを意識していきたいです。僕らの力が出せれば勝てることは、きょうの試合でわかったので、みんな「あしたはやる」って気持ちなので、しっかり勝って1部残留を決めたいと思います。

G池田慶次郎(社2=東京・京北)

――きょうの試合を振り返ってどうでしょうか

相手に気持ち良くプレーをさせてしまって、点数を多く与えてしまったことと、自分がプレッシャーをかけられなかったのでそこからいいパスを出されてしまって相手のリズムを作ってしまったことが反省点です。ディフェンスに課題の残る試合でした。

――勝因は何だったのでしょうか

課題は残りましたが、チームで練習してきたことが全くできなかったわけじゃなくて。相手に合わせて練習してきたことが少し出せました。それが相手を苦しめることにつながって粘り勝てたので良かったです。

――きょうの試合をどのような気持ちで臨みましたか

あまり気合いを入れすぎても空回りするので、いつもの試合と変わらない気持ちで臨みました。

――国士舘大の印象はどうでしたか

ディフェンスがしっかりしていてオフェンスもパス回しがうまかったです。打つべきところでシュートを打てていてスマートなチームだと思いました。

――あしたの試合へ意気込みをお願いします

きょうの反省を生かしてあしたもチーム一丸となって勝ちたいと思います。

F山本純平(スポ2=福岡第一)

――入れ替え戦の相手は昨年と同じく国士舘大ということでしたが、どのような気持ちで試合に臨みましたか

やっぱり相手はきょねんのリベンジに来ると思うので、勢いづかせないようにしようと思っていました。

――前の試合で中大が負けてしまいましたが、心理的に影響はありましたか

緊張しましたね。

――きょうの試合を振り返っていかがですか

ディフェンスのローテーションが最後までできていなかったりと悪いところも結構多かったので、あしたはそこを直してきちんとやりたいです。

――ご自身は1Qで2つのファウルをしてしまいましたね

やっぱり退場してしまったらだめなので、そこはそのあと意識していました。

――第3Q、逆転を許してしまった原因は何でしょう

相手を勢いづかせてしまったことだと思います。あと、最後まできちんとシュートチェックにいけなかったことも大きいと思います。

――あした勝つためのポイントと意気込みをお願いします

相手を勢いづかせないことですね。あしたで入れ替え戦を終わらせます。

G木澤義椰(人2=京都・洛南)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

出だしがあんまり良くなくて相手に合わせた感じだったんですけど、2ピリで流れを変えてスピーディな展開になって良い方向に持っていくことができて。でも3ピリの出だしでまた相手のペースに持ってかれて、やっぱり出だしが重要だと感じたんで、そこを意識してやればあしたも勝てると思うんでそこをしっかりできたらなと思いました。

――きょねんと同じ国士館大との入れ替え戦になりましたが意識することはありましたか

あんまり意識はしないですけど、向こうからしたらきょねん負けた悔しさってのがあると思うので、絶対に負けないっていう気持ちで戦いを挑みに来た思うんですけど、絶対に2部には行きたくない、1部でプレーしたいっていう気持ちのぶつかり合いで結果競った試合になったのかなと思います。

――どのような気持ちでコートに入りましたか

もともとシーズン始まってから交代で出ているので、どうやって流れを変えられるかというのを自分の中で意識していて変えられなかったら自分の責任だと思って試合に臨んでいるんですけど、きょうは2ピリで流れを変えられたと思います。

――重要な場面でフリースローもしっかり決めました

4点離れていたんで、全然意識せずに決められました。

――あしたはどのような試合をしたいですか

結果6点差っていう競った試合で相手も絶対まだできると思っているはずなので、たぶん出だしから来ると思うからそこをどう抑えてワセダのバスケットをしていくかだと思います。自分は出たら絶対に流れを変えるってことを意識していきます。

――あしたへの意気込みをお願いします

あしたで終わらせたいので絶対に勝ちます。

G河合祥樹(スポ1=京都・洛南)

――きょうの入れ替え戦は、どんな気持ちで臨みましたか

この入れ替え戦が決まってから国士舘大という相手に当たることはわかっていたので、国士舘大対策として万全の状態だったと思うので。入りの気持ちは、練習通りやれば、という気持ちでやりました。

――対策というのはどんなことをされたのですか

キーになる選手へのディフェンスの付き方とか、あと相手のフォーメーションがどんなことをやっているかとか、僕たちがどんなディフェンスをしたらいいのかとか。そういうことを対策として練習しました。

――第2Qに流れを掴んで点差を開きましたが、その原因は

相手のやりたい攻めをちゃんとやらせないということをディフェンスで徹底して。あと全員がリバウンドを取りに行って、最後ま走り切れたということが、第2Qの良かったところかなと思います。

――国士舘大のどんなところに苦しめられましたか

やることは分かっていたのですけど、試合の流れの中で勢いというものが。国士舘大は本当に流れに乗ったときの勢いが強かったので。それには僕も引いてしまったというか、強い気持ちでいられなかったところがあるので、そこがやっぱり国士舘大の強みかなと思いました。

――きょうの試合で、河合選手の個人的に良かったところと悪かったところは

個人的にはディフェンスはしっかりできたと思うんですけど。あとは得点とか。フリースローは落としちゃったんですけど、でもちゃんと落ち着くところは落ち着かせてゲームコントロールできたと思います。途中で周りが見えなくなったというか、追い上げられて点数が逆転されたときに、一点しか見えていないと言うか。本当はもっと広くを見て色んな選手にパスを出して強い気持ちでやってかなきゃならないんですけど。そういう時に1人の選手にだけパスを出してしまったと言うか、視野が狭くなってしまったことが、まだまだだと思います。

――あしたに向けての意気込みをお願いします

あしたはきょう以上にもっと国士舘大が嫌がるようなディフェンスをして、そこから走ってブレイクを出すという早大の基本的なスタイルを出して、勝ちたいと思います。