一進一退の攻防 接戦の末に強敵・東洋大に勝利

男子バスケットボール

第100回関東大学リーグ戦 9月3日 神奈川・とどろきアリーナ

 開幕から4試合目を迎えた関東大学リーグ戦(リーグ戦)。開幕3連勝と波に乗る早大は9月3日、東洋大と対戦。元千葉ジェッツ練習生であり、前年リーグ戦で最も多くのスリーポイントを決めたG佐藤星来を擁する強敵相手に熱戦が予想された。試合は序盤から拮抗(きっこう)した展開。34-32で前半を折り返す。第3Q(クオーター)開始直後にランを作り14点差とするが、その後相手の反撃を受け、リードは4点にまで縮まる。しかしなんとか逃げ切り試合終了。77-68の辛勝であった。

 第1Q、早大はC初宮嘉一(スポ3=東京・頴明館)の積極的なディフェンスにより相手エースの佐藤を苦しめる。しかしオフェンスに苦戦しリードを広げられない。苦しい時間帯のオフェンスをけん引したのはF三浦健一(スポ2=京都・洛南)。ボールの展開が少ない中でも得点を重ね、2点リードの16-14で第1Qを終える。続く第2Q、東洋大のドライブを多用するオフェンスを止められず逆転を許す。早大はフィールドゴールが中々決まらない中、F堀陽稀(スポ3=京都・東山)やG下山瑛司(スポ2=愛知・中部第一)が相手のファウルを引き出しフリースローを獲得する。再度わずかなリードを保つ中、G高田和幸(商3=京都・洛南)がこの日チームで初めてとなるスリーポイントの成功。このまま早大が流れに乗れるかと思われたが、東洋大の佐藤がブザービータースリーポイントを決め、34-32の2点リードで前半を折り返した。

自陣に戻る初宮。献身的なディフェンスでチームを支えた

 第3Q、開始早々の初宮のプットバックから早大に流れが傾いていく。堀のドライブや、この2日間絶好調のG岩屋頼(スポ3=京都・洛南)の連続スリーで12-0のランを作り、この試合最大となる14点差をつけた。しかし東洋大相手となると一筋縄ではいかない。早大は三浦が得点を重ねるものの、東洋大の佐藤とマトゥンガマイクの個人技に苦しめられ、9点差で最終第4Qを迎える。勝負の10分間は試練の時間から始まった。約4分間フィールドゴールが生まれず、4点差まで縮められてしまう。更に堀が4ファウルとなる苦しい展開に。不穏な空気が流れる中、流れを変えたのは岩屋の値千金のスティールであった。そのまま三浦が速攻を完結させ、その後も堀、初宮がバスケットカウントを獲得し点差を広げた。勝利を確実なものにしたと思われたが、東洋大は最後までくらいつく。残り1分で佐藤がタフショットを含む3本ものスリーポイントを決める脅威的な活躍を見せて点差を縮める。しかしファウルゲームの中、三浦、堀、岩屋がしっかりフリースローを決め切り77-68で早大が逃げ切った。

ゴール下でシュートを決める三浦

 序盤の大一番を制した早大。接戦を勝ちきった好ゲームであったが課題も見つかる試合であった。ベンチポイントはわずか3点。ベンチメンバーの総出場時間も約27分とかなり短く、堀を筆頭としたファウルトラブルを招く原因となった。長いリーグ戦は未だに序盤。ベンチメンバーが経験を積める試合も多い中で、ニューヒーローの出現を期待したい。次戦の相手は昨年2部リーグ3位の駒澤大学。開幕4戦を終えた時点で、リーグ戦得点ランキングの8位に輝くF斎藤雄都には要警戒である。共に上位を争うであろう強敵が続くが、早大・BIG BEARSは止まらない。

(記事 石澤直幸 写真 三浦佑亮)

第100回関東大学リーグ戦 9月3日 (VS東洋大)

1Q2Q3Q4Q合計
早大1618222177
東洋大1418152168

◇早大スターティングメンバー◇

G#0 下山瑛司(スポ2=愛知・中部第一)

G#5 堀陽稀(スポ3=京都・東山)

F#6 三浦健一(スポ2=京都・洛南)

C#11 初宮嘉一(スポ3=東京・頴明館)

G#18 岩屋頼(スポ3=京都・洛南)

コメント

三浦健一(スポ2=京都・洛南)

ーー試合を振り返って
  ずっと自分たちがリードしていたので、焦らず自分たちの展開でゲームを進めようという話をしていました。前半に流れが悪くなり相手のペースに合わせてしまったところもありましたが、後半は一気に点差が開いたシーンもあって、粘り強くやることが大事だなと思いました。

ーーチームが苦しい時間帯にオフェンスをけん引していました
 今シーズンの役割として去年と違ったところが求められているというのは自覚しています。チームがバランス良く攻めるためにも(ボールを)回すところは回して、ディフェンスとかインサイドのリバウンドで体を張るところが成果として出たので良かったです。

ーー留学生を相手にしながらも体を張ってディフェンスしていました
  ウェイトの成果が出たのかなと思います。練習中から激しいコンタクトでやるように皆も意識しています。最近はどこのチームも留学生が多いので、ウェイトで重量を上げて皆でフィジカルアップした成果かなと思います。

ーー次戦への意気込みをお願いします
  次も2連戦であんまり時間がありませんが、しっかりとやることをやって、相手のスカウティングもしっかりして、勝ち星をどんどんつなげていけるように頑張りたいと思います。

初宮嘉一(スポ3=東京・頴明館)

ーー試合を振り返って
 自分がやるべきことをやって、勝てたので良かったです。

ーーハードショウなど相手ハンドラーを苦しめる素晴らしいディフェンスでした
  相手の5番(佐藤星来)も結構注意していたので、そこを止められたのが良かったです。

ーークラッチタイムに大きなバスケットカウントを決めました
  頼のアシストを消したのは申し訳なかったんですけど、リバウンドが取れたので良かったです。めっちゃ嬉しかったです。

ーー次戦への意気込みをお願いします
  全勝で1部に行きたいので次の次の次も勝ち切って、1部昇格に勢いをつけたいと思います。