歓声とどろく代々木第二体育館で男女ともに早慶戦を制す

バスケットボール

第81回早慶定期戦 6月24日 東京・国立代々木競技場第二体育館

 3年ぶりに有観客で開催された昨年に引き続き、今年も代々木第二体育館で早慶定期戦(早慶戦)が開催され、多くの観客が詰めかけた。開会式の後、先に行われたのは女子戦。試合開始直後にG中山桂(スポ4=愛知・桜花学園)が先制すると、会場から大きな歓声が上がる。序盤から早大が大量リードに成功し、ベンチメンバーも投入しながら危なげなく試合を進める。最終的に96-38と大差をつけて早大が完勝した。満員の代々木第二体育館が歓声に揺れる中、次に男子戦が開始。F星川堅信(スポ4=京都・洛南)が立て続けに得点し、早大が先行するも慶大も譲らず前半は一進一退の戦いに。後半、早大がスリーポイントを続けて決めて一歩リードする。その後も攻撃の手を緩めず、粘り強く戦った早大が83-68で勝利を飾り、男女ともに早大が伝統の早慶戦で優勝を手にした。

 先に行われた女子戦。ティップオフ直後、中山が速攻を仕掛けて早大が先制。さらに早大が続けて得点し、一気に差を広げていく。第1クオーター(Q)は慶大の得点をわずか2点に抑えた。第2Q、G池田朱李(スポ1=埼玉・久喜)の鮮やかなアシストや中山の連続スリーポイントで早大はさらに勢いをつけていく。44-10と30点差以上をつけて後半へ。後半に入っても早大は攻撃の手を抜かない。F菊地 実蘭(スポ1=愛知・桜花学園)の3連続バスケットカウントに早大ベンチも会場も盛り上がりを見せる。大きくリードしたまま最終第4Qへ。メンバーチェンジした2年生の選手たちが躍動し、さらに点差をつけていく。最終的に96-38で早大が完勝を収めた。

スリーポイントを打つ中山

ボールを運ぶ池田

 会場のほとんどの座席が埋まり、大歓声の中始まった男子戦。星川が先制点を奪い、さらにスリーポイントを続けて決める。早大がリードする展開になるかと思われたが、慶大も確率良くシュートを決めて食い下がる。18-17とわずか1点差で第2Qへ。慶大に連続得点を許し、逆転されるが、G城戸賢心(スポ1=福岡第一)のシュートで同点に戻す。さらにF三浦健一(スポ1=京都・洛南)が3連続スリーポイントを沈めると流れがわずかに早大に傾く。しかし第2Q終盤で慶大が意地のバスケットカウントを取り、37-35で試合を折り返した。後半開始直後、三浦、G下山瑛司(スポ1=愛知・中部第一)の1年生コンビがスリーポイントを量産して点差を離す。慶大も粘るが、第3Qの最後に下山がブザービーターを沈めて確実に早大が流れをつかむ。引き続き早大のペースで試合が進む第4Q、残り2分を切ったところでF細溪宙大主将(教4=東京・早実)がコートイン。チームメイトの期待を一身に背負いながらスリーポイントを決め切る。83-68で試合終了し、女子戦に続いて男子戦も早大が勝利を手にした。

ボールを保持する星川

スリーポイントを打つ細溪

 見事男女ともに優勝を果たした今回の早慶戦。細溪主将は「最高の体育館、満員の観客、さらには4連覇までできて、最高の早慶戦でした」と振り返る。全身全霊で戦う両校の選手たちの姿に観客の心が動かされたとともに、会場が揺れるほどの大歓声は選手たちの心をさらに熱くしたに違いない。次に待っているのは関東大学リーグ戦。まだ耳に残る声援を糧に、早大バスケ部は成長し続ける。

(記事 権藤彩乃、写真 濵嶋彩加、梶谷里桜、荒井理沙)

早慶定期戦 女子戦 6月24日(vs慶大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

24 20 27 25 96
慶大 20 38

◇早大スターティングメンバー◇
G#3 フェスタ―ガードヤヤ(スポ4=宮崎・小林)

G#13 山宮好葉(スポ1=東京成徳大高)

G#21 中山桂(スポ4=愛知・桜花学園)

Ⅽ#22 中野雛菜(スポ3=神奈川・東海大相模)

F#32 江頭璃梨(スポ3=宮崎・小林)
早慶定期戦 男子戦 6月24日(vs慶大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

18 19 23 23 83
慶大 17 18 17 16 68

◇早大スターティングメンバー◇
G#4 城戸賢心(スポ1=福岡第一)

F#6 三浦健一(スポ1=京都・洛南)

F#13 星川堅信(スポ4=京都・洛南)

G#18 岩屋頼(スポ2=京都・洛南)

F#77 石坂悠月(スポ3=東京・国学院久我山)
コメント

G山宮好葉(スポ1=東京成徳大高)

――はじめに、試合全体を振り返っていかがですか

 前半の第1Qから早稲田らしくみんなで盛り上がって、走るバスケができていたので、すごく良かったと思います。

――初めての早慶戦でスタートからの出場となりましたが、それについてはいかがでしたか

 自分がまさか出ると思っていなかったのでびっくりしたんですけど、出るからにはしっかりみんなの思いを背負って、自分の持ち味であるディフェンスからハードににやろうと思って試合に入りました。

――緊張しましたか

 あんまりしなかったです。

――試合の展開的にはずっと早稲田がリードしていたと思いますが、どんな気持ちで試合中戦っていましたか

 慶応さんも気を抜いたらどんどん畳み掛けてくると思っていたので、そこはコンスタントに点を取り続けられるように自分がコントロールしてやろうと考えていました。

――会場の雰囲気とか応援はいかがでしたか

 早慶戦以外ではこんなに観客が入る試合はなかなかないので、この空気にのまれずに、でもこの空気感を楽しんでやろうと思いました。

――今後に向けた意気込み

 1番近いのはリーグ戦なので、そのリーグ戦に向けて、まだチームの課題もたくさんあるので、そこはリーグ戦までの期間に詰めていって、いい状態でリーグ戦を迎えられるように頑張ります。

中山桂(スポ4=愛知・桜花学園)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 全員が出場することが出来て本当に良かったし、みんなが楽しめたかなと思います。

――開始直後、先制点を取られていましたが、ファーストシュートは狙っていましたか

 正直言うと狙ってました(笑)。空いたら取ろうかなという気持ちがあって、ちょうど自分のところにボールが回ってきて、ノーマークで打つことが出来ると思ったので、これはチャンスだと思って行きました。

――スリーポイントも何本か決められていましたが、ご自身のプレーの調子はいかがですか

 教育実習期間中で、今は急遽戻ってきている状況なのですが、その中でも、自分はスリーポイントがチームの中で役割だと思っていたので、シュートタッチは忘れないように、教育実習先でも打ち込んでいたので、それだけは頑張ろうと心に決めていたことをしっかり出来て、良かったと思います。

――応援は力になっていましたか

 ものすごく大きな力になっていました。去年の早慶戦を経験して、このように盛り上がるのは分かっていたので、その中でもっと楽しもうと思っていましたし、やはり様々なところから、OBOGを始めとして、色々な方が応援に来てくださったので、伝統ある一戦を経験して、本当に早稲田にいて良かったなと思いました。

――今後の意気込みをお願いします

 トーナメント戦では不甲斐ない結果になってしまったので、その結果を払拭できるように、今後、リーグとインカレに向けて、早稲田として唯一無二のチームを作っていきたいと思います。

F細溪宙大主将(教4=東京・早実)

――最後の早慶戦でしたが、試合を振り返っていかがですか

最高の体育館、満員の観客、さらには4連覇までできて、最高の早慶戦でした。

――大きな歓声が響いていましたが、どう感じていましたか

たとえインカレ決勝でも味わえないような応援の力を強く感じました。

――前半は拮抗しましたが、主将として何か声をかけていましたか

いつも通りのやるべきことをやろう、と声かけていました。

――最後、スリーポイントを決め切りましたが、そのときの心境は

喜びと安心でした。会場全体からの期待を感じていたので決められて本当に良かったです。

――今後の意気込みをお願いします

あと半年ほどの部活動を走り切ります!

F星川堅信(スポ4=京都・洛南)

――最後の早慶戦でしたが、試合を振り返っていかがですか

僕個人として1、2、3年生までは先輩たちに勝たせてもらっていた早慶戦だったので、4年生としてコートに立つことができて、そして勝つことができて嬉しいです。ほっとしています。

――大きな歓声が響いていましたが、どう感じていましたか

試合中はあまり歓声は気になりません。ですが、初めてバスケを観る友人も応援に駆けつけてくれていましたし、彼らにもバスケの面白さを伝えられたと思います。

――先制点を決め、さらにスリーポイントを続けて決めましたがそのときの心境は

「良い感じだ」と思っていました。

――前半は拮抗しましたが、ハーフタイムに話したことはありますか

特にありませんが、ハーフタイムに倉石さん(倉石平ヘッドコーチ、昭54卒)から「自分たちのバスケットをしよう」という話をされ、後半の僕らはその指示を体現できたように感じています。

――今後の意気込みをお願いします

徐々に、しかし着々と成長できるように、頑張ります。