エースが奮闘するも、チームは逆転負け

男子バスケットボール

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)も終盤に差し掛かろうとしている中で、いまだ1勝と調子をつかめないでいる早大。この日は前回の試合、40点差で負けている拓大と対戦した。試合序盤から早大らしいディフェンスからのブレイクという形が多く見られ、第3クォーター(Q)中盤には最大9点のリードを奪う。しかし相手のインサイドに攻守にわたり苦しめられ、Q終盤に連続失点で逆転を許しそのまま点差を詰めることができず惜敗した。

ゲームハイの28得点をマークした河上

 開始早々にエースF河上宗平主将(人4=京都・洛南)のレイアップで先制すると、第1Qから本来の持ち味であるディフェンスが機能する。時折ゾーンディフェンスを織り交ぜながら相手のミスを誘い、そこからの速攻でリズムをつかむ。第2Qに入ってもF木村晃大(スポ3=京都・洛南)の速攻を皮切りに、連続して速攻で得点すると試合は一進一退の攻防に。第2Q中盤からは河上がポストアップを起点として、積極的に得点を重ねていき同点のまま前半を終了する。

 第3Qが開始すると早大は果敢にインサイドへアタックして得点していき、C二宮弘憲(スポ4=福岡大大濠)のゴール下のシュートなどで9点をリードする展開に。しかし「乗り切らなきゃいけないところでミスが出た」と木村が語る通り、ここからミスを連発し一気に12点を連取されて逆転を許してしまう。第4Qに入ると相手のセネガル人センターが攻守にわたり立ちはだかる。なんとか流れを取り戻したい早大は河上のスリーポイントシュートで勢いづくと思われたが、相手の高さのあるインサイドを止めることができずに流れを取り戻せない。試合はそのまま点差を縮められず惜しくも6点差で敗れた。

河上とともにチームを引っ張る木村

 リーグ戦ここまで1勝という早大だが、この試合では選手が何度も口にするディフェンスからのブレイクといった早大らしい形が何度もあった。さらにリーグ戦序盤は不調でスタメンから外されるなど、ここまで苦しんでいた河上がこの試合では28得点をマーク。これまでの試合とは異なり、積極的にシュートを打っていく場面が多く見られた。本来のスタイルが出てきていることやエースの復調と好材料はそろっている。次戦は大東大戦。前回31点差で敗れている相手だけに雪辱を果たして、なんとか勝利をつかみ取りたい。

(記事 東哲也、写真 岩本剛志)

結果

●早大67-73拓大

第89回関東大学リーグ戦9月22日(vs拓大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

13 23 15 16 67

拓大

17 19 18 19 73
◇早大スターティングメンバー
G#11河合祥樹(スポ1=京都・洛南)
G#2 木澤義椰(人2=京都・洛南)
F#21河上宗平主将(人4=京都・洛南)
F#15木村晃大(スポ3=京都・洛南)
C#4二宮弘憲(スポ4=福岡大大濠)
◇主なスコアリーダー
得点    河上宗平:28得点
リバウンド 河上宗平:12リバウンド
アシスト  二宮弘憲、木村晃大、木澤義椰:2アシスト
コメント

F河上宗平主将(人4=京都・洛南)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

いつも通りというと言い方が変かもしれないですが、久しぶりの接戦でも勝ち切れないのは、今のチーム状態が良くないからだと思います。勝敗を意識しないで自分たちのバスケをやろうって言って臨んだんですけど、やっぱり競ると勝ちを意識し出して、消極的なプレーが続いて粘り負けしたと思います。

――試合を通じてリバウンドで相手にやられたのではないでしょうか

後半に入って点差が詰まったところで、相手にオフェンスリバウンドを拾われることが多かったと思います。課題を上げるときりがないと思うんですけど、ルーズボールとかにも言えると思うんですけど、気持ちの面で負けていたのかなと思います。

――専大の田代直希選手のシュートがよく入っていましたが、そこに対するデイフェスはいかがでしたか

僕のマッチアップはころころ変わっていて、田代の時は外から打たせないようにしたり、4番ポジションの時はリバウンドを意識したりしていたんですけど、あまりうまくいかなかったと思います。もっと徹底していかないといけないと思います。

――第3Qの後半以降、河合選手(祥樹、スポ1=京都・洛南)のプレーがいいムードをチームにもたらしたと思うのですが、そのいいムードが続かない要因はどこにあるのでしょうか

そうですね。リバウンドが拾えなかったのが大きかったと思います。いいムードの時はリバウンドも取れていてブレイクも走れていたと思うのですが、一つのことがダメになるとそこから崩れてしまうところが僕らの現状だと思います。

――練習から意識していることはありますか

いろいろと試してやっていて、ミーティングの数も増やすようにしています。当たって砕けろじゃないですけど、いろいろやっていても結果がついてこないと言ったところです。

――次戦、拓大戦への意気込みをお願いします

僕らにとってはいつもチャレンジマッチだと思うので、自分たちのいいところを出せるようにして、思い切りよく勝敗よりも早大のバスケットを意識して、そこからいい勝負ができればと思います。

G河合祥樹(スポ1=京都・洛南)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

僕は前半も後半の最初も出ていなくてベンチから見ていたんですけど、これといって良いところもなかったですし、すごい悪いところもなかったと思います。全部相手に合わせていて、試合通してなあなあになっていたと言うか、何をしたいのか分からないまま終わってしまったと思います。

――第3Qの終盤から出てきた時、高い集中力で入れたのではないでしょうか

自分はこの前の試合も出ていなくて、出たいという気持ちは強かったんですけど、準備をしていたかと言うとそうでなかったと思います。なんできょう上手くいったかはよく分からないです。今まで出れなかった分、試合に出たいという気持ちだけで乗り切った感じだと思います。

――今のチーム状況をどのように感じますか

ここまで負けが続くと、負けることに対してあまりショックを感じなくなってきました。監督(倉石平、昭54教卒=東京・早実)からは勝っても負けても課題を持ってやるように言われているのですけど、勝ちたい気持ちがある中にどこかで負けてもいいというような気持ちがチームの中にもあるのかなという雰囲気があるように感じます。勝つためにチームとしてやるべきことをもっとやらないといけないと思います。

――その中で、1年生として意識していることはありますか

プレーは自分のできる事しかできないと思うので、声を出したり自分の仕事と何かしらのプラスでチームを盛り上げられたらいいなと思います。

――次戦に向けての意気込みをお願いします

1巡目の拓大戦で、僕はスタメンとして出してもらったんですけど、結果40点差で負けてしまって、自分の中で何もできなかったという印象があります。自分のやるべき事を見失ってしまっていたので、まずは自分のやるべき事をちゃんと考えてやることと、あとはチームとして徹底するべきところを徹底して、その結果として白星になればいいと思います。