中大相手に再戦を制し、待望の白星

男子バスケットボール

 前週の白鴎大との試合を落とし、2部との入れ替え戦が確定となった早大。ここまで2勝14敗と、苦しい戦いを続けてきた。この日対戦した中大は、1巡目で唯一早大が勝ち星を獲得した相手だ。負ければ1部リーグ最下位に転落する、双方にとってまさに背水の陣となる一戦。序盤こそ相手に押される展開となったが、第1クオーター(Q)中盤のタイムアウト以降、流れは早大に傾く。リバウンドをしっかりと取り、そこから速攻へつなげる場面が多くみられた。第4QにはF山本純平(スポ2=福岡第一)が豪快なダンクシュートを決め、試合を決定づける。F河上宗平主将(人4=京都・洛南)が「(練習でやってきたことを)結果で出せたのは大きな成果」と語るように、練習で積み重ねた実力を発揮し、91-69で圧巻の勝利を収めた。

速攻からレイアップシュートを決める池田

 第1Qの出だしは両校ともに点の取り合いとなった。しかし早大は立ち上がりディフェンスの甘さが目立ち、6分間で10-16と中大にリードを許す。ここで早大はタイムアウトを取り、自分たちのバスケットを再確認した。山本は、「倉石さん(平監督、昭54教卒=東京・早実)からいつも通りやれと言われて、皆が意識を切り替えることができました」と振り返る。自分たちのスタイルを取り戻し、早大はその後の流れを引き寄せる。相手を押さえた確実なリバウンドから速攻が出るなど得点を重ね、23-22と逆転に成功する。第2QではG池田慶次郎(社2=東京・京北)が、相手のファウルを誘った直後にスリーポイントシュートを沈めるなど闘志あふれるプレーを見せた。中大のタイムアウト後も集中を切らすことなく、47-35で前半を折り返す。

 後半も早大の勢いは止まらない。山本のスリーポイントシュートで先制すると、積極的に走る速攻が連続で決まった。さらに後半はディフェンスも改善され、前半に苦しめられた相手のオフェンスリバウンドも確保できるようになる。センターポジションの選手を置かない布陣で臨んだが、早大フォワード陣はボールが落ちてから取ることを徹底した。その結果、早大はいいリバウンドから多くの速攻が生まれるという好循環を作り出す。第4Qには池田のディフェンスからボールを奪い、一気にカウンターを仕掛けて、山本がダンクシュートを決めるフィニッシュで会場を沸かせた。早大は最後まで中大に背中を捕えられることのないまま91-69で試合を終えた。

ダンクシュートを決めた山本

 不調が目立ったリーグ戦において、今回の試合は貴重な一勝となる。走ることを徹底した練習の成果が本番に表れたことは、選手にとって自信に繋がるだろう。いい流れのまま2部との入れ替え戦に突入するために、次の明大戦でリベンジを果たしたい。

(記事 丸山美帆、写真 岩本剛志)

結果

○早大91-69中大

第89回関東大学リーグ戦10月19日(vs中大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

23 24 23 21 91
中大 22 13 20 14 69
◇早大スターティングメンバー
G#34 池田慶次郎(社2=東京・京北)
G#11 河合祥樹(スポ1=京都・洛南)
F#21 河上宗平主将(人4=京都・洛南)
F#15 木村晃大(スポ3=京都・洛南)
C#16 山本純平(スポ2=福岡第一)
◇主なスコアリーダー
得点    河上宗平、池田慶次郎:22得点
リバウンド 河上宗平、山本純平:9リバウンド
アシスト  池田慶次郎、河合祥樹:6アシスト
コメント

F河上宗平主将(人4=京都・洛南)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

練習からすごいいい雰囲気でできていたので、そのまま試合で出せたと思います。今練習では走ることしかやっていないんですが、トランジションで得点を取るというのが目標だったのでそれが結果で出せたのは一つ大きな成果だったと思います。でも、ディフェンスが緩かったのは課題です。

――いつもに比べ速攻も多かったと思うのですが、フィジカル的にもハードだったのではないでしょうか

正直しんどかったですけど、僕らはバカになってやるしかないってみんなに言っていて、後半はディフェンスからブレイクが出たからああやって離すことができたと思います。体力的にはきつかったですけど、僕たちはハードワークしないとダメだなと思っています。

――きょうはセンターポジションがいない中での試合でしたが、影響はありましたか

相手もそんなにでかい選手がいなくて1人いましたが、そんなにガツガツくるタイプではなかったので。前半は相手のオフェンスリバウンドに苦しめられたイメージなんですけど、そこをしっかり抑えようという話をして、後半からは言われたことを徹底できたからきょうの点差に繋がったのかなと思います。

――個々が自分の仕事をできていたのではないでしょうか

そうですね。みんながみんな自分の役割を理解して、いい試合ができたと思います。

――あしたの最終戦への意気込みをお願いします

明大は勢いもありますし強いと思うんですけど、僕らはさっきも言ったとおりバカになってハードワークしてトランジションでブレイクを出すことができれば、いい勝負ができると思うのでしんどい戦いになると思いますけど、また一から頑張っていきたいと思います。

G池田慶次郎(社2=東京・京北)

――きょうの対戦相手は最下位の中大でしたが、91ー69で勝利しました。全体的に振り返っていかがですか

試合前に倉石さん(平監督、昭54教卒=東京・早実)の指示があったんですけど、その指示を1ピリオド徹底出来なくて失点が多くて、勝てはしましたけど見直す点はたくさんあった試合だと思います。

――第1Qはチームとしては低調でしたが、池田選手自身は積極的に仕掛けるプレーが目立っていました。それは意識してのものでしたか

意識はしてなかったですけど、なんかいけました(笑)。きょうドライブが結構出来ていて、自分が仕掛ければ相手のファウルが混んだりとかその次の展開につながるので、オフェンスの起点としてドライブは意識しました。

――第2Q以降はチームとして復調し、相手との点差を広げることが出来ましたが、その展開はいかがでしたか

チーム全体としてディフェンスの意識だったり、オフェンスのやることというのが固まって、その結果がきょうの勝利に繋がったのかなと思います。

――チームとして速攻の形が多かったですが、いかがでしたか

早大はディフェンスを頑張ってターンオーバーしたら速攻というのがチームの一つの武器なので、それを徹底して速攻出来たというのは早大の流れだったのかなと思います。

――固定のセンターがいないメンバーでしたが、リバウンドの意識はどういったものだったのでしょうか

自分たちは背が小さい分、スクリーンアウトを徹底して皆でボールを取りに行くという意識で。センターがいないからというのは言い訳にならないので、皆で頑張ってリバウンドを取りました。

――あしたは最終戦の明大戦です。それに向けて

入れ替え戦が決まって、負けて終わるより勝って終わる方がチームの雰囲気も良く入れ替え戦に臨めると思うので、全力で皆で頑張って勝ちにいきたいです。

F山本純平(スポ2=福岡第一)

――第1Qの立ち上がりで相手に押されていましたが、タイムアウト後に立て直されていました。タイムアウトでどのような変化があったのですか

タイムアウトで、倉石さん(平監督、昭54教卒=東京・早実)からいつも通りやれと言われて、皆が意識を切り替えることができました。

――きょうはセンターの選手がいらっしゃらない試合でしたが、リバウンドではどのようなことを意識されましたか

相手に大きい選手が1人いました。そのため、なるべくボックスアウトを強くして、ボールが下に落ちてから拾うことを意識しました。これはディフェンスもオフェンスも同じです。

――久々の勝ち星となりましたが、この試合で実現できたことは何ですか

オフェンス面でも、練習してきたことが結果に出ていたと思います。

――あしたの明大戦、さらに入れ替え戦へ向けて取り組んでいきたいことは何ですか

入れ替え戦である国士大との試合に向けて、チームとして勢いにのれるように頑張っていきたいと思います。

――あしたの最終戦へ向けて一言お願いします

練習してきたことを出せるように頑張ります。